2016/08/23(火) - 09:54
キャノンデールの2017モデルにおいて、ロードの新型3車種が最注目なのは間違いないが、MTBやクロスバイクだって負けていない。ラインアップを拡充したファブリックのアクセサリーとあわせて、キャノンデールらしさ溢れる新製品群を紹介していこう。
時々刻々と変わりゆくMTBのトレンドの中にあって、現在注目を集めているのが「27.5+」。27.5 x 2.8~3.2インチのいわゆる「セミファットタイヤ」である。29erとほぼ同等のタイヤ外径による走破性と、ファットバイクが持つトラクション性を兼ね備えることが特徴だ。また、既存の29erフレームに取り付けられることも、注目を集める大きな要因の1つではあるが、フレームと干渉したり、クリアランスが少なく泥づまりを起こしやすいなどの問題も抱えていることも事実である。
そこで、キャノンデールは27.5+のメリットを最大限に享受できるよう、デメリットを潰した専用設計モデルを開発。それが、2017モデルとして登場したフルサスの「BAD HABIT」、リアリジットの「BEAST OF THE EAST」、その弟分「CUJO」の3車種である。
スタンダードモデルとなるのがリアリジットの「BEAST OF THE EAST」だ。ユニークな車名は、大きな岩が行く手を阻むアメリカ東海岸のトレイルで、フレームと地面がヒットしないようにBBハイトを上げた、かつての名車「BEAST OF THE EAST」に由来する。アルミ製のフレームはただ無骨なだけではなく、衝撃吸収性を高めるべく、チェーンステーをはじめとした各部にアウトバテッド加工を施している。トップグレードは、120mmトラベルのLeftyフォークとドロッパーシートポストを装備する。
「CUJO」は、27.5+バイクの末弟グレード。「BEAST OF THE EAST」と同じくフレームはアルミ製。低価格化を図るべく、フレーム設計や工法を変更しているものの、「SAVE」を取り入れ衝撃吸収性を高めている。価格も10万円弱からと、トレイルデビューにうってつけだ。
フルサスの「BAD HABIT」は、120mmストロークのオールマウンテンモデル「HABIT」をベースとした1台である。リアホイールの剛性を高める「Aiオフセットドライブトレイン」や短めのチェーンステー、やや寝かせ気味のヘッドアングルとあわせて、ハードなトレイルでの安定性を高めている。
MTBクロスカントリーのワールドカップで使用されるコースは、近年さらに難易度が高まっている。トップライダーの一部が乗車でクリアできる以外は、一旦足をつかざるを得ず、大きな落車だって少なくない。そういった状況の中で、バイクメーカー各社は難コースを制すべく熾烈な開発競争を繰り広げている。そうした状況の中で、キャノンデールはフルサスXCバイクの開発に着手し、名車「SCALPEL」の名前を復活させた。新たに「Si」の名がを冠し、「SCALPEL-Si」として登場したのだ。
その最たる特徴は、「Aiオフセットドライブトレイン」にある。このテクノロジーは、リアハブのフランジ間の中心とフレームの中心を一致させるために、チェーンリング及びスプロケットの位置を右側に6mmオフセットさせるというもの。この結果、おちょこ量(フランジ間とリアエンドの中心のズレ)がゼロの、極めて剛性の高いホイールをアッセンブルすることができ、バイク全体の組み立て剛性も飛躍的に向上するというもの。ガレた岩場のセクションでも高い安定性を発揮することが可能となった
また、「Aiオフセットドライブトレイン」によってショートチェーンステーを実現。やや寝かせ気味のヘッドアングルと合わせて俊敏かつ安定性高いハンドリング性を実現している。フルサスXCバイクのキモとなるリアサスのリンクは、トップチューブの直線上にショックユニットを配した従来モデル同様の設計ながらも、リンクの一部を射出成形カーボンとすることで軽量化を図った。ホイールはフレームサイズごとに異なり、SMは27.5インチ、MDとLGは29インチとなる。
クランクは、昨今多くのメーカーがフロントシングルを標準とする一方で、SCALPEL-Siはフロントダブルとしている。ドロッパーシートポスト用を含め、ケーブル類は全てインターナル仕様ながら、トップチューブ内にはシマノDi2コンポーネント用バッテリーを内蔵可能だ。
キャノンデールのクロスバイクにおいて、ラインアップの中核を成す「QUICK(クイック)」シリーズがフルモデルチェンジを果たした。ロードバイクの開発で得たノウハウが投入し開発された1台で、フレーム重量はクラス最軽量となる1,600gをマーク。「SAVE」テクノロジーによる振動吸収性の向上や、ヘッドチューブのテーパー化、高品質ヘッドパーツの搭載などにより、走りの質に磨きをかけている。
