2024/04/17(水) - 12:00
フォーカスのIZALCO MAX(第3世代)を愛車として迎え、レースやトレーニングで使い込んだ3名の店長が新型(第4世代)をテスト。IZALCO MAXを熟知した西谷雅史(サイクルポイント オーベスト)、流郷克哉(ユーキャン)、遠藤健太(サイクルワークス Fin’s)が感じた新型の魅力を語る。
西谷雅史(サイクルポイント オーベスト)
山梨県甲斐市にて予約営業を行うサイクルポイント オーベスト店主。前IZALCO MAXはオールラウンドに活躍する、線の細いディスクブレーキバイクという自身の要望に応えられる一台として購入。当時は癖が強いバイクが多かった中、癖がなくて乗りやすいバイクとして評価した。
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流郷克哉(ユーキャン大磯店)
首都圏を中心に全国に店舗を構えるユーキャンの大磯店・店長。ディスクブレーキのロードバイクが出揃ったタイミングで、ユーザーに勧められる一台としてショップの試乗車兼愛車として導入。前IZALCO MAXは体への負担が小さく、安定した性能が気に入り、現在も愛車として走らせている。
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遠藤健太(サイクルワークスFin’s)
新潟県長岡市に構えるサイクルワークスFin’sの店長。特徴的な乗り味のディスクブレーキバイクが多い中で、最もリムブレーキバイクと感覚が似ていたためIZALCO MAXをチョイス。試乗した時にあっという間に慣れてしまったため、マイバイクとして迎え、レースを戦った。
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インプレライダー3名に共通する先代の印象は癖が薄く、乗りやすいということ。そんな彼らが新型IZALCO MAXに持った印象とは。先代の詳しいインプレは前回の特集記事を確認してもらいたい。
―第3世代のIZALCO MAXが登場した時にインプレッションをお聞かせいただいた3名に新型の印象を伺いたいと思います。新型の第一印象はズバリどのような意見をお持ちですか。
西谷:びっくりするくらいクセがなくて、ひと漕ぎ目から乗りやすさを感じられたのには驚きました。まるで何ヶ月か乗っているかのように馴染んでいて、少し前の自転車と比べると遥かに乗り心地の良さが前面にでています。本当に驚くほど良いバイクだと思います。
流郷:今回テストを行う前にユーキャンのスタッフが試乗車に乗ることがあったのですが、そこでは私は乗らずに、感想も聞かずに今日を迎えました。前作はボトムブラケットハイトがとても低く、ロングツーリング向けのジオメトリーのようだったのですが、実際に乗ってみるとレーシーな感覚があって驚いたのを今でも覚えています。新作ではジオメトリーをガラッと変えているので、今回も良い意味で裏切られるのではないかと思ってテストに臨みました。
まず新型は腰高なバイクに変わっていました。それなのに八の字を描くように細かく切り返しした時は、試乗車やお客さんの自転車に乗る時は神経を使うんですけど、西谷さんがおっしゃったように自分の自転車のように気兼ねなく乗りこなせるほどの乗りやすさがありました。
遠藤:私もジオメトリーが誰もが乗りやすい設計からレーシング系の設計に変更されたのが気になっていました。ただ乗ってみるといかにもレーシングバイクという感じではなく、前モデルの誰でもこのバイクを乗りこなせるような印象を受けました。
色々なレーシングバイクを試乗してきた中でも群を抜いて乗りやすく、馴染みやすいバイクであるとは思います。例えばリムブレーキからディスクブレーキに乗り換えたいと考えている方にはオススメです。
―皆さんの言葉で共通するのは「乗りやすさ」だったと思います。どのような設計、部分がそうさせていると思いますか。前モデルも乗りやすいバイクと皆さんは評価されていて、先代と比較するとどのような違いがありますか。
遠藤:まず特定のどこかが良くなっているということではなくて、全体的な完成度が高いんだと思います。前モデルと比べても、新型の方が乗りやすいのではないかと感じるところもありますね。ただ剛性は高くなっているので、踏み込んだ時のバイクは良く進むようになりました。
具体的には前モデルは踏み込んだ時に一瞬のタメがあった後に加速が伸びていくような感覚がありました。新型は若干のタメがありつつも、ペダリングに対して素直にバイクが加速してくれるので、その点で前作よりレーシーになったと思います。
