2013/06/10(月) - 03:04
まれに見る接戦となった栂池ヒルクライム。ブリヂストンアンカーとチーム右京の戦いはゴールスプリントで決着がついた。
6月9日(日)、長野県北安曇郡小谷村で第17回JBCF栂池高原ヒルクライムが行われた。会場は朝から好天に恵まれ絶好のレース日和。コースは17.1kmで1200mを上るもので序盤が10%ときつく、いったん緩く下ってからふたたびゴールへ上っていく。ペース配分の難しいコースだ。
注目はチーム右京とブリヂストンアンカーの戦い、そして宇都宮ブリッツェンの飯野智行がどう走るか。直前のツアー・オブ・ジャパンとツール・ド・熊野ではブリヂストンアンカーのトマ・ルバとダミアン・モニエが安定した強さを見せた。そしてチーム右京は土井雪広とホセ・ビセンテが上位に来た。特にホセはJPT初戦の伊吹山で圧倒しており、この栂池でも期待された。
コースレコードは2011年に増田成幸(現・キャノンデールプロサイクリングチーム)が出した48分20秒。それまでは狩野智也(チーム右京)の48分22秒が最高だった。当日は強力なメンバーゆえ、コースレコードも期待された。
スタート後にヴァンサン・カナール(ブリヂストンアンカー)が先行、これを狩野智也(チーム右京)先頭の集団が追い吸収。その後4km地点まで狩野が集団を小さくしていく。ゴンドラ中間駅を過ぎて管理用道路へ入る頃に先頭は10人に。アンカー4人、右京3人、ブリッツェン2人そしてシマノ1人だ。
ここからの先頭集団は駆け引きが続きアンカー4人と右京2人になる。モニエ、カナール、ルバ、伊丹健治のアンカー4人と右京はホセと土井だ。この6人はそれぞれが仕掛けて相手チームの様子を伺う。仕掛けがやや多いのはカナール、伊丹そしてホセ。中盤以降は土井が仕掛け、一時は土井と伊丹の2人が先行する。
ラスト2.5km地点、土井、ホセ、モニエの3人にカナールが追いつくカウンターでホセが鋭くアタック。これにモニエだけが反応でき2人でゴールを目指す。はじめはホセが先頭を、ラスト1kmからはモニエが先頭に立ちそのままゴール前のカーブへ。50mほどの区間でスプリントしてそのままモニエが先着した。
優勝したモニエは今年にコフィディスからアンカーへ移籍した30歳のフランス人選手。2011年のジロ・デ・イタリア第17ステージで優勝、以前には個人追抜きのフランスチャンピオンにも。水谷監督は「調子が戻りつつあるので今後に期待している」と語る。
中盤からアンカー4人と右京2人の戦いになったが右京勢は数的不利を跳ね返して対等に戦った。鋭いアタックを仕掛けたのはホセが一番。しかし最後は前日に入念な下見をしていたアンカー勢が勝利。土井は伊丹とともに抜け出せるチャンスはあったが、ホセにポイントを集中させるためアシストに徹した。
アンカーとしては伊丹を優勝させることを考えていた。「ほかの選手がアシストで動き、そして伊丹が抜け出して勝てることが理想だった。それが無理ならばダミアンが取りに行くということだった」と水谷監督。アンカー4人の動きに無駄は無く「ふだんから意思の疎通をして、そしてミーティングで確認している」からこその一枚岩の動きだった。
ヒルクライムレースでは珍しくアタックと牽制の時間がほとんどという、ロードレースのような展開の今年の栂池。そのため記録としてはレコードから約1分プラスだが、その内容のレベルは高い。
次週はふじあざみライン。大半の選手はツアー・オブ・ジャパンで走ったコース。さらに1週間後に控える全日本選手権ロードは上りの厳しいコース。ふたたび2チームの激突となるか、あるいは全日本前に脚を見せるかどうか注目される。
結果
P1
1位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)49分22秒
2位 ホセ・ビセンテ(チーム・右京)
