2017/02/16(木) - 10:31
Kabutoといえばヘルメットでおなじみのブランドだが、グローブやアイウェアなどライダーを保護する数々のアイテムを展開しており、プロ選手たちの間で高い評価を得ている。日本のブランドとして、ヘルメットと同様にプロ選手の要望を受けて試作とテストを繰り返し、高い性能、日本人サイクリストに合う優れたフィット感を実現している。
この特集ではKabutoのグローブにスポットライトを当てる。Vol.1ではフリース素材を使った薄手のエアロデザイングローブ・SFG-1を通じ、Kabutoのグローブの歴史や開発秘話、製品に込められた開発者の思いに迫る。
Kabutoグローブシリーズにこのほど追加されたSFG-1は、秋や春のライドにピッタリなフルフィンガーグローブだ。手首の部分が長く、フィット感に優れたプロスペックモデル・PRG-5/6の基本デザインやテクノロジーを受け継ぎながら、手の甲側の裏地にフリースを採用することで肌寒いシーズンをカバーするのが特徴。保温性と通気性を両立しながらもほどよい厚みを実現し、「ごわつかないのに暖かい」という絶妙なバランスを実現している。
推奨気温は10〜15度。Kabutoのこれまでの製品ではPRG-5などの薄手のフルフィンガーグローブが15度以上、ウインターグローブのKG-12Wが5〜10度をカバーしていたが、SFG-1は既存の製品でカバーできていなかった温度帯を埋める製品と言える。秋から初冬、晩冬から春先にかけての「少し肌寒い」ぐらいの時期をカバーするほか、シクロクロスなど冬場に高強度で走るケースにも使える。
基本的なデザインや機能は、PRG-5/6にも採用されているものをほぼ継承。手の甲側の素材は裏地にフリースを採用しながらも伸縮性を確保し、優れたフィット感を実現。手首部分を長くして生地のだぶつきを抑えることで、エアロ効果も高めてくれる。さらに、親指の付け根から人差し指にかけての広いエリアにスウェットパッドエリアを設け、汗を素早くぬぐえるようにするなど、選手の求める機能が詰まっている。
手のひら側はPRG-5/6と同様に耐久性と軽さに優れた人工皮革クラリーノを採用するが、保温性向上のためパンチング加工は施されていない。転倒時に手のひらを守るプロテクト素材はごく薄く、指先の滑り止めとしてノンスリップシリコンラバーを施すことでハンドルやブレーキレバーを握ったときのダイレクト感やコントロール性を重視しつつ、安全性も高めている。
もちろん普段使いにも配慮。指先には手の甲の部分に大胆に配したKabutoロゴにリフレクターとしての機能を持たせ、早朝や薄暮時、夜間のライドでも被視認性を高め、ドライバーなどにしっかり存在をアピールできる。さらにグローブを着けたままスマートフォンを操作できるよう、親指と人差し指の先端部分に導電糸生地を採用している。
SFG-1のアウトラインが分かったところで、このグローブはどのような経緯で誕生したのか、開発者にうかがってみよう。
Kabutoは20年の歴史を誇るグローブメーカーでもある。大阪にある株式会社オージーケーカブトを訪ね、SFG-1の開発を担当した柳原啓秀さんと、開発部で企画・広報を担当する 柿山昌範さんにお話を伺った。お二人とも根っからのサイクリストである。
― オージーケーカブトがグローブを扱うようになってどのぐらいたちますか?
