2013/03/23(土) - 10:54
桃園縣を駆け抜け、1級山岳・角板山頂上へとゴールするツール・ド・台湾第5ステージ。終盤にアタックを成功させたツガブ・グルメイが独走勝利を飾り、大会初のエチオピア人ステージ優勝者となり、総合順位を2位まで引き上げた。
全行程の半分を終了したツール・ド・台湾(UCI2.1)。3月22日に開催された第5ステージは、台湾北西部の桃園縣を駆け巡る126.2kmで争われた。序盤こそ細かなアップダウンが続くものの、91km地点にはカテゴリー1級山岳龍澤山が用意され、ゴールが用意されるは同じく1級の角板山(標高452m)頂上という難易度の高いもの。
翌第6ステージは概ね平坦で、最終第7ステージは台北市内でのクリテリウムとなるため、実質的に総合順位を動かしたい選手にとっては最後のチャンス。ベルナルド・サルツバージャー(オーストラリア、ドラパック・サイクリング)が総合首位を守りきれるかに注目が集まった・
この日も激しいアタック合戦で幕開けたステージ。清水太己(日本ナショナルチーム)なども抜け出しを試みたものの決まらない。
やがて29km地点で昨日のステージ優勝者ザッカリ・ベル(カナダ)&フェン・チュンカイ(台湾)のチャンピオンシステム・プロサイクリングコンビと、デニス・ヴァンニエケルク(南アフリカ、MTNキュベカ・サムスン)という3名のエスケープが決まる。逃げにメンバーを送り込もうとした日本ナショナルチームの戦略は失敗に。
リーダージャージ擁するドラパック・サイクリングがコントロールする集団に対して、先頭3名はおよそ2分弱の差をキープしながら、淡々と距離を消化していく展開に。後半に掛けてメイン集団はテンポを早め、3名を取り込む体制を整えていく。
しかし脚の揃った3名は、メイン集団に対抗してペースを早めると、30秒ほどのタイム差を残したまま1つ目の1級山岳をクリア。しかし残り15kmから始まる角板山の入り口で捉えられ、ここから大集団による登り勝負が始まった。
次々と散発的なアタックが繰り返されるものの、ドラパック・サイクリングとユナイテッドヘルスケアがコントロールする集団に全て吸収されていく。そして残り3km、エチオピアのツガブ・グルメイ(MTNキュベカ・サムスン)が勢い良く飛び出した。
勢い良く山を駆け上がるグルメイの勢いは最後まで集団を寄せ付けず、10秒差をキープしたままゴール。エチオピア人選手として初のステージ優勝を飾ることに成功した。
「作戦通りことが運んだよ。今回チームはスプリンターを用意さていないから、山岳でアタックし、ステージ優勝する必要があった。デニスが序盤の逃げに乗ったことも作戦通り。(最後アタックした時)一度差を付けてからは、自分にできる全てのことをした。今シーズンがプロとして初めての年だけれど、勝利できて嬉しい。アフリカを、エチオピアを誇りに思う」と語るグルメイは、今回の勝利で総合を2位へとアップ。
アフリカチームの、アフリカ出身選手による勝利。ミラノ~サンレモでの優勝に続き、今年アフリカチームとして初のプロコンチネンタル登録を果たしたチームに朗報をもたらした。
10秒遅れで入った集団の頭を獲ったのは、スプリンターのモハマドソフィ・セナン(マレーシア、トレンガヌ・サイクリング)。次いで吉田隼人(シマノレーシング)が入り、UCIポイントを5点獲得した。
ツール・ド・台湾2013第5ステージ結果
1位 ツガブ・グルメイ(エチオピア、MTNキュベカ・サムスン) 2h59′35″
2位 モハマドソフィ・セナン(マレーシア、トレンガヌ・サイクリング) +10″
3位 吉田隼人(シマノレーシング)
4位 ベンジャミン・ジロー(フランス、ラポム・マルセイユ)
5位 ムハマドアディク・フサイン(マレーシア、チャンピオンシステム・プロサイクリング)
6位 ベルナルド・サルツバージャー(オーストラリア、ドラパック・サイクリング)
7位 キリル・ポズディヤノフ(ロシア、シナジーバクサイクリング)
8位 ホ・チョイキ(香港、香港ナショナルチーム)
9位 ルーク・ケノー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
