2020/06/05(金) - 19:00
チームイネオスやボーラ・ハンスグローエといったワールドチームをサポートするフィットネス機器ブランドのワフー。日本国内では宇都宮ブリッツェンに加えて弱虫ペダルサイクリングチームへのサポートを開始した。
今回の特集では弱虫ペダルサイクリングチームから唐見実世子、織田聖の2名にインドアトレーニングについてのイメージを語ってもらった。スマートローラーとズイフトの組み合わせで、そのイメージは以前から大きく変わったという。
スマートトレーナーKICKRシリーズとサイクルコンピューターELEMNTシリーズで知られているワフー。特にワフーのスマートトレーナーと連携するKICKR CLIMBとKICKR HEADWINDは、近年盛り上がりを見せているバーチャルサイクリングへの没入感を高めるアイテムとして支持を集めている。
高機能なプロダクトであることはワールドチームの使用状況を見てもわかる。勝つための機材しか使用しないことで知られているチームイネオスと、実力と人気共に第一級のボーラ・ハンスグローエがワフーのプロダクトを採用。高い志を持つチームやアスリートとの協業を望むワフーとしても、チームイネオスとボーラ・ハンスグローエはまたとないパートナーシップだ。
高みを目指すチームとタッグを組むという理念は日本国内にまで届いており、国内トップチームである宇都宮ブリッツェンをサポート。そして2020年からは弱虫ペダルサイクリングチームのサポートも開始した。「コミック「弱虫ペダル」は世界的に有名であり非常に多くのファンがいるため、幅広いサイクリスト層との接点を模索していた我々にとって、今回のパートナーシップは自然なことでした」とワフーは言い、さらなる躍進を目指していく。
今回の特集では弱虫ペダルサイクリングチームから唐見実世子、織田聖の2名にインドアトレーニングについてのイメージを語ってもらった。スマートローラーとズイフトの組み合わせで、そのイメージは以前から大きく変わったという。
志高いプロチームとパートナーシップを築くワフー
スマートトレーナーKICKRシリーズとサイクルコンピューターELEMNTシリーズで知られているワフー。特にワフーのスマートトレーナーと連携するKICKR CLIMBとKICKR HEADWINDは、近年盛り上がりを見せているバーチャルサイクリングへの没入感を高めるアイテムとして支持を集めている。
高機能なプロダクトであることはワールドチームの使用状況を見てもわかる。勝つための機材しか使用しないことで知られているチームイネオスと、実力と人気共に第一級のボーラ・ハンスグローエがワフーのプロダクトを採用。高い志を持つチームやアスリートとの協業を望むワフーとしても、チームイネオスとボーラ・ハンスグローエはまたとないパートナーシップだ。
高みを目指すチームとタッグを組むという理念は日本国内にまで届いており、国内トップチームである宇都宮ブリッツェンをサポート。そして2020年からは弱虫ペダルサイクリングチームのサポートも開始した。「コミック「弱虫ペダル」は世界的に有名であり非常に多くのファンがいるため、幅広いサイクリスト層との接点を模索していた我々にとって、今回のパートナーシップは自然なことでした」とワフーは言い、さらなる躍進を目指していく。
ワールドチーム、弱虫ペダルサイクリングチームの使用機材
主要なサポートチームの機材使用状況は以下の通り。弱虫ペダルはELEMNT ROAMとELEMNT BOLTという2種類のサイクルコンピューターと心拍計TICKR、スマートローラーは耐久性に優れたKICKR COREを使用する。ベーシックモデルながら激しいトレーニングセッションにも耐えられるコストパフォーマンスに優れたモデルだ。チームイネオス | ボーラ・ハンスグローエ | 弱虫ペダル |
---|---|---|
KICKR | KICKR | KICKR CORE |
TICKR | TICKR | TICKR |
ELEMNT BOLT | ELEMNT BOLT | |
ELEMNT ROAM |
チームイネオスのティム・ケリソン(パフォーマンスサポート担当)は「我々はレースをはじめとした過酷な環境で耐えられる信頼性の高い製品を必要としている。KICKRはリアルな体感を再現できるため、屋内トレーニングのプログラムで重要な役割を担う」とワフーの公式ページで語る。
ボーラ・ハンスグローエのラルフ・デンクGMは「ELEMNT BOLTは簡単にトレーニングプラットフォームに同期できるため、練習とレースどちらでも完璧に機能する」という。デバイスのインターフェイスがわかりやすく、選手が楽に扱えるとも。
