2014/03/13(木) - 18:20
イメージカラーをオレンジにチェンジし、前年度から大きくメンバーの入れ替えを図ったCプロジェクト。開幕迫る国内ロードレースを見据えトレーニングを重ねるチームを取材し、佐藤成彦監督や選手たちから話を聞いた。
C PROJECTのメンバー。ここにホセ・ヴェガを加え2014年シーズンを戦う photo:So.Isobe
練習に帯同する佐藤成彦監督 photo:So.Isobe「選手それぞれの拠点が違うと、どうしても足並みが揃わない場面が出てきてしまうんです。今年は勝負の年ですから、やれる事を全てやろうと。それが筑波に合宿センターを構えた理由ですね。」と佐藤成彦監督は、隊列を追う伴走車のハンドルを握りながら話す。
チームジャージはデザインを一新 目立つオレンジ色に変わった photo:So.Isobe今年JBCF登録名を「クロップス・チャンピオンシステム」へと変更したCプロジェクト。今年はフルタイムワーカーである遠藤績穂以外全てのメンバーが茨城県つくば市へと拠点を移し、より「チーム」としての一体感を濃いものとした。チームのイメージカラーもこれまでのグリーンに別れを告げ、眩しいオレンジに変わった。取材を行った当日の、初春の太陽に照らされた隊列は今までよりもひと際目立っている。
3人ずつに分かれてのペース走トレーニングが行われた photo:So.Isobe取材当日、千葉県北部で行われたトレーニングのメニューは、3人ずつに分かれたFTP値での10分走と、実戦形式の模擬レースだった。「基本的なベーストレーニングは終えており、シーズン開幕に向けて徐々にペースを上げている最中」とは佐藤監督。パワートレーニングで用いるのはガーミンのヴェクターで、各選手のパフォーマンスを見定めながら個々に細かい指示が伝えられるという。
現全日本TTチャンピオンである大場政登志 photo:So.Isobeシーズン開幕は、他の多くの国内チームと同じく3月23日に開催されるJBCF宇都宮クリテリウム。エーススプリンターを抱えていないため、積極的に動きレース展開を作っていきたいという狙いがある。チームとして海外レースへの参加は予定せず、あくまで国内レースに的を絞る方針だ。
チームキャプテンを務める山本和弘 photo:So.Isobeその裏にあるのは、チーム創設から変わらない佐藤監督の"若手を育成し、国内のレースを盛り上げたい"という気持ち。
「今、例えばJBCFのエリートツアーでも20代の選手はほとんどおらず、入賞するのは30〜40代の人たちばかり。僕たちのチームが国内で頑張る事で、将来有望な若手選手に魅力を感じてもらいたい。ヨーロッパに活躍の道を見い出すのはもちろん素晴らしいことです。でも、逆にトップチームではない僕らは国内の土壌を育てる責務があると感じていますね。」とは、過去に選手として、そして現ショップオーナー兼チーム監督として、様々な視点で自転車業界に携わってきた氏ならではだろうか。
8名の選手の内、昨年からの継続選手は大場政登志と山本和弘、遠藤績穂の3名のみ。米内蒼馬、大村寛、藤岡克磨、末永周平、ホセ・ヴェガ(ホセは開幕前に合流予定)という5名が1月から加わったメンバーだが、雰囲気は明るい。昨年はずっとフランスで走っていた大村が、若手選手にレクチャーするなど、練習前後のやり取りを見ていてもまとまった印象を受ける。レース現場では佐藤監督が采配を振るう他、日比谷篤史氏がメカニックとして裏からチームを支える。
「自分の経験が少しでも役に立てれば。(大村寛)」 photo:So.Isobeチームの中心となるのは、やはり現全日本ナショナルTTチャンピオンである大場と、MTBからロードに転向して2年目となる山本の2名だ。大場は「今年の全日本は登坂があるので…」と控えめだが、「大場はもの凄いワット数を持っていますから、それを上手くレース結果に結びつけられれば。」と佐藤監督。今後は全日本TTに合わせた調整を行っていく予定だという。
「(目標は)全日本選手権しか無い。優勝しか無いですよ」と意気込みを語るのは体調不良からの回復中のため、別メニューをこなした山本だ。「それ(全日本)しか見ていませんね。シクロクロスシーズンからの切り替えが上手くいったぶん、早く全快したい。」と言う。
