2021/11/05(金) - 12:00
第2世代へと進化したオルターロックについて詳しく掘り下げる特集がスタート。2018年にリリースされたスマートデバイスの基本のキからおさらいし、第2世代でアップデートされたところ、ショップスタッフからみたオルターロックの印象を紹介していこう。
第1弾は基本のキを振り返る。オルターロックとは?どんな役割があるのか?自転車用という所以などに触れよう。
簡単に説明するならば、オルターロックは、イタズラ・盗難防止を目的としたアラーム発音機兼スマホ通知デバイス兼盗難時の追跡デバイスだ。警戒モード中のデバイスが動きを検知するとアラーム音を鳴らし、持ち主のスマートフォンに異変を通知。これらの機能が第1フェーズとして盗難を抑止しつつ、現場に急行できる仕組みを実現している。
アラーム音が無視されて持ち去られてしまった場合でも、第2フェーズとして搭載されているGPSが位置情報を取得。愛車の現在位置をスマホに送信し、盗難後に愛車を発見しやすくしたデバイスだ。
一方でオルターロックは、構造物と自転車を固定するわけではないので、単体では移動させられてしまうことは事実としてある。そのため、一般的な鍵と組み合わせることが前提とされており、2つの異なる鍵を掛けることで一層イタズラ・盗難防止の効果を発揮してくれるはずだ。
「単体で盗難を防止できないのであれば、これまで通りの鍵だけで良いじゃないか」という意見もあるだろう。ただ、オルターロックは持ち主が愛車の近くにいなくても、異変を知らせてくれるという機能は他にはない機能だ。
鍵をかけていても切られる可能性がある以上、自宅内以外での駐輪には「戻ってきた時に自転車はあるかな」という不安はつきまとうもの。その気持を少しでも和らげてくれる役割もオルターロックは担っている。備えあれば憂いなし。その備えがオルターロックだ。
Sigfoxが用いられる理由は、所有者がスマホとオルターロックのBluetoothの通信圏外にいる状態でも、通知をスマホに送るため。Bluetoothは通信圏が広くなく、かつ建物などに入ってしまうと、屋外の自転車との通信は切れてしまう。そのためBluetooth単独で運用する場合は、自転車から離れた時に、持ち主が自転車の状態を知ることが不可能となってしまう。そこでSigfoxが活躍する。
Sigfoxという馴染みのない用語だが、簡単に説明すると、スマホで言うところのdocomoやau、softbankが提供する4G LTEなどとは異なる別のネットワークのこと。Sigfoxという通信規格は、データをアップロードするのに最適な規格であり、IoTによく用いられているものだという。
IoTとは、「Internet of Things(モノのインターネット)」。様々な「モノ」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み。"モノ"自体がデータを収集した後に持ち主に情報を転送することや、遠隔操作が可能になることで、"モノ"が今まで以上に生活を助けてくれるようになる。
そんなIoTに向くSigfoxもスマホキャリアのように基地局が日本じゅう至るところに設けられ、そこを介してネットワークに接続されている。つまり基地局がカバーしているところでの通信に限定されるが、心配することなかれ、Sigfoxは人口カバー率が95%を超えている。第2ページ目で解説をするが、第2世代ではWi-Fiも位置情報の特定に活用されているため、愛車を発見できる可能性は高くなっている。
Sigfoxを使うことで、どこにいてもオルターロックからの通知を受け取ることができるのだ。具体的な経路は、まずオルターロック(デバイス)はSigfoxの通信網を使い、ネットワーク上にあるデータ集積所(クラウド)にデータを送信。クラウドからスマホは、ユーザーが使用しているキャリアのネットワークでデータが送られるという仕組みだ。オルターロックのBluetoothは設定や操作を行うために採用されている。
近年、紛失物を持ち主が発見できるような小型のスマートタグが流行っている。それの仕組みを転用して自転車にも使えるのではないかというのは自然な発想だ。それらに対してオルターロックはどのようなアドバンテージがあるのだろうか。これには先述したテクノロジーが大きく関係してくる。
まずは位置情報がオルターロックだけで取得できること。スマートタグはそれのBluetoothの電波を特定のデバイスが捕捉する必要があり、そのスマホの位置情報を利用して紛失物を発見しやすくしている。つまり、往来が多いところかつ、タグのBluetooth圏内に他の人が入る可能性が高い場合に効果を発揮してくれる。一方で、野原にぽつんと放置されたような場合は捕捉できない可能性が高くなる。
