2018/06/18(月) - 12:46
ハンドルやステム 、シートポストでお馴染みのデダ・エレメンティが手がける最新ホイールラインアップを大特集。最新の流行を多く取り入れ、価格もリーズナブルで、ジロ・デ・イタリアでのステージ優勝と実績も十二分。知られざる実力派ホイールの価値と魅力を、インプレッションを交えて掘り下げていきたい。
高品質で、プロの使用実績もあるのに日本ではあまり知られていない製品は、これだけ情報時代になってもまだまだ存在する。今回紹介するデダ・エレメンティのホイールラインアップもそんな中の一つと言えるだろう。
チューブパイプの生産に端を発し、現在はハンドルやステムといった各種パーツ、フレームすらも手がけるデダ社のホイールは、レース実用主義を貫く同社ならではのクオリティと高いコストパフォーマンスが魅力だ。まずは信頼性を語る意味でも、トップレーサーからアマチュアまで幅広い支持を受ける同社の歴史について紹介していきたい。
そして、それら豊富な金属チューブ生産のノウハウを活かし、デダチャイは90年代後半にハンドルやステム、そしてシートポストといったパーツ生産にも着手する。カーボン、アルミ、チタン、スチールと幅広い素材を熟知した製品群は一躍人気を博し、今日まで繋がる名声を得ることになる。それが今回紹介するブランド「デダ・エレメンティ」だ。
デダ・エレメンティの特長は、ラインアップのほとんどがレースレディであることだ。プロ選手のフィードバックを得ることで絶えず進化を続け、製品の表面に微粒子を打ち付けて軽量化と剛性を両立させる表面硬化処理「K.E.T.」や多段バテッド加工など、素材ブランドらしい最新技術をライバルブランドに先駆けて投入し、形状設計のノウハウをプラスすることでトッププロの使用に耐え得るクオリティを叶えてきた。
例えばアンドレ・グライペル(ドイツ)が長年愛用した35mmクランプ径の「トレンタチンクエ(イタリア語で"35"の意)」シリーズや、ステム一体式ハンドルの名作「アラネラ」はその代表で、従来の常識を打ち破る独創性さえもがその魅力。アルミ製ながらプロチーム使用率も高いレーシングモデルZERO100シリーズは同社の定番製品で、コストを抑えたZERO2・ZERO1シリーズなどホビーユーザー向けの製品もハイエンドモデルに見劣りしない洗練されたデザインを獲得している。
そんなデダ・エレメンティがロードバイク用ホイールに進出したのが2014年のことだった。リムやハブを全て独自開発した第1世代は、次の2015シーズンからイタリアの名門プロコンチネンタルチームであるバルディアーニCSFとアンドローニ・ジョカトリに供給され、その年のジロ・デ・イタリア第10ステージではニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)の劇的な逃げ切り優勝を達成。供給初年度にしてグランツールステージ優勝という実績を得たのであった。
そしてワイドリム化の波に乗って、2016年にはC17タイプのリムをはじめ、ほぼ全てをアップデートした現行モデルの第2世代がデビュー。この第2世代はバルディアーニCSFによって2年連続ジロ・デ・イタリア出場を果たし、2018年大会の序盤にはエンリーコ・バルビン(イタリア)がマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)をキープし続けたことで注目を集めた。
リーズナブルな新興カーボンホイールと聞くとノーブランドのOEM品を思い浮かべてしまうが、デダ・エレメンティのホイールは全て自社開発されたもの。それゆえ全製品がデダ社のモットーである「プロの走りに耐えるクオリティとリーズナブルさ」を色濃く受け継いでいるのだ。
リムはアルミモデルのZERO 2も含めて全てワイド化されており、チューブラー各種は外幅25mm、SL38は外幅26mmと、25mmタイヤとのベストマッチするようトレンドを押さえた設計。スポークの緩みを防ぎ、固定力を強化して剛性を増す独自の「ABSニップル」の採用や、第2世代から2:1組みを採用したリアスポーキングなどと合わせ、従来品に比べ平均20%の横剛性アップを果たしている。
