2017/12/28(木) - 12:08
クリストファー・フルーム(イギリス、チームスカイ)によるツール・ド・フランスでの勝利を筆頭に、数々のビッグタイトルを手中に収めてきたイタリアンブランド、ピナレロ。フラッグシップであるDOGMAシリーズとそのDNAを色濃く受け継ぐGANを徹底インプレッションするスペシャルコンテンツをお届けしよう。
ドグマという少し耳慣れない語が意味するのは唯一無二の”教義”。このモデル名に込められたのはピナレロが掲げる勝利への信仰。つまり、交換可能なすべてを取り払った後に残る、ピナレロにとってただ一つの価値観を具現化した絶対的な存在こそが、フラッグシップモデル”DOGMA”なのだ。
基本となるDOGMA F10をベースにディスクモデルやエンデュランスモデルなど、多くのバリエーションが用意され、2018年では5モデルを擁するに至ったDOGMAシリーズ。チームスカイをサポートしてきたこの数年の間で残してきた実績だけでも、DOGMAが世界最速のロードバイクの一角を占めていることに異論を挟む人は少ないだろう。
斯様に、DOGMAとは現在でも栄光に満ちた存在であり、世界中のサイクリストたちの憧れであり、数多のレーシングバイクの中でもひと際大きな光を放つモデルである。そして、そのポジションは、18年という長い歴史の中で培われてきた王座でもある。それでは、少し歴史を振り返ろう。
初代DOGMAの誕生は2003年。ジロでアレッサンドロ・ペタッキが駆り、第1ステージで鮮烈な勝利を挙げた瞬間からDOGMAの輝かしい歩みが始まった。DOGMAという大きな武器を手に入れたペタッキはその年ジロで6回、ツールで4回、ブエルタで5回のステージ優勝という、輝かしい成績を収め一躍トップスプリンターへ踊り出た。翌年、ペタッキはさらに躍進。ジロでは最多ステージ優勝記録となる9勝をマークし、歴史に名を刻んだ。
初代DOGMAがデビューしたのは新素材戦国時代。スチールバイクの時代から、フルカーボンフレーム全盛期の現代へ移行する狭間で、各社が速さを求めてアルミ、カーボン、チタンといったマテリアルの可能性を追い求めた過渡期である。その中で、ピナレロがDOGMAのメインマテリアルとして選定したのは、他のどのブランドもラインアップしない”マグネシウム”だった。
実用金属の中で、最も軽く、比強度や比剛性に優れ、最も高い振動吸収性を有する、まさにスポーツバイク用チューブとしての理想的な性能を持つのがマグネシウムという素材だ。だが、腐食に弱いという致命的な欠点が実用化に立ちふさがっていた。しかし、ピナレロはチューブメーカーであるデダチャイとの共同開発によって、その問題をクリアした”AK-61”合金を生み出した。
多くの障害を排除し、マグネシウムという理想の素材を与えられたDOGMA。その突き抜けた独自性、他の全てを差し置いてただひたむきに速さを求める独善的オーラをまとうこのバイクは、ピナレロのドグマを体現する一台として鮮烈なデビューを飾り、その唯一性と数多の戦績によって伝説となった。
マグネシウムをメインマテリアルとする第1世代のDOGMAは、チューブのダブルバテッド化やオーバーサイズBBを採用するDOGMA FP、そしてトリプルバテッドチューブとリブ加工された最新のONDA FPXフォークを採用するDOGMA FPXへと2度のアップデートを施され、2006年にはケースデパーニュのオスカル・ペレイロによってマイヨジョーヌを獲得した。
数々の勝利とともに歩んできたDOGMAだが、レーシングバイクを取り巻く環境は大きな変化を迎えていた。姉妹ブランドのオペラや、90年代に開発がすすめられたエスパーダなどのカーボン製TTマシンで培われたノウハウを活かし、ピナレロは2008年にPARIS CARBON、翌年にPRINCE CARBONを投入。ケースデパーニュの活躍によってピナレロカーボンバイクの実力を示し、レーシングバイクのカーボン化を決定づける流れを作った。
