2014/03/17(月) - 13:09
フィニッシュまで距離を残して攻撃を仕掛け、最大勾配が30%に達する「ムーロ・ディ・グアルディアレーレ」を先頭で駆け上がったアルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)が勝利。ステージ2連勝で、総合首位に立った。
開幕前から話題を振りまいていたティレーノ〜アドリアティコの目玉ステージがやってきた。注目はゴール29km手前のランチャーノ峠ではなく、残り1.4kmから始まる長さ610mの「ムーロ・ディ・グアルディアグレーレ」だ。平均勾配22.2%・最大勾配30%という正真正銘の「壁」を越え、さらに12%の短い登りを経てようやくフィニッシュする。
予測不可能な破壊力を秘めた「壁」に向かうこの日、体調不良により総合4位のリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)がスタートせず。アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)やヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、トレックファクトリーレーシング)ら8名がレース序盤から逃げた。
タイム差は最大11分まで広がったものの、モビスターの集団コントロールによってGPMランチャーノ峠に差し掛かる頃には5分に。コンスタントに9%オーバーを刻む長い登りで、先頭はサイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)とベンジャミン・キング(アメリカ、ガーミン・シャープ)、ダビ・デラクルス(スペイン、ネットアップ・エンデューラ)に絞られる。
メイン集団はモビスターやティンコフ・サクソに率いられる形でGPMランチャーノ峠へ。するとコンタドールとナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)の2人がアタックを仕掛け、マリアアッズーラを着るミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)を苦しめる。コンタドールとキンタナは一旦ペースを緩めて集団に戻ったが、クヴィアトコウスキーの苦戦は明白だった。
ランチャーノ峠頂上が近づくとミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)が加速し、ここにコンタドールが反応。そのまま踏み続けたコンタドールが単独で先頭追撃体制に入った。
先頭でランチャーノ峠をクリアしたキング、デラクルス、ゲシュケを単独で追いかけるコンタドール。下りでハンセンに追いついたコンタドールは、ゴールまで9kmを残して先頭のキングとゲシュケに合流する(デラクルスは脱落)。後続を2分近く引き離したまま「ムーロ・ディ・グアルディアグレーレ」の激坂バトルが始まった。
緩斜面で先に仕掛けたキングに、激坂区間でコンタドールとゲシュケが追いつく。コンタドールが「信じられない登りだった。あんなに厳しい登りは今までに見たことがない」と振り返るほどの登りが、丘の斜面を一直線に貫く。ジグザグ蛇行しながら、先頭3名が平均勾配22.5%の登りを進んだ。
やがて、食らいつくゲシュケを、ダンシングで身をよじりながら引き離したコンタドールが先行。短い平坦区間と残り400mから始まる12%の登りでもリードを失わず、コンタドールが先頭でフィニッシュした。
激坂により粉砕されたメイン集団は1分以上遅れてフィニッシュ。クヴィアトコウスキーは6分以上遅れたため、マリアアッズーラはコンタドールの手に渡った。第5ステージを終えて、コンタドールがキンタナに対して2分08秒リードで総合首位に立っている。
「キャリア最高の勝利の一つだと思う。一生忘れない特別な思い出になるよ」と、早めのアタックで2連勝を飾ったコンタドールは語る。「(ランチャーノ峠でのアタックは)リスキーだと分かっていた。でもどうしても勝利を掴みたかったので賭けに出たんだ」。
2ステージを残して大きな総合リードを得ている昨年大会総合3位のコンタドール。昨シーズン1勝に終わったコンタドールが早くもシーズン3勝目。初めてのティレーノ〜アドリアティコ制覇が見えてきた。
GPMランチャーノ峠でメイン集団から脱落し、26分32秒遅れで「壁」を登り終えた新城幸也(ユーロップカー)「昨日よりは体調も良くなってきている。自分の体と相談しながら様子を見ている状態だから今は無理をする時ではないので焦りもない。今後のレースを見据えて走る」とコメントしている。
選手コメントはレース公式リリースならびにTeamユキヤ通信より。
ティレーノ〜アドリアティコ2014第5ステージ結果
個人総合成績
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
開幕前から話題を振りまいていたティレーノ〜アドリアティコの目玉ステージがやってきた。注目はゴール29km手前のランチャーノ峠ではなく、残り1.4kmから始まる長さ610mの「ムーロ・ディ・グアルディアグレーレ」だ。平均勾配22.2%・最大勾配30%という正真正銘の「壁」を越え、さらに12%の短い登りを経てようやくフィニッシュする。
予測不可能な破壊力を秘めた「壁」に向かうこの日、体調不良により総合4位のリッチー・ポート(オーストラリア、チームスカイ)がスタートせず。アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)やヤロスラフ・ポポヴィッチ(ウクライナ、トレックファクトリーレーシング)ら8名がレース序盤から逃げた。
タイム差は最大11分まで広がったものの、モビスターの集団コントロールによってGPMランチャーノ峠に差し掛かる頃には5分に。コンスタントに9%オーバーを刻む長い登りで、先頭はサイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)とベンジャミン・キング(アメリカ、ガーミン・シャープ)、ダビ・デラクルス(スペイン、ネットアップ・エンデューラ)に絞られる。
メイン集団はモビスターやティンコフ・サクソに率いられる形でGPMランチャーノ峠へ。するとコンタドールとナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)の2人がアタックを仕掛け、マリアアッズーラを着るミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)を苦しめる。コンタドールとキンタナは一旦ペースを緩めて集団に戻ったが、クヴィアトコウスキーの苦戦は明白だった。
ランチャーノ峠頂上が近づくとミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)が加速し、ここにコンタドールが反応。そのまま踏み続けたコンタドールが単独で先頭追撃体制に入った。