更に回転を強化すべく、かつて有名プロ選手が使用したことでブレイクし、一般的に30〜50万円相当の高級ホイールに使われているエンデューロ社製セラミックベアリングがカーボンモデルの全ラインアップに奢られている。ラチェットの爪をワイド化しパワー伝達効率を強化したフリーハブデザインなど、それら工夫は他社のハイエンドモデルにも一歩を引けを取っていない。
次章からはバルディアーニCSFがメインに使うチューブラーモデルのSL30とSL45、そしてチューブレス時代に向けたトレンドヒッター、SL38という3つの中心モデルの実走インプレッションをお届けする。レースレディの高品質を売りにするデダ・エレメンティが手がけるホイールの実力と魅力、そして価値とはいかに。
その全てがプロユース デダ・エレメンティが手掛けるホイールラインアップ
高品質で、プロの使用実績もあるのに日本ではあまり知られていない製品は、これだけ情報時代になってもまだまだ存在する。今回紹介するデダ・エレメンティのホイールラインアップもそんな中の一つと言えるだろう。
チューブパイプの生産に端を発し、現在はハンドルやステムといった各種パーツ、フレームすらも手がけるデダ社のホイールは、レース実用主義を貫く同社ならではのクオリティと高いコストパフォーマンスが魅力だ。まずは信頼性を語る意味でも、トップレーサーからアマチュアまで幅広い支持を受ける同社の歴史について紹介していきたい。
常識に囚われないオリジナリティ、プロユースの安心感
ブランドの誕生は、ロードバイク用の金属チューブブランド「デダチャイ」として産声を上げた1992年に溯る。50年、100年という老舗ブランドひしめくイタリアにおいてその歴史は浅いが、デダチャイは90年代後半から起こったアルミフレームの流行と共にめきめきと進出。スカンジウムのSC61.10Aや、今でも使用されるフォースといった名作チューブを世に送り出したほか、腐食に弱いというスカンジウムの弱点を克服したピナレロの初代DOGMA用チューブAK-61などを手掛け、その地位を確固たるものにしてきた。そして、それら豊富な金属チューブ生産のノウハウを活かし、デダチャイは90年代後半にハンドルやステム、そしてシートポストといったパーツ生産にも着手する。カーボン、アルミ、チタン、スチールと幅広い素材を熟知した製品群は一躍人気を博し、今日まで繋がる名声を得ることになる。それが今回紹介するブランド「デダ・エレメンティ」だ。
デダ・エレメンティの特長は、ラインアップのほとんどがレースレディであることだ。プロ選手のフィードバックを得ることで絶えず進化を続け、製品の表面に微粒子を打ち付けて軽量化と剛性を両立させる表面硬化処理「K.E.T.」や多段バテッド加工など、素材ブランドらしい最新技術をライバルブランドに先駆けて投入し、形状設計のノウハウをプラスすることでトッププロの使用に耐え得るクオリティを叶えてきた。
例えばアンドレ・グライペル(ドイツ)が長年愛用した35mmクランプ径の「トレンタチンクエ(イタリア語で"35"の意)」シリーズや、ステム一体式ハンドルの名作「アラネラ」はその代表で、従来の常識を打ち破る独創性さえもがその魅力。アルミ製ながらプロチーム使用率も高いレーシングモデルZERO100シリーズは同社の定番製品で、コストを抑えたZERO2・ZERO1シリーズなどホビーユーザー向けの製品もハイエンドモデルに見劣りしない洗練されたデザインを獲得している。
デビュー翌年のジロ・デ・イタリアでステージ優勝に貢献
そんなデダ・エレメンティがロードバイク用ホイールに進出したのが2014年のことだった。リムやハブを全て独自開発した第1世代は、次の2015シーズンからイタリアの名門プロコンチネンタルチームであるバルディアーニCSFとアンドローニ・ジョカトリに供給され、その年のジロ・デ・イタリア第10ステージではニコラ・ボエム(イタリア、バルディアーニCSF)の劇的な逃げ切り優勝を達成。供給初年度にしてグランツールステージ優勝という実績を得たのであった。
