2024/09/27(金) - 19:30
仲間とお喋りしながら山道を登るサイクリングは楽しい。隣に仲間がいればヒルクライムの辛さも和らぎ、頂上に着いた時の達成感は格別だ。しかし、一緒にいるというのは声が届く範囲でしかなく、少しグループがバラけて単独になってしまうと心細さが襲ってくる。
物理的な距離をテクノロジーで埋めようとガーミンは、絶え間ない研究開発によってGroupRide機能を生み出した。これは声が届かない距離でもインターネットを介して繋がりを感じられる新機能であり、その真価を確かめるべく、ガーミンアンバサダーの竹谷賢二さんと木下友梨菜さん、ガーミンジャパンの澤村健太郎さんとテストライドへと赴いた。
今回は澤村さんが予め用意したライドコースを使用。合流した他の2名はGroupRideをアクティベートして、澤村さんのEdge 1050から生成されたコードを入力するだけ。非常にシンプルな手順で、集合後に準備を整えられるのは大きな魅力だ。
しかし、スマートデバイスの多機能さは自分で試してこそ理解できるもの。後日自分でGroupRideの設定を試してみたが、作業はルートを予め用意しておけば驚くほど簡単。部屋を準備するホストはライドリーダーである必要はないので、Edge 1050を手に入れたら一度試してみるとよさそうだ。
グループメンバーの位置やメッセージの送受信もストレスな遅延なく表示され、仲間の状況がほぼリアルタイムに把握可能。ただスマホのネットワークを利用しているるため、スマホの電波が届かないところではEdge 1050もその魅力を発揮できないのは注意したい。
今回のテストライドで初めて知ることができたのが、ユーザー自らテキストテンプレートを作成できることだった。ライド準備中に竹谷さんがふと「^-^」という顔文字を送ってきてくれて一同騒然。文章を送ることが自然なことだと思っていたけれど、顔文字であれば自然に感情を相手に伝えられるのはいいかもしれない。ヒルクライムで辛かったら「(;;)」でもいいということだ。
竹谷さんは「グループ内で頻繁に交わす言葉、伝わりやすいワードを入れておけば、頑張りどころで励ますことができ、コミュニケーションが取りやすくなってライドの楽しみが増す」と言う。今回のテストライドでは登りで遅れた状況でテンプレートメッセージが届くだけで想像以上にテンションが上がった。このデバイスを通して仲間がいることを実感できるとジワリと安堵感が胸に広がるようで、ペダルを踏み込む力も自然と強くなり、峠の頂上に到達した。
CW:今回、アンバサダーの皆さんにGroupRide機能を利用してもらいましたが、皆さんはどのように感じましたか。
竹谷:集団でサイクリングするのは元々やっていることだから、Edge 1050の機能が無ければ無いなりに楽しんできました。しかし、今回試してみたら安全とか安心、異なる楽しさがあって、機能によってサイクリングの深みが増すのがわかりました。グループライドで遅れるのは仕方ないことですが、これまでは情報がなくて諦めざるを得ないケースもありました。このデバイスがあれば、今まで諦めていたカバーができるようになると思います。
木下:グループライドでもペースは人それぞれで、特にヒルクライムの時は顕著ですね。「後ろは大丈夫かな」とか「ちゃんと来ているかな」と思う時にメッセージを送れたり、何かあった時にSOSを出せたりすれば、すぐに対処できる可能性を感じました。使い方次第でグループライドがより充実すると思います。
竹谷:みんなと一緒に走っていても、時に孤独を感じることがありますよね。でも、デバイスを見ると仲間の存在を確認でき、つながっているという実感が湧いてきます。Edge 1050では同じ時間に同じ場所を目指していることが演出されていて、それを目で見て感じられると、グループ全員でサイクリングする楽しさが増幅する気がします。
木下:特に初めて参加するグループライドだと、遅れて待たせたらどうしようと考えてしまい、参加自体に二の足を踏んでしまうこともあります。Edge 1050があれば大丈夫だと感じられれば、グループライドを心置きなく楽しめるでしょう。
CW:あらかじめガーミンのGroupRide機能を使うことを知らせておけば、参加してみようと思えるかもしれませんね。