10位 クロムステン・アンデルセン(デンマーク、フロイ・ビアンキ)
[img_assist|nid=104498|title=ステージ優勝を果たしたツガブ・グルメイ(エチオピア、MTNキュベカ・サムスン)|desc=photo:tourdetw|link=node|align=right|width=200|height=]
21位 伊藤雅和(愛三工業レーシング)
24位 平塚吉光(愛三工業レーシング)
26位 鈴木譲(シマノレーシング)
30位 寺崎武郎(日本ナショナルチーム)
33位 西村大輝(日本ナショナルチーム)
52位 野中竜馬(シマノレーシング) +58″
53位 清水太己(日本ナショナルチーム)+1′16″
67位 入部正太郎(シマノレーシング)+3′10″
73位 内間康平(日本ナショナルチーム)+4′07″
75位 安井雅彦(シマノレーシング) +5′03″
79位 綾部勇成(愛三工業レーシング) +6′01″
92位 中島康晴(愛三工業レーシング) +9′03″
93位 福田真平(愛三工業レーシング) +10′15″
個人総合成績
1位 ベルナルド・サルツバージャー(オーストラリア、ドラパック・サイクリング) 15h02′59″
2位 ツガブ・グルメイ(エチオピア、MTNキュベカ・サムスン) +27″
3位 キリル・ポズディヤノフ(ロシア、シナジーバクサイクリング) +28″
4位 ルイス・メインテ(南アフリカ、MTNキュベカ・サムスン)
5位 ネイサン・アール(オーストラリア、ジェネシス・ウェルスアドバイザーズ) +31″
6位 クロムステン・アンデルセン(デンマーク、フロイ・ビアンキ) +37″
7位 モハマドアディク・フサイン(マレーシア、トレンガヌ・サイクリング) +41″
8位 ホ・チョイキ(香港、香港ナショナルチーム)
9位 リアム・ホロハン(イギリス、マディソン・ジェネシス) +43″
10位 伊藤雅和(愛三工業レーシング) +47″
ポイント賞
ベルナルド・サルツバージャー(オーストラリア、ドラパック・サイクリング)
山岳賞
フェン・チュンカイ(台湾、チャンピオンシステム・プロサイクリング)
チーム総合成績
フロイ・ビアンキ
text:So.Isobe
photo:tourdetw
全行程の半分を終了したツール・ド・台湾(UCI2.1)。3月22日に開催された第5ステージは、台湾北西部の桃園縣を駆け巡る126.2kmで争われた。序盤こそ細かなアップダウンが続くものの、91km地点にはカテゴリー1級山岳龍澤山が用意され、ゴールが用意されるは同じく1級の角板山(標高452m)頂上という難易度の高いもの。
翌第6ステージは概ね平坦で、最終第7ステージは台北市内でのクリテリウムとなるため、実質的に総合順位を動かしたい選手にとっては最後のチャンス。ベルナルド・サルツバージャー(オーストラリア、ドラパック・サイクリング)が総合首位を守りきれるかに注目が集まった・
この日も激しいアタック合戦で幕開けたステージ。清水太己(日本ナショナルチーム)なども抜け出しを試みたものの決まらない。
やがて29km地点で昨日のステージ優勝者ザッカリ・ベル(カナダ)&フェン・チュンカイ(台湾)のチャンピオンシステム・プロサイクリングコンビと、デニス・ヴァンニエケルク(南アフリカ、MTNキュベカ・サムスン)という3名のエスケープが決まる。逃げにメンバーを送り込もうとした日本ナショナルチームの戦略は失敗に。
リーダージャージ擁するドラパック・サイクリングがコントロールする集団に対して、先頭3名はおよそ2分弱の差をキープしながら、淡々と距離を消化していく展開に。後半に掛けてメイン集団はテンポを早め、3名を取り込む体制を整えていく。
しかし脚の揃った3名は、メイン集団に対抗してペースを早めると、30秒ほどのタイム差を残したまま1つ目の1級山岳をクリア。しかし残り15kmから始まる角板山の入り口で捉えられ、ここから大集団による登り勝負が始まった。
次々と散発的なアタックが繰り返されるものの、ドラパック・サイクリングとユナイテッドヘルスケアがコントロールする集団に全て吸収されていく。そして残り3km、エチオピアのツガブ・グルメイ(MTNキュベカ・サムスン)が勢い良く飛び出した。
