2013/07/10(水) - 12:14
休息日明けの第10ステージは全面平坦基調のスプリントステージ。サン・マロのゴールを制したのは、ツール2勝目となるマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)。ゴール寸前で落車が発生したが大きな事故にはいたらなかった。また4賞については変動はない。
ステージ優勝のマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)
今日の結果には満足しているといえる。有力スプリンター全員が、あのゴール間際にいた。彼らがゴール付近に集結していたなかで、今日勝利できたことに満足している。とくに、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)とはフィニッシュラインまで競り合って勝てた。チームメイトたちが素晴らしい仕事をしてくれたことに大いに感謝したい。
トム・フィーラース(オランダ)が残り100mで落車してしまったのは本当に残念だ。彼が無事で、ぼくたちが次の勝利に集中できることを望みたい。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)がトム(・フィーラース)にぶつかってきて、トムがハンドルをコントロールできずに落車してしまったのは明らかだ……カヴェンディッシュが故意にぶつかってきたとは思えない。
こういう混沌とした勝負所では、こういった接触はよく起こる。どのスプリンターもフィニッシュラインが近づくと、前に出ようとするものだ。ともかく、彼が無事なことを願う。ビデオで確認できると思うけど……トム・フィーラースが落車した瞬間、ぼくとアンドレ・グライペルとのあいだにはわずかしか差がなかった。ぼくがスプリントを始めるまでは、グライペルの後ろについてスリップストリームを利用していた。
フィニッシュライン間際になって、ようやく彼を追い抜くことができた。本当にギリギリだった。カヴェンディッシュはトムの自転車のハンドルにぶつかっているのが映像でもわかると思う。でも、彼は故意に接触しようとしたわけじゃないのもわかる。トムが右側に離脱していって、カヴェンディッシュが左側に行こうとしていた——まさにとても不幸な瞬間だったと思う。今日は、ぼくにとってもチームにとっても大きな成果となった。自分たちの実力を示せたことに満足している——つまり、1対1のスプリント勝負になっても、ぼくは相手に打ち勝てる。とても誇らしく思う。
総合1位のクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)
今日もチームメイトたちの素晴らしい仕事のおかげで、集団の前のほうにいることができた。こういうコンディションだと、イアン・スタナード(イギリス)に全幅の信頼が置ける。彼のおかげでトラブルに遭わずに済んだ。チームメイトたちは1日中コツコツと仕事に取り組んで、少しもタイムを失わずにステージを終えるのに必要な仕事をしてくれた。
イアンは本当に優秀な選手で、彼の後ろでスリップストリームの恩恵を充分に受けて、ずっと彼の後輪についていただけだった。彼は横風区間の走り方も熟知しているし、有力選手たちのなかで走ることも知っている。集団内での位置取りも非常に得意としている。終盤に横風の気配がすると同時に、サクソバンクが前方に出てきた。
もちろん、彼らは自分たちのチームの選手のケアのために出てきたのだろうけど、機会があれば、彼らが攻勢に出る可能性も予想できた。これからしばらくは気楽に走れるわけじゃないと注意している限りは、このマイヨ・ジョーヌの栄誉を維持できるだろうと考えている。[第11ステージのタイムトライアルでは]絶対にステージ優勝しようとは思っていない。
でも、総合成績でのリードをがんばって広げようとは思っている——あるいは最低でもリードを保とうとは思う。自分としては100%の力が出せれば、それでかまわない。明日に関しては、ライバルたちの動向にはあまり注目していない。単にコースに出て、自分にとって、その日に出せる力でのベストなタイムトライアルに挑戦するつもりだ。明日の夕方には、落ち着いてリザルト表を見て、そこから得られる事実を再評価したいと思う。明日のコースは平坦でスピードの出るコースだ。自分向けのコースだと期待している。