通常であれば、新素材やテクノロジーを投入するのはトップモデルからとなる。だが、この時ピナレロがレーシンググレードではあるものの、トップモデルではなかったPARISやPRINCEからカーボン化を進めていたのは、DOGMA FPXの圧倒的で唯一絶対の性能と存在意義に手を加えることをためらっていたからだろう。あるいは、DOGMAという名はマグネシウムフレームのみに与えられるものでいずれは消え去る運命なのかと、口さが無い噂をするものも。
だが、ついにピナレロはDOGMAに最先端素材を纏うことを許した。地球上においてほぼ唯一のマグネシウムフレームというアイデンティティを捨て去り、それを超える伝説を打ち立てる。2010年、レーシングバイクの最前線から金属フレームが姿を消した年となった。
カーボン化に慎重であったDOGMAをフルカーボン化すること。それによってピナレロが示したのは、常にレースの最先端を行くという決意だ。マグネシウムという特別な素材を与えられた初代DOGMA同様、ピナレロはこのカーボン化にあたって最高のカーボン素材を用意した。現在に至るまでタッグを組むカーボンファイバーのリーディングカンパニー、東レの誇る超高剛性素材”60HM1K”を採用したのだ。世界で唯一DOGMAのみが採用するスペシャルマテリアルとして、その高い基本性能の礎となった。
DOGMAのカーボン化にあたって、ピナレロは大きな変化となる設計概念を持ち込んだ。"Think Asynmetric"、フレーム全体を左右非対称に設計し、駆動側と非駆動側それぞれに最適化する設計思想は、ピナレロのみならずその後のロードバイク全体に大きな影響を与える革新的なものでもあった。
最先端の技術と素材によって新生を果たしたDOGMA60.1、世界中のピナレロファンが待ち望んだバイクは期待以上の仕上がりで、瞬く間に勝利を重ねていく。モビスターやチームスカイの選手たちとともに、多くの栄光をその手に掴み取っていった。
更に、2012年には左右非対称設計をさらに進め、エアロダイナミクスを向上させたDOGMA2を発表。その翌年にはさらに高い品質を持つ最新素材”65HM1K Nanoalloy”を採用したDOGMA65.1と進化の歩みを続けてきた。DOGMA65.1がお披露目された2012年のツール・ド・フランスでは、ピナレロと堅いパートナーシップを結ぶチームスカイのブラドレー・ウィギンズが総合優勝を果たし、その実力を証明して見せた。ここからピナレロがイエローバイクを用意するのは毎夏の恒例イベントとなる。
高剛性、軽量性を求めてきたレーシングバイクの世界だが、ここにきて再び変化の兆しが表れる。それはエアロダイナミクスを求める動き。勝利を至上命題とするピナレロにとって、その要素は決して見過ごせぬものであった。2014年のツール・ド・フランスにて、ピナレロが電撃的に発表したのが第3世代といえるほどの大きな進化を果たしたDOGMA F8。ブランドのアイコンであったONDAフォークの形状を大幅に変更し、これまでのピナレロバイクのデザインスキームを覆したそのフォルムは世界中のサイクリストに衝撃を与えた。
だが、世界は2度驚くことになる。デザイン以上の進化を遂げたF8の性能、そしてこのバイクが残す戦績に。完璧なレーシングバイクという評価を得ていたDOGMA65.1を超えるため、ピナレロは根本的な設計の変更を必要とした。チームスカイ、東レ、さらにジャガーとの強力なコラボレーションによって開発されたDOGMA F8は、12%の剛性アップ、16%のバランス均等化、47%の空気抵抗削減、120gの軽量化と、あらゆる要素において前モデルを凌駕する進化を果たしたのだ。
特筆すべきは使用されるカーボンだろう。バイクの性能にとってもっとも基礎となる”マテリアル”の唯一性という特徴は、初代DOGMAから脈々と受け継ぐ伝統であるが、ピナレロはこのF8に最先端のマテリアルを用意した。東レが誇る最新鋭のカーボンファイバー”T1100G”の独占供給を受ける契約を結び、並みいるライバルたちに対し絶対的なアドバンテージを得ることに成功したのだ。
