2017/04/19(水) - 12:57
ACCU3Dを最高峰グレードとしてウェア開発を行ってきたシマノ。これまでのアパレル群と一線を画すものとして「S-PHYRE(エスファイア)」と名付け、2017年シーズンの緒戦サントス・ツアー・ダウンアンダーで発表した。上下のジャージ、グローブ、ソックス、シューズまで揃うラインアップを紹介する。
「剛性、軽量性、快適性、パワー伝達効率、フィット感、エアロダイナミクス。全てを一切の妥協すること無く、卓越した技術で磨き上げた」というシマノのS-PHYRE。より少ない力でより速く、より快適に走るための性能を獲得するために、4年の月日を開発をつぎ込んだというシマノの集大成だ。
開発にあたっては空気抵抗やウェア重量など物理学的観点から、生地の素材からパネルパターンを厳選し、風洞実験を繰り返すことで、風など様々な要因によるパワーロスを抑えることを成功している。同時に、空力性能と衣服内環境のバランスを考慮した生地を採用することで、過酷なシチュエーションの中でも選手たちがパフォーマンスを発揮できる快適性を実現した。
テストを担ったのはシマノと家族のような信頼関係にあるというロットNLユンボ。風洞実験を経て生み出されたプロトタイプを実際に着用したフィードバックを受けプロダクトを洗練させることを無数に繰り返し、コンマ数秒を争う世界最高峰レースで闘える優れたエアロダイナミクスと快適性を獲得した。
ワンピース型ウェアのメリットは、空気抵抗の原因となる縫い目を必要最低限に抑えることと、生地の使用量を減らすことでの軽量化を可能とする点。また、ウェアをタイトフィットに仕立てることで、セパレートタイプでは生地が余りがちな腹部のダボつきを減らし、空気抵抗を減少させられるのもワンピース型の美点だ。
S-PHYREレーシングスキンスーツでは、風が最初に当たる肩部分をシームレス構造とし、身体の側方に流れる気流を整えることでエアロダイナミクスの向上を図った。従来のプリントジャージとショーツの組み合わせとの比較実験によると、同一条件で走行した場合93秒ものタイム短縮をみたという。
体の部位に応じ編み込みの密度を変化させた生地を使用することで、背中や脇など発熱しやすい部分の放熱性を確保。使用される素材は吸汗速乾性に優れているため、肌面に汗を残すこと無く快適な状況を維持してくれる。内股は高密度に編み込み、ウェアとサドルとの摩擦を軽減させることで、ペダリング時のストレスを軽減した。
S-PHYREのために新開発されたパッドには、坐骨を支える部分が左右独立したこれまでにないデザインを採用している。左右を分けるスリットを設けペダリング時の追従性を高めることで、パワーの伝達効率や快適性にも貢献するという。また、坐骨を支える部分には数多くの素材を適材適所に配置し、圧力が分散するように工夫されていることもポイントだ。
S-PHYRE ショートスリーブジャージのつくりは、レーシングスキンスーツと基本同じだ。ウェアをタイトめに仕立て、風が最初に当たる肩部分はシームレス3D構造を採用することで、エアロダイナミクスの向上を図った。もちろん生地は4WAYストレッチ性を備えているため、身体にピタリと沿うフィット感でも不快感は少ない。
バックポケットは、腰部分の生地切り替えによって短めに設定されたレーシングスキンスーツと比較すると、深くなっている。左右の開口部は斜めに、中央の開口部は低めに作られているため、乗車中でも収納物をより出し入れしやすくなっている。
S-PHYRE ビブショーツは、太もも部分を締めつけ感を少なくするスマートレッグホールを採用することで、長時間の着用もおいてもすぐれた快適性を獲得した1着。もちろんプロ仕様のビブショーツであり、空気抵抗削減のため、4WAYストレッチ生地によって肌にピタリと沿うようなフィット感となっている。
太もも裏部分や、サドルと接する内もも部分には、縫い目がない構造とすることで、ペダリング時に起こるスレなどを抑えていることもポイントだ。裾のずり上がりを防ぐグリッパーは、メイン生地と一緒に織り込まれているため、縫い目が食い込む心配も少ない。パッドはレーシングスキンスーツと同じS-PHYREパッドを採用。