西谷:新モデルは緩やかに乗っている時は乗り心地の良さがあり、ギアを掛けて踏み込むと反応性の高さが顔を見せます。重いギアで登りを走ってみてもフレームにたわみがなく、力を掛けない時の乗り心地の良さとのギャップに驚くほどです。速く走りたい方が乗っても好感触を持つでしょうし、ロングライドにも応えてくれるのではないかと期待させてくれました。
流郷:お二人と印象が同じです。ペダリングしている時の足への負担が少なく、優しいところが乗り心地の良さに感じられているのかもしれませんね。フレームの剛性面で私が感じたのは、前モデルが高速巡航を維持するのに向いている感覚を持っていましたが、新型ではそこに踏み込んだ瞬間の反応性がプラスされていることでした。
ショップのお客様にバイクを大きく振りながら走る方がいて、その方にとっては先代の反応性が鈍いと感じられていたのですが、その方のようなペダリングをしても新型は気持ちよく反応してくれました。そこは西谷さんがおっしゃられていたように横剛性の高さからくる反応の良さだと思いますね。
遠藤:ペダリングパワーを受け止める横剛性は高く、縦剛性は程よくまとめられているので、衝撃吸収性にも優れています。今回はマヴィック COSMIC SL完成車仕様でテストしたのですが、フックレスのチューブレスホイールに幅広めの30Cタイヤでも相性はいいのではないかと期待しています。
流郷:私はバイクを左右に振らずに乗るので、フレーム横剛性よりもホイールの硬さ、駆動トルクのかかり方を重要視しています。実は先代とCOSMIC SLの組み合わせは自分の走り方にはフィットしていなくて、多少重くなってもいいから硬くて駆動トルクが掛かりやすいフルクラム RACING 400の方が好みでした。
しかし、お二人がおっしゃられているようにフレームの横剛性が高くなったおかげで、私がネガティブに感じていた相性の悪さが打ち消されていました。RACING 400でもテストを行ったのですが、COSMIC SLとの差が小さくなっていたので、フレームが進化した部分だと思いました。
―遠藤さんと西谷さんは自分のペダリングにマッチしている自転車だと思いますか。
遠藤:自分はとてもマッチしました。というのも群馬サイクルスポーツセンターのような1分のもがきが登場するようなコースが大好物なパンチャー脚質で、アタックが掛かっている時に瞬間的に反応してくれる自転車が好きなのですが、新型IZALCO MAXはまさにそのようなタイプです。全体的に剛性が高められているので、足へのダメージは少なからずありますが、前作よりは反応がいいので、レースで使ったら速く走れると期待できます。スプリンターにもメリットはあるでしょう。
西谷:自分は大きなギアをかけて踏むスタイルなのですが、その時もフレームの反応にほぼロスがなく、かつ踏みやすさがありました。あえて重めのギアを踏んでもフレームにたわみ感がなく進んでくれるので、そこの印象がとても良かったです。軽めのギアを回しても失速するような感覚もないのは自転車としていい性能があるのだと思います。
―剛性が高いレーシングバイクというと、ライダーに高い出力を求めるスパルタンな印象を持ちやすいですが、IZALCO MAXに関しては剛性と乗りやすさのバランスが整えられているということですね。乗り心地や剛性以外で光るものはありましたか。
流郷:IZALCO MAXは開発の大前提に取り扱いやすさが最重要視されているような感覚があります。バイクが扱いやすいと、レースで適切なポジションに位置し続けるためのバイクコントロールを自然にできて、神経をすり減らさなくて済みます。
自転車のレースは40人を相手に1人では勝てません。集団の力を上手く使う必要がありますし、横風が強く吹き付けるレースでは5cmの位置どりの差で集団に生き残れるかどうかが左右されます。逃げ集団にいたとしても、ローテションで休める時に余計な力や神経を使わないことが大事です。
――新型IZALCO MAXはレーシングバイク系のジオメトリーに変更されましたが、コントロール面で影響はありますか。
流郷:BB位置が高くなった影響で着座位置の地上高も上がっていますが、乗ってみると違和感なく扱えました。バイクの重心位置がニュートラルなおかげで地上高が高くなっても、冒頭に説明した通り乗った瞬間から自分のもののように扱うことができました。
遠藤:剛性も影響していると思うのですが、ダンシングで車体を左右に振った時の反応は前作よりもシャープです。と言ってもコーナリングでも違和感なく、乗りやすい、これに尽きますね。
西谷:その違和感のなさというか、ニュートラルな性格は走行性能だけではなく、フレーム形状やスペック面にも表れています。最近は32Cタイヤが入るくらいのクリアランスがあるロードバイクが多くなっていますが、IZALCO MAXは30Cまでが丁度良い設計です。
流郷:そういう部分を考えるとフォーカスは無骨に自分達が良いと思う自転車を開発しているように思いますよね。