そして、その性能は実戦が証明している。クリストファー・フルームをはじめ、チームスカイの選手たちと共に多くのレースを駆け抜け、行く先々で華々しい戦績を収めた。中でも世界最高のレースであるツール・ド・フランスにて、フルームとともに勝利を重ねていることはDOGMA F8から始まる第3世代の実力を推し量るに十分だろう。
多くのブランドがエアロロードとオールラウンドロードを分けるが、ピナレロはそうしなかった。それは、レースでは双方とも不可欠であるからだ。エアロでありながら、軽快な登坂を可能とするバイクこそが、グランツールで必要とされる最速。勝利を求めるアスリートの最高のパートナーとして生み落とされたのが、この第3世代DOGMAに与えられたフラットバックデザインなのだ。
そして、2017年にDOGMA F8の進化形として発表されたのが最新モデルであるDOGMA F10だ。TTバイク”BOLIDE”のテクノロジーを受け継ぐことでエアロダイナミクスを進化させ、更なるハイスピードバイクとして新生した。ピナレロが抱く勝利の追求というドグマを表出させた”Natural Born Winner"として、プロトンに君臨するのがF10という存在だ。
そしてF10には多様化するレースシチュエーションに対応するための様々な派生モデルが生み出された。オールウェザーに対応するディスクブレーキ搭載モデル、DOGMA F10 DISK、フルームの勝利のために極限のカーボンレイアップを実現した窮極の一、DOGMA F10 X-light。パリ~ルーベを筆頭に、時折グランツールにも顔を見せるパヴェを最速で走破するために生み出されたエンデュランスシリーズ、DOGMA K10。そこにディスクブレーキと電子制御式アクティブリアサスペンションを搭載し、ソフトテールバイクとして異次元のトラクションを実現したDOGMA K10-S。
数多のレースで重ねた勝利、栄光に包まれたDOGMAの歴史。それらの集大成として、あらゆる分野、あらゆるニーズに対応するのが2018ラインアップだ。それぞれのDOGMAの持つ本当の性格、カタログスペックだけは見通せない素顔に迫るインプレッションを次回から順次お届けしよう。
その歩みは勝利 その勝利は信仰 ピナレロの誇る絶対エース DOGMA
ドグマという少し耳慣れない語が意味するのは唯一無二の”教義”。このモデル名に込められたのはピナレロが掲げる勝利への信仰。つまり、交換可能なすべてを取り払った後に残る、ピナレロにとってただ一つの価値観を具現化した絶対的な存在こそが、フラッグシップモデル”DOGMA”なのだ。
基本となるDOGMA F10をベースにディスクモデルやエンデュランスモデルなど、多くのバリエーションが用意され、2018年では5モデルを擁するに至ったDOGMAシリーズ。チームスカイをサポートしてきたこの数年の間で残してきた実績だけでも、DOGMAが世界最速のロードバイクの一角を占めていることに異論を挟む人は少ないだろう。
斯様に、DOGMAとは現在でも栄光に満ちた存在であり、世界中のサイクリストたちの憧れであり、数多のレーシングバイクの中でもひと際大きな光を放つモデルである。そして、そのポジションは、18年という長い歴史の中で培われてきた王座でもある。それでは、少し歴史を振り返ろう。
初代DOGMA ジロ最多勝記録を残した唯一無二のマグネシウムバイク
初代DOGMAの誕生は2003年。ジロでアレッサンドロ・ペタッキが駆り、第1ステージで鮮烈な勝利を挙げた瞬間からDOGMAの輝かしい歩みが始まった。DOGMAという大きな武器を手に入れたペタッキはその年ジロで6回、ツールで4回、ブエルタで5回のステージ優勝という、輝かしい成績を収め一躍トップスプリンターへ踊り出た。翌年、ペタッキはさらに躍進。ジロでは最多ステージ優勝記録となる9勝をマークし、歴史に名を刻んだ。
初代DOGMAがデビューしたのは新素材戦国時代。スチールバイクの時代から、フルカーボンフレーム全盛期の現代へ移行する狭間で、各社が速さを求めてアルミ、カーボン、チタンといったマテリアルの可能性を追い求めた過渡期である。その中で、ピナレロがDOGMAのメインマテリアルとして選定したのは、他のどのブランドもラインアップしない”マグネシウム”だった。
