2019/01/12(土) - 12:41
ハイエンドモデルのテクノロジーを引き継ぐロードシューズRC7と、シマノが誇るシューズテクノロジーの基礎を凝縮したRP4、そしてPD-R9100に迫る軽さを実現したロードベダルPD-R8000を紹介する。ホビーユーザーから支持を集めるこの3モデルを、上位グレードとの違いやコストパフォーマンスなど、走れるライダー目線、そして女性目線からのインプレッションを交え多角的に検証していきたい。
S-PHYRE RC9で得られた幅広いノウハウを引き継ぐ、ホビーユーザー注目のパフォーマンスシューズが「RC7」だ。「ロードコンペティション」という肩書きにふさわしく、積極的にレース参加を楽しむ層から、レースには出なくとも、速さや品質、走りの気持ち良さにはこだわりたいベテランユーザーまでを納得させられる快適性、そしてペダリング性能を追求した製品に仕上げられている。
柔軟性の高い高密度合成レザーを、2つのBOAダイヤルで締め込む基本スタイルはS-PHYRE RC9と同じ。つま先の位置を見直すことで足を引き上げる時に発生する負の力「ブレーキングロス」を5.23%軽減する「ダイナラスト」も引き継がれ、ここに高剛性かつ軽量のカーボンファイバー複合ソールを組み合わせることで、ロスの無いパワートランスファーを実現しているのだ。
ちなみに、RC7のソール剛性指数はS-PHYRE RC9から2つ低い「10」。数字だけで見れば見劣りするかもしれないが、プロ選手やハイアマチュアレーサー向けのS-PHYRE RC9では必要以上の疲れが生じる場合もある。そのためサンデーライドをメインとするユーザーにはRC7がよりマッチするだろう。
最大22mmもの調整幅を備えるワイドクリートアジャスト機能や、ワイドタイプを備えた幅広いサイズ展開、そして深い色合いのカラーリング(レッド以外はホワイトとブラックを用意)など、魅力溢れるRC7の価格は税抜き2万5千円。ホビーユーザーの良き相棒となってくれることは間違いない。
シマノ SH-RC701 スペック
主にRC7、そしてパフォーマンスシューズカテゴリーの最上級モデルであるRP9などに対応するロードペダルが、ULTEGRAシリーズの一員であるPD-R8000。DURA-ACEのPD-R9100に迫る軽さや、幅広い踏面デザインを踏襲したセカンドグレードだ。
このPD-R8000もカーボンコンポジットボディを採用し、PD-R9100同様に旧型のPD-6800と比べ踏面の肉抜きによる軽量化やステンレスプレートの配置などをブラッシュアップ。実測値で左右ペア10g以上もダイエットしており、その軽さは旧型のPD-9000同等。同時に耐摩耗性、耐久性なども強化を図っているため、ロングライフにも期待できる。
PD-R9100との大きな違いはスタックハイトにある。極限までペダル軸との近さを狙ったPD-R9100とは異なり、ベアリングの位置やサイズが異なるためやや踏面との距離が遠い。しかし軽さやルックスを含めたコストパフォーマンスを考えればPD-R8000がホビーユーザーから強い人気を得ているのも頷ける。PD-R9100同様、シャフトを4mm伸ばしたロングタイプもラインアップされる点も嬉しい。インプレッションを担当するのは前章に引き続き、サイクルポイント オーベストの西谷雅史さんだ。
シマノ PD-R8000 スペック
初めてRC7を試してみましたが、良いですね。ダイヤルを回した際の締め込みはS-PHYRE RC9に似ていて、ほとんど遜色がありません。フィッティング的にはRC9よりもつま先部分の足型が少しだけスリムでしょうか。おそらくですが、RC9よりもアッパー素材がやや厚く柔軟性が少ないため、足型自体で足をホールドさせる工夫だと感じます。ただもちろん、窮屈だとか、どこかに痛みが出る程ではないので安心して下さい。ヒールカップが無いためかかとのホールドは少し緩めですが、ホビーレベルで使うのであれば気にする必要の無いレベルでしょう。
ソールの硬さとしては必要十分で、レーシングシューズとしてロスも無くて良いフィーリングですね。素材の強度的にRC9と比べればソールが厚くペダリング時のダイレクト感は薄れるものの、踏んだ力が逃げている感じもありません。
RC9と履き比べれば気になるポイントはいくつかありましたが、それでも2万5千円というプライスを考えれば純粋に感心できるシューズです。この価格帯は人気モデルが多いのですが、RC7は締め込みの良さなど、その中でもかなり完成度は高いと感じます。