竹谷:その通りです。最後尾の方の不安をケアできるのはもちろん、グループの中程にいる人にとっても前後に仲間がいると知れるのは安心材料になります。リーダーも自分の安全を守りながら、グループ全体に気を配りつつ、ライドの進行具合をコントロールする必要があるので、全体を見られるツールがあると便利です。
木下:ガッツリと練習するライドでは、遅れる側の私にとって、マップでアイコンが表示される機能が重要です。離されてしまうと心が折れそうになりますが、アイコンで居場所がわかれば頑張ろうという気持ちになれます。
竹谷:逆にトレーニングライドで仲間を引き離した側は、位置情報を確認して待つか引き返すかの判断ができます。グループの先頭を走る人、遅れる人、しっかりトレーニングする人、サイクリングを楽しむ人、それぞれにメリットがあると思いますね。
澤村:GroupRideに参加しているライダーはリスト表示され、自分との距離と走行速度も表記されています。Edge 840、540もGroupRide機能に対応していますが、Edge 1050のマップ表示は直感的に把握できて便利です。
CW:Edge 1050のテストを長くしてきた澤村さんとしては、GroupRide機能が活躍するシーンはどんな時だと思いますか。
澤村:私の経験上、位置情報や状況を把握したいのはダウンヒルの時です。自分が下りきった後に後続がクラッシュすると、駆けつけるのが遅くなってしまうので、途中で状況を把握できるのは大きな利点です。Edge 1050のGroupRide機能には事故検出アラートがメンバーに送信されるので、アクシデントがあった人が自分でメッセージを送れなくても気づけるのは安心感につながります。
木下:下りといえば、危険箇所アラートや急コーナーの通知も良いですね。音で知らせてくれるので、スピードを落として注意しようという意識になり、心の余裕が生まれます。
竹谷:知らない道ならなおさらアラートのありがたみを感じますよね。ユーザーが危険箇所を登録できるのも良い点で、自分で登録することで誰かの安全を意識するようになります。そういう意識の人が増えれば、より安全になっていくのは良いことだと思います。
澤村:ライド後の様々な表彰も特徴です。ライドがイベント化するので、終わった後もワイワイ楽しめます。表彰はライドの距離が延びれば種類が増えますし、心拍数が高い人に贈られる「頑張ったで賞」などもあって、それぞれが数値に基づいた確かな賞になっているのも面白いですね。
木下:表彰の名前も「一心不乱」とか「冒険者」とか遊び心があって、「この賞は何だろう」と話が盛り上がるのが楽しいです。
竹谷:自転車が趣味で集まっている仲間なので、その話題があれば幾らでも話せてしまいますよね。速さやパワーの数値だけでなく、寄り道しすぎな人も表彰されるので、「あの時何やってたの?」とか話せるのがいいですね。
CW:ハードウェア面でEdge 1050が進化しているところはありますか。
木下:タッチスクリーンの感度がとても高くてiPhoneみたいで、走りながらの操作もストレスがありません。画面の見やすさも進化していて、以前使っていたEdge 840から1050に変えたら、もう戻れません。画面が大きくて情報を読み取りやすいですし、太陽光の下でもとても見やすいんです。最初に使った時は感動しました。
竹谷:視覚情報は大事ですからね。Edge 840など競技用として作られているものは「多少見づらくてもしょうがない」と割り切れますが、マップのアイコンを把握したい時はEdge 1050の画面の美しさが際立ちます。レースやトレーニングだけでなく、サイクリングを総合的に楽しむ方にはEdge 1050が合っているのではないでしょうか。
澤村:その通りで、Edge 1050はプレミアムデバイスという位置づけです。コンパクトで軽量なものをトレーニングやレースで使いたいのであればEdge 840か540で十分ですし、ナビなどで画面から情報を得たい時やサイクリングが中心の人はEdge 1050があれば充実すると思います。
竹谷:ただ、ガーミンは今やハードウェアだけでは語れません。デバイスの機能、ガーミン Connectを含めた全体的な存在になっています。ウォッチなども使ってガーミン Connectにデータをアップロードすると、ガーミンが生活アドバイザーのようになって、朝起きるとレポートを知らせてくれます。