またボーラ・ハンスグローエは、現状維持を是とせず、新たな可能性を見つけることがチームにとって持続的な成功に繋がると説明する。ワフーの先を見据える姿勢がチーム理念とフィットしているため、自分たちが"ワフーリガン"になったと言う。
本ページではワフーのプロダクトを利用して屋内トレーニングに励む唐見実世子、織田聖両選手に、インドアトレーニングについてのイメージ、実感を語ってもらった。二人にとってスマートトレーナーがトレーニングを変えたようだ。
織田聖
2015年の全日本選手権シクロクロス・ジュニアでの優勝を皮切りに、CXを中心として活躍を続ける22歳。2017年と2019年の全日本選手権シクロクロス・U23でも勝利を挙げ、計3度の全日本チャンピオンに輝いている。現在はロードレースの活動も並行しており、2019年からはフランスのロードチームにも所属し欧州での活躍も行っている。
唐見実世子
弱虫ペダルサイクリングチームのプレイングコーチとしてチームを牽引する一人。Jフェミニンツアーでは強さを見せ、2016年から2019年まで4年連続で個人総合優勝を果たしている。他にも2001年、2002年にはシクロクロス全日本王者となっている。2004年は全日本選手権個人TTで優勝、ロードレースで2位、2017年は全日本選手権ロードで再び2位に輝いている。
弱虫ペダルサイクリングチーム:Facebookページ、Instagram
織田:インドア練習は嫌いで、ローラー台に乗る時は雨の日に3本ローラーで1時間行う程度でしたね。1時間が辛抱の限界なので、シクロクロスの女子レースを観ながら、スタートから先頭のフィニッシュまでの間、漕ぎ続けていました。1時間半もローラーに乗っている事があれば、自分を褒め称えていましたよ。
唐見:私もインドアトレーニングをほとんどやっていません。パワーマックスというスピニングマシンで1分ダッシュとか、FTP計測のメニューはたまにやっていましたが、仕方ない時にやるという存在でした。
―インドアトレーニングとは選手にとって厳しいものだからでしょうか。
織田:走っていても景色は変わらないですし、画面に映し出すとしても動画とかしかなく、精神的にきついですよね。音楽もなければ30分も耐えられません。
唐見:確かに動画はモチベーションだったかも。自転車レースを観ながらローラーを回し、トレーニングに耐えるというね。
―そういった経験やイメージを持ちながら、今はインドアトレーニングが中心になっていると思います。その理由はスマートローラーとズイフトという組み合わせのおかげでしょうか。
唐見:印象は非常に変わりましたね。ズイフトが無ければインドアトレーニングはできないと思います。私は自分一人で練習していると出力を上げられるタイプではないので、ズイフト内のレースやグループライドでいい強度の集団についていこうとすると良い練習になるんですよ。時間もあっという間に経過してしまいますし。
織田:苦痛だった1時間が苦にならないし、2時間も乗れてしまいます。スマートトレーナーだとズイフトの坂で負荷が上下するので、登り坂があれば頑張ろうかと思いますし、下りでは楽になる。ローラー台って楽になる事がないじゃないですか。レースで足を休ませられたりという面白さがあります。
―弱虫ペダルサイクリングチームはズイフトのライドイベントに積極的に参加しているイメージがあります。オンラインでのソーシャルライドはどのように感じていますか。
織田:現在はチームスポンサーであるRaphaの協力を得てズイフトのイベントに参加しています。それだけではなく、RaphaのInstagramアカウントでライブ配信にも取り組んでいるので、様々な方法で日本と世界中の人たちと交流しながらズイフトイベントを楽しめています。
唐見:今まであり得なかった世界中のサイクリストと交流できるのは非常に新鮮な感覚です。イベント自体の楽しみ方は人それぞれだと思いますが、自分が心地よく走れる集団でのライド、練習ペースの集団でのライドなど様々な楽しみ方で満足できると思います。一生懸命走った時に、同じグループにいた人にRide onで讃えあえるのも面白いです。
織田:参加人数が多いライドイベントだと世界各国から集まったサイクリストの集団に埋もれる事もあり、それを観ているだけでも良いし、実際に集団の中にいても面白いです。バーチャルでしか繋がれない人たちと一緒に走れるのは良い体験ですよね。
―元々メニューをこなすための屋内トレーニングというものが新しい存在になってきた気がします。
織田:ズイフトはいわゆるSNSとは異なりますが、様々な人と繋がることのできる手段だと思っています。僕は遠くに住んでいる知り合いと一緒に走ったりしていますし、フランスのチームメイトとは「See you Zwift」と言ってズイフト内でコミュニケーションを取っています。ズイフトの中でコミュニティが作られるのも素晴らしいことだと思います。