ポイント賞・ステージ5位のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
最後の数kmについては、なにが起きたかはあまり覚えていない。覚えているのは、とても速かったことだけだ!強い追い風があって、道幅は狭く……そして誰もが前に出ようとしていた——ぼくもそうだった。ぼくはマーク・カヴェンディッシュの後ろからスプリントすることにしていて、それでスタートが遅れてしまった。
カヴェンディッシュが、落車したアルゴス・シマノの選手(トム・フィーラース、オランダ)に接近したときはとても怖かった。あそこで落車を回避できて本当によかった。今日のゴールは自分としてはまったく納得のいくものじゃなかった。ポイント賞ジャージの争いについては、まったく手放すつもりはない。
ポイントを大きく失わないためなら、なんでもするつもりだ。今日は少しポイントを失ったが、大量というわけではなかった。まだ、ぼくには充分なアドバンテージがあると思っている。今日のようなステージで、ぼくが数ポイントを誰かに明け渡してしまうのは当然だと思う。ぼくは誰か特定の選手に対応するつもりはない。グライペルかカヴェンディッシュ、あるいは他の選手の誰が自分にとって、最も脅威となるかなんて予想できない。順位が下がってしまうことで、すべてが変わってしまうこともある。
敢闘賞のジェローム・クザン(フランス、ユーロップカー)
今朝の段階で、今日は激戦の渦中に入っていこうと決めた。今日のステージは、ぼくのクラブチーム「U.S. ポンシャトー」があり、ぼくの家族や地元に隣接する場所からスタートするからだった。今朝、チームから指示されたことのひとつは、誰かひとりが逃げに入ることだった。それでなんとかして、逃げ集団に潜りこんだ。
今日のステージの最初の区間のほうには、大勢の観客がいて、とても驚いた——彼らの多くがぼくの名前を叫んでいてくれたので、落ち着くことができた。もちろん、この種のステージ、つまりスプリンター向けに設定されたステージでの逃げ集団は一時的なもので、これが最後まで逃げ切れるわけじゃないことは自分たちもわかっていた。過去の事例での統計データを知っているほど、期待はできなくなる。でも、レースのスタート後は刻一刻と状況が変化し、200名の選手の中から勝者は1人だという事実は変わりはしない!
ゴール間際で落車したトム・フィーラース(オランダ、アルゴス・シマノ)
複雑な心境だ。チームの2勝目はうれしいけど、自分の擦過傷と打撲はうれしくない。たいしたことはないけど、悪化してほしくはない。これ以上は汚い言葉を言ってしまいそうだ。今晩がよく過ごせるように願うよ。明日の個人TTについてのコメントは差し控えたい。
フィーラースと接触したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
まだゴールシーンのリプレイは見てないけど、トム・フィーラース(オランダ、アルゴス・シマノ)と一緒にアクシデントに巻き込まれた。なにが起きたかはわからないけど、ぼくにミスがあったら謝りたい。あそこはあえて先に進むしかなかった。あそこはたったひとりだけがスプリント勝負から離脱した状況だった。トムが無事なことを祈る。
たった今、スプリントのシーンを見た。ぼくは自分のラインを変えてないと思う。実際にはフィーラースが下がってきて、彼が動いてしまって、ぼくのヒジが接触した。ともかく彼が無事なことを望む。
フィーラースを間一髪でかわしたマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
今日のスプリント勝負に入ろうとするときは、本当に紙一重の差だった。トム・フィーラース(オランダ、アルゴス・シマノ)の自転車が、ぼくの自転車の前輪にあたって、ぼくの脚が時速70kmですれちがっていた。(あの場で)倒れることなく、そのまま進めたのはとても運がよかった! でも、スプリントに持ち込めなかったのは残念だった……。明日以降に期待したい!ぼくのバイク技術について述べてくれた各ツイートに感謝したい。でも今日のは技術よりは悪運の問題だ!