プロ選手との共同開発を経て、シマノのグローブ史上で最高のバイクコントロール性を獲得したというS-PHYRE グローブ。パッドを廃止し、柔軟性に優れる生地を手のひらに採用することで、素手でハンドルやシフターを握っているかのようなフィーリングを実現した。路面状況をつぶさに把握する繊細さを備えながら、素手のように汗でスリップしなくなっている。
手の甲側は部分によって編み方を変え、伸縮性に変化を持たせた独自のニット生地が採用された。指先から手首まで一体となった、スリップオンのシームレスデザインとされており、快適なフィット感に仕立てられている。また、風を受ける手の甲側に縫い目やクロージャーがないため、空気抵抗を生み出す心配も少ない。親指の汗拭き用パイル生地は装備されている。
ペダリング時にカカトを最適な角度に導いてくれるアンクルガイドが織り込まれたS-PHYRE トールソックス。ダイレクトな踏み心地を実現するために薄手に織られた足裏や、シューズのヒールサポートに引っかかりやすくし、スリップを防止するために厚手とされたアキレス腱部分など、ペダリングをサポートするための工夫が詰め込まれたレース用ソックスだ。
先述したように足裏は薄手とされているため汗は排出されやすく、夏場のライドでも快適なペダリングを実現している。甲部分はシューズのクロージャーを締め込んでも当たりがキツくならないように厚手のクッションとされている。
2016年シーズンからシマノサポートの選手たちが着用し、注目を集めていたハイエンドシューズS-PHYRE RC9。ツール・ド・フランス2016の第10ステージで勝利したマイケル・マシューズ(現オリカ・スコット)の足元を支えていたのは記憶に新しい。
先代モデルSH-R321でデビューしたサラウンドラップアッパーとテイジン製素材「AVAIL100」はそのままに、シマノ史上初となるBOAクロージャーを採用することで、シューズと足の一体感を強めた。熱成型によるCUSTOM FITを不要とするほど、高いフィット感を得ることが可能だという。
ソール構造の刷新も行い、スプリンターのハイパワーを受け止める剛性をそのままに、軽量化とスタックハイトを3.2mm小さくすることに成功。シューズの外側からカカトを覆う形のカップを採用することで、シューズのねじれを防止し、よりダイレクトな踏み心地を実現した。
ロードシューズRC9と共通コンセプトのアッパーを持ち、ソール設計をオフロード用に設計したモデルXC9もラインアップされている。XC9のソールは、ミッドソールにロースタックハイトのアウターソール、その外側のつま先から土踏まず部分にミシュラン・ラバー製のトレッド、かかと部分にトレッドと一体となったヒールカップが組み合わされた構造。ロードシューズのようなダイレクトな踏み心地と、オフロードランニング時に確かなグリップ力を実現する。
「剛性、軽量性、快適性、パワー伝達効率、フィット感、エアロダイナミクス。全てを一切の妥協すること無く、卓越した技術で磨き上げた」というシマノのS-PHYRE。より少ない力でより速く、より快適に走るための性能を獲得するために、4年の月日を開発をつぎ込んだというシマノの集大成だ。
開発にあたっては空気抵抗やウェア重量など物理学的観点から、生地の素材からパネルパターンを厳選し、風洞実験を繰り返すことで、風など様々な要因によるパワーロスを抑えることを成功している。同時に、空力性能と衣服内環境のバランスを考慮した生地を採用することで、過酷なシチュエーションの中でも選手たちがパフォーマンスを発揮できる快適性を実現した。
テストを担ったのはシマノと家族のような信頼関係にあるというロットNLユンボ。風洞実験を経て生み出されたプロトタイプを実際に着用したフィードバックを受けプロダクトを洗練させることを無数に繰り返し、コンマ数秒を争う世界最高峰レースで闘える優れたエアロダイナミクスと快適性を獲得した。
93秒のタイム短縮 究極のワンピースS-PHYRE レーシングスキンスーツ
