2013/07/01(月) - 11:39
ツール・ド・フランス2013の第2ステージは、ヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・レオパード)が僅差で逃げ切ってステージを制し、総合1位の座も掴んだ。
ステージ優勝・総合1位のヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・レオパード)
最後になってようやく確信できた。奇跡が起きそうだってことに。もしかしたら、マイヨ・ジョーヌも獲得できるかもしれないとわかって、それが信じられなかった。この機会は、ぼくのキャリアにとって最初で最後になるかもしれない。でも、今日のぼくはマイヨ・ジョーヌを着ている。
ラスト500mでまだ少し差があることがわかったので、「このまま維持できれば、自分の人生で最良の日になれるはずだ」と自分に言い聞かせた。そして、そうなった。このジャージをぼくが手にするなんて、本当に信じられない。今シーズンのあらゆる苦難を払拭して、チームに貢献することができた。フィニッシュラインを越えたときは、喜びのあまり顔を覆ってしまった。
終盤に6人になったときは「この集団は強い選手ばかりだ……」と思った。でも、全員が100%の力を発揮できるわけではないとも感じた。同時に、彼らなら100%の力を出したままフィニッシュラインまでたどりつく可能性もあると理解した。このまま逃げ切るのも簡単だろうと思った。
前に出て牽くときはいつも、自分が他の5人より速いと感じていたからだ。本当にぼくが彼らより速いのかはわからない。結局、可能性を信じることにして、こう言った。「みんな、このまま逃げて上位6人に入ろう。それとも、このまま集団に吸収されて、サガンがまた1勝するのを見るつもりか?」
差をキープしていたときは、無線から「GO! GO! GO!」という叫びが聞こえていた。ぼくは全力で走った。振り返ったときに、やり遂げたことを確信した。「これで勝てる! ツール・ド・フランスでステージ優勝しそうだ!」と叫んでいた。
ポイント賞のマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)
思ったよりはハードじゃなかった。たぶん、マイヨ・ジョーヌのおかげで、登坂でも力が出たのだと思う。坂を登っているときは、本当に多くの観客がぼくの名前を叫んでいたので鳥肌が立った。しっかりとマイヨ・ジョーヌを満喫できた……残念ながら、このマイヨ・ジョーヌを失うけど、それは仕方ない。予想していたことだ。
ポイント賞のマイヨ・ヴェールだと、どういう気持ちが湧き起こるかはわからない。でも、きっと同じように特別な感情が湧くだろう。このツール・ド・フランスで、マイヨ・ヴェールを着ることを楽しみたい。だけど、今日マイヨ・ジョーヌを着ていたときの経験が、おそらく自転車選手が感じられる最高のものだと思う。
山岳賞のピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
ヴィッツァヴォーナ峠を登っているときに、モティエ・イスマエル監督がそのまま山頂を通過すれば、山岳賞ジャージを獲得できると教えてくれた。ぼくはまったくためらわなかった。この水玉のジャージは、小さい頃からの夢だったし、たった1日だったとしても、これを着ることはとても魅力的だった。
あそこでがんばったことで、レースの後半が不利になるとは思わなかった——だから、500mを全力で走った。それで潰れることはなかった。次に気をつけたのは、安全に下ることだった。難しいコーナーが多いことがわかっていた。先頭でたったひとりで走るのは、とても快適だった。
これまでのところ、ぼくたちのチームはベストを尽くしている。このチームにはスプリンターはいないけど、できることをトライしている。このツールで2日連続で表彰台に計2人の選手を送り込んだ[昨日はジェローム・キュザン(フランス)が敢闘賞を獲得している]。チームの目的であるステージ優勝は残っているけど、現在の成果でも満足にツールを終えることができる。
新人賞のミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
ぼくたちのチームが活躍出来るステージがまだまだ残っている。2日後にはチームTTが控えているし、このチームはTTの世界チャンピオンでもある。だから、しっかりとトライするつもりだ。
ただ、ぼくがマイヨ・ジョーヌを着る可能性があるとは思っていない。ぼくがツールに来た理由は、今後のキャリアのための勉強とカヴェンディッシュのアシストのためだ。
自分がツール・ド・フランスの総合成績の何位になるかというのは、あまり気にしていない。ぼくには別の目的があるし、そっちのほうが重要だからだ。
敢闘賞のビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル)
今朝はチーム全員のモチベーションも高く、チームとしての主な目的は前方に選手を送り込むことだった。チームとしてしっかり走れたので、結果としてぼくが逃げ集団に入れた。逃げに入ってしまえば、あとは勝利者になることを願うだけだった。
今日はスプリンター勢がしっかりレースをコントロールしていたので、逃げ集団が確実に勝利を狙えるほどの大きな差をつけることはできなかった。集団との差があまり開いてないことがわかったときに、山岳賞ジャージを狙うことにした。ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)と同ポイントになって山岳賞が獲得できなかったので、ちょっとがっかりした。
でも、敢闘賞を獲得できた。これが、初めての賞だ。今大会のツールが終わる前に、ステージ優勝するのを願っている。そして、アージェードゥーゼルが優勝できるチャンスがたくさん訪れることも願っている。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