実用金属の中で、最も軽く、比強度や比剛性に優れ、最も高い振動吸収性を有する、まさにスポーツバイク用チューブとしての理想的な性能を持つのがマグネシウムという素材だ。だが、腐食に弱いという致命的な欠点が実用化に立ちふさがっていた。しかし、ピナレロはチューブメーカーであるデダチャイとの共同開発によって、その問題をクリアした”AK-61”合金を生み出した。
多くの障害を排除し、マグネシウムという理想の素材を与えられたDOGMA。その突き抜けた独自性、他の全てを差し置いてただひたむきに速さを求める独善的オーラをまとうこのバイクは、ピナレロのドグマを体現する一台として鮮烈なデビューを飾り、その唯一性と数多の戦績によって伝説となった。
マグネシウムをメインマテリアルとする第1世代のDOGMAは、チューブのダブルバテッド化やオーバーサイズBBを採用するDOGMA FP、そしてトリプルバテッドチューブとリブ加工された最新のONDA FPXフォークを採用するDOGMA FPXへと2度のアップデートを施され、2006年にはケースデパーニュのオスカル・ペレイロによってマイヨジョーヌを獲得した。
カーボンレーサーとして生まれ変わった第2世代DOGMA
数々の勝利とともに歩んできたDOGMAだが、レーシングバイクを取り巻く環境は大きな変化を迎えていた。姉妹ブランドのオペラや、90年代に開発がすすめられたエスパーダなどのカーボン製TTマシンで培われたノウハウを活かし、ピナレロは2008年にPARIS CARBON、翌年にPRINCE CARBONを投入。ケースデパーニュの活躍によってピナレロカーボンバイクの実力を示し、レーシングバイクのカーボン化を決定づける流れを作った。
通常であれば、新素材やテクノロジーを投入するのはトップモデルからとなる。だが、この時ピナレロがレーシンググレードではあるものの、トップモデルではなかったPARISやPRINCEからカーボン化を進めていたのは、DOGMA FPXの圧倒的で唯一絶対の性能と存在意義に手を加えることをためらっていたからだろう。あるいは、DOGMAという名はマグネシウムフレームのみに与えられるものでいずれは消え去る運命なのかと、口さが無い噂をするものも。
だが、ついにピナレロはDOGMAに最先端素材を纏うことを許した。地球上においてほぼ唯一のマグネシウムフレームというアイデンティティを捨て去り、それを超える伝説を打ち立てる。2010年、レーシングバイクの最前線から金属フレームが姿を消した年となった。
カーボン化に慎重であったDOGMAをフルカーボン化すること。それによってピナレロが示したのは、常にレースの最先端を行くという決意だ。マグネシウムという特別な素材を与えられた初代DOGMA同様、ピナレロはこのカーボン化にあたって最高のカーボン素材を用意した。現在に至るまでタッグを組むカーボンファイバーのリーディングカンパニー、東レの誇る超高剛性素材”60HM1K”を採用したのだ。世界で唯一DOGMAのみが採用するスペシャルマテリアルとして、その高い基本性能の礎となった。
DOGMAのカーボン化にあたって、ピナレロは大きな変化となる設計概念を持ち込んだ。"Think Asynmetric"、フレーム全体を左右非対称に設計し、駆動側と非駆動側それぞれに最適化する設計思想は、ピナレロのみならずその後のロードバイク全体に大きな影響を与える革新的なものでもあった。
最先端の技術と素材によって新生を果たしたDOGMA60.1、世界中のピナレロファンが待ち望んだバイクは期待以上の仕上がりで、瞬く間に勝利を重ねていく。モビスターやチームスカイの選手たちとともに、多くの栄光をその手に掴み取っていった。
更に、2012年には左右非対称設計をさらに進め、エアロダイナミクスを向上させたDOGMA2を発表。その翌年にはさらに高い品質を持つ最新素材”65HM1K Nanoalloy”を採用したDOGMA65.1と進化の歩みを続けてきた。DOGMA65.1がお披露目された2012年のツール・ド・フランスでは、ピナレロと堅いパートナーシップを結ぶチームスカイのブラドレー・ウィギンズが総合優勝を果たし、その実力を証明して見せた。ここからピナレロがイエローバイクを用意するのは毎夏の恒例イベントとなる。
