2012/05/05(土) - 11:39
ファビアン・カンチェラーラ(レディオシャック・ニッサン)のリクエストに応えるべくして誕生した新エンデュランスバイク トレックDOMANE(ドマーネ)。ロンド・ファン・フラーンデレンの決戦前夜、ベルギーはコルトレイクで世界各国のジャーナリストの前にその数々の新テクノロジーが披露された。まずはDOMANEの、コアとなるテクノロジーとコンセプトを紹介して行こう。
DOMANE 6シリーズは、悪路で知られるロンド・ファン・フラーンデレンやパリ〜ルーベのパヴェ(石畳)を走るときでさえもペダルストロークを確実に推進力に変えてくれるバイクだ。快適性と安定性をも持ちあわせた、まさに新次元のレーシングロードバイクと言えるだろう。
DOMANEのベースとなるのは、マドンにも採用されるハイパフォーマンスな600 Series OCLV Carbonフレームだ。カンチェラーラも「これ以上のパフォーマンスを発揮するバイクは無い」と断言したという。
トレックが誇る最高のカーボン技術に、新たな発想から生まれた新テクノロジーを搭載したのがDOMANEなのだ。
DOMANEのキーとなる技術は、まず IsoSpeed(アイソスピード)テクノロジーだ。
この新技術は、シートチューブを独立させる構造により、かつてない柔軟性を確保し、他を圧倒する衝撃吸収性を可能にした、まさに革命的な技術だ。シートチューブはトップチューブとシートステイに一体化されず、リンクを介して前後方向にしなる構造となっている。
クリップ状のキャップに隠された部分は、ピヴォットを介したリンク構造になっており、これを支点としてシートチューブが前後にしなることが可能となる。
IsoSpeedテクノロジーはフロントフォークにも搭載される。リンクのような機構は搭載されないが、後方にオフセットしたフォークはマドンに比べ20%増加したフォークレークを生み出し、高速安定性、またはラフな路面での走行安定性を飛躍的に高める。
これらシートチューブとフォークに搭載されたIsoSpeedは、「ヴァーティカル・コンプライアンス(=Vertical Compliance)」を向上させるという考えから採用されている。
これはつまり、路面に対してフレームの縦方向に柔軟性を持たせることで、路面への追従性を高めるという考え方だ。大きく言えばサスペンションにも通じる技術だが、重量増となる機械的な機構を搭載せず、しかも全体の剛性を損なわずに達成させるのは容易なことではない。
これはヘッドチューブからダウンチューブ、BB、そしてチェーンステイにかけての、ライダーのペダリングパワーを受け止めるフレームのコアとなる部分を強固にし、パワーロスをなくして推進力に繋げるというもの。マドンから受け継ぐE2テーパーヘッドチューブとのコンビネーションで、じつにマドンよりも高い横剛性を実現している。
縦方向に振動を吸収する柔軟性を持たせつつ、横方向にはパワー伝達性能に優れた剛性を与える。結果、より効率の高い走りが可能になる。それがDOMANEの大きな特徴となっている。
スピード、安定性、快適性において最高のバランスを実現したこのエンデュランスジオメトリーは、フレームの柔軟性を高め、路面からの細かな振動を遮断する新テクノロジーとともに、長時間に渡っての力強いライディングを可能とする。
トレックの技術者が、フランドルの石畳でのDOMANEのライディングについてカンチェラーラに感想を求めたところ、彼から返ってきた答えは「Perfetto(完璧)」 だったという。
トレックが開発した高度なエンジニアリングを必要とするこのケーブルルーティングにより、ブレーキング性能、シフティング性能を大きく高めると同時に、 エアロダイナミクス効果も大きく引き出している。もちろん電動シフトにも対応している。
これによりバーテープを2重に巻いたりする必要がなく、バーテープの下に緩衝材を挿入することでの巻き太りもない。コントロール性と快適性を大きく高めている。
IsoZoneハンドルバーパッドは水分を浸透しないクローズドセルフォーム素材を採用。交換可能なパッドは、ハンドルバー上部とドロップ部に採用されており、常に快適性を持たせつつもアグレッシブな走りに応えてくれる。
人体工学に基づいたRace X Lite IsoZoneバーの形状は、ドロップが短くコンパクトに設計されている。これによりブレーキング時のコントロール性を高めると同時に、やや外側にベンドした形状がドロップホールド時のコントロール性を大きく高めている。
他にもBB90やデュオトラップセンサーなど、マドンのテクノロジーは受け継がれ、DOMANEの完成度は高められている。
DOMANE 6シリーズは、悪路で知られるロンド・ファン・フラーンデレンやパリ〜ルーベのパヴェ(石畳)を走るときでさえもペダルストロークを確実に推進力に変えてくれるバイクだ。快適性と安定性をも持ちあわせた、まさに新次元のレーシングロードバイクと言えるだろう。
DOMANEのベースとなるのは、マドンにも採用されるハイパフォーマンスな600 Series OCLV Carbonフレームだ。カンチェラーラも「これ以上のパフォーマンスを発揮するバイクは無い」と断言したという。
トレックが誇る最高のカーボン技術に、新たな発想から生まれた新テクノロジーを搭載したのがDOMANEなのだ。
IsoSpeedテクノロジー
革命的な振動吸収システム
DOMANEのキーとなる技術は、まず IsoSpeed(アイソスピード)テクノロジーだ。