スタンドアロンで位置情報を取得でき、Sigfoxのネットワークを利用し、場所を教えてくれるオルターロックは、発見できる可能性が高いといえるだろう。そして何よりも頼りがいのある大きな音を発し、抑止力としての機能を発揮してくれるのはオルターロックの魅力だ。自転車用に開発されている点も見逃せないアドバンテージだ。
まず前提としてオルターロックは、自身がサイクリストとしてサイクリングを楽しむエンジニアが指揮を執って開発が行われていることが特徴。昨今のロードバイクトレンドを注視し、どのようなプロダクトが望まれているのかを的確に把握しており、ハードウェアとソフトウェア共にサイクリストフレンドリーな設計が行われている。
ハードウェアの特徴はボトルケージ台座に取り付けること。ボトルケージ台座のボルト間の距離は、スポーツ自転車の中で数少ない統一された規格であり、装着できる自転車がほとんどだ。ボトル関連の周辺アクセサリーも多く、小径車などにも搭載可能であり、サドルレールにボトルケージを装着するアダプターなども用意されている。ありとあらゆる車種に対応してくれるが、メインとなるのは行動範囲が広く、街乗りからハードなサイクリングまでカバーできるロードバイクだ。
そもそもデバイスが外付けされているのは、オルターロックの機能が発揮されるため。スポーツバイクのフレームは様々な材質でできており、内装すると機能が安定しないという。特にカーボンは電波を吸収してしまい、オルターロックのユニークな機能が使えなくなってしまうとのことだ。
ソフトウェアの面では加速度センサーの反応を自転車での使用を想定している。例えば、サドルを引っ掛けるタイプのラックに駐輪した状態から、降ろした時に反応するようにチューニングされており、誤検知の可能性を低減している。こちらも第2世代でアップデートを遂げているポイントだ。
GPSで位置情報を取得するセッティングもオルターロックの特徴だ。GPSトラッカーのように常時位置情報を得て、移動経路を把握できるようにしている場合、バッテリーの消耗が早くなってしまう。万が一盗まれてしまった場合でも発見するまで電池が保たせるため、日常使いでの充電回数を減らすため、振動を検知するまでGPSがオフとされているという。
また、設定などを行うスマホアプリもサイクリストが扱いやすいようにデザインされている。例えば、防犯登録番号や車体の情報(フレーム、パーツ類)を記録することができるため、万が一盗まれてしまった場合でも整理された情報を警察に渡すことができる上、発見の手助けとなってくれるだろう。
オルターロックは本体価格と月々のサービス利用料がかかる。本体は10,780円(税込)で、利用料は396円/月だ。年額で支払いを行う場合は3,960円(税込)となる。デバイスの初期費用は小さくないものの、月々の利用料はコーヒー1杯分で高級な愛車を守れると思えば高くない選択肢だろう。サイクリングやレース会場などで安心して自転車を駐輪しておきたい方に是非オススメしたいプロダクトだ。
※オルターロック第2世代は8月までに予約した分は11月26日頃、9月以降の予約分は12月2日頃より出荷開始予定
第2ページ目では、2021年に第2世代で進化したポイントにフォーカスする。初代より扱いやすく、サイクリストフレンドリー、自転車向けにアップデートされているので、ぜひ御覧ください。
第1弾は基本のキを振り返る。オルターロックとは?どんな役割があるのか?自転車用という所以などに触れよう。
オルターロックとは一体何なのか
簡単に説明するならば、オルターロックは、イタズラ・盗難防止を目的としたアラーム発音機兼スマホ通知デバイス兼盗難時の追跡デバイスだ。警戒モード中のデバイスが動きを検知するとアラーム音を鳴らし、持ち主のスマートフォンに異変を通知。これらの機能が第1フェーズとして盗難を抑止しつつ、現場に急行できる仕組みを実現している。
アラーム音が無視されて持ち去られてしまった場合でも、第2フェーズとして搭載されているGPSが位置情報を取得。愛車の現在位置をスマホに送信し、盗難後に愛車を発見しやすくしたデバイスだ。
一方でオルターロックは、構造物と自転車を固定するわけではないので、単体では移動させられてしまうことは事実としてある。そのため、一般的な鍵と組み合わせることが前提とされており、2つの異なる鍵を掛けることで一層イタズラ・盗難防止の効果を発揮してくれるはずだ。
「単体で盗難を防止できないのであれば、これまで通りの鍵だけで良いじゃないか」という意見もあるだろう。ただ、オルターロックは持ち主が愛車の近くにいなくても、異変を知らせてくれるという機能は他にはない機能だ。
鍵をかけていても切られる可能性がある以上、自宅内以外での駐輪には「戻ってきた時に自転車はあるかな」という不安はつきまとうもの。その気持を少しでも和らげてくれる役割もオルターロックは担っている。備えあれば憂いなし。その備えがオルターロックだ。
オルターロックはどのように機能する?
