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サイクリングコンピューターのド定番と名高いガーミンのEdgeシリーズが誇るフラッグシップモデルが新型Edge1050へと進化を遂げた。今回の特集ではVol.1で機能の紹介、Vol.2ではアンバサダー竹谷賢ニさん、木下友梨奈さんによるEdge1050の魅力を語ってもらった。

Edge 1050:サイクリング体験を次のレベルへ

ガーミン Edge 1050

モデルチェンジが行われるごとに進化し続け、リッチな機能がたくさん搭載されるようになったハイエンドサイクルコンピューター。その潮流の先導者でもあるガーミンの新型フラッグシップモデル"Edge 1050"は、サイクルコンピューターの到達点と言えるデバイスに仕上がった。自分だけでなく、仲間とのサイクリング体験をより良いものとする機能満載の新モデルを紹介しよう。

キーワードは「NEVER STOP CYCLING. TOGETHER.」。今回ガーミンはEdge1050を打ち出すときに「Together(一緒に)」という言葉を強調し、仲間と共に時間を過ごすサイクリングを楽しみ、それをサポートするサイクルコンピューターとしてEdge1050の存在をアピールした。

仲間とのサイクリングを楽しめる新機能「Group Ride」

離れていてもコミュニケーションできるメッセージ機能

GroupRideがEdge1050のフィーチャー機能だ (c)ガーミン

このキーワードを体現するのがEdge 1050のフィーチャーポイントとなる新機能「Group Ride」だ。Vol.1ではGroup Rideの機能面について紹介し、vol.2ではこの機能の使い勝手に焦点を当てたインタビューをお届けする。

Group Rideは同じグループ内のライダーのリストアップ表示と、マップ上でのアイコン表示、メッセージ機能、リーダーボード機能を包括した機能の総称。リスト表示では名前に加えて自分からの距離、現在の走行速度が並記される。マップのアイコン表示と合わせれば、仲間が今どこでどう走っているかが直感的にわかるようになっている。

GroupRideメンバーの一覧/速度/自分からの距離が表示される

地図上にグループメンバーのアイコンがプロットされる

さらにグループ内全体にテキストを送れるメッセージ機能によって離れてしまった仲間とのやり取りも可能。デフォルトの簡易テンプレートだけではなく、ガーミンコネクトで作成した自分だけのテンプレート、そしてEdge 1050で手打ちしたテキストを送ることができるため、状況に応じたやり取りを行える。

例えば、グループライドで遅れてしまったライダーにパンクが発生した場合、先行グループはそのことを知る由もなく先へと進んでしまう。このような状況では想定よりも後続の到着が大きく遅れるため、先行者は後続がどこにいるのかわからない不安を感じ、対して後続は後続で人を待たせていることで焦ってしまう。

GroupRide機能の魅力の一つはメッセージ機能だ

メッセージを受信するとポップアップで通知してくれる

しかし、「パンクした」「助けて」「先行ってて」など短文を送るだけでも状況や要望は伝えられる。このようにライド中にコミュニケーションできれば、次の行動を決められるため安心につながる。そして、ライドでの嫌な思い出も少なくなるはず。

もちろん「頑張れ」「もう少し」などポジティブな応援メッセージも送信可能。離れてしまっても仲間の位置がわかるからこそかけられる言葉は力になるだろうし、安心感をもたらしてくれる。Edge 1050は声が届かない場所にいる仲間とも繋がれる、グループライド拡張デバイスと言っても過言ではない。
もちろんスマホでやり取りするのも一つの手だ。ただEdge 1050をバイクのすぐに手を伸ばせる場所に装備しているのであれば、バックポケットに収納しているスマホを取り出すよりスマートにメッセージを送信できる。そして、受信側としても、着信に気づく確率は圧倒的に高いだろう。このあたりの利便性はユーザーが体験して判断してみてほしいが、筆者としては確実にメリットがあると感じた。

ライドを盛り上げてくれるリーダーボードや各種アワード

GroupRide機能では速さだけではない表彰が行われる

Group Rideは登りセグメントで様々な役割を発揮するClimb Proの機能も拡張する。登りのプロフィール表示と自分の現在位置が表示される基本機能に加えて、グループ内での登坂時間ランキングがリアルタイムで表示されるようになる。これまではライド後にSTRAVAのセグメントタイムなどを確認していたのが、ライド途中でも登りの結果発表がデバイス上で行われるようになり、仲間内での競争が激化すること間違いなし。

