2019/05/02(木) - 00:00
F10の登場から僅か2年、ピナレロの新型フラッグシップロード「DOGMA F12」がベールを脱ぐ。チームイネオスの更なるグランツール制覇を担うスーパーバイクの詳細を、発表に先駆けて訪問したイタリア、トレヴィーゾのピナレロ本社での主要開発陣へのインタビューやインプレッション、更にはチームイネオスの初披露の場でのインタビューを通し、徹底的に掘り下げていきたい。
真新しいイネオスジャージを纏うクリストファー・フルーム(イギリス、チームイネオス)と、新型DOGMA F12 (c)www.teamineos.com
2018年ツール・ド・フランスを制したゲラント・トーマス(イギリス) photo:Makoto.AYANO
昨年のジロ・デ・イタリアを制したクリストファー・フルーム(イギリス) photo:CorVos
DOGMAの歴史は近代グランツールの歴史。今現在のロードレース界において、これに異を唱える者は少ないだろう。2012年のブラドレー・ウィギンスによるツール・ド・フランス制覇を皮切りに、クリストファー・フルームのグランツール合計6勝(うちツール4勝)、そしてゲラント・トーマスによる昨年ツール優勝など、DOGMAの栄光の数々を挙げれば枚挙に暇がない。
そんなピナレロのフラッグシップマシンが、F10の登場から僅か2年半という短スパンでフルモデルチェンジを果たした。DOGMAとしての正統進化を示す「F12」として、新生チームイネオスのお披露目と同時に華々しく発表されたのだ。
ピナレロ本社では開発リーダーにインタビュー。その模様はVol.2をご覧いただきたい photo:So.Isobe
既にフルームやトーマスと共にDOGMA F12を駆ったファウスト・ピナレロ氏にも話を聞いた photo:So.Isobe
今回、筆者は発表を前にしたタイミングでイタリアに渡り、トレヴィーゾにあるピナレロ本社を単独訪問。会社全体がDOGMA F12の発表準備、そしてチームへの搬入準備に追われ多忙を極める中、社長のファウスト・ピナレロ氏、そして開発マネージャーにインタビューする機会を得ることができた。まずはバイクの詳細を見ていきたい。
ピナレロ DOGMA F12 DISK photo:So.Isobe
チームイネオスのデビュー戦であるツール・ド・ヨークシャーや、エガン・ベルナルを主軸に迎えるジロ・デ・イタリアを前に発表されたDOGMA F12。剛性と軽さ、そして空力を備えたオールラウンドマシンというDOGMAの血統は変わることなく、高速化の一途を辿るプロレースでより優位性を高めるためにエアロ化を推し進め、トップ選手の脚力に耐えるべく剛性を強化したことが大きな改善点だ。
これまで通りリムブレーキとディスクブレーキの2タイプが存在し、ディスク版はリムブレーキ版をベースとしたF10 DISKとは異なり、歴代DOGMAとして初めてディスクブレーキ専用設計が与えられている。「F10まではリム版を作ってからディスクを追加する手法だったが、F12はディスクとリムを並行して作り上げた。もちろん双方のフレームには共通する部分も多いけれど、どちらもピュアな、本当のDOGMAなんだ」と開発者は胸を張る。
基本的なルックスこそ2014年デビューのDOGMA F8から引き継がれる現代のピナレロスタイルを維持しているが、BBを中心にボリュームアップを果たした各部フォルムや、鍛え上げられた選手の脚を思わせるエッジの立ったデザインなど、その見た目は凄みの効いた印象を醸し出す。
なお開発者によれば、全ての出発点はデザイナーが描いた一枚のスケッチだったという。それをベースに複雑な解析を重ね、チームスカイによって鍛え上げられてきたノウハウを加えることでF10を凌ぐパフォーマンスを目指した。USブランドのように合理的に性能を突き詰めるのではなく、美しさの追求から出発する開発手法は、いかにもフェラーリやランボルギーニを擁するイタリアのトップブランドらしい。
MOSTのステム一体型ハンドルは「Talon Ultra」にバージョンアップ。軽量化と剛性強化、そしてケーブル類のフル内装化を実現 photo:Makoto.AYANO
空力面においては昨年末に登場したトライアスロンモデル「BOLIDE TR」のノウハウを取り入れ、特にハンドル周りやフロントフォーク、ヘッドチューブ〜ダウンチューブ周辺の形状をモディファイ。その中心となるのが、昨年からチームスカイの選手たちに使用されているMOSTのステム一体型ハンドルであり、 F12に合わせて「Talon Ultra」に生まれ変わりワイヤーやケーブル類の完全内装化を遂げている。