織田:インドアはLSDのように長時間走るためのものでは無いです。1時間のハードなメニューをこなしたり、ズイフトであれば模擬レースのようなことも取り入れています。単にメニューを行うだけでは飽きてしまうので、レース形式で練習を行うことでモチベーションを維持するのには役に立っています。
唐見:アウトドアとインドア、どちらかが優れているわけではなく、どちらにも向き不向きがあると思います。アウトドアだと行えるトレーニングメニューのバラエティに富んでいますが、車や人、風向きなど周囲の状況を確認しながら走っているので100%集中していることは少ないです。そういう面で見るとインドアの場合は集中して走れるというメリットがありますね。
織田:筑波山周辺で言えば、20分間集中し続けられる場所は少ないですよね。絶対に車や人、信号と出会ってしまうから、ある程度まとまった時間をシッティングで踏み続けるようなメニューがインドアに向いていると思います。ただ、固定ローラーで全力でダンシングしたら、自転車のほうが壊れる怖さがあるので、短時間ダッシュは外で行いたいです。
唐見:それはわかる。インドアトレーニングだとFTPやミドルハイの領域を伸ばせるようなメニューだよね。自分が決めたパワー目標をある程度まとまった時間で踏み続ける練習は、外よりもマッチしているかと思います。
―冬のベーストレーニング期間が延長されているような感覚ですか。
唐見:そうですね。聖と前田公平はシクロクロスも取り組んでいて、常にレースがあるスケジュールなので、例年ベーストレーニングの時間を作れないんですよ。今年は特殊で、3人にとってはベースを作る良い期間になっていると感じます。
織田:不思議な感覚ですよね。
―トレーニングにはKICKR COREを利用しているかと思いますが、ELEMNT BOLTなども合わせて使用していますか。
織田:インドアトレーニングはズイフトがメインなので画面上に表示されるデータを読むことがメインですね。ただ僕は下を向いたときにもデータを確認できるようにELEMNT BOLTも起動しています。パワーメーターとズイフトの数値が正しいのかなと思いながら乗っているんですが、概ね数値は合っていますよ。
樋澤(ワフー):インドアでサイコンを起動する人は少ないので、そうやって使っていただいているのは有り難いですね。ELEMNTにはパッシブモードと言って、データを表示させるだけのモードが存在していて、ズイフトの画面だけでは表示されない項目とかも読むことができるんですよ。
織田:サイコンにはFTPの何%を出力しているのかという項目や、パワーウェイトレシオを表示させられるんです。登り区間でどの程度のパワーで踏むかの指標にできるので、この2つを並べて使っています。データ管理はワフーのアプリとストラバを並行して使っています。ストラバの場合は有料の部分も多いし、ワフーアプリはデータを読み取りやすいので、もっぱらワフーアプリの方を利用していますね。
―今後は屋外トレーニングの機会、レースも再開されると思います。その時、インドアトレーニングの立ち位置はどのようなものになりますか。
織田:メインは屋外で、雨の日やFTP測定の時にインドアトレーニングという流れはこれまで通りだと思います。実際はこの後もレースが無事に開催されるかも確かではないため、モチベーション維持のためにズイフトでレースしたり、遠くにいる知り合いと一緒に走ったりはすると思います。
唐見:レースが再開されても、私達は1年間通してレースがあるので、移動などで心身ともに疲労しやすい環境にいます。疲労を抜くのも練習のうちですが、スケジュール的に全てを詰め込むことは難しい。そこで要領良く練習を行うためにインドアトレーニングはありですね。
屋外トレーニングではチームで走ることが増えてくると思います。でも男子と女子なので練習の強度が合いにくく、自分のトレーニングを行うことが難しい時もあります。自分に適した強度で走るために、屋外と並行してズイフトでのトレーニングは続けていくと思います。
―ありがとうございました。続いてKICKR BIKEのインプレッションを伺っていきたいと思います。
Vol.2へ続く
ボーラ・ハンスグローエのラルフ・デンクGMは「ELEMNT BOLTは簡単にトレーニングプラットフォームに同期できるため、練習とレースどちらでも完璧に機能する」という。デバイスのインターフェイスがわかりやすく、選手が楽に扱えるとも。
またボーラ・ハンスグローエは、現状維持を是とせず、新たな可能性を見つけることがチームにとって持続的な成功に繋がると説明する。ワフーの先を見据える姿勢がチーム理念とフィットしているため、自分たちが"ワフーリガン"になったと言う。