接触事故を解説するロビー・マキュアン(オーストラリア、グリーンエッジ)
マーク・カヴェンディッシュとトム・フィーラースに起きたアレは、一種のアクシデントだ。カヴはスプリント中で、フィーラースは下がりながら右側に流れていった。トム(フィーラース)は無事なようだ。タフだ。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝のマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)
今日の結果には満足しているといえる。有力スプリンター全員が、あのゴール間際にいた。彼らがゴール付近に集結していたなかで、今日勝利できたことに満足している。とくに、アンドレ・グライペル(ドイツ、ロット・ベリソル)とはフィニッシュラインまで競り合って勝てた。チームメイトたちが素晴らしい仕事をしてくれたことに大いに感謝したい。
トム・フィーラース(オランダ)が残り100mで落車してしまったのは本当に残念だ。彼が無事で、ぼくたちが次の勝利に集中できることを望みたい。マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)がトム(・フィーラース)にぶつかってきて、トムがハンドルをコントロールできずに落車してしまったのは明らかだ……カヴェンディッシュが故意にぶつかってきたとは思えない。
こういう混沌とした勝負所では、こういった接触はよく起こる。どのスプリンターもフィニッシュラインが近づくと、前に出ようとするものだ。ともかく、彼が無事なことを願う。ビデオで確認できると思うけど……トム・フィーラースが落車した瞬間、ぼくとアンドレ・グライペルとのあいだにはわずかしか差がなかった。ぼくがスプリントを始めるまでは、グライペルの後ろについてスリップストリームを利用していた。
フィニッシュライン間際になって、ようやく彼を追い抜くことができた。本当にギリギリだった。カヴェンディッシュはトムの自転車のハンドルにぶつかっているのが映像でもわかると思う。でも、彼は故意に接触しようとしたわけじゃないのもわかる。トムが右側に離脱していって、カヴェンディッシュが左側に行こうとしていた——まさにとても不幸な瞬間だったと思う。今日は、ぼくにとってもチームにとっても大きな成果となった。自分たちの実力を示せたことに満足している——つまり、1対1のスプリント勝負になっても、ぼくは相手に打ち勝てる。とても誇らしく思う。
総合1位のクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)
今日もチームメイトたちの素晴らしい仕事のおかげで、集団の前のほうにいることができた。こういうコンディションだと、イアン・スタナード(イギリス)に全幅の信頼が置ける。彼のおかげでトラブルに遭わずに済んだ。チームメイトたちは1日中コツコツと仕事に取り組んで、少しもタイムを失わずにステージを終えるのに必要な仕事をしてくれた。
イアンは本当に優秀な選手で、彼の後ろでスリップストリームの恩恵を充分に受けて、ずっと彼の後輪についていただけだった。彼は横風区間の走り方も熟知しているし、有力選手たちのなかで走ることも知っている。集団内での位置取りも非常に得意としている。終盤に横風の気配がすると同時に、サクソバンクが前方に出てきた。
もちろん、彼らは自分たちのチームの選手のケアのために出てきたのだろうけど、機会があれば、彼らが攻勢に出る可能性も予想できた。これからしばらくは気楽に走れるわけじゃないと注意している限りは、このマイヨ・ジョーヌの栄誉を維持できるだろうと考えている。[第11ステージのタイムトライアルでは]絶対にステージ優勝しようとは思っていない。
でも、総合成績でのリードをがんばって広げようとは思っている——あるいは最低でもリードを保とうとは思う。自分としては100%の力が出せれば、それでかまわない。明日に関しては、ライバルたちの動向にはあまり注目していない。単にコースに出て、自分にとって、その日に出せる力でのベストなタイムトライアルに挑戦するつもりだ。明日の夕方には、落ち着いてリザルト表を見て、そこから得られる事実を再評価したいと思う。明日のコースは平坦でスピードの出るコースだ。自分向けのコースだと期待している。
ポイント賞・ステージ5位のペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)