ケーブル類の通り道を確保するために上側ヘッドベアリングはDOGMA史上初めて1.5インチ径まで大型化し、伴ってヘッドチューブ周辺も空力効率を向上させながらボリュームアップ。ピナレロのDNAとも言えるONDAフォークはより骨太となり、特に上側は前後方向に伸ばすことでダウンチューブへと抜ける風の流れをより最適化しているという。フォークとダウンチューブが接する部分(クロスセクション)の形状もフレーム側がフォークに寄り添う形となったこともF10との大きな違いだ。
上側ヘッドベアリングはルーティングを確保するために1.5インチ化。F10から大幅なボリュームアップを遂げている photo:Makoto.AYANO
フォークとダウンチューブの接合部は空力的に大きく進歩。機能美が宿る部分だ photo:Makoto.AYANO
ダウンチューブを窪ませてボトルの空気抵抗を削るConcave Down Tubeもブラッシュアップ photo:Makoto.AYANO
F12 DISKとF10 DISKによる空気抵抗比較(バイク単体) (c)Pinarello
F12 DISKとF10 DISKによる空気抵抗比較(バイク+ライダー) (c)Pinarello
実際の走行で大きな抵抗を生むボトルに関してはダウンチューブを窪ませた「Concave Down Tube」を引き続き採用しているほか、BB上部の形状を5mm窪ませることでシートチューブ側ボトルの位置を下げ、チームスカイの「マージナルゲイン」にも共通する徹底的な効率化を測った。
F12は空力性能においてバイク単体、ライダー乗車時のどちらにおいても、どの方向からの風に対してもF10に勝り、40km/h走行時での空力向上は平均して8ワットという数値を叩き出すに至った。ディスクブレーキ版フレームセットでの抵抗低減はF10 DISK比で-7.3%(ライダー乗車時は-2.8%)、パーツ単位で見ればTalon UltraはF10世代のTalon Aeroに対して-5%、ディスクブレーキ版のフォークは-15.7%と、並み居るエアロロードにも引けを取らない空力性能を身につけている。
F8から受け継がれるONDAフォークは大幅に進化。ディスクブレーキの発する応力に対応させている photo:Makoto.AYANO
左側のフォークレッグが太くなっていることが分かる photo:Makoto.AYANO
フォーク裏側の形状も進化している。リブ状の造形は空力を鑑みてのこと photo:Makoto.AYANO
ディスクブレーキ版のフォークは左右非対称を推し進め、ハードブレーキ時のねじれを大幅に抑制(緑がF10、青がF12) (c)Pinarello
リムブレーキ版はダイレクトマウントを採用。取り付け位置の工夫や、内部にインサートを仕込むことで制動力を引き出す仕組みだ (c)Pinarello設計上で最も変化したのはディスクブレーキ版のフロントフォークだという。ピナレロの研究によればハードブレーキング時にフロントフォークは左側に1.5度たわみ、これが結果的にライド時の違和感に繋がる。
F12のフォークレッグが前側に反っているのはこのねじれを抑える工夫であり、更にキャリパー搭載部を太くすることで、重量や空力抵抗を増やすことなく40%以上のねじれ抑制を可能とした。同様の理由で左側チェーンステーもキャリパー搭載部付近に緩やかなアールがつけられているが、これはリムブレーキ版には無い造形だ。
しかしそれでいて、ピナレロは未だリムブレーキ版にも本気だ。リムブレーキ版はDOGMAとしては初めてダイレクトマウントキャリパー対応となり、キャリパー位置をなるべくモノステイに近づけ、フォークやブレーキブレッジ周辺のカーボン積層を一層強化することで強力な制動力を100%活かしきるよう工夫が重ねられた。
ホイール交換時のタイムロスを嫌うチームに対してはもちろん、「ホビーレーサーでもまだまだリムブレーキ率は高く、いちメーカーとして切り捨てることはできない」という考えがあるという。
鍛え上げられた脚を思わせるアグレッシブなリアステー photo:Makoto.AYANO
ピナレロのお家芸である左右非対称は、より緻密にバージョンアップされた photo:Makoto.AYANO
シートクランプは臼を使用しない方法を引き継ぐ。最軽量であることを貫き通した結果だという photo:Makoto.AYANO
大きくボリュームアップを果たしたBB周り。BB規格はイタリアンを引き継いでいる photo:Makoto.AYANO
BBの剛性強化に伴いチェーンステーも大口径化。キャリパー取り付け部に角度が付けられている点は制動力に対応するための工夫 photo:Makoto.AYANO
