「今起こったことが信じられない。最後はチームの勝利のためにとても集中していた。僕のことを信じてくれたチームメイトに感謝したい」と語るのは、1級山岳の頂上ゴールでマッチスプリントを制したジュリアン・アレドンド。シーズン序盤にして移籍後初勝利を飾ってみせた。

アタックを仕掛けるエスケープグループアタックを仕掛けるエスケープグループ (c)www.toursanluis.com南米アルゼンチンで開催中のツール・ド・サンルイスは、第2ステージにして大会最初の山頂ゴールを迎えた。

トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)が集団牽引に加わるトム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)が集団牽引に加わる (c)www.toursanluis.com第1ステージが開催されたサンルイス北側、ラ・プンタからスタートする第2ステージは、1級のカテゴリー山岳ミラドール・デル・ポトレロの頂上へと至る170.6kmの道程。絶え間無くアップダウンをこなした後、ラスト4.8kmからおよそ7%の勾配が続き、最後の1kmは平均勾配が7.5%を数えるというスペックだ。

ラ・フロリダ貯水湖横を駆け抜けるメイン集団ラ・フロリダ貯水湖横を駆け抜けるメイン集団 (c)www.toursanluis.comこの日は地元アルゼンチン勢を中心とした5名の逃げが決まったものの、リーダージャージを着用するフィリップ・ガイモン(アメリカ)擁するガーミン・シャープや、アスタナなど山岳での勝負を見据えるチームが徐々にタイム差を詰めていく定石通りのレースが進められた。

エスケープグループを吸収したメイン集団は、高速のままミラドール・デル・ポトレロへと突入すると、ここから「ひどい向かい風だったから誰もアタックしなかった。チームメイトの(ダーウィン)アタプマの調子が良さそうに見えて、僕が先行して風除けになれれば良いと思った。」と言うピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)がアタック。

これにはNIPPO・デローザからトレック・ファクトリーレーシングへと移籍したジュリアン・アレドンド(コロンビア)のみが反応し、2人で最終局面へと突入した。

後方からナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)やアタプマらが急速に追い上げる一方、先頭を行くアレドンドとステティーナはマッチスプリントを開始。先行するステティーナをゴール直前で撃ち落としたアレドンドが嬉しい移籍後初勝利を飾ってみせた。トレック・ファクトリーレーシングはニュージーランド選手権でのヘイデン・ロールストンの勝利に続く2勝目だ。

「トレック・ファクトリーレーシングというビッグチームに加入して、こんな機会に恵まれたことをとても嬉しく思っているよ。」と語るアレドンド。「僕とアイマル(スベルディア)を信頼してくれた全てのチームメイトに感謝したい。今日はとても自分に強さを感じていて、彼らの仕事のおかげで勝利することができた。」と加えた。

ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)との一騎打ちを制したジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)との一騎打ちを制したジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング) (c)www.toursanluis.com
ステージ表彰台に立つジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)らステージ表彰台に立つジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)ら (c)www.toursanluis.comまたこの日、リーダージャージを着たガイモンはアレドンドから19秒遅れの15位となり、総合2位のマルク・デマール(オランダ領キュラソー、ユナイテッドヘルスケア)に対して1分47秒差で首位を守ることに成功。自身のTwitterで「チームメイトは素晴らしい働きをしてくれた。ベン・キングとネイサン・ブラウンは集団の先頭を牽き、アセヴェドは氷を持ってきてくれたし、ファラーは僕のポジションキープに尽力してくれた。」と語っている。

翌第3ステージは、ティリサラオからファナ・コスライにかけての175.8km。今大会最初のスプリントステージになると見られており、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)やペーター・サガン(スロバキア、キャノンデール・プロサイクリング)らの走りに期待がかかる。


ツール・ド・サンルイス2014第2ステージ結果
1位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング) 4h13'21"
2位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)
3位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)               +03"
4位 ダーウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)
5位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)       +05"
6位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレック・ファクトリーレーシング)
7位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)
8位 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、キャノンデール・プロサイクリング)     +08"
9位 ミゲルアンヘル・ルビアーノ(コロンビア、コロンビア)
10位 エデュアルド・セピヴェダ(アルゼンチン、ブルターニュ・エンヴァイロメント)

個人総合成績
1位 フィリップ・ガイモン(アメリカ、ガーミン・シャープ)         8h20'34"
2位 マルク・デマール(オランダ領キュラソー、ユナイテッドヘルスケア)    +1'47"
3位 クリスティアン・メイヤー(カナダ、オリカ・グリーンエッジ)       +3'56"
4位 ピーター・ステティーナ(アメリカ、BMCレーシング)           +4'16"
5位 ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)
6位 ダーウィン・アタプマ(コロンビア、BMCレーシング)           +4'19"
7位 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター)
8位 アイマル・スベルディア(スペイン、トレック・ファクトリーレーシング)  +4'21"
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)
10位 イヴァン・サンタロミータ(イタリア、オリカ・グリーンエッジ)

山岳賞
ジュリアン・アレドンド(コロンビア、トレック・ファクトリーレーシング)

新人賞
アダム・イェーツ(イギリス、オリカ・グリーンエッジ)

チーム総合成績
ユナイテッドヘルスケア

text:So.Isobe
photo:Cor.Vos


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