勢い良く山を駆け上がるグルメイの勢いは最後まで集団を寄せ付けず、10秒差をキープしたままゴール。エチオピア人選手として初のステージ優勝を飾ることに成功した。
「作戦通りことが運んだよ。今回チームはスプリンターを用意さていないから、山岳でアタックし、ステージ優勝する必要があった。デニスが序盤の逃げに乗ったことも作戦通り。(最後アタックした時)一度差を付けてからは、自分にできる全てのことをした。今シーズンがプロとして初めての年だけれど、勝利できて嬉しい。アフリカを、エチオピアを誇りに思う」と語るグルメイは、今回の勝利で総合を2位へとアップ。
アフリカチームの、アフリカ出身選手による勝利。ミラノ~サンレモでの優勝に続き、今年アフリカチームとして初のプロコンチネンタル登録を果たしたチームに朗報をもたらした。
10秒遅れで入った集団の頭を獲ったのは、スプリンターのモハマドソフィ・セナン(マレーシア、トレンガヌ・サイクリング)。次いで吉田隼人(シマノレーシング)が入り、UCIポイントを5点獲得した。
ツール・ド・台湾2013第5ステージ結果
1位 ツガブ・グルメイ(エチオピア、MTNキュベカ・サムスン) 2h59′35″
2位 モハマドソフィ・セナン(マレーシア、トレンガヌ・サイクリング) +10″
3位 吉田隼人(シマノレーシング)
4位 ベンジャミン・ジロー(フランス、ラポム・マルセイユ)
5位 ムハマドアディク・フサイン(マレーシア、チャンピオンシステム・プロサイクリング)
6位 ベルナルド・サルツバージャー(オーストラリア、ドラパック・サイクリング)
7位 キリル・ポズディヤノフ(ロシア、シナジーバクサイクリング)
8位 ホ・チョイキ(香港、香港ナショナルチーム)
9位 ルーク・ケノー(アメリカ、ユナイテッドヘルスケア)
10位 クロムステン・アンデルセン(デンマーク、フロイ・ビアンキ)
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21位 伊藤雅和(愛三工業レーシング)
24位 平塚吉光(愛三工業レーシング)
26位 鈴木譲(シマノレーシング)
30位 寺崎武郎(日本ナショナルチーム)
33位 西村大輝(日本ナショナルチーム)
52位 野中竜馬(シマノレーシング) +58″
53位 清水太己(日本ナショナルチーム)+1′16″
67位 入部正太郎(シマノレーシング)+3′10″
73位 内間康平(日本ナショナルチーム)+4′07″
75位 安井雅彦(シマノレーシング) +5′03″
79位 綾部勇成(愛三工業レーシング) +6′01″
92位 中島康晴(愛三工業レーシング) +9′03″
93位 福田真平(愛三工業レーシング) +10′15″
個人総合成績
1位 ベルナルド・サルツバージャー(オーストラリア、ドラパック・サイクリング) 15h02′59″
2位 ツガブ・グルメイ(エチオピア、MTNキュベカ・サムスン) +27″
3位 キリル・ポズディヤノフ(ロシア、シナジーバクサイクリング) +28″
4位 ルイス・メインテ(南アフリカ、MTNキュベカ・サムスン)
5位 ネイサン・アール(オーストラリア、ジェネシス・ウェルスアドバイザーズ) +31″
6位 クロムステン・アンデルセン(デンマーク、フロイ・ビアンキ) +37″
7位 モハマドアディク・フサイン(マレーシア、トレンガヌ・サイクリング) +41″
8位 ホ・チョイキ(香港、香港ナショナルチーム)
9位 リアム・ホロハン(イギリス、マディソン・ジェネシス) +43″
10位 伊藤雅和(愛三工業レーシング) +47″
ポイント賞
ベルナルド・サルツバージャー(オーストラリア、ドラパック・サイクリング)
山岳賞
フェン・チュンカイ(台湾、チャンピオンシステム・プロサイクリング)
チーム総合成績
フロイ・ビアンキ
text:So.Isobe
photo:tourdetw
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