2013/03/03(日) - 15:00
「太陽のレース」、あるいは「小さなツール・ド・フランス」と呼ばれる8日間のステージレース、パリ〜ニースが3月3日からスタートする。ライセンス問題が解決したカチューシャがこのレースからUCIプロチームとして加わり、23チームによって争われる。
パリ~ニース2013コースマップ (c)A.S.O.ツール・ド・フランスの国フランスに本格的なレースシーズンの到来を告げるパリ〜ニースは、いまだ真冬のパリ郊外から8日間かけて南下し、地中海の春の陽光が降り注ぐ南仏はニースへとたどり着く。
テクニカルなコーナーの多いプロローグ (c)A.S.O.8日間のレースにステージレースの要素をバランスよく散りばめたレースは、ジロ・デ・イタリア、そしてツール・ド・フランスへと続くグランツールの予選としてふさわしい。また、ミラノ〜サンレモに続くメジャークラシックの調整レースとしても、イタリアのティレーノ~アドリアティコ同様に選ばれるレースだ。
ツール・ド・フランス主催者A.S.O(アモリー・スポール・オルガニザシヨン)が開催するレースだけに、総合勝利者に与えられるリーダージャージはマイヨ・ジョーヌと同様のもの。1週間のステージレースとしてステータスは高い。
今大会は、パリ郊外でのプロローグ、平坦基調の2.9kmという短さの個人タイムトライアルで幕を開ける。距離的にはスプリンターにもマイヨ・ジョーヌ獲得の可能性がありそうだ。
第1ステージはパリ郊外からヌムールまでの195 km。細かなアップダウンはあるもののスプリンターのためのレースとなるだろう。第2ステージは最初の山岳ポイントが登場。しかし第1ステージ同様にゴールスプリントが見込まれている。
パリ~ニース2013第4ステージ (c)A.S.O.第3・第4ステージではオーヴェルニュ山塊へ。第3ステージは途中に3級山岳がふたつ。ゴール前の15kmには733mの2級山岳が待つ。勾配の厳しい2.7kmの上り区間でセレクションを受けての小集団ゴールとなりそうだ。
第4ステージからコースの厳しさが本格的になり、アップダウンの展開を経て逃げ集団が抜け出るチャンスが生まれるだろう。ゴール8.5km手前のシゼランヌ峠で抜け出したグループでステージ勝利は争われそうだ。
パリ~ニース2013第5ステージ (c)A.S.O.第5ステージには1級山岳モンターニュ・ド・リュール頂上ゴールが登場。距離13.8km・平均勾配6.6%のこの山頂ゴールは2009年にアルベルト・コンタドールがアタックを掛けて独走ゴールを飾った地だ。大きく遅れれば総合優勝は遠ざかる。しかし遅れを最小限に留めれば最終ステージでの逆転のチャンスは残されることに。いずれにせよ、ここリュール頂上ゴールでの争いは、総合争いに大きな影響をもつだろう。
そして第6ステージは最長の220km。1級が2つ、2級がひとつ、3級が2つの厳しい中級山岳ステージだが、ゴールとは離れているため総合争いには影響しにくく、逃げができやすいステージといえるだろう。
そして最終ステージ。昨年から復活した、ニース郊外の風光明媚なエズ峠へと向かう9.6kmの山岳タイムトライアルが勝負を決する舞台だ。昨年、マイヨジョーヌを決める争いが最後までもつれたように、この最終日がもっとも大きな勝負どころとなる可能性は大きい。
パリ〜ニース2013ステージリスト
プロローグ(個人TT) ウィユ(パリ郊外)2.9 km
第1ステージ サン・ジェルマン・アン・レー〜ヌムール 195km
第2ステージ ヴィモリー〜セリリー 200.5km
第3ステージ シャテル・ギヨン〜ブリウド 170.5km
第4ステージ ブリウド〜サン・ヴァリエ 199.5 km
第5ステージ シャトーヌフ・デュ・パプ〜モンターニュ・ド・リュール 175km
第6ステージ マノスク〜ニース 220km
第7ステージ(個人TT) ニース〜エズ峠 9.6km
昨年総合2位のリエーヴェ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM) (c)CorVos今年のパリ〜ニースの勝負の行方をを占う上で惜しむらくは、ツール・ド・フランスの優勝候補たちがこぞって欠席を表明していること。
トム・ボーネン(ベルギー、オメガファーマ・クイックステップ) photo:Riccardo Scanferlaパリ〜ニースのディフェンディングチャンピオンにして、ツール・ド・フランス優勝者ブラドレー・ウィギンズ(スカイプロサイクリング)は、まずは5月のジロ・デ・イタリア制覇に照準を合わせるためプログラムを変更。スカイプロサイクリングは代わってリッチー・ポルト(オーストラリア)をエースに立てる。
昨年ウィギンズとの熱戦を繰り広げ総合2位に入ったリエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)や、ロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング)やジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル)らも注目だ。キャノンデール・プロサイクリングのエースはイヴァン・バッソ(イタリア)が担う。
その一方で、序盤に設けられた2つの平坦ステージを狙うスプリンター勢は、ツールにも全く引けを取らない豪華メンバーが出場。昨年大会で1勝ずつを分け合ったトム・ボーネンとジャンニ・メールスマン(共にベルギー)は、今年共にオメガファーマ・クイックステップのチームメイトとして出場する。
マルセル・キッテル(左、ドイツ、アルゴス・シマノ) photo:Makoto.Ayano
ツアー・オブ・オマーンで勝利しているナセル・ブアニ(フランス、FDJ) photo:A.S.O.