トレーニングや睡眠の評価、日常生活のストレスなどを基に、翌日のトレーニングに向けて今日どう過ごせばいいかをアドバイスしてくれます。より良いパフォーマンスを発揮するために必要な生活、過ごし方を提案してくれるんです。Edgeシリーズだけでなく、ガーミン Connectで様々なデータを一元管理できることが強みだと思います。
世界中の人たちの情報がガーミン Connectに集まることでガーミンの精度も高まっていきますし、自分のデータも蓄積していくことで、提案される情報もより正確になっていると感じています。
澤村:私は不整脈で心臓手術を受けた経験があり、まだ完治していません。ガーミンのウォッチでHRV(心拍変動)をチェックしていると、ある一定の数値まで心拍が下がった時に運動すると、途端に心拍数が跳ね上がる傾向にあることに気づけました。それを知っていると、トレーニングの内容も調整できます。
竹谷:実際にガーミンデバイスでデータを取り始めてから、お酒を控えるようになりました。飲酒が睡眠スコアや翌日のボディバッテリー(自身のエネルギー残量)に如実に影響することが数値で表現されるので、以前のように「しょうがない」とは言っていられなくなりました。原因と結果が結びついてしまうと、お酒を飲んでいる場合ではないと判断するようになりましたね。
質の良いトレーニングをしなければパワーも上がらないですし、良いトレーニングにはコンディション調整が必要です。コンディションを整えるには良い生活が欠かせません。結果を求めるためにどこまで遡れるかが大事で、そこで誰かに言われるのではなく、ガーミンが提供する情報を基に自分の判断で生活を変えられるのは大きなメリットだと思います。
木下:トレーニングで調子が上がらないと感じてボディバッテリーをチェックすると、数値が悪いこともあるので、ガーミンのデータはかなり信頼しています。ガーミンに「良い」と言われたら「よし、いいぞ」と参考にしますが、自分では調子が悪くないと思っていても、評価が良くないと悪い方に捉われてしまいます。だから、重要なレース直前はあえて見ないようにしています。
実際に起きても体がだるい時もあって、そういう時はガーミンを見ると案の定スコアが良くありません。そこで睡眠が浅い理由を考えてみると原因が思い当たることもあって、それがわかるだけでも安心材料になりますし、受け入れるか改善するかの参考にできます。
竹谷:ただし、ガーミンが提示するものはあくまでもセカンドオピニオン的な存在で、結局は自分が主体となって決断することが大事です。例えばレースまでの期間中に自分なりのチェックポイントを設けておけば、そこまでは良い評価を受けていたら、それ以降は何が起きても大丈夫と捉えられるようになります。アイアンマンのレース当日は朝3時起床なので、スコアが悪いのは当然ですからね(笑)。
CW:ガーミンが提示してくれる指標はどのような点に魅力がありますか。
竹谷:単なる数値の羅列ではなく、ユーザーがパッと見て直感的に理解できる言葉や表示に置き換えてくれているところではないでしょうか。ガーミンデバイスを活用する上で大事なのは指標を読み解いて、生活や練習を変化させることです。そのためにガーミンは専門的なコーチでなくても、記録したデータを理解できる状態に変換してくれているのだと思います。
澤村:データの記録と最適な状態での表示が、ひとつのデバイスで完結できる点がガーミンの強みです。
CW:Edgeとガーミン コネクトの接続だけでなく、EdgeとリアレーダーVariaとの接続もユーザーの行動に影響を与えていますね。
木下:確かに自動車が近づいてきた時に余裕があれば、走行ラインを少し脇に寄ろうという意識になります。自動車の運転手が自転車を邪魔だと思えばクラクションを鳴らすこともあるでしょうし、Variaで接近に気づいて予め避ければ、お互いに嫌な気持ちになりにくくなります。サイクリストにとっても走りやすさにつながると思います。
竹谷:グループライドで車列が伸びていると、自動車が追い越しにくくなりますし、自動車が元の車線に戻る時に前方のライダーが危険になることも少なくありません。Variaで後続車が来ていることが把握できれば、仲間に声をかけてペースやラインをコントロールしたり、譲ったりしてグループ全体の安全性が高まります。