3位 土井雪広(チーム右京)+04秒
4位 ヴァンサン・カナール(ブリヂストンアンカー)+08秒
5位 伊丹健治(ブリヂストンアンカー)+13秒
6位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)+23秒
7位 狩野智也(チーム右京)+24秒
8位 飯野智行(宇都宮ブリッツェン)+31秒
9位 城田大和(宇都宮ブリッツェン)+1分26秒
10位 初山翔(ブリヂストンアンカー)
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(チーム右京)
U23リーダー 池部壮太(マトリックスパワータグ)
F
1位 金子広美(イナーメ信濃山形-EFT)59分10秒
2位 西加南子(LUMINARIA)+7分59秒
3位 坂口優子(TEAM YOU CAN)+12分49秒
E1
1位 若松達人(GRUPPO ACQUA TAMA)50分39秒
2位 足立智弘(クラブGiro)+1分28秒
3位 原純一(竹芝サイクルレーシング)
4位 若狭智代秀(チーム・アヴェル)+2分18秒
5位 田崎友康(F(t)麒麟山Racing)
6位 高橋義博(チームCB+)+2分24秒
E2
1位 佐々木優也(チーム右京Reve)53分08秒
2位 片岡真之介(Beach Racing)+56秒
3位 川合宏樹(オッティモ)+2分10秒
4位 中嶋安階(イナーメ信濃山形-EFT)+2分53秒
5位 中井光博(ラヴニールあづみの)+2分58秒
6位 宮崎隼(GRUPPO ACQUA TAMA)+3分28秒
E3
1位 佐野千尋(サイクルフリーダム レーシング)53分32秒
2位 藤波政臣(天狗党)+11秒
3位 渡辺友一(HIRAKO.mode)+35秒
4位 小野寺怜(JBCF J-Youth)+1分18秒
5位 福丸智哉(Lumiere KOBE)+1分31秒
6位 佐藤秀和(サイクルフリーダム レーシング)+1分48秒
photo&text:高木秀彰
6月9日(日)、長野県北安曇郡小谷村で第17回JBCF栂池高原ヒルクライムが行われた。会場は朝から好天に恵まれ絶好のレース日和。コースは17.1kmで1200mを上るもので序盤が10%ときつく、いったん緩く下ってからふたたびゴールへ上っていく。ペース配分の難しいコースだ。
注目はチーム右京とブリヂストンアンカーの戦い、そして宇都宮ブリッツェンの飯野智行がどう走るか。直前のツアー・オブ・ジャパンとツール・ド・熊野ではブリヂストンアンカーのトマ・ルバとダミアン・モニエが安定した強さを見せた。そしてチーム右京は土井雪広とホセ・ビセンテが上位に来た。特にホセはJPT初戦の伊吹山で圧倒しており、この栂池でも期待された。
コースレコードは2011年に増田成幸(現・キャノンデールプロサイクリングチーム)が出した48分20秒。それまでは狩野智也(チーム右京)の48分22秒が最高だった。当日は強力なメンバーゆえ、コースレコードも期待された。
スタート後にヴァンサン・カナール(ブリヂストンアンカー)が先行、これを狩野智也(チーム右京)先頭の集団が追い吸収。その後4km地点まで狩野が集団を小さくしていく。ゴンドラ中間駅を過ぎて管理用道路へ入る頃に先頭は10人に。アンカー4人、右京3人、ブリッツェン2人そしてシマノ1人だ。
ここからの先頭集団は駆け引きが続きアンカー4人と右京2人になる。モニエ、カナール、ルバ、伊丹健治のアンカー4人と右京はホセと土井だ。この6人はそれぞれが仕掛けて相手チームの様子を伺う。仕掛けがやや多いのはカナール、伊丹そしてホセ。中盤以降は土井が仕掛け、一時は土井と伊丹の2人が先行する。