2011年のパリ~ニースでステージ2勝を飾ったトマ・ヴォクレール(フランス、ユーロップカー) photo:Cor.Vos
カタールとオマーンを連戦した別府史之(オリカ・グリーンエッジ) photo:Riccardo Scanferlaエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、キャノンデール・プロサイクリング)とマルセル・キッテル(ドイツ、アルゴス・シマノ)の若きスプリンターも要注目。その他クラシックで勝利を目指すハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)や、アレッサンドロ・ペタッキ(イタリア、ランプレ・メリダ)、ロメン・フェイユ(フランス、ヴァカンソレイユ・DCM)、ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)らにも注目だ。
地元フランスの人気チーム、ユーロップカーからはエースのトマ・ヴォクレール(フランス)が出場。シルヴァン・シャヴァネル(フランス、オメガファーマ・クイックステップ)らと共にレースを沸かせることだろう。日本からは別府史之(オリカ・グリーンエッジ)がサイモン・ジェランス(オーストラリア)やミハエル・アルバジーニ(スイス)らのアシストを担う。
text:Makoto.Ayano
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ツール・ド・フランス主催者A.S.O(アモリー・スポール・オルガニザシヨン)が開催するレースだけに、総合勝利者に与えられるリーダージャージはマイヨ・ジョーヌと同様のもの。1週間のステージレースとしてステータスは高い。
今大会は、パリ郊外でのプロローグ、平坦基調の2.9kmという短さの個人タイムトライアルで幕を開ける。距離的にはスプリンターにもマイヨ・ジョーヌ獲得の可能性がありそうだ。
第1ステージはパリ郊外からヌムールまでの195 km。細かなアップダウンはあるもののスプリンターのためのレースとなるだろう。第2ステージは最初の山岳ポイントが登場。しかし第1ステージ同様にゴールスプリントが見込まれている。
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そして第6ステージは最長の220km。1級が2つ、2級がひとつ、3級が2つの厳しい中級山岳ステージだが、ゴールとは離れているため総合争いには影響しにくく、逃げができやすいステージといえるだろう。
そして最終ステージ。昨年から復活した、ニース郊外の風光明媚なエズ峠へと向かう9.6kmの山岳タイムトライアルが勝負を決する舞台だ。昨年、マイヨジョーヌを決める争いが最後までもつれたように、この最終日がもっとも大きな勝負どころとなる可能性は大きい。
パリ〜ニース2013ステージリスト
プロローグ(個人TT) ウィユ(パリ郊外)2.9 km
第1ステージ サン・ジェルマン・アン・レー〜ヌムール 195km
第2ステージ ヴィモリー〜セリリー 200.5km
第3ステージ シャテル・ギヨン〜ブリウド 170.5km
第4ステージ ブリウド〜サン・ヴァリエ 199.5 km
第5ステージ シャトーヌフ・デュ・パプ〜モンターニュ・ド・リュール 175km
第6ステージ マノスク〜ニース 220km
第7ステージ(個人TT) ニース〜エズ峠 9.6km
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昨年ウィギンズとの熱戦を繰り広げ総合2位に入ったリエーベ・ヴェストラ(オランダ、ヴァカンソレイユ・DCM)や、ロバート・ヘーシンク(オランダ、ブランコプロサイクリング)やジャンクリストフ・ペロー(フランス、アージェードゥーゼル)らも注目だ。キャノンデール・プロサイクリングのエースはイヴァン・バッソ(イタリア)が担う。
その一方で、序盤に設けられた2つの平坦ステージを狙うスプリンター勢は、ツールにも全く引けを取らない豪華メンバーが出場。昨年大会で1勝ずつを分け合ったトム・ボーネンとジャンニ・メールスマン(共にベルギー)は、今年共にオメガファーマ・クイックステップのチームメイトとして出場する。
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text:Makoto.Ayano
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