タイムトライアルでの使用は当然とし、グランツールの山岳ステージでもワンピースタイプのウェアを着用する選手たちも現れ、ウェアにおけるエアロダイナミクスの重要性が高まってきた近年。シマノもACCU3Dレーシングスキンスーツの開発を経て、生み出された最高峰グレードに位置づけられるS-PHYREモデルを生み出し、エアロウェア開発競争に名乗りを上げた。ワンピース型ウェアのメリットは、空気抵抗の原因となる縫い目を必要最低限に抑えることと、生地の使用量を減らすことでの軽量化を可能とする点。また、ウェアをタイトフィットに仕立てることで、セパレートタイプでは生地が余りがちな腹部のダボつきを減らし、空気抵抗を減少させられるのもワンピース型の美点だ。
S-PHYREレーシングスキンスーツでは、風が最初に当たる肩部分をシームレス構造とし、身体の側方に流れる気流を整えることでエアロダイナミクスの向上を図った。従来のプリントジャージとショーツの組み合わせとの比較実験によると、同一条件で走行した場合93秒ものタイム短縮をみたという。
体の部位に応じ編み込みの密度を変化させた生地を使用することで、背中や脇など発熱しやすい部分の放熱性を確保。使用される素材は吸汗速乾性に優れているため、肌面に汗を残すこと無く快適な状況を維持してくれる。内股は高密度に編み込み、ウェアとサドルとの摩擦を軽減させることで、ペダリング時のストレスを軽減した。
S-PHYREのために新開発されたパッドには、坐骨を支える部分が左右独立したこれまでにないデザインを採用している。左右を分けるスリットを設けペダリング時の追従性を高めることで、パワーの伝達効率や快適性にも貢献するという。また、坐骨を支える部分には数多くの素材を適材適所に配置し、圧力が分散するように工夫されていることもポイントだ。
S-PHYRE レーシングスキンスーツ
素材 | ポリエステル/ポリウレタン(本体)、 ポリアミド/ポリウレタン/ポリエステル(パーツ) |
サイズ | XS、S、M、L、XL |
カラー | ブラック、イエロー |
価格 | 44,000円(税抜) |
ロットNLユンボがメインで使用 プロレース用のS-PHYRE ショートスリーブジャージ、ビブショーツ
時には200km以上に渡りサドルの上に居続けなければならないロードレース。長時間の競技をこなすにあたりワンピース型よりもセパレート型のほうが過ごしやすく、一般的なレースの場合はほとんどの選手が上下別のウェアを着用している。S-PHYRE ショートスリーブジャージのつくりは、レーシングスキンスーツと基本同じだ。ウェアをタイトめに仕立て、風が最初に当たる肩部分はシームレス3D構造を採用することで、エアロダイナミクスの向上を図った。もちろん生地は4WAYストレッチ性を備えているため、身体にピタリと沿うフィット感でも不快感は少ない。
バックポケットは、腰部分の生地切り替えによって短めに設定されたレーシングスキンスーツと比較すると、深くなっている。左右の開口部は斜めに、中央の開口部は低めに作られているため、乗車中でも収納物をより出し入れしやすくなっている。
S-PHYRE ビブショーツは、太もも部分を締めつけ感を少なくするスマートレッグホールを採用することで、長時間の着用もおいてもすぐれた快適性を獲得した1着。もちろんプロ仕様のビブショーツであり、空気抵抗削減のため、4WAYストレッチ生地によって肌にピタリと沿うようなフィット感となっている。
太もも裏部分や、サドルと接する内もも部分には、縫い目がない構造とすることで、ペダリング時に起こるスレなどを抑えていることもポイントだ。裾のずり上がりを防ぐグリッパーは、メイン生地と一緒に織り込まれているため、縫い目が食い込む心配も少ない。パッドはレーシングスキンスーツと同じS-PHYREパッドを採用。
S-PHYRE ショートスリーブジャージ
素材 | ポリエステル/ポリウレタン |
サイズ | XS、S、M、L、XL |
カラー | ブラック、イエロー |
価格 | 22,000円(税抜) |
S-PHYRE ビブショーツ
素材 | ポリエステル/ポリウレタン |
サイズ | XS、S、M、L、XL |
カラー | ブラック、イエロー |
価格 | 26,000円(税抜) |
素手のようなダイレクトな握り心地を追求 S-PHYRE グローブ