ステージ優勝・総合1位のヤン・バケランツ(ベルギー、レディオシャック・レオパード)
最後になってようやく確信できた。奇跡が起きそうだってことに。もしかしたら、マイヨ・ジョーヌも獲得できるかもしれないとわかって、それが信じられなかった。この機会は、ぼくのキャリアにとって最初で最後になるかもしれない。でも、今日のぼくはマイヨ・ジョーヌを着ている。
ラスト500mでまだ少し差があることがわかったので、「このまま維持できれば、自分の人生で最良の日になれるはずだ」と自分に言い聞かせた。そして、そうなった。このジャージをぼくが手にするなんて、本当に信じられない。今シーズンのあらゆる苦難を払拭して、チームに貢献することができた。フィニッシュラインを越えたときは、喜びのあまり顔を覆ってしまった。
終盤に6人になったときは「この集団は強い選手ばかりだ……」と思った。でも、全員が100%の力を発揮できるわけではないとも感じた。同時に、彼らなら100%の力を出したままフィニッシュラインまでたどりつく可能性もあると理解した。このまま逃げ切るのも簡単だろうと思った。
前に出て牽くときはいつも、自分が他の5人より速いと感じていたからだ。本当にぼくが彼らより速いのかはわからない。結局、可能性を信じることにして、こう言った。「みんな、このまま逃げて上位6人に入ろう。それとも、このまま集団に吸収されて、サガンがまた1勝するのを見るつもりか?」
差をキープしていたときは、無線から「GO! GO! GO!」という叫びが聞こえていた。ぼくは全力で走った。振り返ったときに、やり遂げたことを確信した。「これで勝てる! ツール・ド・フランスでステージ優勝しそうだ!」と叫んでいた。
ポイント賞のマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)
思ったよりはハードじゃなかった。たぶん、マイヨ・ジョーヌのおかげで、登坂でも力が出たのだと思う。坂を登っているときは、本当に多くの観客がぼくの名前を叫んでいたので鳥肌が立った。しっかりとマイヨ・ジョーヌを満喫できた……残念ながら、このマイヨ・ジョーヌを失うけど、それは仕方ない。予想していたことだ。
ポイント賞のマイヨ・ヴェールだと、どういう気持ちが湧き起こるかはわからない。でも、きっと同じように特別な感情が湧くだろう。このツール・ド・フランスで、マイヨ・ヴェールを着ることを楽しみたい。だけど、今日マイヨ・ジョーヌを着ていたときの経験が、おそらく自転車選手が感じられる最高のものだと思う。
山岳賞のピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)
ヴィッツァヴォーナ峠を登っているときに、モティエ・イスマエル監督がそのまま山頂を通過すれば、山岳賞ジャージを獲得できると教えてくれた。ぼくはまったくためらわなかった。この水玉のジャージは、小さい頃からの夢だったし、たった1日だったとしても、これを着ることはとても魅力的だった。
あそこでがんばったことで、レースの後半が不利になるとは思わなかった——だから、500mを全力で走った。それで潰れることはなかった。次に気をつけたのは、安全に下ることだった。難しいコーナーが多いことがわかっていた。先頭でたったひとりで走るのは、とても快適だった。
これまでのところ、ぼくたちのチームはベストを尽くしている。このチームにはスプリンターはいないけど、できることをトライしている。このツールで2日連続で表彰台に計2人の選手を送り込んだ[昨日はジェローム・キュザン(フランス)が敢闘賞を獲得している]。チームの目的であるステージ優勝は残っているけど、現在の成果でも満足にツールを終えることができる。
新人賞のミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
ぼくたちのチームが活躍出来るステージがまだまだ残っている。2日後にはチームTTが控えているし、このチームはTTの世界チャンピオンでもある。だから、しっかりとトライするつもりだ。
ただ、ぼくがマイヨ・ジョーヌを着る可能性があるとは思っていない。ぼくがツールに来た理由は、今後のキャリアのための勉強とカヴェンディッシュのアシストのためだ。
自分がツール・ド・フランスの総合成績の何位になるかというのは、あまり気にしていない。ぼくには別の目的があるし、そっちのほうが重要だからだ。
敢闘賞のビエル・カドリ(フランス、アージェードゥーゼル)
今朝はチーム全員のモチベーションも高く、チームとしての主な目的は前方に選手を送り込むことだった。チームとしてしっかり走れたので、結果としてぼくが逃げ集団に入れた。逃げに入ってしまえば、あとは勝利者になることを願うだけだった。
今日はスプリンター勢がしっかりレースをコントロールしていたので、逃げ集団が確実に勝利を狙えるほどの大きな差をつけることはできなかった。集団との差があまり開いてないことがわかったときに、山岳賞ジャージを狙うことにした。ピエール・ロラン(フランス、ユーロップカー)と同ポイントになって山岳賞が獲得できなかったので、ちょっとがっかりした。
でも、敢闘賞を獲得できた。これが、初めての賞だ。今大会のツールが終わる前に、ステージ優勝するのを願っている。そして、アージェードゥーゼルが優勝できるチャンスがたくさん訪れることも願っている。
※ソースは現地取材、記者会見、チーム公式ウェブサイト、選手個人のウェブサイトおよびTwitter、Facebookなど。
translation & text: Seiya.YAMASAKI
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