ピナレロのお家芸たる左右非対称デザインも僅かながら進化したほか、BB付近のワイド化に合わせてチェーンステーを大口径化したことも大きな見た目上の変化だ。F10よりも丸みを抑えた長方形断面を採用することで、ペダリング時のたわみが生むチェーンの張力低下を防ぐ(=パワー伝達ロスを防ぐ)ことに成功し、レース中のスプリントや、アタックに瞬時に反応できるようになった。F10比較での断面2次モーメント増(=チェーンステーのたわみづらさ)は+45%にも及び、フレーム全体での横剛性向上は+10%だ。
主要素材も自転車業界ではピナレロのみに独占供給される東レの最高級素材「T1100 1K」と変更は無いが、レイアップを工夫することにより、ボリュームアップを果たしているにも関わらずフレーム重量はF10と同じ840g(塗装無し)を維持している。
ハンドル裏側にはカバーが取り付けられ、簡単にケーブル類へとアクセスできる photo:Makoto.AYANO
ステムの上にはF10エアロスペーサーを積むことも可能。調整に合わせてコラムカットを行う必要は無い photo:Makoto.AYANO
DOGMA F12は各社の電動コンポーネントはもちろんのこと、機械式コンポーネントに対応していることも特徴だ。ワイヤー類がフル内装されるためフロントディレイラーの調整が難しくなるが、E-Linkに臼式の調整機能を与える付属のコンバージョンキットに換装することで解決。コラムスペーサーは従来通りステム上部への上積みが可能で、さらに現行のTALON 1K エアロやTIGER エアロステムの装着を可能とするステムアダプターも用意されているなど、今日のエアロロードとしては一歩進んだ利便性を確保しているのだ。
E-Linkは機械式コンポーネントのフロントディレイラーを調整するコンバージョンキットに換装できる (c)Pinarello
ステムアダプターも用意されているため一般的なステム/ハンドルも使用可能だ (c)Pinarello
加えて、ヨーロッパのホビーユーザーの使用タイヤがワイド化していることを踏まえ、対応タイヤ幅はF10の25mmから28mmへと広げられていることもポイント。フレーム側のクリアランスは37.5mmだが、これは28mmタイヤの平均実測値が29.5mmであり、ISO 4210によって両側4mm以上のクリアランスを残していることが求められているためだという。剛性強化によって脚当たりが硬くなっているため、ホビーユーザーであれば喜ぶべき改良と言って良い。
フレームサイズは420から620までの合計13サイズと従来通りだが、チームスカイの選手たちから寄せられた意見により、530以上のサイズはヘッドチューブ長が5mm短縮され、よりアグレッシブなポジションを取れるように改善されている。
チームイネオスと共にデビューを飾るDOGMA F12
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DOGMAの歴史は近代グランツールの歴史。今現在のロードレース界において、これに異を唱える者は少ないだろう。2012年のブラドレー・ウィギンスによるツール・ド・フランス制覇を皮切りに、クリストファー・フルームのグランツール合計6勝(うちツール4勝)、そしてゲラント・トーマスによる昨年ツール優勝など、DOGMAの栄光の数々を挙げれば枚挙に暇がない。
そんなピナレロのフラッグシップマシンが、F10の登場から僅か2年半という短スパンでフルモデルチェンジを果たした。DOGMAとしての正統進化を示す「F12」として、新生チームイネオスのお披露目と同時に華々しく発表されたのだ。
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今回、筆者は発表を前にしたタイミングでイタリアに渡り、トレヴィーゾにあるピナレロ本社を単独訪問。会社全体がDOGMA F12の発表準備、そしてチームへの搬入準備に追われ多忙を極める中、社長のファウスト・ピナレロ氏、そして開発マネージャーにインタビューする機会を得ることができた。まずはバイクの詳細を見ていきたい。
「より速く、より強く」。更なる正統進化を果たした新型DOGMA
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チームイネオスのデビュー戦であるツール・ド・ヨークシャーや、エガン・ベルナルを主軸に迎えるジロ・デ・イタリアを前に発表されたDOGMA F12。剛性と軽さ、そして空力を備えたオールラウンドマシンというDOGMAの血統は変わることなく、高速化の一途を辿るプロレースでより優位性を高めるためにエアロ化を推し進め、トップ選手の脚力に耐えるべく剛性を強化したことが大きな改善点だ。
これまで通りリムブレーキとディスクブレーキの2タイプが存在し、ディスク版はリムブレーキ版をベースとしたF10 DISKとは異なり、歴代DOGMAとして初めてディスクブレーキ専用設計が与えられている。「F10まではリム版を作ってからディスクを追加する手法だったが、F12はディスクとリムを並行して作り上げた。もちろん双方のフレームには共通する部分も多いけれど、どちらもピュアな、本当のDOGMAなんだ」と開発者は胸を張る。