木下:安全確認の確実な方法は目視ですが、慣れていない人の場合、頭を振ると走行ラインがずれてしまうこともあります。Variaで存在を確認しつつ、必要な時に目視することで安全性が高まると思います。最近の電気自動車は気づかないうちに接近していて、目視した時には既に真後ろにいたということもあるので、予め把握できるVariaはおすすめです。
竹谷:長く自転車を楽しんできている人は、レーダーがないことが当たり前だったので、それなりに対処してきました。ただ現在はデバイスがない時代からある時代へと変化しているので、安全に走るためのデバイスがあるということを知ってもらいたいですね。
CW:VariaもGroupRideも、存在を知って利用してみれば、今までとは違うサイクリングを体験できる次世代のデバイスですね。
竹谷:特にGroupRide機能は、Zwiftのミートアップで集まるような感覚とインタラクティブなコミュニケーションを、リアルなライドでも実現してくれるような感覚があります。ユーザーの使い方とアイデア次第で、ライドの可能性はさらに広がっていくと思います。
CW:最後に、ガーミンデバイスを使いこなしているお二人から、ガーミン全体の印象を教えていただければと思います。
木下:ガーミンは大学時代からウォッチを使い続けていて、新しいデバイスへと進化し続けています。最新モデルになればなるほどできることは増えていき、デバイスと機能が日常生活からトレーニングまでを多方面からサポートしてくれています。この充実さはガーミンならではの魅力で、完全に虜になっています。
竹谷:時代の最先端を行く新しい機能が次々に実装されていくのがガーミンです。今までになかった機能や計測方法をいち早く取り入れているので、先進的な手法で自分のパフォーマンスやライフスタイルを最適化したい人にとっては、ガーミン一択だと思います。Edge 1050は新たなサイクリングの可能性を提示してくれる、ガーミンらしい最先端な一台です。
CW:ありがとうございました。ガーミンデバイスの魅力と可能性について、非常に興味深いお話を聞かせていただきました。
物理的な距離をテクノロジーで埋めようとガーミンは、絶え間ない研究開発によってGroupRide機能を生み出した。これは声が届かない距離でもインターネットを介して繋がりを感じられる新機能であり、その真価を確かめるべく、ガーミンアンバサダーの竹谷賢二さんと木下友梨菜さん、ガーミンジャパンの澤村健太郎さんとテストライドへと赴いた。
GroupRide機能がもたらす新たなサイクリング体験
今回は澤村さんが予め用意したライドコースを使用。合流した他の2名はGroupRideをアクティベートして、澤村さんのEdge 1050から生成されたコードを入力するだけ。非常にシンプルな手順で、集合後に準備を整えられるのは大きな魅力だ。
しかし、スマートデバイスの多機能さは自分で試してこそ理解できるもの。後日自分でGroupRideの設定を試してみたが、作業はルートを予め用意しておけば驚くほど簡単。部屋を準備するホストはライドリーダーである必要はないので、Edge 1050を手に入れたら一度試してみるとよさそうだ。
グループメンバーの位置やメッセージの送受信もストレスな遅延なく表示され、仲間の状況がほぼリアルタイムに把握可能。ただスマホのネットワークを利用しているるため、スマホの電波が届かないところではEdge 1050もその魅力を発揮できないのは注意したい。
今回のテストライドで初めて知ることができたのが、ユーザー自らテキストテンプレートを作成できることだった。ライド準備中に竹谷さんがふと「^-^」という顔文字を送ってきてくれて一同騒然。文章を送ることが自然なことだと思っていたけれど、顔文字であれば自然に感情を相手に伝えられるのはいいかもしれない。ヒルクライムで辛かったら「(;;)」でもいいということだ。
竹谷さんは「グループ内で頻繁に交わす言葉、伝わりやすいワードを入れておけば、頑張りどころで励ますことができ、コミュニケーションが取りやすくなってライドの楽しみが増す」と言う。今回のテストライドでは登りで遅れた状況でテンプレートメッセージが届くだけで想像以上にテンションが上がった。このデバイスを通して仲間がいることを実感できるとジワリと安堵感が胸に広がるようで、ペダルを踏み込む力も自然と強くなり、峠の頂上に到達した。
アンバサダーが語るガーミンの新機能
GroupRideで感じる新たなサイクリング
CW:今回、アンバサダーの皆さんにGroupRide機能を利用してもらいましたが、皆さんはどのように感じましたか。
