”軽い走りをもっと気軽に”をコンセプトに考えられたタイヤ、クローザー。トップモデルから継承された軽量性と、プロ選手のフィーリングから生まれたミドルグレードタイヤだ。実際に長期間使用してみてのインプレッションをお届けしよう。

5色と豊富なカラーを揃えるパナレーサー・クローザー5色と豊富なカラーを揃えるパナレーサー・クローザー

豊富なカラーリング


クローザーは、他のモデルと比べカラー展開が豊富である。タイヤサイドのラインを5色のカラーから選択することが可能で、自分のバイクとのカラーコーディネート幅が広い。カラーは、700×23Cと26インチ×1.25ならば、ブラック・ブルー・レッド・アイボリー・イエローから選べる。そのほかのモデルはブラックのみとなっている。

軽量性と耐久性を兼ね備えるパナレーサー クローザー軽量性と耐久性を兼ね備えるパナレーサー クローザー

軽量性とグリップ性能


クローザーはパナレーサーのモデルではミドルクラスに位置するタイヤだが、重量面では同社から発売されているモデルのなかでの最軽量を誇る。

一般的に多く使われる700×23Cサイズは、タイヤ1本で200g。トップグレードのエクストリームEVO3PTの210gと比べても、10g軽いことになる。

材質には、ZSGナチュラルコンパウンドを使用し、ケーシングにはライトエキストラコードを使用。コンパウンドは、高反発弾性の天然ゴムをベースとし、耐久性と耐磨耗性が強化されたZSGナチュラルコンパウンドである。
また、オールコンタクトトレッド形状と呼ばれる、コンパウンドのグリップ性能を最大限に発揮するために最適化された断面形状を持っている。


― インプレッション


まずテストした環境を挙げておこう。ブラックカラーのクローザーで、サイズは700×23C。チューブにはパナレーサー・R'AIRを使用。設定空気圧7.5気圧にセットしてテストした。

まずは、転がり抵抗についてだが、とてもよく転がるタイヤだと思う。そしてタイヤ自体の重量が軽いためか、とても踏み出しが軽く感じる。タイヤによっては踏んだ力が微妙に取られるような感覚があるものだが、このタイヤに関して言えば、まったくそのような感覚はない。

直角コーナーの連続するクリテリウムコースでテストを繰り返した直角コーナーの連続するクリテリウムコースでテストを繰り返した 次に、衝撃吸収性。タイヤ表面のコンパウンドでショックを吸収する感じは少なかった。むしろ弾かれるような感覚を得た。だが、路面の状況をまったく捻じ曲げることなく素直に伝えてくれる。そういう意味ではいいタイヤであると思う。

路面の悪いところでは、悪さを伝えてくれて、落車の危険性を伝えてくれる。練習用のタイヤとして考えるなら、使用者に無理をさせないことも重要ではないかと感じる。

耐パンク性については、一般的な重量の他社製ロードタイヤと同程度という印象。これはテスト用以前に私物として長く使用した経験から感じることだ。むしろ、これだけの軽量性を実現しているのに、耐パンク性が劣らないことは素晴らしいことだと感じる。

上級モデルと遜色ないグリップ感があるところが安心して勧められるポイントだ上級モデルと遜色ないグリップ感があるところが安心して勧められるポイントだ グリップは、乾いた路面では非常にいいと思う。しかし、雨で路面がぬれているとき等の悪路には、やや弱そうな印象を得た。ただそれはレースシチュエーションでのことなので、無理なコーナリングをしないサイクリング程度の使用ならまったく問題ないだろう。

ひとつ気になる点があるとすれば、上級モデルに比べてトレッド部やサイドがひび割れやすいと感じる。しかし、そこから裂けたり、パンクしたりすることはなかった。

コストという面も性能に入れるならば、とてもパフォーマンスに優れたいいタイヤだといえる。

定価3,550円で練習だけでなく、レースやサイクリングまでこなすことできるパフォーマンスは、他社のタイヤにはない魅力だろう。軽量・ハイグリップ・低価格と3拍子揃ったPanaracer Closerは、シクロワイアード編集部が自信を持ってオススメできる製品のひとつである。


パナレーサー クローザー


定価/3,550円
サイズ/700×20C(190g)・700×23C(200g)・700×25C(220g)
    650×23C(180g)・26×1.25(200g)
カラー/ブラック、ブルー、レッド、アイボリー、イエロー(700×23C、26×1.25)、ブラック(その他のサイズ)

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