20年ですね。サポート選手から「使いやすいグローブを作ってほしい」との声があったのがきっかけでした。サイクル用グローブというと、パッドでごわごわしたモノが多いので、選手としては「素手に近いものができないか?」という要望があったんです。素手に近い感覚で使え、走行中に汗を拭けたり、落車したときに手を保護してくれるモノができたらと。そういうところからスタートしています。
― 今では選手向けのモデルだけでなく、幅広いモデルがありますね。
ラインナップとしては選手やよく乗る人が求めるモノだけでなく、町乗り向けのグローブもニーズがあるので、衝撃吸収性を高めたものもラインナップしています。MTBのトレイルライドを想定したプロテクション機能を備えたモデルも登場するなど、近年ラインナップが充実してきました。
― Kabutoのグローブの開発の歴史について教えていただけますか。
選手の要求を形にすることをメインに開発を進めてきました。最近のモデルだと、PRG-3で手のひら側に薄くて丈夫な生地を採用し、手の甲側には伸縮性の高い生地を使って全体的にフィット感を高めましたが、これが選手たちに評価が高かったんです。その後PRG-5ではさらに改良を重ね、伸縮性の高い生地でフィット感を向上させて装着時にシワが発生しにくくさせつつ、手首の部分を伸ばしてエアロ効果を向上させました。素手感覚からフィット感、エアロを追求した形になり、どんどん進化しています。
― 選手たちからはどのような声が聞かれましたか?
フィット感が優れているという声が圧倒的に多かったです。ネガティブな要素としては、「使用頻度と強度にもよるが耐久性が心配」という声も聞かれましたが、それよりもフィット感が優れているという操作性の良さを重要視した造りに高い評価を多くいただきました。
そうですね。基本性能としては、汗を拭けるとか、スマホを操作できるとか、指先のグリップがよいとかいった機能は、プロユースにも対応したPRGシリーズのフルフィンガーグローブから継承しています。ラインナップとしては、ウインターグローブと薄手のフルフィンガーグローブの間を補うモデルとしてSFG-1が登場しています。
― 気温の違いによってカバーするということですか?
ウェアを気温によって使い分けるように、グローブも季節によって使い分けるものだと思うんです。15度以上では指切りグローブでよいですが、15度を切るとちょっと肌寒い。しかし当社の従来のラインナップでは、15度を切る温度帯をフォローするのは5度から10度をカバーするウインターグローブKG-12Wしかなく、これだとちょっと生地が分厚くてダイレクト感にかけるという声があったんです。10度から15度のちょっと肌寒い時期をカバーするちょうどいいモデルがなかった。そこで気温に対応できるモデルが必要だということになって誕生したのがSFG-1なのです。
― SFG-1の開発コンセプトは?
選手たちの要望が強かった、分厚くなく、ごわごわしたものではなく、素手に近い感覚が得られることが第一。それでいて薄手のフルフィンガーグローブより暖かいグローブを――というのが開発目標でした。そこでフルフィンガーの薄手のグローブが選手に好評だったので、このフィット感を持ったものでベースに開発しています。
― PRGシリーズのようなこれまでの薄手のフルフィンガーグローブとは何が違うのですか?
SFG-1は手のひら側のパンチング加工をなくし、(甲側の)内側にフリース素材を入れることで、ダイレクト感を損なわず、保温性を高めています。
より高い保温性を持つモデルのPRG-5/6では手の甲側にストレッチ素材を使っていますが、SFG-1ではフリース入りのストレッチ素材というのがポイントです。難しいのは適度に湿気がこもらないようにしながら、ぬくもりを逃がさないというところです。フリースもいくつかの素材を試して、最適なモノを選んでいます。
― グローブに求められる安全性と選手が求めるダイレクト感はどのように両立しているのですか?
落車したときに生地が1枚だけだと弱いので、パッドを入れる代わりに素材を2重に当てているぐらいで、ハンドルを握ったときのダイレクト感を重視しています。衝撃吸収性を高めたい場合は、バーテープで対処するとよいと思います。ちなみに、弊社で機材サポートを行っているチーム マトリックス・パワータグでは、厚さ4mmのバーテープと組み合わせることで対処している選手もいます。それでも多くの選手は、薄いバーテープに薄いグローブでダイレクト感を重視しているそうです。ロードの選手以外にBMXの長迫選手も愛用してくれていますし、ちょっと変わったところでは冬場のカメラ操作にちょうど良いとフォトグラファーにも愛用者が多いんです(笑)。
手を開いた状態でちょうどいいサイズを選ぶのではなく、ハンドルを握ったときの感じでジャストサイズを選ぶことが重要です。ジャストサイズの目安はハンドルを握ったときの形で手のひらにしわができないこと。しわができるとまめができる原因になります。
― 開発者おすすめの裏技的な使い方はありますか?