先頭でランチャーノ峠をクリアしたキング、デラクルス、ゲシュケを単独で追いかけるコンタドール。下りでハンセンに追いついたコンタドールは、ゴールまで9kmを残して先頭のキングとゲシュケに合流する(デラクルスは脱落)。後続を2分近く引き離したまま「ムーロ・ディ・グアルディアグレーレ」の激坂バトルが始まった。
緩斜面で先に仕掛けたキングに、激坂区間でコンタドールとゲシュケが追いつく。コンタドールが「信じられない登りだった。あんなに厳しい登りは今までに見たことがない」と振り返るほどの登りが、丘の斜面を一直線に貫く。ジグザグ蛇行しながら、先頭3名が平均勾配22.5%の登りを進んだ。
やがて、食らいつくゲシュケを、ダンシングで身をよじりながら引き離したコンタドールが先行。短い平坦区間と残り400mから始まる12%の登りでもリードを失わず、コンタドールが先頭でフィニッシュした。
激坂により粉砕されたメイン集団は1分以上遅れてフィニッシュ。クヴィアトコウスキーは6分以上遅れたため、マリアアッズーラはコンタドールの手に渡った。第5ステージを終えて、コンタドールがキンタナに対して2分08秒リードで総合首位に立っている。
「キャリア最高の勝利の一つだと思う。一生忘れない特別な思い出になるよ」と、早めのアタックで2連勝を飾ったコンタドールは語る。「(ランチャーノ峠でのアタックは)リスキーだと分かっていた。でもどうしても勝利を掴みたかったので賭けに出たんだ」。
2ステージを残して大きな総合リードを得ている昨年大会総合3位のコンタドール。昨シーズン1勝に終わったコンタドールが早くもシーズン3勝目。初めてのティレーノ〜アドリアティコ制覇が見えてきた。
GPMランチャーノ峠でメイン集団から脱落し、26分32秒遅れで「壁」を登り終えた新城幸也(ユーロップカー)「昨日よりは体調も良くなってきている。自分の体と相談しながら様子を見ている状態だから今は無理をする時ではないので焦りもない。今後のレースを見据えて走る」とコメントしている。
選手コメントはレース公式リリースならびにTeamユキヤ通信より。
ティレーノ〜アドリアティコ2014第5ステージ結果
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
2位 サイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
3位 ベンジャミン・キング(アメリカ、ガーミン・シャープ)
4位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)
5位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
6位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
7位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
10位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
38位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
148位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 サイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
3位 ベンジャミン・キング(アメリカ、ガーミン・シャープ)
4位 アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・ベリソル)
5位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
6位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
7位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
10位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
38位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
148位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
4h54'42"
+06"
+45"
+1'01"
+1'26"
+1'39"
+1'42"
+6'03"
+26'32"
+06"
+45"
+1'01"
+1'26"
+1'39"
+1'42"
+6'03"
+26'32"
個人総合成績
1位 アルベルト・コンタドール(スペイン、ティンコフ・サクソ)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
4位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
5位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
6位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)
7位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
2位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、ティンコフ・サクソ)
4位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレックファクトリーレーシング)
5位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、AG2Rラモンディアール)
6位 ミケル・ニエベ(スペイン、チームスカイ)
7位 ダニエル・モレーノ(スペイン、カチューシャ)
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
9位 ジャンパオロ・カルーゾ(イタリア、カチューシャ)
10位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、トレックファクトリーレーシング)
21h01'30"
+2'08"
+2'15"
+2'39"
+2'40"
+2'50"
+2'51"
+2'56"
+2'58"
+3'06"
+2'08"
+2'15"
+2'39"
+2'40"
+2'50"
+2'51"
+2'56"
+2'58"
+3'06"
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
Amazon.co.jp