2013/12/16(月) - 10:50
台湾1周900kmを5日間で走るというFORMOSA900サイクリングツアーにCW編集部・綾野が参加した。単純計算で1日あたり約200kmを走るという驚愕の走行スケジュールに21人がチャレンジしたドキュメントをお送りします。
Formosa900については昨年の同じ時期に、全4編の参加レポートとしてお伝えしている。しかしその時は台湾1周900kmを9日間で回るという余裕のある旅行日程だったことに加え、私が参加したのが前半の4日間のみだった。
そのときは4日間走り切った後、「楽しかった。またいつか台湾を走りたい。9日間の休みをとって、1周したい」という感想だった。
しかしそのとき漏らした感想が、こんなに早く実現することになろうとは。きっかけはジャイアント・ジャパン広報担当の渋井さんの電話だった。「また台湾サイクリングの誘いなんですけど、今度は一周です。で、なんと5日間で走っちゃうというチャレンジ企画です。返事はすぐください」。
相変わらずの無茶ぶり(笑)であったので、一旦保留。5日間で900kmはどう考えてもムチャだ。練習してないし。
でも、前回走った時のジャイアント旅行社のサポートの充実ぶりは素晴らしかったから、参加者は走りに集中するだけで良いのは想像がついた。台湾の食事の美味しさに、毎日走ったのに太って帰るグルメツアーな有り様だったし...。
思い出が美化され、「走れなくはないかな...」と思うようになり、なんとか強引にスケジュールを確保して「行きます」の返事をした。
FORMOSA900は、近年台湾で毎年開催されている自転車祭「Taiwan Cycling Festival」のなかの定番ツアーメニューのひとつだ。今や世界の自転車産業の中心地となった台湾が、官民挙げて自転車の素晴らしさを謳歌するもの(ちょっと強引な決めつけだが...)で、台湾各地で自転車に乗るイベントなどが一斉に開催されるのだ。
與那嶺恵理さんの参戦記で紹介した台湾KOMチャレンジもそのひとつ。他に日月潭サイクリングなどがある。
通常ならFORMOSA900は9日間の日程で行われる台湾一周自転車ツアーだ。今回ももちろんそのメニューがあり、行われた。しかし5日間で挑戦する我々のツアーは「挑戦 Formosa 900 5days! 隊」と銘打たれた、なかば酔った勢いで作ったような強行ツアーなのだ(笑)。
Formosa 900 5days! 隊 日程
1日目 220㎞台中-嘉義-高雄
2日目200㎞高雄-屏東車城-台東知本
3日目180㎞台東知本-花蓮
4日目100㎞花蓮-台北新店
5日目200㎞台北新店 to 新竹 to 台中
今回、日本からこれに参加したのは愛媛県の県庁や今治市・新居浜市の職員など、しまなみ海道サイクリングロードやイベントに関係する公務員の皆さん。そしてジャイアント・ジャパン社員とその関係者、MTBエリートライダーの門田基志選手(ジャイアント)など。
愛媛県関係者は、自転車好きで知られる中村時広知事の声がけのものと、自転車に乗ることを始めた<部下の>皆さんだ。今や皆さんがイベントの主催側になっている2014年5月のしまなみ海道サイクリング大会の本大会に向け、運営時ノウハウを学んでいる人たちというわけだ。
11月8日。台北経由でスタートの台中へと飛んだ。到着した日はホテルで自転車を組み立て、翌日から走り出すというわけだ。そのホテルでも世界の自転車メーカーが一堂に会するビジネスショーが行われていたのはさすが台湾。
5日間の旅に出発
11月9日朝、台中市内の公園に集合。FORMOSA900のいろいろなコースに参加する参加者たちが集まってきた。ハンドサイクルの部もあり、興味津々だ。見たこと無い駆動方式があるのはさすが台湾。その分野でも先進だ。
「5日間挑戦隊」と名付けられた我々の部隊は日本人、イギリス人、台湾人、香港人含め総勢21人の日・台・英・香合同隊。顔合わせを済ませた。
愛嬌たっぷりに「わたし、ジミーちゃんともうします」というJimmy Changさんは、台湾ボッテキア工場のマネージャーで「ミウラさん(三浦恭資さん)のスポンサーだったよ」と話す。イギリス人のふたりはスラムのマーケティング担当者。一人で参加の香港人は大手銀行の超金持ち青年。こういったメンバーで走り出すことに。
お揃いのジャージを着た愛媛県サイクリングチームの4人。愛媛県庁勤務で台湾の先進的自転車事情に学び、しまなみ海道自転車道や、ぐるっと愛媛サイクリングロードにそのノウハウを活かしていく行政の人たちだ。