また、合宿拠点での生活については「一緒にいるから個々の脚力や走り方も明確に分かるから、レースでは絶対プラスに働きます。練習も集中できているし、その都度皆で話し合いが持てる。練習環境も良いですし、言い訳できない環境があります。あとは結果だけです。」
海外経験豊富な大村は、「(山本)カズさんやバックン(大場)は、力が凄い一方で、少しもったいない所があるように思うんです。だからその力をチームとして結果に繋げていければ。自分の経験が少しでも役に立てれば良いですね。」と言う。
チームが使用するキャノンデール SUPER SIX photo:So.Isobe
チェーンはKMCのハイエンドモデル「X11」 photo:So.Isobe
ガーミンのヴェクターペダルを使ってパワーを計測する photo:So.Isobe
機材は昨年から引き続きキャノンデールのSUPER SIXを使用し、マヴィックやガーミン、KMCなどのサポートを受ける。チーム体制をガラリと変えた新生Cプロジェクトのデビュー戦は間近だ。
C PROJECTメンバー
大場政登志
山本和弘
遠藤績穂
米内蒼馬(新加入)
大村寛(新加入)
ホセ・ヴェガ(新加入)
藤岡克磨(新加入)
末永周平(新加入)
監督 佐藤成彦
メカニック 日比谷篤史
text&photo:So.Isobe
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「今、例えばJBCFのエリートツアーでも20代の選手はほとんどおらず、入賞するのは30〜40代の人たちばかり。僕たちのチームが国内で頑張る事で、将来有望な若手選手に魅力を感じてもらいたい。ヨーロッパに活躍の道を見い出すのはもちろん素晴らしいことです。でも、逆にトップチームではない僕らは国内の土壌を育てる責務があると感じていますね。」とは、過去に選手として、そして現ショップオーナー兼チーム監督として、様々な視点で自転車業界に携わってきた氏ならではだろうか。
8名の選手の内、昨年からの継続選手は大場政登志と山本和弘、遠藤績穂の3名のみ。米内蒼馬、大村寛、藤岡克磨、末永周平、ホセ・ヴェガ(ホセは開幕前に合流予定)という5名が1月から加わったメンバーだが、雰囲気は明るい。昨年はずっとフランスで走っていた大村が、若手選手にレクチャーするなど、練習前後のやり取りを見ていてもまとまった印象を受ける。レース現場では佐藤監督が采配を振るう他、日比谷篤史氏がメカニックとして裏からチームを支える。
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「(目標は)全日本選手権しか無い。優勝しか無いですよ」と意気込みを語るのは体調不良からの回復中のため、別メニューをこなした山本だ。「それ(全日本)しか見ていませんね。シクロクロスシーズンからの切り替えが上手くいったぶん、早く全快したい。」と言う。
また、合宿拠点での生活については「一緒にいるから個々の脚力や走り方も明確に分かるから、レースでは絶対プラスに働きます。練習も集中できているし、その都度皆で話し合いが持てる。練習環境も良いですし、言い訳できない環境があります。あとは結果だけです。」
海外経験豊富な大村は、「(山本)カズさんやバックン(大場)は、力が凄い一方で、少しもったいない所があるように思うんです。だからその力をチームとして結果に繋げていければ。自分の経験が少しでも役に立てれば良いですね。」と言う。
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機材は昨年から引き続きキャノンデールのSUPER SIXを使用し、マヴィックやガーミン、KMCなどのサポートを受ける。チーム体制をガラリと変えた新生Cプロジェクトのデビュー戦は間近だ。
C PROJECTメンバー
大場政登志
山本和弘
遠藤績穂
米内蒼馬(新加入)
大村寛(新加入)
ホセ・ヴェガ(新加入)
藤岡克磨(新加入)
末永周平(新加入)
監督 佐藤成彦
メカニック 日比谷篤史
text&photo:So.Isobe
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