この新技術は、シートチューブを独立させる構造により、かつてない柔軟性を確保し、他を圧倒する衝撃吸収性を可能にした、まさに革命的な技術だ。シートチューブはトップチューブとシートステイに一体化されず、リンクを介して前後方向にしなる構造となっている。
クリップ状のキャップに隠された部分は、ピヴォットを介したリンク構造になっており、これを支点としてシートチューブが前後にしなることが可能となる。
IsoSpeedテクノロジーはフロントフォークにも搭載される。リンクのような機構は搭載されないが、後方にオフセットしたフォークはマドンに比べ20%増加したフォークレークを生み出し、高速安定性、またはラフな路面での走行安定性を飛躍的に高める。
これらシートチューブとフォークに搭載されたIsoSpeedは、「ヴァーティカル・コンプライアンス(=Vertical Compliance)」を向上させるという考えから採用されている。
これはつまり、路面に対してフレームの縦方向に柔軟性を持たせることで、路面への追従性を高めるという考え方だ。大きく言えばサスペンションにも通じる技術だが、重量増となる機械的な機構を搭載せず、しかも全体の剛性を損なわずに達成させるのは容易なことではない。
Movie
Power Transfer Construction
力を逃さず伝達するフレームテクノロジー
IsoSpeedと並ぶ、DOMANEのもうひとつの特徴的なテクノロジーがPower Transfer Construction(パワートランスファー・コンストラクション)だ。これはヘッドチューブからダウンチューブ、BB、そしてチェーンステイにかけての、ライダーのペダリングパワーを受け止めるフレームのコアとなる部分を強固にし、パワーロスをなくして推進力に繋げるというもの。マドンから受け継ぐE2テーパーヘッドチューブとのコンビネーションで、じつにマドンよりも高い横剛性を実現している。
縦方向に振動を吸収する柔軟性を持たせつつ、横方向にはパワー伝達性能に優れた剛性を与える。結果、より効率の高い走りが可能になる。それがDOMANEの大きな特徴となっている。
Movie
Endurance Geometry
長時間力強く走り続けるための新ジオメトリー
DOMANEには、新設計の「エンデュランスジオメトリー」が採用されている。これは悪路での走行、または厳しい条件下における長時間のライドでライダーのパフォーマンスを最大限引き出すフレーム設計だ。スピード、安定性、快適性において最高のバランスを実現したこのエンデュランスジオメトリーは、フレームの柔軟性を高め、路面からの細かな振動を遮断する新テクノロジーとともに、長時間に渡っての力強いライディングを可能とする。
トレックの技術者が、フランドルの石畳でのDOMANEのライディングについてカンチェラーラに感想を求めたところ、彼から返ってきた答えは「Perfetto(完璧)」 だったという。
Performance Cable Routing
パフォーマンス・ケーブルルーティング
マドンから受け継ぐ内蔵ケーブルルーティングにより、DOMANEはどのような環境下でも究極のハンドリング性能とシフティング性能をキープする。DOMANEはヘッドチューブ前面にケーブル内蔵口を集中させており、フレーム内部に誘導されたケーブルは、もっとも摩擦の少ない形でメカへとつながってゆく。トレックが開発した高度なエンジニアリングを必要とするこのケーブルルーティングにより、ブレーキング性能、シフティング性能を大きく高めると同時に、 エアロダイナミクス効果も大きく引き出している。もちろん電動シフトにも対応している。
BONTRAGER Carbon IsoZone Bar
パッド内蔵を前提とした専用設計ハンドルバー
完成車に採用される BONTRAGER Carbon IsoZone Bar は、ジェルパッド内蔵を前提とした専用設計ハンドルバーだ。悪路走行時にハンドルバーから伝わる振動は、しびれや疲労の原因となり、時にコントロールの低下を招くことがある。その対策として人体工学に基づいて設計されたIsoZoneハンドルバーパッドを採用することで、最大20% の振動吸収性を高めることに成功。これによりバーテープを2重に巻いたりする必要がなく、バーテープの下に緩衝材を挿入することでの巻き太りもない。コントロール性と快適性を大きく高めている。
IsoZoneハンドルバーパッドは水分を浸透しないクローズドセルフォーム素材を採用。交換可能なパッドは、ハンドルバー上部とドロップ部に採用されており、常に快適性を持たせつつもアグレッシブな走りに応えてくれる。
人体工学に基づいたRace X Lite IsoZoneバーの形状は、ドロップが短くコンパクトに設計されている。これによりブレーキング時のコントロール性を高めると同時に、やや外側にベンドした形状がドロップホールド時のコントロール性を大きく高めている。
3S Integrated Chain Keeper
専用マウントのチェーンキーパー
DOMANEのBBには、チェーン脱落防止チップ「3S Integrated Chain Keeper」があらかじめマウントされている。フレームに直接インテグレートされることで、簡単にセットでき、悪路走行や高負荷走行中のチェーン脱落を未然に防いでくれる。もちろんPCDやギア歯数に合わせた微調整が可能だ。他にもBB90やデュオトラップセンサーなど、マドンのテクノロジーは受け継がれ、DOMANEの完成度は高められている。
text:綾野 真/シクロワイアード 提供:トレックジャパン