基本的なルックスこそ2014年デビューのDOGMA F8から引き継がれる現代のピナレロスタイルを維持しているが、BBを中心にボリュームアップを果たした各部フォルムや、鍛え上げられた選手の脚を思わせるエッジの立ったデザインなど、その見た目は凄みの効いた印象を醸し出す。
なお開発者によれば、全ての出発点はデザイナーが描いた一枚のスケッチだったという。それをベースに複雑な解析を重ね、チームスカイによって鍛え上げられてきたノウハウを加えることでF10を凌ぐパフォーマンスを目指した。USブランドのように合理的に性能を突き詰めるのではなく、美しさの追求から出発する開発手法は、いかにもフェラーリやランボルギーニを擁するイタリアのトップブランドらしい。
F10比で8ワットをセーブする空力性能
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空力面においては昨年末に登場したトライアスロンモデル「BOLIDE TR」のノウハウを取り入れ、特にハンドル周りやフロントフォーク、ヘッドチューブ〜ダウンチューブ周辺の形状をモディファイ。その中心となるのが、昨年からチームスカイの選手たちに使用されているMOSTのステム一体型ハンドルであり、 F12に合わせて「Talon Ultra」に生まれ変わりワイヤーやケーブル類の完全内装化を遂げている。
ケーブル類の通り道を確保するために上側ヘッドベアリングはDOGMA史上初めて1.5インチ径まで大型化し、伴ってヘッドチューブ周辺も空力効率を向上させながらボリュームアップ。ピナレロのDNAとも言えるONDAフォークはより骨太となり、特に上側は前後方向に伸ばすことでダウンチューブへと抜ける風の流れをより最適化しているという。フォークとダウンチューブが接する部分(クロスセクション)の形状もフレーム側がフォークに寄り添う形となったこともF10との大きな違いだ。
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実際の走行で大きな抵抗を生むボトルに関してはダウンチューブを窪ませた「Concave Down Tube」を引き続き採用しているほか、BB上部の形状を5mm窪ませることでシートチューブ側ボトルの位置を下げ、チームスカイの「マージナルゲイン」にも共通する徹底的な効率化を測った。
F12は空力性能においてバイク単体、ライダー乗車時のどちらにおいても、どの方向からの風に対してもF10に勝り、40km/h走行時での空力向上は平均して8ワットという数値を叩き出すに至った。ディスクブレーキ版フレームセットでの抵抗低減はF10 DISK比で-7.3%(ライダー乗車時は-2.8%)、パーツ単位で見ればTalon UltraはF10世代のTalon Aeroに対して-5%、ディスクブレーキ版のフォークは-15.7%と、並み居るエアロロードにも引けを取らない空力性能を身につけている。
DOGMA初のディスクブレーキ専用設計 リムブレーキバージョンも更なる進化
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F12のフォークレッグが前側に反っているのはこのねじれを抑える工夫であり、更にキャリパー搭載部を太くすることで、重量や空力抵抗を増やすことなく40%以上のねじれ抑制を可能とした。同様の理由で左側チェーンステーもキャリパー搭載部付近に緩やかなアールがつけられているが、これはリムブレーキ版には無い造形だ。
しかしそれでいて、ピナレロは未だリムブレーキ版にも本気だ。リムブレーキ版はDOGMAとしては初めてダイレクトマウントキャリパー対応となり、キャリパー位置をなるべくモノステイに近づけ、フォークやブレーキブレッジ周辺のカーボン積層を一層強化することで強力な制動力を100%活かしきるよう工夫が重ねられた。
ホイール交換時のタイムロスを嫌うチームに対してはもちろん、「ホビーレーサーでもまだまだリムブレーキ率は高く、いちメーカーとして切り捨てることはできない」という考えがあるという。
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ピナレロのお家芸たる左右非対称デザインも僅かながら進化したほか、BB付近のワイド化に合わせてチェーンステーを大口径化したことも大きな見た目上の変化だ。F10よりも丸みを抑えた長方形断面を採用することで、ペダリング時のたわみが生むチェーンの張力低下を防ぐ(=パワー伝達ロスを防ぐ)ことに成功し、レース中のスプリントや、アタックに瞬時に反応できるようになった。F10比較での断面2次モーメント増(=チェーンステーのたわみづらさ)は+45%にも及び、フレーム全体での横剛性向上は+10%だ。