本ページではワフーのプロダクトを利用して屋内トレーニングに励む唐見実世子、織田聖両選手に、インドアトレーニングについてのイメージ、実感を語ってもらった。二人にとってスマートトレーナーがトレーニングを変えたようだ。
唐見実世子&織田聖インタビュー「屋内トレーニングの過去、現在、未来」
選手プロフィール
織田聖
2015年の全日本選手権シクロクロス・ジュニアでの優勝を皮切りに、CXを中心として活躍を続ける22歳。2017年と2019年の全日本選手権シクロクロス・U23でも勝利を挙げ、計3度の全日本チャンピオンに輝いている。現在はロードレースの活動も並行しており、2019年からはフランスのロードチームにも所属し欧州での活躍も行っている。
唐見実世子
弱虫ペダルサイクリングチームのプレイングコーチとしてチームを牽引する一人。Jフェミニンツアーでは強さを見せ、2016年から2019年まで4年連続で個人総合優勝を果たしている。他にも2001年、2002年にはシクロクロス全日本王者となっている。2004年は全日本選手権個人TTで優勝、ロードレースで2位、2017年は全日本選手権ロードで再び2位に輝いている。
弱虫ペダルサイクリングチーム:Facebookページ、Instagram
「屋内トレーニングは精神的にキツいもの」織田聖
―3月下旬からチームのスポンサーにワフーが加わり、KICKR COREでの練習を開始したと聞いております。スマートトレーナー導入以前、インドアトレーニングは行われていましたか。織田:インドア練習は嫌いで、ローラー台に乗る時は雨の日に3本ローラーで1時間行う程度でしたね。1時間が辛抱の限界なので、シクロクロスの女子レースを観ながら、スタートから先頭のフィニッシュまでの間、漕ぎ続けていました。1時間半もローラーに乗っている事があれば、自分を褒め称えていましたよ。
唐見:私もインドアトレーニングをほとんどやっていません。パワーマックスというスピニングマシンで1分ダッシュとか、FTP計測のメニューはたまにやっていましたが、仕方ない時にやるという存在でした。
―インドアトレーニングとは選手にとって厳しいものだからでしょうか。
織田:走っていても景色は変わらないですし、画面に映し出すとしても動画とかしかなく、精神的にきついですよね。音楽もなければ30分も耐えられません。
唐見:確かに動画はモチベーションだったかも。自転車レースを観ながらローラーを回し、トレーニングに耐えるというね。
「スマートローラーとズイフトの組み合わせで良い練習になる」唐見実世子
―そういった経験やイメージを持ちながら、今はインドアトレーニングが中心になっていると思います。その理由はスマートローラーとズイフトという組み合わせのおかげでしょうか。
唐見:印象は非常に変わりましたね。ズイフトが無ければインドアトレーニングはできないと思います。私は自分一人で練習していると出力を上げられるタイプではないので、ズイフト内のレースやグループライドでいい強度の集団についていこうとすると良い練習になるんですよ。時間もあっという間に経過してしまいますし。
織田:苦痛だった1時間が苦にならないし、2時間も乗れてしまいます。スマートトレーナーだとズイフトの坂で負荷が上下するので、登り坂があれば頑張ろうかと思いますし、下りでは楽になる。ローラー台って楽になる事がないじゃないですか。レースで足を休ませられたりという面白さがあります。
―弱虫ペダルサイクリングチームはズイフトのライドイベントに積極的に参加しているイメージがあります。オンラインでのソーシャルライドはどのように感じていますか。
織田:現在はチームスポンサーであるRaphaの協力を得てズイフトのイベントに参加しています。それだけではなく、RaphaのInstagramアカウントでライブ配信にも取り組んでいるので、様々な方法で日本と世界中の人たちと交流しながらズイフトイベントを楽しめています。
唐見:今まであり得なかった世界中のサイクリストと交流できるのは非常に新鮮な感覚です。イベント自体の楽しみ方は人それぞれだと思いますが、自分が心地よく走れる集団でのライド、練習ペースの集団でのライドなど様々な楽しみ方で満足できると思います。一生懸命走った時に、同じグループにいた人にRide onで讃えあえるのも面白いです。
織田:参加人数が多いライドイベントだと世界各国から集まったサイクリストの集団に埋もれる事もあり、それを観ているだけでも良いし、実際に集団の中にいても面白いです。バーチャルでしか繋がれない人たちと一緒に走れるのは良い体験ですよね。
―元々メニューをこなすための屋内トレーニングというものが新しい存在になってきた気がします。
