北イタリアのドロミティ山塊を代表する3つの1級山岳を越えるツール・ド・ポローニュ(UCIワールドツアー)第2ステージ。ツール・ド・フランスのラルプ・デュエズを制したクリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)が逃げ切り勝利を収めた。



ツール・ド・ポローニュ2013第2ステージツール・ド・ポローニュ2013第2ステージ image:tourdepologne.pl大会2日目にして最難関のクイーンステージが登場。イタリア北部のヴァル・ディ・ソーレ(太陽の渓谷)にあるマリレーヴァをスタートし、1級山岳パンペアーゴ峠、1級山岳コスタルンガ峠、1級山岳ポルドイ峠を越える。フィニッシュ地点は標高2239mのポルドイ峠頂上だ。

逃げグループに入ったヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)逃げグループに入ったヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) photo:Riccardo Scanferlaドロミティを堪能するこの全長206kmの難コースで逃げたのは16名。第1ステージですでに大きく遅れたジロ・デ・イタリア覇者ヴィンチェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)も逃げに乗った。

しかし9月の世界選手権を見据えるニーバリのコンディションは本調子からほど遠い。1つ目の1級山岳パンペアーゴ峠でニーバリは逃げグループから脱落する。

パンペアーゴ峠で先頭はゼネク・スティバル(チェコ、オメガファーマ・クイックステップ)、マチェイ・パテルスキー(ポーランド、キャノンデールプロサイクリング)、トマシュ・マルチンスキー(ポーランド、ヴァカンソレイユ・DCM)、トーマス・ローレッガー(オーストリア、レディオシャック・レオパード)、ゲオルグ・プレイドラー(オーストリア、アルゴス・シマノ)、そしてリブロンの6名に絞られた。

ドロミティの荒々しい山々を走るドロミティの荒々しい山々を走る photo:Riccardo Scanferla

水を浴びながらポルドイ峠を登るクリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)水を浴びながらポルドイ峠を登るクリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル) photo:Riccardo Scanferlaリーダージャージを着るディエゴ・ウリッシ(イタリア、ランプレ・メリダ)が脚の痙攣によってコスタルンガ峠で脱落する中、逃げグループは2分のリードを得たまま登坂距離10.5km・平均勾配が9%を超えるポルドイ峠に差し掛かる。ゴールまで8kmを残して、リブロンが逃げグループの中から飛び出した。

ポルドイ峠の頂上に独走でゴールするクリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)ポルドイ峠の頂上に独走でゴールするクリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル) photo:Riccardo Scanferlaリブロンはローレッガーやプレイドラーとの距離を広げながら登坂。メイン集団とのタイム差は徐々に縮まるが、リブロンのペースは落ちない。最終的にリブロンは2位ローレッガーを1分02秒引き離してフィニッシュ。メイン集団は1分35秒遅れでセルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、スカイプロサイクリング)を先頭にフィニッシュした。

リーダージャージを手にしたラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)リーダージャージを手にしたラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ) photo:Riccardo Scanferlaリーダージャージのウリッシが27分26秒遅れたため、ステージ5位のラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)が総合1位に浮上。4秒差でエナオモントーヤ、6秒差でステージ優勝者リブロンが続いている。

クイーンステージ制覇を成し遂げ、総合3位に浮上したリブロンは「とにかく厳しくて、長い一日だった。しかも最後の登りには強い風が吹き付けていた。この2ステージは本当に険しかった。こんな短い期間にラルプ・デュエズとポルドイで優勝したなんて本当にゾクゾクするよ」と興奮気味に話す。

リーダージャージを着て母国ポーランドに凱旋することになったマイカは「リーダージャージを着てポーランドに向かう意味は大きい。エナオを始めとするライバルたちのタイム差も小さいし、明後日からも激しい闘いになると思う。この順位を守るために全力を尽くす」とコメントする。

レースは休息日を挟んでポーランドに移動。第3ステージはスプリンター向きの平坦コースが用意されている。

レース内容や選手コメントはレース公式サイトより。



ツール・ド・ポローニュ2013第2ステージ結果
1位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)           6h03'40"
2位 トーマス・ローレッガー(オーストリア、レディオシャック・レオパード)     +1'02"
3位 ゲオルグ・プレイドラー(オーストリア、アルゴス・シマノ)           +1'18"
4位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、スカイプロサイクリング)    +1'35"
5位 ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)
6位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)          +1'38"
7位 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソ・ティンコフ)         +1'40"
8位 ヨン・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)
9位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)        +1'44"
10位 エロス・カペッキ(イタリア、モビスター)

個人総合成績
1位 ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)             11h04'43"
2位 セルジオルイス・エナオモントーヤ(コロンビア、スカイプロサイクリング)     +04"
3位 クリストフ・リブロン(フランス、アージェードゥーゼル)             +06"
4位 ピーター・ウェーニング(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)           +07"
5位 ヨン・イサギーレ(スペイン、エウスカルテル)                  +09"
6位 クリスアンケル・セレンセン(デンマーク、サクソ・ティンコフ)
7位 エロス・カペッキ(イタリア、モビスター)                    +13"
8位 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、アージェードゥーゼル)
9位 ロベルト・キセロフスキー(クロアチア、レディオシャック・レオパード)      +16"
10位 トーマス・ローレッガー(オーストリア、レディオシャック・レオパード)      +18"

ポイント賞
ラファル・マイカ(ポーランド、サクソ・ティンコフ)

山岳賞
トーマス・ローレッガー(オーストリア、レディオシャック・レオパード)

スプリント賞
バルトス・フザルスキー(ポーランド、ネットアップ・エンドゥーラ)

チーム総合成績
レディオシャック・レオパード

text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla

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