ウインターグローブのKG-12Wやフリース入りのフルフィンガーグローブSFG-1とオーバーグローブOVG-1Wを組み合わせることで、より幅広い温度帯をフォローできます。グローブはだいたい5度ぐらいの範囲をカバーしているのですが、オーバーグローブを組み合わせることで低い気温に対応できるようになり、より広い温度帯をカバーできます。気温の変化が大きな時期にはこの使い方はおすすめです。
― どのように使うのですか?
オーバーグローブは使わないときは手首のベルクロを締めたままで指だけ抜くこともできるので、スタートの時だけ着けて暖かくなったら外したり、上りでは外して下りにさしかかったら被せて……という使い方もできます。ウェアのレイヤリング感覚ですね。ちなみに、オーバーグローブはミトンタイプではなく、親指、人差し指、中指がそれぞれ独立していて、ブラケットを握りやすくもなっています。
もちろんそれもありますが、SFG-1に関しては、初冬のちょっと肌寒い時期に自分で乗っていて、ちょうどいいグローブがないな、と感じたこともきっかけです。冬でもシクロクロスレースのように強度を上げて走るケースもあるので、そこそこ暖かくてダイレクト感のあるグローブは必要だと感じたのと、選手からも同じような声が聞かれたので製品化に着手しました。
― 開発者がサイクリストであるからこそ、「こういうモノがほしかった」というかゆいところに手が届く製品ができるのですね。
Kabutoは日本を拠点にするジャパニーズブランドとして、日本人向けの製品を展開しているという強みもあります。ヘルメットでは日本人の頭の形に合うような形を採用していますが、グローブも日本人に合うように、欧米ブランドに比べ、日本人向けに小さなサイズを用意しているんです。Kabutoはヘルメットだけのブランドではないんです。
この特集ではKabutoのグローブにスポットライトを当てる。Vol.1ではフリース素材を使った薄手のエアロデザイングローブ・SFG-1を通じ、Kabutoのグローブの歴史や開発秘話、製品に込められた開発者の思いに迫る。
「ちょっと寒い」にちょうどよい、フリース素材採用エアログローブ SFG-1
Kabuto SFG-1(エスエフジー・ワン)
価格 | ¥5,000(税別) |
カラー | ブラック、ブラックレッド、ブラックブルー、ブラックイエロー |
サイズ | XS,S,M,L,XL,2XL(XSと2XLはブラックのみ) |
Kabutoグローブシリーズにこのほど追加されたSFG-1は、秋や春のライドにピッタリなフルフィンガーグローブだ。手首の部分が長く、フィット感に優れたプロスペックモデル・PRG-5/6の基本デザインやテクノロジーを受け継ぎながら、手の甲側の裏地にフリースを採用することで肌寒いシーズンをカバーするのが特徴。保温性と通気性を両立しながらもほどよい厚みを実現し、「ごわつかないのに暖かい」という絶妙なバランスを実現している。
推奨気温は10〜15度。Kabutoのこれまでの製品ではPRG-5などの薄手のフルフィンガーグローブが15度以上、ウインターグローブのKG-12Wが5〜10度をカバーしていたが、SFG-1は既存の製品でカバーできていなかった温度帯を埋める製品と言える。秋から初冬、晩冬から春先にかけての「少し肌寒い」ぐらいの時期をカバーするほか、シクロクロスなど冬場に高強度で走るケースにも使える。
基本的なデザインや機能は、PRG-5/6にも採用されているものをほぼ継承。手の甲側の素材は裏地にフリースを採用しながらも伸縮性を確保し、優れたフィット感を実現。手首部分を長くして生地のだぶつきを抑えることで、エアロ効果も高めてくれる。さらに、親指の付け根から人差し指にかけての広いエリアにスウェットパッドエリアを設け、汗を素早くぬぐえるようにするなど、選手の求める機能が詰まっている。
手のひら側はPRG-5/6と同様に耐久性と軽さに優れた人工皮革クラリーノを採用するが、保温性向上のためパンチング加工は施されていない。転倒時に手のひらを守るプロテクト素材はごく薄く、指先の滑り止めとしてノンスリップシリコンラバーを施すことでハンドルやブレーキレバーを握ったときのダイレクト感やコントロール性を重視しつつ、安全性も高めている。
もちろん普段使いにも配慮。指先には手の甲の部分に大胆に配したKabutoロゴにリフレクターとしての機能を持たせ、早朝や薄暮時、夜間のライドでも被視認性を高め、ドライバーなどにしっかり存在をアピールできる。さらにグローブを着けたままスマートフォンを操作できるよう、親指と人差し指の先端部分に導電糸生地を採用している。
SFG-1カラーバリエーション
SFG-1のアウトラインが分かったところで、このグローブはどのような経緯で誕生したのか、開発者にうかがってみよう。
開発者インタビュー
プロ選手はもちろん、サイクリストである開発者の「欲しい」を形に
Kabutoは20年の歴史を誇るグローブメーカーでもある。大阪にある株式会社オージーケーカブトを訪ね、SFG-1の開発を担当した柳原啓秀さんと、開発部で企画・広報を担当する 柿山昌範さんにお話を伺った。お二人とも根っからのサイクリストである。
― オージーケーカブトがグローブを扱うようになってどのぐらいたちますか?
