2013/06/11(火) - 22:44
ゴール前に1級山岳が設定されたツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)第3ステージで4人の逃げ切りが決まる。総合狙いの3人を悠々とスプリントで下したのは、2年連続マイヨヴェールを狙うペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング)だった。
ツール・ド・スイス第3ステージは全長204.9km。終盤にはゴール地点マイリンゲンを中心にした周回コースが設定されており、ラスト20km地点で1級山岳ハスリベルグを越える。総合変動の可能性を秘めた山岳ステージだ。
まるでツール・ド・フランスに向けて調子を確認するかのように、トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)、マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソ・ティンコフ)、ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)ら18名がレース序盤から逃げる。大人数のグループを逃がすまいと、メイン集団は慎重にタイム差をコントロールした。
レース後半に入ったところで、総合2位&山岳賞ジャージのライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)が落車し、救急車で病院へと搬送。ヘジダルは手首、臀部、膝、肩に打撲と擦過傷を負った。首や頭部への影響が心配されたが、大事には至っていない。
メイン集団を積極的に率いて逃げグループを捕まえにかかったのはモビスターとアスタナ。やがて平均勾配6.9%・登坂距離11.9kmの1級山岳ハスリベルグの登りが始まると、サクソ・ティンコフとBMCレーシングチームのペースアップが始まる。
霧に包まれたこの1級山岳でタイム差はぐんぐん縮小。逃げグループ、メイン集団ともに人数を減らしながら登りを進む。アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)はこの日も本格的なペースアップを前に集団から脱落。先頭で最後まで抵抗したアルバジーニは頂上まで距離を残して捉えられた。
ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)の献身的なペースアップによってリーダージャージのキャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)は脱落。続いてロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)がペースを上げたが、サガンは余裕を感じさせる表情で集団前方をキープする。
霧に覆われた細い山道を進むメイン集団は15名ほどに絞られた状態で頂上を通過。雨に濡れたダウンヒル区間へと入ると、クロイツィゲル、サガン、マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)、ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)の4名がジワリと後続を引き離す。単独追走したバウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)は届かず、先頭4人のままゴールに突入した。
ラスト1kmでサガンが一人飛び出してふるいにかける。反応したコスタの付き位置に入り、抜群のポジションでゴールへ。他の3人を寄せ付けないスピードで勝利した。
ツール・ド・スイスのステージ通算7勝目、ならびにプロレース50勝目をマークしたサガン。1級山岳でクライマーをも凌駕する登坂力を見せた。ツール・ド・フランスに向けて準備万端の様子だ。「彼らよりも脚がフレッシュではなかったので、見た目ほど簡単なスプリントではなかった。ツール・ド・フランスでのマイヨヴェール獲得という目標に向けて調整が上手く行っていることを確認できて良かった」。
そしてリーダージャージはステージ4位のフランクの手に。2年ぶりにスイス人がツール・ド・スイスのリーダージャージに袖を通した。「チームは僕のために走ってくれた。リーダージャージ獲得は僕の夢であり、最後まで守り抜きたい」。BMCレーシングチームはチームリーダーをヴァンガーデレンからフランクにスイッチしている。
選手コメントはレース公式サイトより。
ツール・ド・スイス2013第3ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) 4h46'27"
2位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)
4位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
5位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング) +39"
6位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) +46"
7位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
8位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
9位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)
10位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル)
個人総合成績
1位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) 7h39'38"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ) +23"
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +35"
4位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) +53"
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +57"
6位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング) +1'08"
7位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +1'23"
8位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ) +1'26"
9位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル) +1'28"
