
ツール・ド・フランス2011は、早くも前半戦が終了。ブルターニュ・ノルマンディ両地方を駆け抜け、中央山塊を越えてピレネー山脈の麓に達した。今大会の個人総合争いの山場となるアルプス山脈決戦を前に、シマノ・PRO製品とともに戦う選手が早速4つのステージで勝利を収めた。また、新人賞争いでは初日からシマノのサポートを受けるチームの選手が賞を独占するなど、シマノとPROの製品は過酷なレースを戦い抜く選手の活躍を力強くサポートしている。
FILE.2の今回は、第11ステージまでの彼らの戦いぶりや勝利を支えたバイクを、現地からの写真を交えながら紹介しよう。
早くもステージ3勝、圧倒的な存在感を示す
マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、HTC・ハイロード)
落車によって有力選手が続々とリタイアする異常事態に見舞われているツール・ド・フランス2011。そんな中、昨年同様に圧倒的な存在感を見せつけているのがマーク・カヴェンディッシュだ。前半戦だけですでにステージ3勝。前評判通りの強さを見せつけている。第5・第7ステージでは万全のアシストを受けて危なげなく勝利。第10ステージではアンドレ・グライベル(ドイツ、オメガファーマ・ロット)の後塵を拝したものの、続く第11ステージで雪辱を果たし、ポイント賞のマイヨヴェールを獲得した。

そんな彼の走りを支えるのは、シマノとPROの製品だ。メーンコンポのDURA-ACE DI2は、ひとつのシフトミスが致命傷になるゴール前の攻防において、最高のタイミングで確実に変速できるメリットをもたらす。PROのハンドルバーやステム、DURA-ACEのペダルは、彼の爆発的なスプリント力を受け止める堅牢さとトップクラスの軽さを両立している。
早くもグリーンのジャージに袖を通したカヴ。シマノとPROとの強力な援護によって、パリ・シャンゼリゼ通りまでこのジャージを守り通すに違いない。






過酷な環境でのツール初勝利
エドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)
ツール・ド・フランス2011の序盤戦は、悪天候が多かったのも特徴だ。そんな過酷な条件下で、念願のツール初勝利を果たした選手がいる。第6ステージを制したエドヴァルド・ボアッソン(ノルウェー、チームスカイ)だ。今大会最長の226kmの第6ステージは、2つの3級山岳と1つの4級山岳とやや難易度は低いが、アップダウンは多く、見た目以上に過酷なコースだ。時折強い雨が降る悪天候の中、シマノのコンポーネントはボアッソンの勝利を強力にアシストした。この勝利は、シマノ製品が過酷な条件下でも安定した性能を発揮することを証明している。
このノルウェー出身の24歳の若者は、シマノのコンポーネントとPROのタイムトライアル用ホイールの供給を受けるチームスカイに所属する。TTとスプリント力に長け、今後の成長が有望視されている選手の一人だ。
昨年鳴り物入りでツール初参戦を果たしたものの、見せ場が作れなかったチームスカイにとって、この1勝は大きい。同チームとボアッソンの今後の活躍に期待しよう。



新人賞争いは初日からシマノ勢が独占
ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)
ロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)
将来のマイヨジョーヌ候補がしのぎを削る新人賞争い。純白のマイヨブランを巡るこの争いでは、初日からシマノとPROのサポートを受ける選手が賞を独占している。初日にマイヨブランに袖を通したのは、ジェレイント・トーマス(イギリス、チームスカイ)。昨年の新人賞争いでは9位とふるわなかったが、大躍進と言えるだろう。その後、トーマスは第6ステージまでマイヨブランの座を守り通している。


今年のマイヨブラン本命の一角と言われているのが、昨年新人賞争いでアンディ・シュレク(ルクセンブルク、レオパード・トレック)に次ぐ2位に付けたロバート・ヘーシンク(オランダ、ラボバンク)。ラボバンクの絶対的なエースを務めるヘーシンクは、山岳を得意とするクライマー系オールラウンダーだったが、近年はタイムトライアル能力を向上させ、グランツールで総合上位に絡む実力を見せている。第7ステージでトーマスがチームメイトの落車によって遅れたのに乗じてマイヨブランを獲得し、前半終了時点でその座を守っている。
純白ジャージを巡る戦いからも目が離せない。

山岳ステージでも力を発揮
ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)
合計8つのカテゴリー山岳が組み込まれた第9ステージ。前半戦の山場のひとつであるこのステージを制したのは、ルイスレオン・サンチェス(スペイン、ラボバンク)だった。最初の超級山岳でサンチェスを含む6人が逃げ、メイン集団がこれを容認。道中メディアカーが逃げ集団の選手と接触して落車を発生させるという前代未聞の事故もあり、最終的にはサンチェスを含む3人での勝負となった。サンチェスは残り200mでライバルを振り切り、ステージ優勝。ツールでの勝利は通算3勝目だ。
この勝利によって、シマノやPROの製品は、過酷なレースに耐え抜く堅牢さとともに、山岳ステージで求められる軽さも実現していることが分かる。




次回はいよいよ最終回。ツールの各賞争いの盛り上がりが最高潮に達し、パリ・シャンゼリゼの歓喜のゴールに至る後半戦の軌跡を写真とともに振り返る。
2011/07/29 - 最終回のFILE.3を公開!右下「NEXT」のアイコン&リンクをクリック!
提供:シマノ 企画/制作:シクロワイアード