DOGMAは2度生まれ変わる 新世代のスタンダードを拓くサードウェイブ
高剛性、軽量性を求めてきたレーシングバイクの世界だが、ここにきて再び変化の兆しが表れる。それはエアロダイナミクスを求める動き。勝利を至上命題とするピナレロにとって、その要素は決して見過ごせぬものであった。2014年のツール・ド・フランスにて、ピナレロが電撃的に発表したのが第3世代といえるほどの大きな進化を果たしたDOGMA F8。ブランドのアイコンであったONDAフォークの形状を大幅に変更し、これまでのピナレロバイクのデザインスキームを覆したそのフォルムは世界中のサイクリストに衝撃を与えた。
だが、世界は2度驚くことになる。デザイン以上の進化を遂げたF8の性能、そしてこのバイクが残す戦績に。完璧なレーシングバイクという評価を得ていたDOGMA65.1を超えるため、ピナレロは根本的な設計の変更を必要とした。チームスカイ、東レ、さらにジャガーとの強力なコラボレーションによって開発されたDOGMA F8は、12%の剛性アップ、16%のバランス均等化、47%の空気抵抗削減、120gの軽量化と、あらゆる要素において前モデルを凌駕する進化を果たしたのだ。
特筆すべきは使用されるカーボンだろう。バイクの性能にとってもっとも基礎となる”マテリアル”の唯一性という特徴は、初代DOGMAから脈々と受け継ぐ伝統であるが、ピナレロはこのF8に最先端のマテリアルを用意した。東レが誇る最新鋭のカーボンファイバー”T1100G”の独占供給を受ける契約を結び、並みいるライバルたちに対し絶対的なアドバンテージを得ることに成功したのだ。
そして、その性能は実戦が証明している。クリストファー・フルームをはじめ、チームスカイの選手たちと共に多くのレースを駆け抜け、行く先々で華々しい戦績を収めた。中でも世界最高のレースであるツール・ド・フランスにて、フルームとともに勝利を重ねていることはDOGMA F8から始まる第3世代の実力を推し量るに十分だろう。
多くのブランドがエアロロードとオールラウンドロードを分けるが、ピナレロはそうしなかった。それは、レースでは双方とも不可欠であるからだ。エアロでありながら、軽快な登坂を可能とするバイクこそが、グランツールで必要とされる最速。勝利を求めるアスリートの最高のパートナーとして生み落とされたのが、この第3世代DOGMAに与えられたフラットバックデザインなのだ。
そして、2017年にDOGMA F8の進化形として発表されたのが最新モデルであるDOGMA F10だ。TTバイク”BOLIDE”のテクノロジーを受け継ぐことでエアロダイナミクスを進化させ、更なるハイスピードバイクとして新生した。ピナレロが抱く勝利の追求というドグマを表出させた”Natural Born Winner"として、プロトンに君臨するのがF10という存在だ。
そしてF10には多様化するレースシチュエーションに対応するための様々な派生モデルが生み出された。オールウェザーに対応するディスクブレーキ搭載モデル、DOGMA F10 DISK、フルームの勝利のために極限のカーボンレイアップを実現した窮極の一、DOGMA F10 X-light。パリ~ルーベを筆頭に、時折グランツールにも顔を見せるパヴェを最速で走破するために生み出されたエンデュランスシリーズ、DOGMA K10。そこにディスクブレーキと電子制御式アクティブリアサスペンションを搭載し、ソフトテールバイクとして異次元のトラクションを実現したDOGMA K10-S。
数多のレースで重ねた勝利、栄光に包まれたDOGMAの歴史。それらの集大成として、あらゆる分野、あらゆるニーズに対応するのが2018ラインアップだ。それぞれのDOGMAの持つ本当の性格、カタログスペックだけは見通せない素顔に迫るインプレッションを次回から順次お届けしよう。
提供:ピナレロジャパン 制作:シクロワイアード編集部