竹谷:集団でサイクリングするのは元々やっていることだから、Edge 1050の機能が無ければ無いなりに楽しんできました。しかし、今回試してみたら安全とか安心、異なる楽しさがあって、機能によってサイクリングの深みが増すのがわかりました。グループライドで遅れるのは仕方ないことですが、これまでは情報がなくて諦めざるを得ないケースもありました。このデバイスがあれば、今まで諦めていたカバーができるようになると思います。
木下:グループライドでもペースは人それぞれで、特にヒルクライムの時は顕著ですね。「後ろは大丈夫かな」とか「ちゃんと来ているかな」と思う時にメッセージを送れたり、何かあった時にSOSを出せたりすれば、すぐに対処できる可能性を感じました。使い方次第でグループライドがより充実すると思います。
竹谷:みんなと一緒に走っていても、時に孤独を感じることがありますよね。でも、デバイスを見ると仲間の存在を確認でき、つながっているという実感が湧いてきます。Edge 1050では同じ時間に同じ場所を目指していることが演出されていて、それを目で見て感じられると、グループ全員でサイクリングする楽しさが増幅する気がします。
誰もが不安にならない一体感で楽しいグループライドを実現
木下:特に初めて参加するグループライドだと、遅れて待たせたらどうしようと考えてしまい、参加自体に二の足を踏んでしまうこともあります。Edge 1050があれば大丈夫だと感じられれば、グループライドを心置きなく楽しめるでしょう。
CW:あらかじめガーミンのGroupRide機能を使うことを知らせておけば、参加してみようと思えるかもしれませんね。
竹谷:その通りです。最後尾の方の不安をケアできるのはもちろん、グループの中程にいる人にとっても前後に仲間がいると知れるのは安心材料になります。リーダーも自分の安全を守りながら、グループ全体に気を配りつつ、ライドの進行具合をコントロールする必要があるので、全体を見られるツールがあると便利です。
木下:ガッツリと練習するライドでは、遅れる側の私にとって、マップでアイコンが表示される機能が重要です。離されてしまうと心が折れそうになりますが、アイコンで居場所がわかれば頑張ろうという気持ちになれます。
竹谷:逆にトレーニングライドで仲間を引き離した側は、位置情報を確認して待つか引き返すかの判断ができます。グループの先頭を走る人、遅れる人、しっかりトレーニングする人、サイクリングを楽しむ人、それぞれにメリットがあると思いますね。
澤村:GroupRideに参加しているライダーはリスト表示され、自分との距離と走行速度も表記されています。Edge 840、540もGroupRide機能に対応していますが、Edge 1050のマップ表示は直感的に把握できて便利です。
GroupRideと危険箇所アラートで向上する安全性
CW:Edge 1050のテストを長くしてきた澤村さんとしては、GroupRide機能が活躍するシーンはどんな時だと思いますか。
澤村:私の経験上、位置情報や状況を把握したいのはダウンヒルの時です。自分が下りきった後に後続がクラッシュすると、駆けつけるのが遅くなってしまうので、途中で状況を把握できるのは大きな利点です。Edge 1050のGroupRide機能には事故検出アラートがメンバーに送信されるので、アクシデントがあった人が自分でメッセージを送れなくても気づけるのは安心感につながります。
木下:下りといえば、危険箇所アラートや急コーナーの通知も良いですね。音で知らせてくれるので、スピードを落として注意しようという意識になり、心の余裕が生まれます。
竹谷:知らない道ならなおさらアラートのありがたみを感じますよね。ユーザーが危険箇所を登録できるのも良い点で、自分で登録することで誰かの安全を意識するようになります。そういう意識の人が増えれば、より安全になっていくのは良いことだと思います。
ライド後も楽しみを提供してくれるGroupRide機能
澤村:ライド後の様々な表彰も特徴です。ライドがイベント化するので、終わった後もワイワイ楽しめます。表彰はライドの距離が延びれば種類が増えますし、心拍数が高い人に贈られる「頑張ったで賞」などもあって、それぞれが数値に基づいた確かな賞になっているのも面白いですね。