20年ですね。サポート選手から「使いやすいグローブを作ってほしい」との声があったのがきっかけでした。サイクル用グローブというと、パッドでごわごわしたモノが多いので、選手としては「素手に近いものができないか?」という要望があったんです。素手に近い感覚で使え、走行中に汗を拭けたり、落車したときに手を保護してくれるモノができたらと。そういうところからスタートしています。
― 今では選手向けのモデルだけでなく、幅広いモデルがありますね。
ラインナップとしては選手やよく乗る人が求めるモノだけでなく、町乗り向けのグローブもニーズがあるので、衝撃吸収性を高めたものもラインナップしています。MTBのトレイルライドを想定したプロテクション機能を備えたモデルも登場するなど、近年ラインナップが充実してきました。
― Kabutoのグローブの開発の歴史について教えていただけますか。
選手の要求を形にすることをメインに開発を進めてきました。最近のモデルだと、PRG-3で手のひら側に薄くて丈夫な生地を採用し、手の甲側には伸縮性の高い生地を使って全体的にフィット感を高めましたが、これが選手たちに評価が高かったんです。その後PRG-5ではさらに改良を重ね、伸縮性の高い生地でフィット感を向上させて装着時にシワが発生しにくくさせつつ、手首の部分を伸ばしてエアロ効果を向上させました。素手感覚からフィット感、エアロを追求した形になり、どんどん進化しています。
― 選手たちからはどのような声が聞かれましたか?
フィット感が優れているという声が圧倒的に多かったです。ネガティブな要素としては、「使用頻度と強度にもよるが耐久性が心配」という声も聞かれましたが、それよりもフィット感が優れているという操作性の良さを重要視した造りに高い評価を多くいただきました。
グローブは季節で使い分けるもの。バリエーションの多さは大切
― 最近発売されたフルフィンガータイプのSFG-1は、PRGシリーズから派生したモデルということでしょうか?そうですね。基本性能としては、汗を拭けるとか、スマホを操作できるとか、指先のグリップがよいとかいった機能は、プロユースにも対応したPRGシリーズのフルフィンガーグローブから継承しています。ラインナップとしては、ウインターグローブと薄手のフルフィンガーグローブの間を補うモデルとしてSFG-1が登場しています。
― 気温の違いによってカバーするということですか?
ウェアを気温によって使い分けるように、グローブも季節によって使い分けるものだと思うんです。15度以上では指切りグローブでよいですが、15度を切るとちょっと肌寒い。しかし当社の従来のラインナップでは、15度を切る温度帯をフォローするのは5度から10度をカバーするウインターグローブKG-12Wしかなく、これだとちょっと生地が分厚くてダイレクト感にかけるという声があったんです。10度から15度のちょっと肌寒い時期をカバーするちょうどいいモデルがなかった。そこで気温に対応できるモデルが必要だということになって誕生したのがSFG-1なのです。
― SFG-1の開発コンセプトは?
