2013/03/13(水) - 08:05
ティレーノ~アドリアティコ最終ステージ、9.2kmの個人タイムトライアルを制したのは世界チャンピオンのトニ・マルティン。ステージ12位のヴィンツェンツォ・ニーバリがフルームの追撃をかわし2年連続の総合優勝を果たした。
7日間に渡るティレーノ~アドリアティコ(UCIワールドツアー)も、この最終第7ステージが最終日。僅差の争いとなった総合優勝争いの舞台となったのは、恒例のサンベネデット・デル・トロント。マルケ州指折りのビーチリゾートを、最終日まで残った選手たちが一人、また一人と1分おきに駆け抜けた。
コースはサンベネデット・デル・トロントの海沿いを駆け抜ける9.2kmで、1mの高低差も無いオールフラット。海沿いのストレートを往復するルートには直角・タイトコーナーが4つしか無く、単純な独走力が問われる。
第1走は、14時3分にスタートしたマーティン・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)。次いでイェンス・モーリス(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)、アルノー・デマール(フランス、FDJ)と総合順位下位から順にスタートしていく。
まず序盤に好タイムを叩きだしたのはヘイデン・ロールストン(ニュージランド、レディオシャック・レオパード)。10分45秒のタイムをマークしたが、すぐにこれを塗り替えたのはチームメイトのファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)。ロールストンを8秒短縮する10分37秒を記録し、"最強クロノマン"としての威信を見せる。
だが今シーズン調子の上がりきらないカンチェラーラ。イタリアTT界期待の星、アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・メリダ)が更に6秒上回る10分31秒を叩き出し、一躍ホットシートに就いたが、マローリの走りも、現世界チャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)の前に屈することとなる。
重たいギアを踏む、いつものスタイルで疾走するマルティンは、最終的に10分25秒をマーク。「このステージに向けて準備を重ねてきた。コースレイアウトも僕向きでピッタリだったんだ。」と後に語るマルティン。以降このタイムを破る選手は現れず、ステージ優勝に輝いた。
「今日は天候にも恵まれて、全ての運気が僕に向いたんだ。最大のライヴァルであるカンチェラーラやマローリとは、僅差の戦いになると思っていたけれど、勝つことが出来た。とても、とても嬉しいよ。」と付け加えた。
スタート前の時点で、総合1位ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)は、クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)に対して34秒、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)に対して37秒のリード。
ロドリゲスが11分38秒のタイムでステージ33位に沈む一方、アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)は10分55秒のステージ15位で、プリトを逆転して総合3位への浮上へと成功した。
期待されたフルームは10分40秒、ステージ6位のタイムを叩き出しニーバリを11秒上回ったものの、34秒のリードを全て切り崩すことは出来なかった。10分51秒のタイムをマークしたニーバリのゴールを持って、"メッシーナのサメ"が2年連続の総合優勝を決定させた。
「今日のステージは、僕にとって大一番だった。1、2つ雨に濡れた難しいコーナーがあって、リスクを犯さず走ることにしたんだ。」と記者会見で語るニーバリ。「今年のティレーノ~アドリアティコは素晴らしいレースとなったね。フルームやコンタドールと戦って勝利したことは、僕にとってとても大きな満足となったんだ。グランツール同様にね。」
「このティレーノ~アドリアティコを経て、僕は良いコンディションになっている。ミラノ~サンレモに良い調子で望めると思う。良いレースができるよう走りたいね。スプリントが得意じゃないから、勝利を狙うのは難しい。(勝つためには)手段を講じていかないといけないね。」と、今週末に迫った春の大一番に向けて気合を語った。
ティレーノ〜アドリアティコ2013第7ステージ
1位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)10’25”
2位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・メリダ) 10’31”
3位 アンドレイ・アマドール (コスタリカ、モビスター) 10’35”
4位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)10’37”
5位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)10’39”
6位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) 10’40”
7位 ヘイデン・ロールストン(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)10’45”
8位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) 10’46”
9位 ダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ) 10’48”
10位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター) 10’48”
個人総合成績
1位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) 28h08’17”
2位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) +23”
3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)+52”
4位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +53”
5位ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +54”
6位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード) +01’21”
7位 マウロ・サンタンブロジロ(イタリア、BMCレーシング) +02’03”
8位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +02’42”
9位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ) +03’19”
10位 ワウテル・ポエルス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +03’35”
山岳賞
ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)
ポイント賞
アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)
新人賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
text:So.Isobe
photo:RCSsport,Riccardo.Scanfelra
7日間に渡るティレーノ~アドリアティコ(UCIワールドツアー)も、この最終第7ステージが最終日。僅差の争いとなった総合優勝争いの舞台となったのは、恒例のサンベネデット・デル・トロント。マルケ州指折りのビーチリゾートを、最終日まで残った選手たちが一人、また一人と1分おきに駆け抜けた。
コースはサンベネデット・デル・トロントの海沿いを駆け抜ける9.2kmで、1mの高低差も無いオールフラット。海沿いのストレートを往復するルートには直角・タイトコーナーが4つしか無く、単純な独走力が問われる。
第1走は、14時3分にスタートしたマーティン・ベリトス(スロバキア、オメガファーマ・クイックステップ)。次いでイェンス・モーリス(オランダ、オリカ・グリーンエッジ)、アルノー・デマール(フランス、FDJ)と総合順位下位から順にスタートしていく。
まず序盤に好タイムを叩きだしたのはヘイデン・ロールストン(ニュージランド、レディオシャック・レオパード)。10分45秒のタイムをマークしたが、すぐにこれを塗り替えたのはチームメイトのファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)。ロールストンを8秒短縮する10分37秒を記録し、"最強クロノマン"としての威信を見せる。
だが今シーズン調子の上がりきらないカンチェラーラ。イタリアTT界期待の星、アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・メリダ)が更に6秒上回る10分31秒を叩き出し、一躍ホットシートに就いたが、マローリの走りも、現世界チャンピオンのトニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)の前に屈することとなる。
重たいギアを踏む、いつものスタイルで疾走するマルティンは、最終的に10分25秒をマーク。「このステージに向けて準備を重ねてきた。コースレイアウトも僕向きでピッタリだったんだ。」と後に語るマルティン。以降このタイムを破る選手は現れず、ステージ優勝に輝いた。
「今日は天候にも恵まれて、全ての運気が僕に向いたんだ。最大のライヴァルであるカンチェラーラやマローリとは、僅差の戦いになると思っていたけれど、勝つことが出来た。とても、とても嬉しいよ。」と付け加えた。
スタート前の時点で、総合1位ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ)は、クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)に対して34秒、ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)に対して37秒のリード。
ロドリゲスが11分38秒のタイムでステージ33位に沈む一方、アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)は10分55秒のステージ15位で、プリトを逆転して総合3位への浮上へと成功した。
期待されたフルームは10分40秒、ステージ6位のタイムを叩き出しニーバリを11秒上回ったものの、34秒のリードを全て切り崩すことは出来なかった。10分51秒のタイムをマークしたニーバリのゴールを持って、"メッシーナのサメ"が2年連続の総合優勝を決定させた。
「今日のステージは、僕にとって大一番だった。1、2つ雨に濡れた難しいコーナーがあって、リスクを犯さず走ることにしたんだ。」と記者会見で語るニーバリ。「今年のティレーノ~アドリアティコは素晴らしいレースとなったね。フルームやコンタドールと戦って勝利したことは、僕にとってとても大きな満足となったんだ。グランツール同様にね。」
「このティレーノ~アドリアティコを経て、僕は良いコンディションになっている。ミラノ~サンレモに良い調子で望めると思う。良いレースができるよう走りたいね。スプリントが得意じゃないから、勝利を狙うのは難しい。(勝つためには)手段を講じていかないといけないね。」と、今週末に迫った春の大一番に向けて気合を語った。
ティレーノ〜アドリアティコ2013第7ステージ
1位 トニ・マルティン(ドイツ、オメガファーマ・クイックステップ)10’25”
2位 アドリアーノ・マローリ(イタリア、ランプレ・メリダ) 10’31”
3位 アンドレイ・アマドール (コスタリカ、モビスター) 10’35”
4位 ファビアン・カンチェラーラ(スイス、レディオシャック・レオパード)10’37”
5位 ヨナタン・カストロビエホ(スペイン、モビスター)10’39”
6位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) 10’40”
7位 ヘイデン・ロールストン(ニュージーランド、レディオシャック・レオパード)10’45”
8位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) 10’46”
9位 ダリオ・カタルド(イタリア、チームスカイ) 10’48”
10位 アレックス・ダウセット(イギリス、モビスター) 10’48”
個人総合成績
1位 ヴィンツェンツォ・ニーバリ(イタリア、アスタナ) 28h08’17”
2位 クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング) +23”
3位 アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)+52”
4位 ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ) +53”
5位ホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ) +54”
6位 クリストファー・ホーナー(アメリカ、レディオシャック・レオパード) +01’21”
7位 マウロ・サンタンブロジロ(イタリア、BMCレーシング) +02’03”
8位 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター) +02’42”
9位 プリジミスラウ・ニエミエツ(ポーランド、ランプレ・メリダ) +03’19”
10位 ワウテル・ポエルス(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) +03’35”
山岳賞
ダミアーノ・クネゴ(イタリア、ランプレ・メリダ)
ポイント賞
アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)
新人賞
ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)
text:So.Isobe
photo:RCSsport,Riccardo.Scanfelra
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