主要素材も自転車業界ではピナレロのみに独占供給される東レの最高級素材「T1100 1K」と変更は無いが、レイアップを工夫することにより、ボリュームアップを果たしているにも関わらずフレーム重量はF10と同じ840g(塗装無し)を維持している。
エアロロードとして第一線級の使い勝手と整備性
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DOGMA F12は各社の電動コンポーネントはもちろんのこと、機械式コンポーネントに対応していることも特徴だ。ワイヤー類がフル内装されるためフロントディレイラーの調整が難しくなるが、E-Linkに臼式の調整機能を与える付属のコンバージョンキットに換装することで解決。コラムスペーサーは従来通りステム上部への上積みが可能で、さらに現行のTALON 1K エアロやTIGER エアロステムの装着を可能とするステムアダプターも用意されているなど、今日のエアロロードとしては一歩進んだ利便性を確保しているのだ。
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加えて、ヨーロッパのホビーユーザーの使用タイヤがワイド化していることを踏まえ、対応タイヤ幅はF10の25mmから28mmへと広げられていることもポイント。フレーム側のクリアランスは37.5mmだが、これは28mmタイヤの平均実測値が29.5mmであり、ISO 4210によって両側4mm以上のクリアランスを残していることが求められているためだという。剛性強化によって脚当たりが硬くなっているため、ホビーユーザーであれば喜ぶべき改良と言って良い。
フレームサイズは420から620までの合計13サイズと従来通りだが、チームスカイの選手たちから寄せられた意見により、530以上のサイズはヘッドチューブ長が5mm短縮され、よりアグレッシブなポジションを取れるように改善されている。
ギャラリー
フレームセット価格は70万円から。デリバリーは6月中旬より
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いち早く入荷するのはリムブレーキ/ディスクブレーキフレームセット、そしてリムブレーキ完成車がURANUS Black/Red(撮影バイク)とBOBの2カラーずつ、そしてディスクブレーキ完成車がURANUS Black/Redの1カラー。完成車から先に6月中~末頃より販売店に届く予定。その他、チームイネオスやGALAXY BLUEなどの追加カラーに関しては、今後情報が届き次第案内されるという。
50km/hオーバーの平坦レースから、超級山岳の登坂、そして100km/hに迫るダウンヒルまでを一台でこなす、ピナレロのスーパーバイク、DOGMA。その最新系であるF12のデビュー戦は、本日5月2日に開幕するツール・ド・ヨークシャーだ。装い新たに臨むチームイネオスと共に、その活躍が楽しみでならない。
ピナレロ DOGMA F12 スペック
ピナレロ DOGMA F12 DISK
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フレームサイズ | 42、44、46.5、47、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5、62 |
カラー | URANUS Black/Red、BOB |
BB | イタリアン |
ヘッドベアリング | 上下1-1/2インチ |
スルーアクスル | 前100x12mm、後142x12mm |
最大ディスクローター径 | 160mm |
最大タイヤ幅 | 28mm |
重量 | 840g(未塗装) |
フレームセット価格 | 730,000円 |
デュラエース完成車価格 | 1,370,000円 |
ピナレロ DOGMA F12
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フレームサイズ | 42、44、46.5、47、50、51.5、53、54、55、56、57.5、59.5、62 |
カラー | URANUS Black/Red、BOB |
BB | イタリアン |
ヘッドベアリング | 上下1-1/2インチ |
最大タイヤ幅 | 28mm |
重量 | 820g(未塗装) |
フレームセット価格 | 700,000円 |
デュラエース完成車価格 | 1,300,000円 |
提供:ピナレロジャパン text:So.Isobe