また、夜間走行時の安全性を向上させたこともQUICKシリーズの大きな特徴の1つ。各所に反射デカールをあしらい、反射素材をサイドウォールに配したタイヤをスペックインすることで、被視認性を高めた。この他、ペイントの品質向上や、ケーブルのフル内装化といった美観性の向上も重要なアップデートポイントだ。Vブレーキ仕様とディスクブレーキ仕様が用意される。
自転車業界の外に着想を得たシンプル、ニュートラル、機能的デザインのパーツブランド「ファブリック」。ブランド立ち上げから2年を経て、ラインアップが大幅に拡充した。名実共に同社の看板商品となるサドルは、バリエーションが豊富に。スタンダードモデルの「Scoop」シリーズには、プロが使用するロゴ入り仕様や、より快適性を高めたジェル内蔵モデルなどを追加。深い前傾姿勢のライダーに適する競技向けの「LINE」は134mmと142mmの2サイズ展開となった。その他、各モデル新色が追加されている。
新登場のライトは、30Lumens、150Lumens、300Lumensとルーメン数ごとに3種類がラインアップされる。30Lumensはフロント用とリア用がそれぞれ用意され、速度センサー搭載のリア用は減速を感知して点滅が点灯へと変化してくれる。150Lumensと300Lumensは、円柱形状のライトの側面に4つのLEDが埋め込まれており、フロント用としてもリア用としても使用することができるアイデアプロダクトである。
同じく新登場のポンプは、携帯用ポンプが3つとフロアポンプが2つの計5種類展開となる。「ROAD SHORT」及び「ROAD LONG」の両ポンプは、ホース付きの仏英式対応ヘッドを搭載し、ポンピング時の作業性を高めている。「CLASSIC MINI」はトップチューブ下に取り付けるロングタイプのポンプで、ヘッドはホース付き。木製グリップとポリッシュ仕上げのボディは、クラシカルなクロモリフレームにピッタリだろう。
ボトルケージの機能をボトルに一体化した「Cageless Bottles」には、保冷タイプや、要望が多かったというツール缶、新色が。医療用の高強度シリコンを用いたというカラフルなバーテープも、ファブリックのラインアップに加わっている。
より楽しく、より安全なトレイルライドを 27.5+のセミファットMTB
時々刻々と変わりゆくMTBのトレンドの中にあって、現在注目を集めているのが「27.5+」。27.5 x 2.8~3.2インチのいわゆる「セミファットタイヤ」である。29erとほぼ同等のタイヤ外径による走破性と、ファットバイクが持つトラクション性を兼ね備えることが特徴だ。また、既存の29erフレームに取り付けられることも、注目を集める大きな要因の1つではあるが、フレームと干渉したり、クリアランスが少なく泥づまりを起こしやすいなどの問題も抱えていることも事実である。
そこで、キャノンデールは27.5+のメリットを最大限に享受できるよう、デメリットを潰した専用設計モデルを開発。それが、2017モデルとして登場したフルサスの「BAD HABIT」、リアリジットの「BEAST OF THE EAST」、その弟分「CUJO」の3車種である。
スタンダードモデルとなるのがリアリジットの「BEAST OF THE EAST」だ。ユニークな車名は、大きな岩が行く手を阻むアメリカ東海岸のトレイルで、フレームと地面がヒットしないようにBBハイトを上げた、かつての名車「BEAST OF THE EAST」に由来する。アルミ製のフレームはただ無骨なだけではなく、衝撃吸収性を高めるべく、チェーンステーをはじめとした各部にアウトバテッド加工を施している。トップグレードは、120mmトラベルのLeftyフォークとドロッパーシートポストを装備する。
「CUJO」は、27.5+バイクの末弟グレード。「BEAST OF THE EAST」と同じくフレームはアルミ製。低価格化を図るべく、フレーム設計や工法を変更しているものの、「SAVE」を取り入れ衝撃吸収性を高めている。価格も10万円弱からと、トレイルデビューにうってつけだ。
フルサスの「BAD HABIT」は、120mmストロークのオールマウンテンモデル「HABIT」をベースとした1台である。リアホイールの剛性を高める「Aiオフセットドライブトレイン」や短めのチェーンステー、やや寝かせ気味のヘッドアングルとあわせて、ハードなトレイルでの安定性を高めている。
より激化するW杯コースを制するために フルサスXCバイクSCALPEL Siが復活