もう少し具体的にオルターロックがどのように機能するかを紹介する。まずオルターロックで欠かせないのはスマホと専用アプリだ。アプリはデバイスの設定、操作など行うため必ず必要な存在であり、何よりも、愛車の異変に気がつくための通知はスマホに届く。- オルターロックとスマホをペアリング、設定を行う
- オルターロックの盗難防止機能をオンにする
- オルターロックが異変を検知する
- オルターロック自身がアラーム音を鳴らし、犯人に警告・周囲に異変を知らせる
- 4と同時にペアリングしているスマホに異変を通知
- オルターロックが現在位置を通知
- 移動するごとに位置情報を通知
- 持ち主は次の行動に移すことが可能(探しに行く、警察に相談する)
オルターロックの機能を実現するテクノロジー
異変の検知を司るのは搭載された加速度センサーだ。デバイスに搭載されたセンサーが動きを検知でき、自転車用に設定された検知システムが異常な動きを判定。その異変があったことをスマホに通知させるのだが、無線で情報を伝えるための技術としてSigfoxというネットワークが用いられている。Sigfoxが用いられる理由は、所有者がスマホとオルターロックのBluetoothの通信圏外にいる状態でも、通知をスマホに送るため。Bluetoothは通信圏が広くなく、かつ建物などに入ってしまうと、屋外の自転車との通信は切れてしまう。そのためBluetooth単独で運用する場合は、自転車から離れた時に、持ち主が自転車の状態を知ることが不可能となってしまう。そこでSigfoxが活躍する。
Sigfoxという馴染みのない用語だが、簡単に説明すると、スマホで言うところのdocomoやau、softbankが提供する4G LTEなどとは異なる別のネットワークのこと。Sigfoxという通信規格は、データをアップロードするのに最適な規格であり、IoTによく用いられているものだという。
IoTとは、「Internet of Things(モノのインターネット)」。様々な「モノ」がインターネットに接続され、情報交換することにより相互に制御する仕組み。"モノ"自体がデータを収集した後に持ち主に情報を転送することや、遠隔操作が可能になることで、"モノ"が今まで以上に生活を助けてくれるようになる。
そんなIoTに向くSigfoxもスマホキャリアのように基地局が日本じゅう至るところに設けられ、そこを介してネットワークに接続されている。つまり基地局がカバーしているところでの通信に限定されるが、心配することなかれ、Sigfoxは人口カバー率が95%を超えている。第2ページ目で解説をするが、第2世代ではWi-Fiも位置情報の特定に活用されているため、愛車を発見できる可能性は高くなっている。
Sigfoxを使うことで、どこにいてもオルターロックからの通知を受け取ることができるのだ。具体的な経路は、まずオルターロック(デバイス)はSigfoxの通信網を使い、ネットワーク上にあるデータ集積所(クラウド)にデータを送信。クラウドからスマホは、ユーザーが使用しているキャリアのネットワークでデータが送られるという仕組みだ。オルターロックのBluetoothは設定や操作を行うために採用されている。
紛失物捜索用のタグとは違うの?