RP4は、旧モデルRP3を置き換える役目を持って新登場したエントリーユーザー向けロードシューズだ。S-PHYRE RC9やRC7の属する「コンペティション」ではなく、ロングライドに必要な快適性と効率性を求めた「パフォーマンス」カテゴリーのボトムラインを支える注目株。上級〜中級モデルと同じBOAダイヤルを装備しているため、フラッグシップモデルの雰囲気を最もリーズナブルに感じられる製品と言えよう。
旧RP3からの大きな変化は、グラスファイバーコンポジットナイロンソールがSPD-SL専用になった点。これによって片側54gも軽くなり、さらにソール中央部分に厚みを持たせることでソール剛性を20%も増している。歩きやすい幅広のヒールパッドを投入したこともユーザーフレンドリーと言えるだろう。
BOA L6ダイヤルと2本式ベルクロストラップの組み合わせは、シマノロードシューズの中でこのモデルが唯一。ストラップは取り付け位置をオフセットさせることで足へのプレッシャーを分散させるため、初めての長距離チャレンジにも最適。ハイトを低く抑えたスタイリッシュなルックスも、近年のシマノフットウェアを象徴するものだ。
シマノが自信を持ってオススメするRP4のカラーバリエーションは、スタイリッシュなホワイトや鮮やかなネオンイエローなど4種類。加えてかかと部分にピンクとブルーのストライプを加えた女性用モデルも用意され、男性用にはワイドサイズも揃う。シマノが誇るシューズテクノロジーの基礎を凝縮した魅力溢れるエントリーモデルだ。今回はブリッツェンフェアリー出身で、現在は様々な分野で活躍する杏寿沙(あずさ)さんに試してもらい、使用感を聞いてみた。
シマノ SH-RP400 スペック
シマノのロードシューズは今回初めて試したんですが、このRP4はすごくフィット感が良いですね。私の足型は細身で指の付け根が外側に張っているんですが、緩かったり、逆に押し付けられている部分もありませんでした。多分アッパー素材が厚めで、かつ柔らかめなぶん、ある程度なら足型の違いをソフトに包んでくれるんだと思います。ペダリングした時も歩いた時でもかかと部分もノーストレスですし、自然でスニーカーっぽく使えるので気に入りました。
それでいてBOAとベルクロを締め込んだ時のホールド感も良いですね。やっぱりBOAは楽ちんだし、例えば山を一つ越えてみたり、スポーティーに走りたい時にしっかり応えてくれるバランス感がこのシューズの良いところだと思います。
一番最初にロードバイクを始めたときはSPDでしたが、今は外乗りする時はSPD-SLになりました。今回は通常よりも少ないテンションで着脱ができるライトアクションペダル(PD-R540-LA)でしたが、長距離を乗ったり、ちょっと頑張って走りたいな、という時には、やっぱりSPD-SLのしっかり感は良いですね。脚とペダルがガチッと繋がっているのでふらつかないし、走ることが目的であるならばSPD-SLをおすすめしたいかな。
それと、RP4はシンプルなルックスも女性目線で良いなと思います。やっぱり女性だと「今日は可愛いウェアにしよう」とか「今日はスタイリッシュに走りたいな」とか、そういう気分的な変化も大きいと思うんですが、今回使ったホワイトカラーはどんなウェアにも合わせやすいですよね。
杏寿沙(あずさ)プロフィール
宇都宮ブリッツェンフェアリーに加入し、自転車競技部所属発足と共に本格的にロードバイクの道へと進み、現在はラジオパーソナリティ、栃木県内のイベントMC、スポーツジムでのインドアバイクトレーナー、JプロツアーイベントMC、自転車イベントのゲストライダー、宇都宮ブリッツェンコラムを担当するなど自転車を中心に幅広く活動中。心拍計POLARアンバサダー、サイクルアパレルブランドASSOSアンバサダー。
Instagram:@azuchari
Twitter:@m_azusa2go
RC7 トップモデルを継承する、ホビーユーザー注目のパフォーマンスシューズ
S-PHYRE RC9で得られた幅広いノウハウを引き継ぐ、ホビーユーザー注目のパフォーマンスシューズが「RC7」だ。「ロードコンペティション」という肩書きにふさわしく、積極的にレース参加を楽しむ層から、レースには出なくとも、速さや品質、走りの気持ち良さにはこだわりたいベテランユーザーまでを納得させられる快適性、そしてペダリング性能を追求した製品に仕上げられている。