プロ選手との共同開発を経て、シマノのグローブ史上で最高のバイクコントロール性を獲得したというS-PHYRE グローブ。パッドを廃止し、柔軟性に優れる生地を手のひらに採用することで、素手でハンドルやシフターを握っているかのようなフィーリングを実現した。路面状況をつぶさに把握する繊細さを備えながら、素手のように汗でスリップしなくなっている。
手の甲側は部分によって編み方を変え、伸縮性に変化を持たせた独自のニット生地が採用された。指先から手首まで一体となった、スリップオンのシームレスデザインとされており、快適なフィット感に仕立てられている。また、風を受ける手の甲側に縫い目やクロージャーがないため、空気抵抗を生み出す心配も少ない。親指の汗拭き用パイル生地は装備されている。
S-PHYRE グローブ
素材 | ポリエステル/ポリウレタン(手のひら、手の甲、パーツ)、 綿/ポリエステル(パイル)、 ポリアミド/ポリウレタン(メッシュ) |
サイズ | S、M、L、XL |
カラー | ブラック |
価格 | 8,000円(税抜) |
S-PHYREシューズと足に一体感を生み出す トールソックス
ペダリング時にカカトを最適な角度に導いてくれるアンクルガイドが織り込まれたS-PHYRE トールソックス。ダイレクトな踏み心地を実現するために薄手に織られた足裏や、シューズのヒールサポートに引っかかりやすくし、スリップを防止するために厚手とされたアキレス腱部分など、ペダリングをサポートするための工夫が詰め込まれたレース用ソックスだ。
先述したように足裏は薄手とされているため汗は排出されやすく、夏場のライドでも快適なペダリングを実現している。甲部分はシューズのクロージャーを締め込んでも当たりがキツくならないように厚手のクッションとされている。
シマノ S-PHYRE トールソックス
素材 | ポリアミド/ポリエステル/ポリウレタン |
サイズ | S、M、L |
カラー | ブラック、ネオンイエロー、ブルー、ホワイト |
価格 | 2,500円(税抜) |
プロ選手たちの勝利と活躍を支えた実績を持つハイエンドシューズ S-PHYRE RC9、XC9
2016年シーズンからシマノサポートの選手たちが着用し、注目を集めていたハイエンドシューズS-PHYRE RC9。ツール・ド・フランス2016の第10ステージで勝利したマイケル・マシューズ(現オリカ・スコット)の足元を支えていたのは記憶に新しい。
先代モデルSH-R321でデビューしたサラウンドラップアッパーとテイジン製素材「AVAIL100」はそのままに、シマノ史上初となるBOAクロージャーを採用することで、シューズと足の一体感を強めた。熱成型によるCUSTOM FITを不要とするほど、高いフィット感を得ることが可能だという。
ソール構造の刷新も行い、スプリンターのハイパワーを受け止める剛性をそのままに、軽量化とスタックハイトを3.2mm小さくすることに成功。シューズの外側からカカトを覆う形のカップを採用することで、シューズのねじれを防止し、よりダイレクトな踏み心地を実現した。
ロードシューズRC9と共通コンセプトのアッパーを持ち、ソール設計をオフロード用に設計したモデルXC9もラインアップされている。XC9のソールは、ミッドソールにロースタックハイトのアウターソール、その外側のつま先から土踏まず部分にミシュラン・ラバー製のトレッド、かかと部分にトレッドと一体となったヒールカップが組み合わされた構造。ロードシューズのようなダイレクトな踏み心地と、オフロードランニング時に確かなグリップ力を実現する。
S-PHYRE RC9
サイズ | 36~48(ワイドサイズあり)、39~43はハーフサイズあり、ブラックカラーは40~43のみ |
カラー | ブラック(限定)、イエロー、ブルー、ホワイト |
価格 | 45,000円(税抜) |
S-PHYRE XC9
サイズ | 36~48(ワイドサイズあり)、39~43はハーフサイズあり |
カラー | ブラック、イエロー、ブルー |
価格 | 45,000円(税抜) |
提供:シマノ 制作:シクロワイアード編集部