そしてワイドリム化の波に乗って、2016年にはC17タイプのリムをはじめ、ほぼ全てをアップデートした現行モデルの第2世代がデビュー。この第2世代はバルディアーニCSFによって2年連続ジロ・デ・イタリア出場を果たし、2018年大会の序盤にはエンリーコ・バルビン(イタリア)がマリアアッズーラ(山岳賞ジャージ)をキープし続けたことで注目を集めた。
独自開発ならではのクオリティと、リーズナブルな価格が魅力
現在デダ・エレメンティが誇るホイールラインナップは、チューブラーモデルが3種類(SL30、SL45、SL88)、クリンチャーモデルが2種類(SL38、ZERO 2)、そしてTT用ディスクホイールのSL heroという合計6種類。練習用アルミホイールのZERO 2を除く全てがプロユースのカーボンホイールで、前後セット20万円程度という価格ながら、その殆どがプロユースという高いクオリティを実現していることが特筆される。ちなみに、製品名の数字はリムハイトを表している。リーズナブルな新興カーボンホイールと聞くとノーブランドのOEM品を思い浮かべてしまうが、デダ・エレメンティのホイールは全て自社開発されたもの。それゆえ全製品がデダ社のモットーである「プロの走りに耐えるクオリティとリーズナブルさ」を色濃く受け継いでいるのだ。
リムはアルミモデルのZERO 2も含めて全てワイド化されており、チューブラー各種は外幅25mm、SL38は外幅26mmと、25mmタイヤとのベストマッチするようトレンドを押さえた設計。スポークの緩みを防ぎ、固定力を強化して剛性を増す独自の「ABSニップル」の採用や、第2世代から2:1組みを採用したリアスポーキングなどと合わせ、従来品に比べ平均20%の横剛性アップを果たしている。
更に回転を強化すべく、かつて有名プロ選手が使用したことでブレイクし、一般的に30〜50万円相当の高級ホイールに使われているエンデューロ社製セラミックベアリングがカーボンモデルの全ラインアップに奢られている。ラチェットの爪をワイド化しパワー伝達効率を強化したフリーハブデザインなど、それら工夫は他社のハイエンドモデルにも一歩を引けを取っていない。
次章からはバルディアーニCSFがメインに使うチューブラーモデルのSL30とSL45、そしてチューブレス時代に向けたトレンドヒッター、SL38という3つの中心モデルの実走インプレッションをお届けする。レースレディの高品質を売りにするデダ・エレメンティが手がけるホイールの実力と魅力、そして価値とはいかに。
デダ・エレメンティ ホイール一覧・スペック
チューブラーホイール
SL30 | SL45 | SL88 | |
リム幅 | 25mm | 25mm | 25mm |
リムハイト | 30mm | 45mm | 88mm |
スポーク | F18/R24 | ||
ハブ | 6061アルミニウムボディ、Enduro セラミックベアリング | ||
重量 | 1290g | 1390g | 1670g |
税抜価格 | 189,990円 | 195,200円 | 217,360円 |
クリンチャーホイール
SL38 | ZERO 2 | |
リム幅 | 26mm | 20.5mm |
リムハイト | 38mm | 25mm |
スポーク | F18/R24 | F20/R24 |
ハブ | 6061アルミニウムボディ | 6061アルミニウムボディ |
ベアリング | Enduro セラミックベアリング | Enduro Abec-5ベアリング |
重量 | 1500g | 1550g |
税抜価格 | 210,970円 | 81,830円 |
ディスクホイール(SL hero)
素材 | ハイモジュライスカーボンファイバー3K |
ハブ | 6061アルミニウムボディ、Enduro セラミックベアリング |
重量 | 1150g |
税抜価格 | 318,820円 |
提供:カワシマサイクルサプライ 制作:シクロワイアード編集部