木下:表彰の名前も「一心不乱」とか「冒険者」とか遊び心があって、「この賞は何だろう」と話が盛り上がるのが楽しいです。
竹谷:自転車が趣味で集まっている仲間なので、その話題があれば幾らでも話せてしまいますよね。速さやパワーの数値だけでなく、寄り道しすぎな人も表彰されるので、「あの時何やってたの?」とか話せるのがいいですね。
新機能を支えるEdge 1050のテクノロジー
CW:ハードウェア面でEdge 1050が進化しているところはありますか。
木下:タッチスクリーンの感度がとても高くてiPhoneみたいで、走りながらの操作もストレスがありません。画面の見やすさも進化していて、以前使っていたEdge 840から1050に変えたら、もう戻れません。画面が大きくて情報を読み取りやすいですし、太陽光の下でもとても見やすいんです。最初に使った時は感動しました。
竹谷:視覚情報は大事ですからね。Edge 840など競技用として作られているものは「多少見づらくてもしょうがない」と割り切れますが、マップのアイコンを把握したい時はEdge 1050の画面の美しさが際立ちます。レースやトレーニングだけでなく、サイクリングを総合的に楽しむ方にはEdge 1050が合っているのではないでしょうか。
澤村:その通りで、Edge 1050はプレミアムデバイスという位置づけです。コンパクトで軽量なものをトレーニングやレースで使いたいのであればEdge 840か540で十分ですし、ナビなどで画面から情報を得たい時やサイクリングが中心の人はEdge 1050があれば充実すると思います。
ガーミンコネクトが実現するデータ参考型のライフスタイル
竹谷:ただ、ガーミンは今やハードウェアだけでは語れません。デバイスの機能、ガーミン Connectを含めた全体的な存在になっています。ウォッチなども使ってガーミン Connectにデータをアップロードすると、ガーミンが生活アドバイザーのようになって、朝起きるとレポートを知らせてくれます。
トレーニングや睡眠の評価、日常生活のストレスなどを基に、翌日のトレーニングに向けて今日どう過ごせばいいかをアドバイスしてくれます。より良いパフォーマンスを発揮するために必要な生活、過ごし方を提案してくれるんです。Edgeシリーズだけでなく、ガーミン Connectで様々なデータを一元管理できることが強みだと思います。
世界中の人たちの情報がガーミン Connectに集まることでガーミンの精度も高まっていきますし、自分のデータも蓄積していくことで、提案される情報もより正確になっていると感じています。
データを活用することでトレーニング方法や日常生活まで変わる
澤村:私は不整脈で心臓手術を受けた経験があり、まだ完治していません。ガーミンのウォッチでHRV(心拍変動)をチェックしていると、ある一定の数値まで心拍が下がった時に運動すると、途端に心拍数が跳ね上がる傾向にあることに気づけました。それを知っていると、トレーニングの内容も調整できます。
竹谷:実際にガーミンデバイスでデータを取り始めてから、お酒を控えるようになりました。飲酒が睡眠スコアや翌日のボディバッテリー(自身のエネルギー残量)に如実に影響することが数値で表現されるので、以前のように「しょうがない」とは言っていられなくなりました。原因と結果が結びついてしまうと、お酒を飲んでいる場合ではないと判断するようになりましたね。
質の良いトレーニングをしなければパワーも上がらないですし、良いトレーニングにはコンディション調整が必要です。コンディションを整えるには良い生活が欠かせません。結果を求めるためにどこまで遡れるかが大事で、そこで誰かに言われるのではなく、ガーミンが提供する情報を基に自分の判断で生活を変えられるのは大きなメリットだと思います。
木下:トレーニングで調子が上がらないと感じてボディバッテリーをチェックすると、数値が悪いこともあるので、ガーミンのデータはかなり信頼しています。ガーミンに「良い」と言われたら「よし、いいぞ」と参考にしますが、自分では調子が悪くないと思っていても、評価が良くないと悪い方に捉われてしまいます。だから、重要なレース直前はあえて見ないようにしています。
実際に起きても体がだるい時もあって、そういう時はガーミンを見ると案の定スコアが良くありません。そこで睡眠が浅い理由を考えてみると原因が思い当たることもあって、それがわかるだけでも安心材料になりますし、受け入れるか改善するかの参考にできます。