遠藤:ヘッド周りがメンテナンスしやすいように設計されていますよね。コラムスペーサーを10mm上下させたい時も簡単に入れ替えられるので、その点はこのバイクを選ぶメリットだと思います。
―新型IZALCO MAXは完成車のラインアップが豊富ですが、どのモデルがおすすめでしょうか。
遠藤:まずIZALCO MAXは全体的にコストパフォーマンスが高いです。他のブランドだと100万を超えてしまうようなULTEGRA DI2完成車が、RACING400搭載モデルで約80万円です。ホイール交換を購入後に考えているのであれば、RACING400を最初に選んでおくのはアリですよ。
西谷&流郷:同じく
流郷:ただ今日COSMIC SL完成車を乗ってみて、これでもいいなとは思いました。最初はRACING 400でしっかり乗り込んだ後にアップデートを考えてもいいのですが、程よい剛性感で満足できるならCOSMIC SLで買い替えなしで楽しむのも良さそうです。
―最後に新型IZALCO MAXをどのようなサイクリストにおすすめしますか。
流郷:リムブレーキのロードバイクにしっかり乗っていたけど、自転車の価格が高騰してしまいディスクロードに乗り換えるのに躊躇している方ですかね。ULTEGRAの完成車でも高価ではあるものの、DURA-ACEなど良いパーツを使っていた方でも性能面で満足できると思います。まずは騙されたと思って乗ってみてよ、と勧めたいです。
あとはレースを楽しんでいて、2台目にハイスペックなものを求めている若い方にもぴったりだと思います。乗り方も次第に変わっていくでしょうし、ポジションの変更にも対応できますし、メンテナンス性も良いです。IZALCO MAXは同グレードの中でも入手性も高いので、その点でも推せます。
西谷:ジャンル問わずに乗れるのではないかと思いました。レースに出場したい方もサイクリングをメインに楽しむ方でもマッチするでしょう。近年のスピードを追求した設計のバイクではないものが好みの方も選びやすいです。
遠藤:IZALCO MAXは西谷さんが仰られたとおりレースやロングライドなどなんでも使えるバイクだと思います。リムブレーキからディスクブレーキに乗り換えを考えている方で悩んでいる方には是非選んでいただきたいです。
フォーカス IZALCO MAXを徹底インプレッション
インプレッションライダー
西谷雅史(サイクルポイント オーベスト)
山梨県甲斐市にて予約営業を行うサイクルポイント オーベスト店主。前IZALCO MAXはオールラウンドに活躍する、線の細いディスクブレーキバイクという自身の要望に応えられる一台として購入。当時は癖が強いバイクが多かった中、癖がなくて乗りやすいバイクとして評価した。
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流郷克哉(ユーキャン大磯店)
首都圏を中心に全国に店舗を構えるユーキャンの大磯店・店長。ディスクブレーキのロードバイクが出揃ったタイミングで、ユーザーに勧められる一台としてショップの試乗車兼愛車として導入。前IZALCO MAXは体への負担が小さく、安定した性能が気に入り、現在も愛車として走らせている。
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遠藤健太(サイクルワークスFin’s)
新潟県長岡市に構えるサイクルワークスFin’sの店長。特徴的な乗り味のディスクブレーキバイクが多い中で、最もリムブレーキバイクと感覚が似ていたためIZALCO MAXをチョイス。試乗した時にあっという間に慣れてしまったため、マイバイクとして迎え、レースを戦った。
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インプレライダー3名に共通する先代の印象は癖が薄く、乗りやすいということ。そんな彼らが新型IZALCO MAXに持った印象とは。先代の詳しいインプレは前回の特集記事を確認してもらいたい。
O-vest × YOU CAN × Fin's IZALCO MAX DISCクロストーク
「まるで何ヶ月か乗り込んでいるように自然と馴染む一台」西谷雅史(サイクルポイント オーベスト)
―第3世代のIZALCO MAXが登場した時にインプレッションをお聞かせいただいた3名に新型の印象を伺いたいと思います。新型の第一印象はズバリどのような意見をお持ちですか。
西谷:びっくりするくらいクセがなくて、ひと漕ぎ目から乗りやすさを感じられたのには驚きました。まるで何ヶ月か乗っているかのように馴染んでいて、少し前の自転車と比べると遥かに乗り心地の良さが前面にでています。本当に驚くほど良いバイクだと思います。