MTBクロスカントリーのワールドカップで使用されるコースは、近年さらに難易度が高まっている。トップライダーの一部が乗車でクリアできる以外は、一旦足をつかざるを得ず、大きな落車だって少なくない。そういった状況の中で、バイクメーカー各社は難コースを制すべく熾烈な開発競争を繰り広げている。そうした状況の中で、キャノンデールはフルサスXCバイクの開発に着手し、名車「SCALPEL」の名前を復活させた。新たに「Si」の名がを冠し、「SCALPEL-Si」として登場したのだ。
その最たる特徴は、「Aiオフセットドライブトレイン」にある。このテクノロジーは、リアハブのフランジ間の中心とフレームの中心を一致させるために、チェーンリング及びスプロケットの位置を右側に6mmオフセットさせるというもの。この結果、おちょこ量(フランジ間とリアエンドの中心のズレ)がゼロの、極めて剛性の高いホイールをアッセンブルすることができ、バイク全体の組み立て剛性も飛躍的に向上するというもの。ガレた岩場のセクションでも高い安定性を発揮することが可能となった
また、「Aiオフセットドライブトレイン」によってショートチェーンステーを実現。やや寝かせ気味のヘッドアングルと合わせて俊敏かつ安定性高いハンドリング性を実現している。フルサスXCバイクのキモとなるリアサスのリンクは、トップチューブの直線上にショックユニットを配した従来モデル同様の設計ながらも、リンクの一部を射出成形カーボンとすることで軽量化を図った。ホイールはフレームサイズごとに異なり、SMは27.5インチ、MDとLGは29インチとなる。
クランクは、昨今多くのメーカーがフロントシングルを標準とする一方で、SCALPEL-Siはフロントダブルとしている。ドロッパーシートポスト用を含め、ケーブル類は全てインターナル仕様ながら、トップチューブ内にはシマノDi2コンポーネント用バッテリーを内蔵可能だ。
ロード並みのスポーティーな走り フィットネス指向のQUICK
キャノンデールのクロスバイクにおいて、ラインアップの中核を成す「QUICK(クイック)」シリーズがフルモデルチェンジを果たした。ロードバイクの開発で得たノウハウが投入し開発された1台で、フレーム重量はクラス最軽量となる1,600gをマーク。「SAVE」テクノロジーによる振動吸収性の向上や、ヘッドチューブのテーパー化、高品質ヘッドパーツの搭載などにより、走りの質に磨きをかけている。
また、夜間走行時の安全性を向上させたこともQUICKシリーズの大きな特徴の1つ。各所に反射デカールをあしらい、反射素材をサイドウォールに配したタイヤをスペックインすることで、被視認性を高めた。この他、ペイントの品質向上や、ケーブルのフル内装化といった美観性の向上も重要なアップデートポイントだ。Vブレーキ仕様とディスクブレーキ仕様が用意される。
ポンプやライトが新登場 ライドを支えるファブリックの新アイテム
自転車業界の外に着想を得たシンプル、ニュートラル、機能的デザインのパーツブランド「ファブリック」。ブランド立ち上げから2年を経て、ラインアップが大幅に拡充した。名実共に同社の看板商品となるサドルは、バリエーションが豊富に。スタンダードモデルの「Scoop」シリーズには、プロが使用するロゴ入り仕様や、より快適性を高めたジェル内蔵モデルなどを追加。深い前傾姿勢のライダーに適する競技向けの「LINE」は134mmと142mmの2サイズ展開となった。その他、各モデル新色が追加されている。
新登場のライトは、30Lumens、150Lumens、300Lumensとルーメン数ごとに3種類がラインアップされる。30Lumensはフロント用とリア用がそれぞれ用意され、速度センサー搭載のリア用は減速を感知して点滅が点灯へと変化してくれる。150Lumensと300Lumensは、円柱形状のライトの側面に4つのLEDが埋め込まれており、フロント用としてもリア用としても使用することができるアイデアプロダクトである。
同じく新登場のポンプは、携帯用ポンプが3つとフロアポンプが2つの計5種類展開となる。「ROAD SHORT」及び「ROAD LONG」の両ポンプは、ホース付きの仏英式対応ヘッドを搭載し、ポンピング時の作業性を高めている。「CLASSIC MINI」はトップチューブ下に取り付けるロングタイプのポンプで、ヘッドはホース付き。木製グリップとポリッシュ仕上げのボディは、クラシカルなクロモリフレームにピッタリだろう。
ボトルケージの機能をボトルに一体化した「Cageless Bottles」には、保冷タイプや、要望が多かったというツール缶、新色が。医療用の高強度シリコンを用いたというカラフルなバーテープも、ファブリックのラインアップに加わっている。
提供:キャノンデール・ジャパン 製作:シクロワイアード編集部