織田:ズイフトはいわゆるSNSとは異なりますが、様々な人と繋がることのできる手段だと思っています。僕は遠くに住んでいる知り合いと一緒に走ったりしていますし、フランスのチームメイトとは「See you Zwift」と言ってズイフト内でコミュニケーションを取っています。ズイフトの中でコミュニティが作られるのも素晴らしいことだと思います。
「FTPやミドルハイの領域を伸ばすことができる」唐見実世子
―トレーニングという側面で見たとき、屋内練習はどのような存在ですか。織田:インドアはLSDのように長時間走るためのものでは無いです。1時間のハードなメニューをこなしたり、ズイフトであれば模擬レースのようなことも取り入れています。単にメニューを行うだけでは飽きてしまうので、レース形式で練習を行うことでモチベーションを維持するのには役に立っています。
唐見:アウトドアとインドア、どちらかが優れているわけではなく、どちらにも向き不向きがあると思います。アウトドアだと行えるトレーニングメニューのバラエティに富んでいますが、車や人、風向きなど周囲の状況を確認しながら走っているので100%集中していることは少ないです。そういう面で見るとインドアの場合は集中して走れるというメリットがありますね。
織田:筑波山周辺で言えば、20分間集中し続けられる場所は少ないですよね。絶対に車や人、信号と出会ってしまうから、ある程度まとまった時間をシッティングで踏み続けるようなメニューがインドアに向いていると思います。ただ、固定ローラーで全力でダンシングしたら、自転車のほうが壊れる怖さがあるので、短時間ダッシュは外で行いたいです。
唐見:それはわかる。インドアトレーニングだとFTPやミドルハイの領域を伸ばせるようなメニューだよね。自分が決めたパワー目標をある程度まとまった時間で踏み続ける練習は、外よりもマッチしているかと思います。
―冬のベーストレーニング期間が延長されているような感覚ですか。
唐見:そうですね。聖と前田公平はシクロクロスも取り組んでいて、常にレースがあるスケジュールなので、例年ベーストレーニングの時間を作れないんですよ。今年は特殊で、3人にとってはベースを作る良い期間になっていると感じます。
織田:不思議な感覚ですよね。
「ELEMNTでデータを表示させながら屋内トレーニングを行う」織田聖
―トレーニングにはKICKR COREを利用しているかと思いますが、ELEMNT BOLTなども合わせて使用していますか。
織田:インドアトレーニングはズイフトがメインなので画面上に表示されるデータを読むことがメインですね。ただ僕は下を向いたときにもデータを確認できるようにELEMNT BOLTも起動しています。パワーメーターとズイフトの数値が正しいのかなと思いながら乗っているんですが、概ね数値は合っていますよ。
樋澤(ワフー):インドアでサイコンを起動する人は少ないので、そうやって使っていただいているのは有り難いですね。ELEMNTにはパッシブモードと言って、データを表示させるだけのモードが存在していて、ズイフトの画面だけでは表示されない項目とかも読むことができるんですよ。
織田:サイコンにはFTPの何%を出力しているのかという項目や、パワーウェイトレシオを表示させられるんです。登り区間でどの程度のパワーで踏むかの指標にできるので、この2つを並べて使っています。データ管理はワフーのアプリとストラバを並行して使っています。ストラバの場合は有料の部分も多いし、ワフーアプリはデータを読み取りやすいので、もっぱらワフーアプリの方を利用していますね。
「これからも屋内トレーニングは続ける」唐見実世子
―今後は屋外トレーニングの機会、レースも再開されると思います。その時、インドアトレーニングの立ち位置はどのようなものになりますか。
織田:メインは屋外で、雨の日やFTP測定の時にインドアトレーニングという流れはこれまで通りだと思います。実際はこの後もレースが無事に開催されるかも確かではないため、モチベーション維持のためにズイフトでレースしたり、遠くにいる知り合いと一緒に走ったりはすると思います。
唐見:レースが再開されても、私達は1年間通してレースがあるので、移動などで心身ともに疲労しやすい環境にいます。疲労を抜くのも練習のうちですが、スケジュール的に全てを詰め込むことは難しい。そこで要領良く練習を行うためにインドアトレーニングはありですね。
屋外トレーニングではチームで走ることが増えてくると思います。でも男子と女子なので練習の強度が合いにくく、自分のトレーニングを行うことが難しい時もあります。自分に適した強度で走るために、屋外と並行してズイフトでのトレーニングは続けていくと思います。
―ありがとうございました。続いてKICKR BIKEのインプレッションを伺っていきたいと思います。
Vol.2へ続く