ラスト2.5km地点、土井、ホセ、モニエの3人にカナールが追いつくカウンターでホセが鋭くアタック。これにモニエだけが反応でき2人でゴールを目指す。はじめはホセが先頭を、ラスト1kmからはモニエが先頭に立ちそのままゴール前のカーブへ。50mほどの区間でスプリントしてそのままモニエが先着した。
優勝したモニエは今年にコフィディスからアンカーへ移籍した30歳のフランス人選手。2011年のジロ・デ・イタリア第17ステージで優勝、以前には個人追抜きのフランスチャンピオンにも。水谷監督は「調子が戻りつつあるので今後に期待している」と語る。
中盤からアンカー4人と右京2人の戦いになったが右京勢は数的不利を跳ね返して対等に戦った。鋭いアタックを仕掛けたのはホセが一番。しかし最後は前日に入念な下見をしていたアンカー勢が勝利。土井は伊丹とともに抜け出せるチャンスはあったが、ホセにポイントを集中させるためアシストに徹した。
アンカーとしては伊丹を優勝させることを考えていた。「ほかの選手がアシストで動き、そして伊丹が抜け出して勝てることが理想だった。それが無理ならばダミアンが取りに行くということだった」と水谷監督。アンカー4人の動きに無駄は無く「ふだんから意思の疎通をして、そしてミーティングで確認している」からこその一枚岩の動きだった。
ヒルクライムレースでは珍しくアタックと牽制の時間がほとんどという、ロードレースのような展開の今年の栂池。そのため記録としてはレコードから約1分プラスだが、その内容のレベルは高い。
次週はふじあざみライン。大半の選手はツアー・オブ・ジャパンで走ったコース。さらに1週間後に控える全日本選手権ロードは上りの厳しいコース。ふたたび2チームの激突となるか、あるいは全日本前に脚を見せるかどうか注目される。
結果
P1
1位 ダミアン・モニエ(ブリヂストンアンカー)49分22秒
2位 ホセ・ビセンテ(チーム・右京)
3位 土井雪広(チーム右京)+04秒
4位 ヴァンサン・カナール(ブリヂストンアンカー)+08秒
5位 伊丹健治(ブリヂストンアンカー)+13秒
6位 トマ・ルバ(ブリヂストンアンカー)+23秒
7位 狩野智也(チーム右京)+24秒
8位 飯野智行(宇都宮ブリッツェン)+31秒
9位 城田大和(宇都宮ブリッツェン)+1分26秒
10位 初山翔(ブリヂストンアンカー)
Jプロツアーリーダー ホセ・ビセンテ(チーム右京)
U23リーダー 池部壮太(マトリックスパワータグ)
F
1位 金子広美(イナーメ信濃山形-EFT)59分10秒
2位 西加南子(LUMINARIA)+7分59秒
3位 坂口優子(TEAM YOU CAN)+12分49秒
E1
1位 若松達人(GRUPPO ACQUA TAMA)50分39秒
2位 足立智弘(クラブGiro)+1分28秒
3位 原純一(竹芝サイクルレーシング)
4位 若狭智代秀(チーム・アヴェル)+2分18秒
5位 田崎友康(F(t)麒麟山Racing)
6位 高橋義博(チームCB+)+2分24秒
E2
1位 佐々木優也(チーム右京Reve)53分08秒
2位 片岡真之介(Beach Racing)+56秒
3位 川合宏樹(オッティモ)+2分10秒
4位 中嶋安階(イナーメ信濃山形-EFT)+2分53秒
5位 中井光博(ラヴニールあづみの)+2分58秒
6位 宮崎隼(GRUPPO ACQUA TAMA)+3分28秒
E3
1位 佐野千尋(サイクルフリーダム レーシング)53分32秒
2位 藤波政臣(天狗党)+11秒
3位 渡辺友一(HIRAKO.mode)+35秒
4位 小野寺怜(JBCF J-Youth)+1分18秒
5位 福丸智哉(Lumiere KOBE)+1分31秒
6位 佐藤秀和(サイクルフリーダム レーシング)+1分48秒
photo&text:高木秀彰
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