ただ、サイクリングの魅力は誰が速いかを競い合うだけではない。この新たなGroup Ride機能では、タイムや順位に加え、パワーウェイトレシオや心拍数に関連するものや、コース外に滞在した時間などの表彰機能も備わっている。ライドパフォーマンスだけではなく、遊び心に富むアワードも用意されており、誰でも表彰される可能性を秘めているのは嬉しい。

これらはライド終了後に表示されるため、ライドを振り返るときの会話のネタに持ってこいだ。グループライドは一緒に走ることはもちろん、仲間とのなんてことない会話が楽しいもの。ガーミンのこの新機能によって、走っている時、走り終わった後に話題を提供してくれるのは、これまでのサイコンにはない魅力的な役割といえよう。

他にもGroup Rideのメンバーにアクシデントが発生し、Edge 1050が事故を検出した時にメンバーにその事を知らせてくれる機能も搭載されている。ロードライドはもちろんのこと、マウンテンバイクのトレイルライドでも活躍してくれるはず。万が一の事態にもいち早く仲間が察知でき、駆けつけられるようになるのはありがたい。

ガーミンコネクト連携で安全性を高める先進機能

危険地帯が赤色のマークで表示される

ガーミンは車両接近リアレーダーのVariaシリーズをラインアップし、サイクリングの安全性を高めてきた。そして、ガーミンの安全性への配慮は、Edge 1050に搭載された「危険箇所アラート」で次のレベルに到達した。

危険箇所アラートとは、ガーミンコネクトに登録された危険情報をEdgeにもシェアし、Edge上で表示・ビープ音で警告するというもの。例えば、アスファルトが割れていることを事前にライダーへと伝えることで、アクシデントのリスクは小さくなり、安全なサイクリングに貢献する。

画面をワンタップすると表示されるポップアップに報告ボタンが備えられている
危険箇所は5つの項目から選択可能


この情報はEdge 1050で登録が可能。ライド中に発見、遭遇した危険箇所をサイコン上で記録しておき、ライド終了時にガーミンコネクトへデータをアップロードすれば、自動的に危険情報は世界中へとシェアされる。より多くのサイクリストが参加することで、同じ道を通る人々の安全度を高められる。

Edgeユーザー待望のアップデートがついに到来

GPS搭載サイクルコンピューターの先駆けであり、絶対的な信頼を寄せられるガーミンのEdgeシリーズ。ルートナビゲーションやパワーデータの表示などもいち早く取り入れ、ユーザーに最先端の技術を提供してきたことでお馴染みだ。

ガーミンはEdge 1050で現代の最先端フラッグシップデバイスとしての地位を確立するために、デバイス上でルートナビゲーションのルート作成と、データ表示画面を編集できるアップデートを施した。いずれも待望の改良であり、よりユーザーフレンドリーなデバイスとしてEdgeを洗練するものだ。
ルート作成は、地図上にポイントを設定し、ガーミンが自動的に導出してくれる「ルートプランナー」、開始地点と距離、進行方向を指定し最適なルートを自動的に作成してくれる「ラウンドトリップ」、過去のライド記録から作成する「アクティビティから」の3択で行える。

マップ上の紫色のラインはサイクリストがよく通っている道

「ルートプランナー」と「ラウンドトリップ」では「Trendline Popularity Routing」によって、ガーミンコネクトに蓄積されたガーミンユーザーがよく通る道を利用したルートを作成することが可能。さらにマップ上にセグメントなども表示されるため、細かくカスタマイズしながらポイントをプロットしてルートを作ることも行える。

またEdge 1050ではGarminシェアという機能も搭載され、対応機種同士であればガーミンコネクトにアップロードせずにルートデータを転送することが可能となっている。Group Rideでの自動共有とは異なる状況でルートをシェアしたいときに活躍してくれそうだ。

Edge1050本体からレイアウト調整が可能となった

ライド中も項目のダブルタップで編集可能だ
お馴染みの項目から表示させたいものをタップするだけ


そしてデータフィールドの編集がより直感的に行えるようになった。編集したい項目を直接タップするだけで項目の選択が可能となり、その項目もスマホのようにスワイプなどで探すことができる。Edge 1050自体もサクサクと動作するため、タッチ&スワイプ動作でストレスを感じにくくなっている。

