2014/03/15(土) - 17:39
アレッツォの旧市街を駆け上がるゴールスプリント。ティレーノ〜アドリアティコ(UCIワールドツアー)第3ステージで、スプリンターとクライマーがスプリントバトルを繰り広げた。石畳の登りでペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)が勝利している。
カッシーナからアレッツォまで、トスカーナ州を横断する210kmで行なわれた第3ステージ。フィニッシュ地点はダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ・サクソ)の生まれ故郷アレッツォだ。終盤にかけてアレッツォを起点にした大小2つの周回コースを周回。残り1kmから登りが始まり、最大勾配11%/平均勾配5%の石畳を駆け上がってフィニッシュを迎える。
前日に落車したユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)とジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)がこの日はDNS。レース中にダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)やセルヒオ・パルディージャ(スペイン、MTNキュベカ)もバイクを降りた。
レース序盤から逃げたのは5名。前日に引き続きマルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニCSF)が逃げに加わり、山岳賞ジャージのリードを広げるべく山岳ポイントを連取する。これをオメガファーマ・クイックステップ主導の大集団が追う展開に。
アレッツォの周回コースに差し掛かる頃にはランプレ・メリダも集団ローテーションに合流し、タイム差は縮小する。先頭ではビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)が独走に持ち込んだものの、ティンコフ・サクソやトレックファクトリーレーシング率いるメイン集団に残り6kmで吸収された。
ロット・ベリソルやオメガファーマ・クイックステップ、BMCレーシングがトレインを組んでアレッツォの旧市街へ。熾烈なポジション争いを繰り広げながら残り1kmを切り、連続コーナー&登り勾配に差し掛かった。
トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)によるクヴィアトコウスキーのための強力なリードアウトでメイン集団は一列棒状に。残り400mを切ると、先にフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が仕掛けた。
石畳の登りを先頭で突き進むジルベールを、サガンやクヴィアトコウスキーが追撃する。徐々にジルベールが失速するとサガンが先頭に。クヴィアトコウスキーを振り切って、サガンが数メートルのリードで勝利した。
ストラーデビアンケで優勝を争ったクヴィアトコウスキーとサガンが、再びトスカーナの旧市街石畳でバトル。今回はサガンに軍配が上がった。クヴィアトコウスキーは敗れながらもマリアアッズーラ(総合リーダージャージ)を手にしている。
「開幕前から、このステージが完全に自分向きだとチェックしていた」というサガンが今シーズン2勝目。「最後は4〜5名の選手に絞られて、そこからジルベールが早めに仕掛けたんだ。おそらくフィニッシュラインまで350〜400mを残していた。でも彼のアタックのタイミングは早すぎた。結果的に彼のアタックが自分のリードアウトになったので良かったよ」と、落ち着いて掴んだ勝利を振り返る。
クラシックシーズンに向けて良い仕上がりを見せているサガン。やはりイタリア国内で注目が集まるのはミラノ〜サンレモでの走りだ。「調子が上向きであることを確認出来てよかった。目標はミラノ〜サンレモで良い走りをすること。勝っても負けても、全力を出し切りたい。とにかく今はこの勝利で幸せな気持ちに包まれているよ」。
マリアアッズーラをカヴェンディッシュから引き継いだクヴィアトコウスキーは「昨年総合4位だったので、モチベーション高く挑んでいるし、初日から良い走りが出来ている。まだまだ厳しいステージが残っているけど、このポールポジションは何事にも代え難い。昨年の同時期よりも調子は良いよ」と語る。初日のチームTTで得たリードとこの日のボーナスタイムにより、すでにライバルたちから数十秒のリードを得ている。
新城幸也(ユーロップカー)はステージ116位。狙っていたステージで勝負出来なかったことについて「最終周回に入る位置取りができずにそのまま後退してしまった」と悔やむが、同時に「身体も良く動いているし、調子は悪くない!」とも語っている。標高1535mの山頂フィニッシュが設定された第4ステージに向けて「明日の240kmは最後の山岳勝負だろう。自分は逃げてレースを動かしたい」と意気込んでいる。
選手コメントはレース公式リリースならびにTeamユキヤ通信より。
ティレーノ〜アドリアティコ2014第3ステージ結果
個人総合成績
山岳賞
マルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニCSF)
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
ヤングライダー賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
カッシーナからアレッツォまで、トスカーナ州を横断する210kmで行なわれた第3ステージ。フィニッシュ地点はダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ・サクソ)の生まれ故郷アレッツォだ。終盤にかけてアレッツォを起点にした大小2つの周回コースを周回。残り1kmから登りが始まり、最大勾配11%/平均勾配5%の石畳を駆け上がってフィニッシュを迎える。
前日に落車したユルゲン・ファンデンブロック(ベルギー、ロット・ベリソル)とジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、アスタナ)がこの日はDNS。レース中にダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ)やセルヒオ・パルディージャ(スペイン、MTNキュベカ)もバイクを降りた。
レース序盤から逃げたのは5名。前日に引き続きマルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニCSF)が逃げに加わり、山岳賞ジャージのリードを広げるべく山岳ポイントを連取する。これをオメガファーマ・クイックステップ主導の大集団が追う展開に。
アレッツォの周回コースに差し掛かる頃にはランプレ・メリダも集団ローテーションに合流し、タイム差は縮小する。先頭ではビョルン・トゥラウ(ドイツ、ユーロップカー)が独走に持ち込んだものの、ティンコフ・サクソやトレックファクトリーレーシング率いるメイン集団に残り6kmで吸収された。
