2013/02/08(金) - 11:01
リーダージャージを着るマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)が、貫禄あるスプリント3勝目。ボーナスタイムによって総合リードを揺るぎないものにした。
2月7日、カタール半島北部で行なわれたツアー・オブ・カタール第5ステージ。マディナアルシャマルのゴール前には荒れた路面を含む周回コースが設定されており、毎年のように風による集団分断や集団落車が発生する。相変わらず真っ平らなコースだが、今大会の最難関ステージと言っていい。
第4ステージのゴール前で落車した清水都貴(日本ナショナルチーム)は負傷によりスタートせず。オメガファーマ・クイックステップの牙城を崩すべく、スタート直後からスカイプロサイクリングやBMCレーシングチームがアタックを繰り返す。ようやく逃げが決まったのは64km地点だった。
逃げたのは内間康平(日本ナショナルチーム)やマルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)を含む5名で、タイム差は2分50秒まで広がる。
メイン集団では風によって分裂が起こり、カヴェンディッシュを含む50名ほどが先行する展開。内間ら5名は、まずカヴェンディッシュグループに吸収。続いて遅れていた集団も追いつき、フィニッシュまで50kmを残してレースはフリダシに戻った。
次なる展開は、フィニッシュ33km手前のスプリントポイントで生まれる。ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、スカイプロサイクリング)とテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)がボーナスタイムを懸けてスプリントするも、リーダージャージのカヴェンディッシュがしっかり先頭通過。すると、アイゼルとフィニーの2人は、後から追いついたニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)とエスケープを開始した。
総合3位フィニーと総合7位アイゼルによる、総合逆転を狙った逃げ。3人はラスト20km地点で30秒のリードを得たが、オメガファーマ・クイックステップはこの動きを許すはずも無く、慎重にタイム差を詰める。結局フィニーやアイゼルはラスト14kmで吸収された。
幸い強風が吹き付けなかったため、砂漠の一部のような荒れた路面でも大きなトラブルは起こらず、スプリンターチームが集団を率いてフィニッシュへ。ラスト1kmを切り、オランダチャンピオンジャージのテルプストラがカヴェンディッシュを連れて集団先頭に出る。周りのスプリンターの位置を確認しながら、カヴェンディッシュがスプリントを開始した。
ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、アージェードゥーゼル)が並びかけるも、カヴェンディッシュの優位は変わらない。最後は余裕のあるガッツポーズでフィニッシュラインを駆け抜けた。
「風は弱かったけど、それでも危険なレースだった。ストレスフルな一日になると思っていた。集団分裂が起こった時も、常にチームメイトが5〜6人そばにいたし、守りは鉄壁だった。ゴール前の攻防では他のチームが競り合って来たけど、チームメイトたちはここ数日の走りで自信を得たようだだ」と、スプリント3連勝を飾ったカヴェンディッシュ。ボーナスタイムによって更に総合リードを広げることに成功し、最終日を前に総合優勝に王手をかけた。「今日リーダージャージを守ることが出来たので、明日は気楽に走るよ」。
ツアー・オブ・カタール2013第5ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)3h11'11"
2位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、アージェードゥーゼル)
3位 アイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム)
5位 ルーク・ロウ(イギリス、スカイプロサイクリング)
6位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)
7位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
8位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
9位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)
10位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、ネットアップ・エンドゥーラ)
53位 鈴木譲(日本、日本ナショナルチーム)
55位 盛一大(日本、日本ナショナルチーム)
68位 西谷泰治(日本、日本ナショナルチーム)
88位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +13"
96位 佐野淳哉(日本、日本ナショナルチーム)
100位 畑中勇介(日本、日本ナショナルチーム) +27"
121位 内間康平(日本、日本ナショナルチーム) +57"
DNS 清水都貴(日本、日本ナショナルチーム)
個人総合成績
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)13h30'59"
2位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシングチーム) +15"
3位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +20"
4位 アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム) +22"
5位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、スカイプロサイクリング) +24"
6位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +25"
7位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)
8位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイプロサイクリング) +29"
9位 ルーク・ロウ(イギリス、スカイプロサイクリング) +30"
10位 ゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング)
