2013/11/26(火) - 10:08
11月16日(土)に開催されたメリダ・ミヤタカップにゲストとして参加した現スペイン国内王者のホセ・ヘルミダ(マルチバン・メリダ・バイキングチーム)。2010年世界選手権優勝など数多くの輝かしい戦績を誇るMTBクロスカントリー界の”皇帝”にインタビューを行った。
ファンサービスの良さと陽気な性格で人気を集める (c)MULTIVAN MERIDA BIKING TEAM今回で何度目の来日ですか?
苦戦を強いられた2013シーズンだが後半戦ではワールドカップ表彰台を獲得できるまでに回復 (c)MULTIVAN MERIDA BIKING TEAMこれで2回目になる。1回目は2010年でサイクルモードインターナショナルのためだけに来日したから自転車に乗る機会がなかったけど、今回はこうしてMTBで走れて、ファンと交流ができたからとても良い思い出になったよ。
スペインではメリダ・カップの様なイベントに参加することはありますか
時間があれば参加したいけど、シーズン中は世界中を飛び回っていることに加え、トレーニングする時間を確保しなくてはならないので、あまり参加できていないんだ。今後はMTBフリークが更に増えることを願って、このようなイベントには積極的に参加していきたいね。
今シーズンを振り返って
非常にハードなシーズンだった。特にシーズン前半は大きなクラッシュで痛めた背中が治らず、良いコンディションでレースに望むことができなかった。しかし6月以降からシーズン後半に向けて体調が良くなって、スペインナショナルチャンピオンを獲得できたことについては非常に満足している。
普段はどの様なトレーニングを行っているのでしょうか?
それについてはトップシークレットだよ(笑)。実はトレーニングの60~70%をロードバイクに乗って、それ以外は27.5インチと29インチのMTBを使い分けながら行っている。ただ、ダウンヒルなどの他のカテゴリーのMTBに乗ることは一切ないね。内容は綿密に組んだプランに沿いながらインターバルからロングディスタンスまで色々。それとメンタリティーを良い状態で維持することがレースでいい結果を残すため最も重要だね。
南アフリカで行なわれた世界選手権では3位に入賞した (c)MULTIVAN MERIDA BIKING TEAM
得意なコースプロファイルについて
私自身が他の選手に比べると小柄(172cm)だから、コーナリングで大きく差を稼げるテクニカルかつトリッキーなコースが得意。特にカナダや南アフリカで行われる大会に多い、木の根っこが張り巡らされ、路面が常に湿っている様な山奥でのレースが楽しいね。
26インチと27.5インチ、29インチの3種類のホイール径の中で最も好みなのは?
今は27.5インチと29インチをレースによって使い分けるのがベストと考えている。確かに2010年の世界選手権を勝った時は26インチを使っていたけど、最近のレースで26インチを使ったらまず勝てないはずだ。使い方にもよるけど、日本人であれば余程身長が高くない限り27.5インチが最もフィットするのでは?
メリダ・ミヤタカップではキッズレースの先導を務めた (c)Yuya.Yamamoto
日本のファンに世界トップレベルの走りを見せつけた (c)Yuya.Yamamoto
国内のトップライダーが参戦したエキシビジョンレースで圧勝 (c)Yuya.Yamamoto近年ではヘルミダ選手やニノ・シューター選手の様に小柄な選手の活躍が目立つ気がしますが、なにか特別な理由はあるのでしょうか?