柔軟性の高い高密度合成レザーを、2つのBOAダイヤルで締め込む基本スタイルはS-PHYRE RC9と同じ。つま先の位置を見直すことで足を引き上げる時に発生する負の力「ブレーキングロス」を5.23%軽減する「ダイナラスト」も引き継がれ、ここに高剛性かつ軽量のカーボンファイバー複合ソールを組み合わせることで、ロスの無いパワートランスファーを実現しているのだ。
ちなみに、RC7のソール剛性指数はS-PHYRE RC9から2つ低い「10」。数字だけで見れば見劣りするかもしれないが、プロ選手やハイアマチュアレーサー向けのS-PHYRE RC9では必要以上の疲れが生じる場合もある。そのためサンデーライドをメインとするユーザーにはRC7がよりマッチするだろう。
最大22mmもの調整幅を備えるワイドクリートアジャスト機能や、ワイドタイプを備えた幅広いサイズ展開、そして深い色合いのカラーリング(レッド以外はホワイトとブラックを用意)など、魅力溢れるRC7の価格は税抜き2万5千円。ホビーユーザーの良き相棒となってくれることは間違いない。
シマノ SH-RC701 スペック
カラー | ブラック、レッド、ホワイト |
サイズ | 38〜48(ノーマル、ワイド共)、ハーフサイズの展開もあり |
重量 | 245g(サイズ42) |
価格 | 25,000円(税抜) |
PD-R8000 DURA-ACEに迫る重量を実現したハイコストパフォーマンスモデル
主にRC7、そしてパフォーマンスシューズカテゴリーの最上級モデルであるRP9などに対応するロードペダルが、ULTEGRAシリーズの一員であるPD-R8000。DURA-ACEのPD-R9100に迫る軽さや、幅広い踏面デザインを踏襲したセカンドグレードだ。
このPD-R8000もカーボンコンポジットボディを採用し、PD-R9100同様に旧型のPD-6800と比べ踏面の肉抜きによる軽量化やステンレスプレートの配置などをブラッシュアップ。実測値で左右ペア10g以上もダイエットしており、その軽さは旧型のPD-9000同等。同時に耐摩耗性、耐久性なども強化を図っているため、ロングライフにも期待できる。
PD-R9100との大きな違いはスタックハイトにある。極限までペダル軸との近さを狙ったPD-R9100とは異なり、ベアリングの位置やサイズが異なるためやや踏面との距離が遠い。しかし軽さやルックスを含めたコストパフォーマンスを考えればPD-R8000がホビーユーザーから強い人気を得ているのも頷ける。PD-R9100同様、シャフトを4mm伸ばしたロングタイプもラインアップされる点も嬉しい。インプレッションを担当するのは前章に引き続き、サイクルポイント オーベストの西谷雅史さんだ。
シマノ PD-R8000 スペック
重量 | 247g(ペア実測重量、ノーマルタイプ) |
価格 | ノーマルタイプ15,312円(税抜)、ロングタイプ(+4mm)15,559円(税抜) |
製品インプレッション by 西谷雅史(サイクルポイント オーベスト)
「RC7のホールド性能は上級モデルと遜色なく、同価格帯の中で完成度は高い」
初めてRC7を試してみましたが、良いですね。ダイヤルを回した際の締め込みはS-PHYRE RC9に似ていて、ほとんど遜色がありません。フィッティング的にはRC9よりもつま先部分の足型が少しだけスリムでしょうか。おそらくですが、RC9よりもアッパー素材がやや厚く柔軟性が少ないため、足型自体で足をホールドさせる工夫だと感じます。ただもちろん、窮屈だとか、どこかに痛みが出る程ではないので安心して下さい。ヒールカップが無いためかかとのホールドは少し緩めですが、ホビーレベルで使うのであれば気にする必要の無いレベルでしょう。
ソールの硬さとしては必要十分で、レーシングシューズとしてロスも無くて良いフィーリングですね。素材の強度的にRC9と比べればソールが厚くペダリング時のダイレクト感は薄れるものの、踏んだ力が逃げている感じもありません。
RC9と履き比べれば気になるポイントはいくつかありましたが、それでも2万5千円というプライスを考えれば純粋に感心できるシューズです。この価格帯は人気モデルが多いのですが、RC7は締め込みの良さなど、その中でもかなり完成度は高いと感じます。