流郷:今回テストを行う前にユーキャンのスタッフが試乗車に乗ることがあったのですが、そこでは私は乗らずに、感想も聞かずに今日を迎えました。前作はボトムブラケットハイトがとても低く、ロングツーリング向けのジオメトリーのようだったのですが、実際に乗ってみるとレーシーな感覚があって驚いたのを今でも覚えています。新作ではジオメトリーをガラッと変えているので、今回も良い意味で裏切られるのではないかと思ってテストに臨みました。
まず新型は腰高なバイクに変わっていました。それなのに八の字を描くように細かく切り返しした時は、試乗車やお客さんの自転車に乗る時は神経を使うんですけど、西谷さんがおっしゃったように自分の自転車のように気兼ねなく乗りこなせるほどの乗りやすさがありました。
遠藤:私もジオメトリーが誰もが乗りやすい設計からレーシング系の設計に変更されたのが気になっていました。ただ乗ってみるといかにもレーシングバイクという感じではなく、前モデルの誰でもこのバイクを乗りこなせるような印象を受けました。
色々なレーシングバイクを試乗してきた中でも群を抜いて乗りやすく、馴染みやすいバイクであるとは思います。例えばリムブレーキからディスクブレーキに乗り換えたいと考えている方にはオススメです。
「新型は剛性が高くなり、反応が鋭くなった」遠藤健太(サイクルワークスFin’s)
―皆さんの言葉で共通するのは「乗りやすさ」だったと思います。どのような設計、部分がそうさせていると思いますか。前モデルも乗りやすいバイクと皆さんは評価されていて、先代と比較するとどのような違いがありますか。
遠藤:まず特定のどこかが良くなっているということではなくて、全体的な完成度が高いんだと思います。前モデルと比べても、新型の方が乗りやすいのではないかと感じるところもありますね。ただ剛性は高くなっているので、踏み込んだ時のバイクは良く進むようになりました。
具体的には前モデルは踏み込んだ時に一瞬のタメがあった後に加速が伸びていくような感覚がありました。新型は若干のタメがありつつも、ペダリングに対して素直にバイクが加速してくれるので、その点で前作よりレーシーになったと思います。
西谷:新モデルは緩やかに乗っている時は乗り心地の良さがあり、ギアを掛けて踏み込むと反応性の高さが顔を見せます。重いギアで登りを走ってみてもフレームにたわみがなく、力を掛けない時の乗り心地の良さとのギャップに驚くほどです。速く走りたい方が乗っても好感触を持つでしょうし、ロングライドにも応えてくれるのではないかと期待させてくれました。
流郷:お二人と印象が同じです。ペダリングしている時の足への負担が少なく、優しいところが乗り心地の良さに感じられているのかもしれませんね。フレームの剛性面で私が感じたのは、前モデルが高速巡航を維持するのに向いている感覚を持っていましたが、新型ではそこに踏み込んだ瞬間の反応性がプラスされていることでした。
ショップのお客様にバイクを大きく振りながら走る方がいて、その方にとっては先代の反応性が鈍いと感じられていたのですが、その方のようなペダリングをしても新型は気持ちよく反応してくれました。そこは西谷さんがおっしゃられていたように横剛性の高さからくる反応の良さだと思いますね。
遠藤:ペダリングパワーを受け止める横剛性は高く、縦剛性は程よくまとめられているので、衝撃吸収性にも優れています。今回はマヴィック COSMIC SL完成車仕様でテストしたのですが、フックレスのチューブレスホイールに幅広めの30Cタイヤでも相性はいいのではないかと期待しています。
流郷:私はバイクを左右に振らずに乗るので、フレーム横剛性よりもホイールの硬さ、駆動トルクのかかり方を重要視しています。実は先代とCOSMIC SLの組み合わせは自分の走り方にはフィットしていなくて、多少重くなってもいいから硬くて駆動トルクが掛かりやすいフルクラム RACING 400の方が好みでした。
しかし、お二人がおっしゃられているようにフレームの横剛性が高くなったおかげで、私がネガティブに感じていた相性の悪さが打ち消されていました。RACING 400でもテストを行ったのですが、COSMIC SLとの差が小さくなっていたので、フレームが進化した部分だと思いました。
―遠藤さんと西谷さんは自分のペダリングにマッチしている自転車だと思いますか。
遠藤:自分はとてもマッチしました。というのも群馬サイクルスポーツセンターのような1分のもがきが登場するようなコースが大好物なパンチャー脚質で、アタックが掛かっている時に瞬間的に反応してくれる自転車が好きなのですが、新型IZALCO MAXはまさにそのようなタイプです。全体的に剛性が高められているので、足へのダメージは少なからずありますが、前作よりは反応がいいので、レースで使ったら速く走れると期待できます。スプリンターにもメリットはあるでしょう。