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
新人賞
テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
2月7日、カタール半島北部で行なわれたツアー・オブ・カタール第5ステージ。マディナアルシャマルのゴール前には荒れた路面を含む周回コースが設定されており、毎年のように風による集団分断や集団落車が発生する。相変わらず真っ平らなコースだが、今大会の最難関ステージと言っていい。
第4ステージのゴール前で落車した清水都貴(日本ナショナルチーム)は負傷によりスタートせず。オメガファーマ・クイックステップの牙城を崩すべく、スタート直後からスカイプロサイクリングやBMCレーシングチームがアタックを繰り返す。ようやく逃げが決まったのは64km地点だった。
逃げたのは内間康平(日本ナショナルチーム)やマルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)を含む5名で、タイム差は2分50秒まで広がる。
メイン集団では風によって分裂が起こり、カヴェンディッシュを含む50名ほどが先行する展開。内間ら5名は、まずカヴェンディッシュグループに吸収。続いて遅れていた集団も追いつき、フィニッシュまで50kmを残してレースはフリダシに戻った。
次なる展開は、フィニッシュ33km手前のスプリントポイントで生まれる。ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、スカイプロサイクリング)とテイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)がボーナスタイムを懸けてスプリントするも、リーダージャージのカヴェンディッシュがしっかり先頭通過。すると、アイゼルとフィニーの2人は、後から追いついたニキ・テルプストラ(オランダ、オメガファーマ・クイックステップ)とエスケープを開始した。
総合3位フィニーと総合7位アイゼルによる、総合逆転を狙った逃げ。3人はラスト20km地点で30秒のリードを得たが、オメガファーマ・クイックステップはこの動きを許すはずも無く、慎重にタイム差を詰める。結局フィニーやアイゼルはラスト14kmで吸収された。
幸い強風が吹き付けなかったため、砂漠の一部のような荒れた路面でも大きなトラブルは起こらず、スプリンターチームが集団を率いてフィニッシュへ。ラスト1kmを切り、オランダチャンピオンジャージのテルプストラがカヴェンディッシュを連れて集団先頭に出る。周りのスプリンターの位置を確認しながら、カヴェンディッシュがスプリントを開始した。
ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、アージェードゥーゼル)が並びかけるも、カヴェンディッシュの優位は変わらない。最後は余裕のあるガッツポーズでフィニッシュラインを駆け抜けた。
「風は弱かったけど、それでも危険なレースだった。ストレスフルな一日になると思っていた。集団分裂が起こった時も、常にチームメイトが5〜6人そばにいたし、守りは鉄壁だった。ゴール前の攻防では他のチームが競り合って来たけど、チームメイトたちはここ数日の走りで自信を得たようだだ」と、スプリント3連勝を飾ったカヴェンディッシュ。ボーナスタイムによって更に総合リードを広げることに成功し、最終日を前に総合優勝に王手をかけた。「今日リーダージャージを守ることが出来たので、明日は気楽に走るよ」。
ツアー・オブ・カタール2013第5ステージ結果
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)3h11'11"
2位 ヤウヘニ・フタロヴィッチ(ベラルーシ、アージェードゥーゼル)
3位 アイディス・クルオピス(リトアニア、オリカ・グリーンエッジ)
4位 アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム)
5位 ルーク・ロウ(イギリス、スカイプロサイクリング)
6位 ジョン・デゲンコルブ(ドイツ、アルゴス・シマノ)
7位 アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、カチューシャ)
8位 ナセル・ブアニ(フランス、FDJ)
9位 ハインリッヒ・ハウッスラー(オーストラリア、IAMサイクリング)
10位 ロジェ・クルーゲ(ドイツ、ネットアップ・エンドゥーラ)
53位 鈴木譲(日本、日本ナショナルチーム)
55位 盛一大(日本、日本ナショナルチーム)
68位 西谷泰治(日本、日本ナショナルチーム)
88位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +13"
96位 佐野淳哉(日本、日本ナショナルチーム)
100位 畑中勇介(日本、日本ナショナルチーム) +27"
121位 内間康平(日本、日本ナショナルチーム) +57"
DNS 清水都貴(日本、日本ナショナルチーム)
個人総合成績
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)13h30'59"
2位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシングチーム) +15"
3位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +20"
4位 アダム・ブライス(イギリス、BMCレーシングチーム) +22"
5位 ベルンハルト・アイゼル(オーストリア、スカイプロサイクリング) +24"
6位 フレフ・ファンアフェルマート(ベルギー、BMCレーシングチーム) +25"
7位 ミヒャエル・シェアー(スイス、BMCレーシングチーム)
8位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、スカイプロサイクリング) +29"
9位 ルーク・ロウ(イギリス、スカイプロサイクリング) +30"
10位 ゲラント・トーマス(イギリス、スカイプロサイクリング)
ポイント賞
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファーマ・クイックステップ)
新人賞
テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム)
チーム総合成績
BMCレーシングチーム
text:Kei Tsuji
photo:A.S.O.
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