ユーザーへ行動を変えるガーミンコネクトのデータ
竹谷:ただし、ガーミンが提示するものはあくまでもセカンドオピニオン的な存在で、結局は自分が主体となって決断することが大事です。例えばレースまでの期間中に自分なりのチェックポイントを設けておけば、そこまでは良い評価を受けていたら、それ以降は何が起きても大丈夫と捉えられるようになります。アイアンマンのレース当日は朝3時起床なので、スコアが悪いのは当然ですからね(笑)。
CW:ガーミンが提示してくれる指標はどのような点に魅力がありますか。
竹谷:単なる数値の羅列ではなく、ユーザーがパッと見て直感的に理解できる言葉や表示に置き換えてくれているところではないでしょうか。ガーミンデバイスを活用する上で大事なのは指標を読み解いて、生活や練習を変化させることです。そのためにガーミンは専門的なコーチでなくても、記録したデータを理解できる状態に変換してくれているのだと思います。
澤村:データの記録と最適な状態での表示が、ひとつのデバイスで完結できる点がガーミンの強みです。
Variaレーダーによる安全性の向上
CW:Edgeとガーミン コネクトの接続だけでなく、EdgeとリアレーダーVariaとの接続もユーザーの行動に影響を与えていますね。
木下:確かに自動車が近づいてきた時に余裕があれば、走行ラインを少し脇に寄ろうという意識になります。自動車の運転手が自転車を邪魔だと思えばクラクションを鳴らすこともあるでしょうし、Variaで接近に気づいて予め避ければ、お互いに嫌な気持ちになりにくくなります。サイクリストにとっても走りやすさにつながると思います。
竹谷:グループライドで車列が伸びていると、自動車が追い越しにくくなりますし、自動車が元の車線に戻る時に前方のライダーが危険になることも少なくありません。Variaで後続車が来ていることが把握できれば、仲間に声をかけてペースやラインをコントロールしたり、譲ったりしてグループ全体の安全性が高まります。
木下:安全確認の確実な方法は目視ですが、慣れていない人の場合、頭を振ると走行ラインがずれてしまうこともあります。Variaで存在を確認しつつ、必要な時に目視することで安全性が高まると思います。最近の電気自動車は気づかないうちに接近していて、目視した時には既に真後ろにいたということもあるので、予め把握できるVariaはおすすめです。
竹谷:長く自転車を楽しんできている人は、レーダーがないことが当たり前だったので、それなりに対処してきました。ただ現在はデバイスがない時代からある時代へと変化しているので、安全に走るためのデバイスがあるということを知ってもらいたいですね。
ガーミンの進化と未来への可能性
CW:VariaもGroupRideも、存在を知って利用してみれば、今までとは違うサイクリングを体験できる次世代のデバイスですね。
竹谷:特にGroupRide機能は、Zwiftのミートアップで集まるような感覚とインタラクティブなコミュニケーションを、リアルなライドでも実現してくれるような感覚があります。ユーザーの使い方とアイデア次第で、ライドの可能性はさらに広がっていくと思います。
CW:最後に、ガーミンデバイスを使いこなしているお二人から、ガーミン全体の印象を教えていただければと思います。
木下:ガーミンは大学時代からウォッチを使い続けていて、新しいデバイスへと進化し続けています。最新モデルになればなるほどできることは増えていき、デバイスと機能が日常生活からトレーニングまでを多方面からサポートしてくれています。この充実さはガーミンならではの魅力で、完全に虜になっています。
竹谷:時代の最先端を行く新しい機能が次々に実装されていくのがガーミンです。今までになかった機能や計測方法をいち早く取り入れているので、先進的な手法で自分のパフォーマンスやライフスタイルを最適化したい人にとっては、ガーミン一択だと思います。Edge 1050は新たなサイクリングの可能性を提示してくれる、ガーミンらしい最先端な一台です。
CW:ありがとうございました。ガーミンデバイスの魅力と可能性について、非常に興味深いお話を聞かせていただきました。
提供:ガーミンジャパン text: Gakuto Fujiwara photo: Gakuto Fujiwara, Makoto Ayano