ヤロスラフ・クルハヴィ(チェコ)やジュリアン・アブサロン(フランス)みたいに、大柄だけど強い選手も多いから一概には小柄な選手だけが活躍しているとは思わない。ただ歴代の世界チャンピオンの多くが身長170~180cmの間にあることは事実だ。強いて理由があるとすれば、小柄な選手には割りと筋肉量が多い選手が多くてジャンプや段差でバランスが取りやすいからではないかな。お母さんがせっかく産んでくれた身体だから、一生懸命活かさなきゃね(笑)。
今日一緒に走った斉藤亮選手、そしてワールドカップに参戦する山本幸平選手などの日本人選手について
彼らはとても優れたポテンシャルの持ち主だ。特に山本選手については毎週末同じレースを戦うライバルであり友達でもある。彼が国際的なビッグレースで得た経験を日本に持ち帰ることで今後は日本のMTBレースシーンはよりハイレベルなものになるはずだ。
今後の目標を教えて下さい
来シーズンは再び世界選手権で優勝してアルカンシェルを獲得することを目標に戦っていくつもりだ。そして、2016年に開催されるリオ・デ・ジャネイロオリンピックをキャリアの集大成にしたいと考えている。その次の東京オリンピックは選手としては年齢的に厳しいだろうけど、コーチとして是非戻ってきたいね。
ホセ・ヘルミダ(マルチバン・メリダ・バイキングチーム) (c)Yuya.YamamotoProfile ホセ・ヘルミダ(マルチバン・メリダ・バイキングチーム)
スペイン・カタルーニャ州出身の35歳。1997年にスコット(スイス)でプロデビュー後、モトレックス・ビアンキなどを経て2004年から現在までマルチバン・メリダ・バイキングチームに所属する。
キャリア最大の勝利は2010年にカナダで行なわれた世界選手権。他にもアテネオリンピックでの銀メダルやヨーロッパ選手権優勝、2度のナショナルチャンピオンなど長年に渡って安定した成績を残している。意外なところでは2007年と2008年の2度に渡ってシクロクロスナショナルチャンピオンを獲得。ニックネームは”皇帝”。
interview:Yuya.Yamamoto
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スペインではメリダ・カップの様なイベントに参加することはありますか
時間があれば参加したいけど、シーズン中は世界中を飛び回っていることに加え、トレーニングする時間を確保しなくてはならないので、あまり参加できていないんだ。今後はMTBフリークが更に増えることを願って、このようなイベントには積極的に参加していきたいね。
今シーズンを振り返って
非常にハードなシーズンだった。特にシーズン前半は大きなクラッシュで痛めた背中が治らず、良いコンディションでレースに望むことができなかった。しかし6月以降からシーズン後半に向けて体調が良くなって、スペインナショナルチャンピオンを獲得できたことについては非常に満足している。
普段はどの様なトレーニングを行っているのでしょうか?
それについてはトップシークレットだよ(笑)。実はトレーニングの60~70%をロードバイクに乗って、それ以外は27.5インチと29インチのMTBを使い分けながら行っている。ただ、ダウンヒルなどの他のカテゴリーのMTBに乗ることは一切ないね。内容は綿密に組んだプランに沿いながらインターバルからロングディスタンスまで色々。それとメンタリティーを良い状態で維持することがレースでいい結果を残すため最も重要だね。
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得意なコースプロファイルについて
私自身が他の選手に比べると小柄(172cm)だから、コーナリングで大きく差を稼げるテクニカルかつトリッキーなコースが得意。特にカナダや南アフリカで行われる大会に多い、木の根っこが張り巡らされ、路面が常に湿っている様な山奥でのレースが楽しいね。
26インチと27.5インチ、29インチの3種類のホイール径の中で最も好みなのは?
今は27.5インチと29インチをレースによって使い分けるのがベストと考えている。確かに2010年の世界選手権を勝った時は26インチを使っていたけど、最近のレースで26インチを使ったらまず勝てないはずだ。使い方にもよるけど、日本人であれば余程身長が高くない限り27.5インチが最もフィットするのでは?
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ヤロスラフ・クルハヴィ(チェコ)やジュリアン・アブサロン(フランス)みたいに、大柄だけど強い選手も多いから一概には小柄な選手だけが活躍しているとは思わない。ただ歴代の世界チャンピオンの多くが身長170~180cmの間にあることは事実だ。強いて理由があるとすれば、小柄な選手には割りと筋肉量が多い選手が多くてジャンプや段差でバランスが取りやすいからではないかな。お母さんがせっかく産んでくれた身体だから、一生懸命活かさなきゃね(笑)。
今日一緒に走った斉藤亮選手、そしてワールドカップに参戦する山本幸平選手などの日本人選手について
彼らはとても優れたポテンシャルの持ち主だ。特に山本選手については毎週末同じレースを戦うライバルであり友達でもある。彼が国際的なビッグレースで得た経験を日本に持ち帰ることで今後は日本のMTBレースシーンはよりハイレベルなものになるはずだ。
今後の目標を教えて下さい
来シーズンは再び世界選手権で優勝してアルカンシェルを獲得することを目標に戦っていくつもりだ。そして、2016年に開催されるリオ・デ・ジャネイロオリンピックをキャリアの集大成にしたいと考えている。その次の東京オリンピックは選手としては年齢的に厳しいだろうけど、コーチとして是非戻ってきたいね。
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スペイン・カタルーニャ州出身の35歳。1997年にスコット(スイス)でプロデビュー後、モトレックス・ビアンキなどを経て2004年から現在までマルチバン・メリダ・バイキングチームに所属する。
キャリア最大の勝利は2010年にカナダで行なわれた世界選手権。他にもアテネオリンピックでの銀メダルやヨーロッパ選手権優勝、2度のナショナルチャンピオンなど長年に渡って安定した成績を残している。意外なところでは2007年と2008年の2度に渡ってシクロクロスナショナルチャンピオンを獲得。ニックネームは”皇帝”。
interview:Yuya.Yamamoto
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