最後の数kmについては、なにが起きたかはあまり覚えていない。覚えているのは、とても速かったことだけだ!強い追い風があって、道幅は狭く……そして誰もが前に出ようとしていた——ぼくもそうだった。ぼくはマーク・カヴェンディッシュの後ろからスプリントすることにしていて、それでスタートが遅れてしまった。
カヴェンディッシュが、落車したアルゴス・シマノの選手(トム・フィーラース、オランダ)に接近したときはとても怖かった。あそこで落車を回避できて本当によかった。今日のゴールは自分としてはまったく納得のいくものじゃなかった。ポイント賞ジャージの争いについては、まったく手放すつもりはない。
ポイントを大きく失わないためなら、なんでもするつもりだ。今日は少しポイントを失ったが、大量というわけではなかった。まだ、ぼくには充分なアドバンテージがあると思っている。今日のようなステージで、ぼくが数ポイントを誰かに明け渡してしまうのは当然だと思う。ぼくは誰か特定の選手に対応するつもりはない。グライペルかカヴェンディッシュ、あるいは他の選手の誰が自分にとって、最も脅威となるかなんて予想できない。順位が下がってしまうことで、すべてが変わってしまうこともある。
敢闘賞のジェローム・クザン(フランス、ユーロップカー)
今朝の段階で、今日は激戦の渦中に入っていこうと決めた。今日のステージは、ぼくのクラブチーム「U.S. ポンシャトー」があり、ぼくの家族や地元に隣接する場所からスタートするからだった。今朝、チームから指示されたことのひとつは、誰かひとりが逃げに入ることだった。それでなんとかして、逃げ集団に潜りこんだ。
今日のステージの最初の区間のほうには、大勢の観客がいて、とても驚いた——彼らの多くがぼくの名前を叫んでいてくれたので、落ち着くことができた。もちろん、この種のステージ、つまりスプリンター向けに設定されたステージでの逃げ集団は一時的なもので、これが最後まで逃げ切れるわけじゃないことは自分たちもわかっていた。過去の事例での統計データを知っているほど、期待はできなくなる。でも、レースのスタート後は刻一刻と状況が変化し、200名の選手の中から勝者は1人だという事実は変わりはしない!
ゴール間際で落車したトム・フィーラース(オランダ、アルゴス・シマノ)
複雑な心境だ。チームの2勝目はうれしいけど、自分の擦過傷と打撲はうれしくない。たいしたことはないけど、悪化してほしくはない。これ以上は汚い言葉を言ってしまいそうだ。今晩がよく過ごせるように願うよ。明日の個人TTについてのコメントは差し控えたい。
フィーラースと接触したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
まだゴールシーンのリプレイは見てないけど、トム・フィーラース(オランダ、アルゴス・シマノ)と一緒にアクシデントに巻き込まれた。なにが起きたかはわからないけど、ぼくにミスがあったら謝りたい。あそこはあえて先に進むしかなかった。あそこはたったひとりだけがスプリント勝負から離脱した状況だった。トムが無事なことを祈る。
たった今、スプリントのシーンを見た。ぼくは自分のラインを変えてないと思う。実際にはフィーラースが下がってきて、彼が動いてしまって、ぼくのヒジが接触した。ともかく彼が無事なことを望む。
フィーラースを間一髪でかわしたマシュー・ゴス(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)
今日のスプリント勝負に入ろうとするときは、本当に紙一重の差だった。トム・フィーラース(オランダ、アルゴス・シマノ)の自転車が、ぼくの自転車の前輪にあたって、ぼくの脚が時速70kmですれちがっていた。(あの場で)倒れることなく、そのまま進めたのはとても運がよかった! でも、スプリントに持ち込めなかったのは残念だった……。明日以降に期待したい!ぼくのバイク技術について述べてくれた各ツイートに感謝したい。でも今日のは技術よりは悪運の問題だ!
接触事故を解説するロビー・マキュアン(オーストラリア、グリーンエッジ)
マーク・カヴェンディッシュとトム・フィーラースに起きたアレは、一種のアクシデントだ。カヴはスプリント中で、フィーラースは下がりながら右側に流れていった。トム(フィーラース)は無事なようだ。タフだ。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
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