初日は220kmの最長距離。ジャイアント旅行社のツアーリーダーのジェフ(黃廉富)さんの説明を受け、走りだす。しかしスタート時間は遅く、日が暮れるだろうなと心配していたら、案の定そうなった(笑)。大都会を脱出するのに小一時間かかったが、いったん郊外へ出ると落ち着いた田舎の雰囲気が広がるのが台湾らしい。
前回のレポートでも伝えたとおり、バイクレーンが充実している台湾。余裕で並走できる幅がある。このバイクレーン、台湾のほぼ全土に拡充していて、どこでも安心して走ることができる。ジャイアントのキング・リュウ会長が政府に働きかけ、近年急速に設置が進んだのだ。
この日は距離が長いので、広い幹線道路をひたすら走り続けるのみ。約40km毎に休憩が設けられ、ジャイアント旅行社のサポートカーが補給を行ってくれる。昼飯は道沿いの肉まん屋。この肉包が美味しいこと。
220kmの行程はさすがに時間が掛かる。今回のメンバーにはまだあまり走りこめていないレベルの人も含まれていたので、遅れた人を待ったり、休憩中に脚の攣った人を待ったりと、時間が過ぎていく。
午後3時の時点で高雄まで100kmを残し、初日から日没には間に合わないことが決定的に(苦笑)。サポートスタッフの働きは素晴らしいが、計算がアバウトすぎなのと休憩が多いのはさすが台湾のユルイ感じを反映している。
高雄の街に入る前にとっぷりと日が暮れたが、さんさんと明るい街灯が照らす道路を走る。私が高雄に来るのは約15年前のツール・ド・台湾以来。当時はそっけない街だったが、夜に到達した高雄は摩天楼のようなビルが立ち並ぶゴッサム・シティのようだった。ちょっと遅れていた印象があった南台湾もすごいスピードで開発されている。
この日チェックインしたホテルは超高級風ホテル。台湾のホテルは値段の割にグレードが高く、かなり豪華な思いができる。夜8時過ぎての夕食。台湾ビールを欠かさないのは、さすがおじさんたち(笑)。疲れててもガソリンは必要ということで、加油!
夜はマッサージへ。1800円ほどでみっちり1時間マッサージしてもらい、疲れも軽くなった。いや、でもやっぱり長い1日だったな。11時間自転車に乗っていたんだから…(苦笑)。
続く。
フォトギャラリー(CW FaceBook)
photo&text:Makoto.AYANO
Formosa900については昨年の同じ時期に、全4編の参加レポートとしてお伝えしている。しかしその時は台湾1周900kmを9日間で回るという余裕のある旅行日程だったことに加え、私が参加したのが前半の4日間のみだった。
そのときは4日間走り切った後、「楽しかった。またいつか台湾を走りたい。9日間の休みをとって、1周したい」という感想だった。
しかしそのとき漏らした感想が、こんなに早く実現することになろうとは。きっかけはジャイアント・ジャパン広報担当の渋井さんの電話だった。「また台湾サイクリングの誘いなんですけど、今度は一周です。で、なんと5日間で走っちゃうというチャレンジ企画です。返事はすぐください」。
相変わらずの無茶ぶり(笑)であったので、一旦保留。5日間で900kmはどう考えてもムチャだ。練習してないし。
でも、前回走った時のジャイアント旅行社のサポートの充実ぶりは素晴らしかったから、参加者は走りに集中するだけで良いのは想像がついた。台湾の食事の美味しさに、毎日走ったのに太って帰るグルメツアーな有り様だったし...。
思い出が美化され、「走れなくはないかな...」と思うようになり、なんとか強引にスケジュールを確保して「行きます」の返事をした。
FORMOSA900は、近年台湾で毎年開催されている自転車祭「Taiwan Cycling Festival」のなかの定番ツアーメニューのひとつだ。今や世界の自転車産業の中心地となった台湾が、官民挙げて自転車の素晴らしさを謳歌するもの(ちょっと強引な決めつけだが...)で、台湾各地で自転車に乗るイベントなどが一斉に開催されるのだ。
與那嶺恵理さんの参戦記で紹介した台湾KOMチャレンジもそのひとつ。他に日月潭サイクリングなどがある。
通常ならFORMOSA900は9日間の日程で行われる台湾一周自転車ツアーだ。今回ももちろんそのメニューがあり、行われた。しかし5日間で挑戦する我々のツアーは「挑戦 Formosa 900 5days! 隊」と銘打たれた、なかば酔った勢いで作ったような強行ツアーなのだ(笑)。
Formosa 900 5days! 隊 日程