ロット・ベリソルやオメガファーマ・クイックステップ、BMCレーシングがトレインを組んでアレッツォの旧市街へ。熾烈なポジション争いを繰り広げながら残り1kmを切り、連続コーナー&登り勾配に差し掛かった。
トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)によるクヴィアトコウスキーのための強力なリードアウトでメイン集団は一列棒状に。残り400mを切ると、先にフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)が仕掛けた。
石畳の登りを先頭で突き進むジルベールを、サガンやクヴィアトコウスキーが追撃する。徐々にジルベールが失速するとサガンが先頭に。クヴィアトコウスキーを振り切って、サガンが数メートルのリードで勝利した。
ストラーデビアンケで優勝を争ったクヴィアトコウスキーとサガンが、再びトスカーナの旧市街石畳でバトル。今回はサガンに軍配が上がった。クヴィアトコウスキーは敗れながらもマリアアッズーラ(総合リーダージャージ)を手にしている。
「開幕前から、このステージが完全に自分向きだとチェックしていた」というサガンが今シーズン2勝目。「最後は4〜5名の選手に絞られて、そこからジルベールが早めに仕掛けたんだ。おそらくフィニッシュラインまで350〜400mを残していた。でも彼のアタックのタイミングは早すぎた。結果的に彼のアタックが自分のリードアウトになったので良かったよ」と、落ち着いて掴んだ勝利を振り返る。
クラシックシーズンに向けて良い仕上がりを見せているサガン。やはりイタリア国内で注目が集まるのはミラノ〜サンレモでの走りだ。「調子が上向きであることを確認出来てよかった。目標はミラノ〜サンレモで良い走りをすること。勝っても負けても、全力を出し切りたい。とにかく今はこの勝利で幸せな気持ちに包まれているよ」。
マリアアッズーラをカヴェンディッシュから引き継いだクヴィアトコウスキーは「昨年総合4位だったので、モチベーション高く挑んでいるし、初日から良い走りが出来ている。まだまだ厳しいステージが残っているけど、このポールポジションは何事にも代え難い。昨年の同時期よりも調子は良いよ」と語る。初日のチームTTで得たリードとこの日のボーナスタイムにより、すでにライバルたちから数十秒のリードを得ている。
新城幸也(ユーロップカー)はステージ116位。狙っていたステージで勝負出来なかったことについて「最終周回に入る位置取りができずにそのまま後退してしまった」と悔やむが、同時に「身体も良く動いているし、調子は悪くない!」とも語っている。標高1535mの山頂フィニッシュが設定された第4ステージに向けて「明日の240kmは最後の山岳勝負だろう。自分は逃げてレースを動かしたい」と意気込んでいる。
選手コメントはレース公式リリースならびにTeamユキヤ通信より。
ティレーノ〜アドリアティコ2014第3ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
5位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ・サクソ)
7位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
8位 サイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
9位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
10位 ロイド・モンドリー(フランス、AG2Rラモンディアール)
116位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
2位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 フィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシング)
5位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ・サクソ)
7位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
8位 サイモン・ゲシュケ(ドイツ、ジャイアント・シマノ)
9位 リナルド・ノチェンティーニ(イタリア、AG2Rラモンディアール)
10位 ロイド・モンドリー(フランス、AG2Rラモンディアール)
116位 新城幸也(日本、ユーロップカー)
5h10'17"
+04"
+49"
+04"
+49"
個人総合成績
1位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
7位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
8位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ・サクソ)
9位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)
10位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
2位 リゴベルト・ウラン(コロンビア、オメガファーマ・クイックステップ)
3位 サイモン・クラーク(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)
5位 ダリル・インピー(南アフリカ、オリカ・グリーンエッジ)
6位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
7位 アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)
8位 ダニエーレ・ベンナーティ(イタリア、ティンコフ・サクソ)
9位 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、グリーンエッジ)
10位 キャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
9h26'36"
+10"
+13"
+15"
+17"
+22"
+30"
+31"
+10"
+13"
+15"
+17"
+22"
+30"
+31"
山岳賞
マルコ・カノーラ(イタリア、バルディアーニCSF)
ポイント賞
ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール)
ヤングライダー賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
チーム総合成績
オメガファーマ・クイックステップ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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