10位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +1'39"
ポイント賞
バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)
山岳賞
ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
ツール・ド・スイス第3ステージは全長204.9km。終盤にはゴール地点マイリンゲンを中心にした周回コースが設定されており、ラスト20km地点で1級山岳ハスリベルグを越える。総合変動の可能性を秘めた山岳ステージだ。
まるでツール・ド・フランスに向けて調子を確認するかのように、トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ)やフィリップ・ジルベール(ベルギー、BMCレーシングチーム)、マッティ・ブレシェル(デンマーク、サクソ・ティンコフ)、ミハエル・アルバジーニ(スイス、オリカ・グリーンエッジ)ら18名がレース序盤から逃げる。大人数のグループを逃がすまいと、メイン集団は慎重にタイム差をコントロールした。
レース後半に入ったところで、総合2位&山岳賞ジャージのライダー・ヘジダル(カナダ、ガーミン・シャープ)が落車し、救急車で病院へと搬送。ヘジダルは手首、臀部、膝、肩に打撲と擦過傷を負った。首や頭部への影響が心配されたが、大事には至っていない。
メイン集団を積極的に率いて逃げグループを捕まえにかかったのはモビスターとアスタナ。やがて平均勾配6.9%・登坂距離11.9kmの1級山岳ハスリベルグの登りが始まると、サクソ・ティンコフとBMCレーシングチームのペースアップが始まる。
霧に包まれたこの1級山岳でタイム差はぐんぐん縮小。逃げグループ、メイン集団ともに人数を減らしながら登りを進む。アンディ・シュレク(ルクセンブルク、レディオシャック・レオパード)はこの日も本格的なペースアップを前に集団から脱落。先頭で最後まで抵抗したアルバジーニは頂上まで距離を残して捉えられた。
ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム)の献身的なペースアップによってリーダージャージのキャメロン・マイヤー(オーストラリア、オリカ・グリーンエッジ)は脱落。続いてロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)がペースを上げたが、サガンは余裕を感じさせる表情で集団前方をキープする。
霧に覆われた細い山道を進むメイン集団は15名ほどに絞られた状態で頂上を通過。雨に濡れたダウンヒル区間へと入ると、クロイツィゲル、サガン、マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)、ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)の4名がジワリと後続を引き離す。単独追走したバウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)は届かず、先頭4人のままゴールに突入した。
ラスト1kmでサガンが一人飛び出してふるいにかける。反応したコスタの付き位置に入り、抜群のポジションでゴールへ。他の3人を寄せ付けないスピードで勝利した。
ツール・ド・スイスのステージ通算7勝目、ならびにプロレース50勝目をマークしたサガン。1級山岳でクライマーをも凌駕する登坂力を見せた。ツール・ド・フランスに向けて準備万端の様子だ。「彼らよりも脚がフレッシュではなかったので、見た目ほど簡単なスプリントではなかった。ツール・ド・フランスでのマイヨヴェール獲得という目標に向けて調整が上手く行っていることを確認できて良かった」。
そしてリーダージャージはステージ4位のフランクの手に。2年ぶりにスイス人がツール・ド・スイスのリーダージャージに袖を通した。「チームは僕のために走ってくれた。リーダージャージ獲得は僕の夢であり、最後まで守り抜きたい」。BMCレーシングチームはチームリーダーをヴァンガーデレンからフランクにスイッチしている。
選手コメントはレース公式サイトより。
ツール・ド・スイス2013第3ステージ結果
1位 ペーター・サガン(スロバキア、キャノンデールプロサイクリング) 4h46'27"
2位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター)
3位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)
4位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム)
5位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング) +39"
6位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) +46"
7位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ)
8位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ)
9位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ)
10位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル)
個人総合成績
1位 マティアス・フランク(スイス、BMCレーシングチーム) 7h39'38"
2位 ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ) +23"
3位 ルイ・コスタ(ポルトガル、モビスター) +35"
4位 ジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア、モビスター) +53"
5位 ティボー・ピノ(フランス、FDJ) +57"
6位 バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング) +1'08"
7位 ダニエル・マーティン(アイルランド、ガーミン・シャープ) +1'23"
8位 タネル・カンゲルト(エストニア、アスタナ) +1'26"
9位 ジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル) +1'28"
10位 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、BMCレーシングチーム) +1'39"
ポイント賞
バウク・モレマ(オランダ、ブランコプロサイクリング)
山岳賞
ロマン・クロイツィゲル(チェコ、サクソ・ティンコフ)
チーム総合成績
アスタナ
text:Kei Tsuji
photo:Riccardo Scanferla
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