西谷:自分は大きなギアをかけて踏むスタイルなのですが、その時もフレームの反応にほぼロスがなく、かつ踏みやすさがありました。あえて重めのギアを踏んでもフレームにたわみ感がなく進んでくれるので、そこの印象がとても良かったです。軽めのギアを回しても失速するような感覚もないのは自転車としていい性能があるのだと思います。
「バイクを自然に操れる性能を重視して開発されている」流郷克哉(ユーキャン大磯店)
―剛性が高いレーシングバイクというと、ライダーに高い出力を求めるスパルタンな印象を持ちやすいですが、IZALCO MAXに関しては剛性と乗りやすさのバランスが整えられているということですね。乗り心地や剛性以外で光るものはありましたか。
流郷:IZALCO MAXは開発の大前提に取り扱いやすさが最重要視されているような感覚があります。バイクが扱いやすいと、レースで適切なポジションに位置し続けるためのバイクコントロールを自然にできて、神経をすり減らさなくて済みます。
自転車のレースは40人を相手に1人では勝てません。集団の力を上手く使う必要がありますし、横風が強く吹き付けるレースでは5cmの位置どりの差で集団に生き残れるかどうかが左右されます。逃げ集団にいたとしても、ローテションで休める時に余計な力や神経を使わないことが大事です。
――新型IZALCO MAXはレーシングバイク系のジオメトリーに変更されましたが、コントロール面で影響はありますか。
流郷:BB位置が高くなった影響で着座位置の地上高も上がっていますが、乗ってみると違和感なく扱えました。バイクの重心位置がニュートラルなおかげで地上高が高くなっても、冒頭に説明した通り乗った瞬間から自分のもののように扱うことができました。
遠藤:剛性も影響していると思うのですが、ダンシングで車体を左右に振った時の反応は前作よりもシャープです。と言ってもコーナリングでも違和感なく、乗りやすい、これに尽きますね。
西谷:その違和感のなさというか、ニュートラルな性格は走行性能だけではなく、フレーム形状やスペック面にも表れています。最近は32Cタイヤが入るくらいのクリアランスがあるロードバイクが多くなっていますが、IZALCO MAXは30Cまでが丁度良い設計です。
流郷:そういう部分を考えるとフォーカスは無骨に自分達が良いと思う自転車を開発しているように思いますよね。
遠藤:ヘッド周りがメンテナンスしやすいように設計されていますよね。コラムスペーサーを10mm上下させたい時も簡単に入れ替えられるので、その点はこのバイクを選ぶメリットだと思います。
ハイコストパフォーマンスのIZALCO MAXラインアップ。おすすめできるユーザーとは
―新型IZALCO MAXは完成車のラインアップが豊富ですが、どのモデルがおすすめでしょうか。
遠藤:まずIZALCO MAXは全体的にコストパフォーマンスが高いです。他のブランドだと100万を超えてしまうようなULTEGRA DI2完成車が、RACING400搭載モデルで約80万円です。ホイール交換を購入後に考えているのであれば、RACING400を最初に選んでおくのはアリですよ。
西谷&流郷:同じく
流郷:ただ今日COSMIC SL完成車を乗ってみて、これでもいいなとは思いました。最初はRACING 400でしっかり乗り込んだ後にアップデートを考えてもいいのですが、程よい剛性感で満足できるならCOSMIC SLで買い替えなしで楽しむのも良さそうです。
―最後に新型IZALCO MAXをどのようなサイクリストにおすすめしますか。
流郷:リムブレーキのロードバイクにしっかり乗っていたけど、自転車の価格が高騰してしまいディスクロードに乗り換えるのに躊躇している方ですかね。ULTEGRAの完成車でも高価ではあるものの、DURA-ACEなど良いパーツを使っていた方でも性能面で満足できると思います。まずは騙されたと思って乗ってみてよ、と勧めたいです。
あとはレースを楽しんでいて、2台目にハイスペックなものを求めている若い方にもぴったりだと思います。乗り方も次第に変わっていくでしょうし、ポジションの変更にも対応できますし、メンテナンス性も良いです。IZALCO MAXは同グレードの中でも入手性も高いので、その点でも推せます。
西谷:ジャンル問わずに乗れるのではないかと思いました。レースに出場したい方もサイクリングをメインに楽しむ方でもマッチするでしょう。近年のスピードを追求した設計のバイクではないものが好みの方も選びやすいです。
遠藤:IZALCO MAXは西谷さんが仰られたとおりレースやロングライドなどなんでも使えるバイクだと思います。リムブレーキからディスクブレーキに乗り換えを考えている方で悩んでいる方には是非選んでいただきたいです。
提供:グローブライド 制作:シクロワイアード編集部