1日目 220㎞台中-嘉義-高雄
2日目200㎞高雄-屏東車城-台東知本
3日目180㎞台東知本-花蓮
4日目100㎞花蓮-台北新店
5日目200㎞台北新店 to 新竹 to 台中
今回、日本からこれに参加したのは愛媛県の県庁や今治市・新居浜市の職員など、しまなみ海道サイクリングロードやイベントに関係する公務員の皆さん。そしてジャイアント・ジャパン社員とその関係者、MTBエリートライダーの門田基志選手(ジャイアント)など。
愛媛県関係者は、自転車好きで知られる中村時広知事の声がけのものと、自転車に乗ることを始めた<部下の>皆さんだ。今や皆さんがイベントの主催側になっている2014年5月のしまなみ海道サイクリング大会の本大会に向け、運営時ノウハウを学んでいる人たちというわけだ。
11月8日。台北経由でスタートの台中へと飛んだ。到着した日はホテルで自転車を組み立て、翌日から走り出すというわけだ。そのホテルでも世界の自転車メーカーが一堂に会するビジネスショーが行われていたのはさすが台湾。
5日間の旅に出発
11月9日朝、台中市内の公園に集合。FORMOSA900のいろいろなコースに参加する参加者たちが集まってきた。ハンドサイクルの部もあり、興味津々だ。見たこと無い駆動方式があるのはさすが台湾。その分野でも先進だ。
「5日間挑戦隊」と名付けられた我々の部隊は日本人、イギリス人、台湾人、香港人含め総勢21人の日・台・英・香合同隊。顔合わせを済ませた。
愛嬌たっぷりに「わたし、ジミーちゃんともうします」というJimmy Changさんは、台湾ボッテキア工場のマネージャーで「ミウラさん(三浦恭資さん)のスポンサーだったよ」と話す。イギリス人のふたりはスラムのマーケティング担当者。一人で参加の香港人は大手銀行の超金持ち青年。こういったメンバーで走り出すことに。
お揃いのジャージを着た愛媛県サイクリングチームの4人。愛媛県庁勤務で台湾の先進的自転車事情に学び、しまなみ海道自転車道や、ぐるっと愛媛サイクリングロードにそのノウハウを活かしていく行政の人たちだ。
初日は220kmの最長距離。ジャイアント旅行社のツアーリーダーのジェフ(黃廉富)さんの説明を受け、走りだす。しかしスタート時間は遅く、日が暮れるだろうなと心配していたら、案の定そうなった(笑)。大都会を脱出するのに小一時間かかったが、いったん郊外へ出ると落ち着いた田舎の雰囲気が広がるのが台湾らしい。
前回のレポートでも伝えたとおり、バイクレーンが充実している台湾。余裕で並走できる幅がある。このバイクレーン、台湾のほぼ全土に拡充していて、どこでも安心して走ることができる。ジャイアントのキング・リュウ会長が政府に働きかけ、近年急速に設置が進んだのだ。
この日は距離が長いので、広い幹線道路をひたすら走り続けるのみ。約40km毎に休憩が設けられ、ジャイアント旅行社のサポートカーが補給を行ってくれる。昼飯は道沿いの肉まん屋。この肉包が美味しいこと。
220kmの行程はさすがに時間が掛かる。今回のメンバーにはまだあまり走りこめていないレベルの人も含まれていたので、遅れた人を待ったり、休憩中に脚の攣った人を待ったりと、時間が過ぎていく。
午後3時の時点で高雄まで100kmを残し、初日から日没には間に合わないことが決定的に(苦笑)。サポートスタッフの働きは素晴らしいが、計算がアバウトすぎなのと休憩が多いのはさすが台湾のユルイ感じを反映している。
高雄の街に入る前にとっぷりと日が暮れたが、さんさんと明るい街灯が照らす道路を走る。私が高雄に来るのは約15年前のツール・ド・台湾以来。当時はそっけない街だったが、夜に到達した高雄は摩天楼のようなビルが立ち並ぶゴッサム・シティのようだった。ちょっと遅れていた印象があった南台湾もすごいスピードで開発されている。
この日チェックインしたホテルは超高級風ホテル。台湾のホテルは値段の割にグレードが高く、かなり豪華な思いができる。夜8時過ぎての夕食。台湾ビールを欠かさないのは、さすがおじさんたち(笑)。疲れててもガソリンは必要ということで、加油!
夜はマッサージへ。1800円ほどでみっちり1時間マッサージしてもらい、疲れも軽くなった。いや、でもやっぱり長い1日だったな。11時間自転車に乗っていたんだから…(苦笑)。
続く。
フォトギャラリー(CW FaceBook)
photo&text:Makoto.AYANO
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