近年、紛失物を持ち主が発見できるような小型のスマートタグが流行っている。それの仕組みを転用して自転車にも使えるのではないかというのは自然な発想だ。それらに対してオルターロックはどのようなアドバンテージがあるのだろうか。これには先述したテクノロジーが大きく関係してくる。
まずは位置情報がオルターロックだけで取得できること。スマートタグはそれのBluetoothの電波を特定のデバイスが捕捉する必要があり、そのスマホの位置情報を利用して紛失物を発見しやすくしている。つまり、往来が多いところかつ、タグのBluetooth圏内に他の人が入る可能性が高い場合に効果を発揮してくれる。一方で、野原にぽつんと放置されたような場合は捕捉できない可能性が高くなる。
スタンドアロンで位置情報を取得でき、Sigfoxのネットワークを利用し、場所を教えてくれるオルターロックは、発見できる可能性が高いといえるだろう。そして何よりも頼りがいのある大きな音を発し、抑止力としての機能を発揮してくれるのはオルターロックの魅力だ。自転車用に開発されている点も見逃せないアドバンテージだ。
オルターロックが自転車向けである理由
まず前提としてオルターロックは、自身がサイクリストとしてサイクリングを楽しむエンジニアが指揮を執って開発が行われていることが特徴。昨今のロードバイクトレンドを注視し、どのようなプロダクトが望まれているのかを的確に把握しており、ハードウェアとソフトウェア共にサイクリストフレンドリーな設計が行われている。
ハードウェアの特徴はボトルケージ台座に取り付けること。ボトルケージ台座のボルト間の距離は、スポーツ自転車の中で数少ない統一された規格であり、装着できる自転車がほとんどだ。ボトル関連の周辺アクセサリーも多く、小径車などにも搭載可能であり、サドルレールにボトルケージを装着するアダプターなども用意されている。ありとあらゆる車種に対応してくれるが、メインとなるのは行動範囲が広く、街乗りからハードなサイクリングまでカバーできるロードバイクだ。
そもそもデバイスが外付けされているのは、オルターロックの機能が発揮されるため。スポーツバイクのフレームは様々な材質でできており、内装すると機能が安定しないという。特にカーボンは電波を吸収してしまい、オルターロックのユニークな機能が使えなくなってしまうとのことだ。
ソフトウェアの面では加速度センサーの反応を自転車での使用を想定している。例えば、サドルを引っ掛けるタイプのラックに駐輪した状態から、降ろした時に反応するようにチューニングされており、誤検知の可能性を低減している。こちらも第2世代でアップデートを遂げているポイントだ。
GPSで位置情報を取得するセッティングもオルターロックの特徴だ。GPSトラッカーのように常時位置情報を得て、移動経路を把握できるようにしている場合、バッテリーの消耗が早くなってしまう。万が一盗まれてしまった場合でも発見するまで電池が保たせるため、日常使いでの充電回数を減らすため、振動を検知するまでGPSがオフとされているという。
また、設定などを行うスマホアプリもサイクリストが扱いやすいようにデザインされている。例えば、防犯登録番号や車体の情報(フレーム、パーツ類)を記録することができるため、万が一盗まれてしまった場合でも整理された情報を警察に渡すことができる上、発見の手助けとなってくれるだろう。
オルターロックは本体価格と月々のサービス利用料がかかる。本体は10,780円(税込)で、利用料は396円/月だ。年額で支払いを行う場合は3,960円(税込)となる。デバイスの初期費用は小さくないものの、月々の利用料はコーヒー1杯分で高級な愛車を守れると思えば高くない選択肢だろう。サイクリングやレース会場などで安心して自転車を駐輪しておきたい方に是非オススメしたいプロダクトだ。
オルターロック第2世代 スペック
サイズ | 長さ159mm x 幅38mm x 厚さ9mm |
重量 | 約50g |
バッテリー | リチウムポリマー |
充電端子 | USB Type-C |
充電ケーブルは別途ご用意ください。 | |
使用温度 | 動作可能温度: -20~60℃ |
充電可能温度: 0~45℃ | |
稼働時間 | 最大1.5ヶ月 |
※利用状況により異なります。 | |
通信方式 | Bluetooth Low Energy / Sigfox |
測位方式 | GPS(GNSS) / Wi-Fi |
防水/防塵 | IP66 |
付属品 | スタートガイド、取付用ボルト2本 |
オプション | 盗難防止ボルト2本、専用工具 |
※デバイスとのセット販売のみ | |
製品価格 | 単品 ¥10,780円(税込) |
盗難防止ボルト2本+工具付き ¥11,660円(税込) | |
サービス利用料 | 月額396円(税込) または 年額3,960円(税込) |
※初回30日間無料 |
※オルターロック第2世代は8月までに予約した分は11月26日頃、9月以降の予約分は12月2日頃より出荷開始予定
第2ページ目では、2021年に第2世代で進化したポイントにフォーカスする。初代より扱いやすく、サイクリストフレンドリー、自転車向けにアップデートされているので、ぜひ御覧ください。
提供:オルターロック 制作:シクロワイアード編集部