RP4 シマノシューズテクノロジーの基礎を凝縮したエントリーロードシューズ
RP4は、旧モデルRP3を置き換える役目を持って新登場したエントリーユーザー向けロードシューズだ。S-PHYRE RC9やRC7の属する「コンペティション」ではなく、ロングライドに必要な快適性と効率性を求めた「パフォーマンス」カテゴリーのボトムラインを支える注目株。上級〜中級モデルと同じBOAダイヤルを装備しているため、フラッグシップモデルの雰囲気を最もリーズナブルに感じられる製品と言えよう。
旧RP3からの大きな変化は、グラスファイバーコンポジットナイロンソールがSPD-SL専用になった点。これによって片側54gも軽くなり、さらにソール中央部分に厚みを持たせることでソール剛性を20%も増している。歩きやすい幅広のヒールパッドを投入したこともユーザーフレンドリーと言えるだろう。
BOA L6ダイヤルと2本式ベルクロストラップの組み合わせは、シマノロードシューズの中でこのモデルが唯一。ストラップは取り付け位置をオフセットさせることで足へのプレッシャーを分散させるため、初めての長距離チャレンジにも最適。ハイトを低く抑えたスタイリッシュなルックスも、近年のシマノフットウェアを象徴するものだ。
シマノが自信を持ってオススメするRP4のカラーバリエーションは、スタイリッシュなホワイトや鮮やかなネオンイエローなど4種類。加えてかかと部分にピンクとブルーのストライプを加えた女性用モデルも用意され、男性用にはワイドサイズも揃う。シマノが誇るシューズテクノロジーの基礎を凝縮した魅力溢れるエントリーモデルだ。今回はブリッツェンフェアリー出身で、現在は様々な分野で活躍する杏寿沙(あずさ)さんに試してもらい、使用感を聞いてみた。
シマノ SH-RP400 スペック
カラー | ブラック、ブラック/オレンジ レッド、ホワイト、ネオンイエロー |
サイズ | 36〜50(ノーマル、ワイド共)、ネオンイエローのみ40〜44 |
重量 | 258g(サイズ42) |
価格 | 15,000円(税抜) |
RP4インプレッション by 杏寿沙(あずさ)
フィット感の良さが魅力。ウェアと合わせやすいカラーもお気に入り
シマノのロードシューズは今回初めて試したんですが、このRP4はすごくフィット感が良いですね。私の足型は細身で指の付け根が外側に張っているんですが、緩かったり、逆に押し付けられている部分もありませんでした。多分アッパー素材が厚めで、かつ柔らかめなぶん、ある程度なら足型の違いをソフトに包んでくれるんだと思います。ペダリングした時も歩いた時でもかかと部分もノーストレスですし、自然でスニーカーっぽく使えるので気に入りました。
それでいてBOAとベルクロを締め込んだ時のホールド感も良いですね。やっぱりBOAは楽ちんだし、例えば山を一つ越えてみたり、スポーティーに走りたい時にしっかり応えてくれるバランス感がこのシューズの良いところだと思います。
一番最初にロードバイクを始めたときはSPDでしたが、今は外乗りする時はSPD-SLになりました。今回は通常よりも少ないテンションで着脱ができるライトアクションペダル(PD-R540-LA)でしたが、長距離を乗ったり、ちょっと頑張って走りたいな、という時には、やっぱりSPD-SLのしっかり感は良いですね。脚とペダルがガチッと繋がっているのでふらつかないし、走ることが目的であるならばSPD-SLをおすすめしたいかな。
それと、RP4はシンプルなルックスも女性目線で良いなと思います。やっぱり女性だと「今日は可愛いウェアにしよう」とか「今日はスタイリッシュに走りたいな」とか、そういう気分的な変化も大きいと思うんですが、今回使ったホワイトカラーはどんなウェアにも合わせやすいですよね。
杏寿沙(あずさ)プロフィール
宇都宮ブリッツェンフェアリーに加入し、自転車競技部所属発足と共に本格的にロードバイクの道へと進み、現在はラジオパーソナリティ、栃木県内のイベントMC、スポーツジムでのインドアバイクトレーナー、JプロツアーイベントMC、自転車イベントのゲストライダー、宇都宮ブリッツェンコラムを担当するなど自転車を中心に幅広く活動中。心拍計POLARアンバサダー、サイクルアパレルブランドASSOSアンバサダー。
Instagram:@azuchari
Twitter:@m_azusa2go
提供:シマノ 企画/制作:シクロワイアード