選手たちの要望が強かった、分厚くなく、ごわごわしたものではなく、素手に近い感覚が得られることが第一。それでいて薄手のフルフィンガーグローブより暖かいグローブを――というのが開発目標でした。そこでフルフィンガーの薄手のグローブが選手に好評だったので、このフィット感を持ったものでベースに開発しています。
― PRGシリーズのようなこれまでの薄手のフルフィンガーグローブとは何が違うのですか?
SFG-1は手のひら側のパンチング加工をなくし、(甲側の)内側にフリース素材を入れることで、ダイレクト感を損なわず、保温性を高めています。
より高い保温性を持つモデルのPRG-5/6では手の甲側にストレッチ素材を使っていますが、SFG-1ではフリース入りのストレッチ素材というのがポイントです。難しいのは適度に湿気がこもらないようにしながら、ぬくもりを逃がさないというところです。フリースもいくつかの素材を試して、最適なモノを選んでいます。
― グローブに求められる安全性と選手が求めるダイレクト感はどのように両立しているのですか?
落車したときに生地が1枚だけだと弱いので、パッドを入れる代わりに素材を2重に当てているぐらいで、ハンドルを握ったときのダイレクト感を重視しています。衝撃吸収性を高めたい場合は、バーテープで対処するとよいと思います。ちなみに、弊社で機材サポートを行っているチーム マトリックス・パワータグでは、厚さ4mmのバーテープと組み合わせることで対処している選手もいます。それでも多くの選手は、薄いバーテープに薄いグローブでダイレクト感を重視しているそうです。ロードの選手以外にBMXの長迫選手も愛用してくれていますし、ちょっと変わったところでは冬場のカメラ操作にちょうど良いとフォトグラファーにも愛用者が多いんです(笑)。
開発者直伝! レイヤリング感覚でより幅広い使い方も
― グローブのサイズ選びの注意点は?手を開いた状態でちょうどいいサイズを選ぶのではなく、ハンドルを握ったときの感じでジャストサイズを選ぶことが重要です。ジャストサイズの目安はハンドルを握ったときの形で手のひらにしわができないこと。しわができるとまめができる原因になります。
― 開発者おすすめの裏技的な使い方はありますか?
ウインターグローブのKG-12Wやフリース入りのフルフィンガーグローブSFG-1とオーバーグローブOVG-1Wを組み合わせることで、より幅広い温度帯をフォローできます。グローブはだいたい5度ぐらいの範囲をカバーしているのですが、オーバーグローブを組み合わせることで低い気温に対応できるようになり、より広い温度帯をカバーできます。気温の変化が大きな時期にはこの使い方はおすすめです。
― どのように使うのですか?
オーバーグローブは使わないときは手首のベルクロを締めたままで指だけ抜くこともできるので、スタートの時だけ着けて暖かくなったら外したり、上りでは外して下りにさしかかったら被せて……という使い方もできます。ウェアのレイヤリング感覚ですね。ちなみに、オーバーグローブはミトンタイプではなく、親指、人差し指、中指がそれぞれ独立していて、ブラケットを握りやすくもなっています。
開発者が欲しいと思えるモノ、日本人サイクリストに合うモノを作る
― 製品を生み出すアイデアは選手の要望から生まれることが多いのですか?もちろんそれもありますが、SFG-1に関しては、初冬のちょっと肌寒い時期に自分で乗っていて、ちょうどいいグローブがないな、と感じたこともきっかけです。冬でもシクロクロスレースのように強度を上げて走るケースもあるので、そこそこ暖かくてダイレクト感のあるグローブは必要だと感じたのと、選手からも同じような声が聞かれたので製品化に着手しました。
― 開発者がサイクリストであるからこそ、「こういうモノがほしかった」というかゆいところに手が届く製品ができるのですね。
Kabutoは日本を拠点にするジャパニーズブランドとして、日本人向けの製品を展開しているという強みもあります。ヘルメットでは日本人の頭の形に合うような形を採用していますが、グローブも日本人に合うように、欧米ブランドに比べ、日本人向けに小さなサイズを用意しているんです。Kabutoはヘルメットだけのブランドではないんです。
提供:オージーケーカブト 文:浅野真則 写真:高木秀彰 構成:シクロワイアード