ソフトウェアを下支えするハードウェアの進化

画面が非常に読み取りやすくなったので、ナビなども把握しやすい

Edge 1050の特徴は、鮮やかなタッチ式液晶カラーディスプレイ。ガーミンは小さな画面のスマートウォッチシリーズで情報を素早く確実に伝えるための研究開発を行なっており、その結果の一つがTFT液晶ディスプレイだ。

このアップデートによってEdge 1050の解像度は480ピクセルx800ピクセルとなり、より鮮明なディスプレイ表示となった。これまで紹介したリッチな機能の情報をパッと目を落とすだけでキャッチアップ可能となっている。さらにタッチ操作に対する反応性も向上し、スマホと同等レベルの滑らかな操作を実現。ストレスフリーなユーザーインターフェイスを備えたデバイスに仕上げられている。

明るい画面やリッチな機能を備えたデバイスの弱点であるバッテリーライフも約20時間を達成しており、夜を越さないワンデーライドには十分な性能を備えている。節約モードに至っては約60時間も駆動するため、大多数のサイクリストにとってはバッテリー切れのリスクは小さいといえる。

スピーカーが備えられベルやナビの音声がクリアになった

さらに、Edge 1050はクリアな音声が流れるスピーカーも搭載。ワークアウトやナビゲーション中の音声案内だけで道のりやユーザーがやるべきことが把握しやすくなっており、画面に視線を落とす時間を減らすことが出来るため、安全性の向上にも寄与する。

それだけではなくベル機能も新たに搭載。ビープ音ではなく、綺麗なベルの音色がサイクルコンピューターから発せられ、その音を聴いた人は自転車のベルが鳴っている事に気がつける。デフォルトでの鳴らし方は、画面をワンタップして現れるメニューにボタンがあり、それをタップするだけ。しかも、シマノDI2のSTIレバーのボタンにベル機能を割り当てられ、より簡単にベルを鳴らすことも可能だ。

ガーミンコネクトからクレジットカードを登録するとNFCのタッチ決済が使えるようになる
マウント部分は交換可能なパーツへと変更される


またスマートウォッチで培った技術の一つであるNFC非接触決済機能"Garmin Pay"もEdge 1050に採用されている。これはガーミンコネクトにクレジットカードやデビットカードを登録しておくことで、休憩中にスマホや財布を取り出さずに決済可能となるもの。なお、日本においてはVISAデビットカードでの決済に対応している。

ガーミン Edge 1050

ガーミン Edge 1050 (c)ガーミン

サイズ60.2 x 118.5 x 16.3 mm
重量161 g
防水等級IPX7
ディスプレイタイプTFT LCD、タッチスクリーン、カラー
ディスプレイサイズ3.5インチ (88.9 mm)
解像度480 x 800 ピクセル
バッテリータイプ充電式リチウムイオン
稼働時間約 20 時間(バッテリー節約モード:約 60 時間)
内蔵地図日本詳細道路地図(CityNavigator Plus)自転車道入り
内蔵メモリストレージ64 GB
履歴最大200時間分
本体のみ標準付属品本体、フラッシュアウトフロントマウント、ハンドルステムマウント、ストラップ、USBケーブル(Type C to C)、製品保証書
セット標準付属品スピードセンサーDual、ケイデンスセンサー Dual、HRM-Dual、本体、フラッシュアウトフロントマウント、ハンドルステムマウント、ストラップ、USBケーブル(Type C to C)、製品保証書
税込価格126,800円(本体のみ)、143,800円(セット)
製品詳細https://gar.mn/bQp8L7z7A

Edge 1050はサイクリングライフの可能性をこれまで以上に拡張してくれる新世代のフラッグシップだ。シリアスなアスリートはもちろんのこと、肩の力を抜いたホビーサイクリストが楽しく、安全に、かつ高効率もしくは最適な状態で自転車ライフを送ることをサポートしてくれるはず。

第2弾では、グループライドやガーミンコネクトによるエコシステムの可能性を、ガーミンアンバサダーの竹谷賢二さんと木下友梨奈さんが深掘ります。

なお、グループライド機能は2024年9月より順次アップデートされ、Edge540/840/1040/Explore 2でも使用可能となる。今後一層多くのサイクリストにグループライドの楽しさが提供されるため、ガーミンからの続報を期待してもらいたい。
提供:ガーミンジャパン text: Gakuto Fujiwara photo: Gakuto Fujiwara, Makoto Ayano