2015/11/12(木) - 19:33
エントリーモデルでありながら、高性能アルミロードレーサーとして幅広い人気を誇るALLEZ。今回は実際に4人のALLEZオーナーにそのカスタマイズや楽しみ方を聞いた。登場して頂くのは山本太自(BicycleShop FROG)、若生正剛(なるしまフレンド)という2名のショップオーナー/スタッフと、スペシャライズド・ジャパンのスタッフである渡辺孝二、熱田峰人両氏だ。
このALLEZに乗って半年ほど、もういくつかレースにも出ています。アルミ独特のシャキシャキとした軽快感が非常に高いレベルまで引き出されていると感じます。踏み味も軽く、スプリント的にもがくと微妙にしなるため、この部分がアルミのダイレクト感を更に質の高いのにしているのではないでしょうか。
カーボン全盛期ですが、例えばJPTのようなハイカテゴリーでもALLEZは十分に戦えるバイクだと思っています。例えばアタックする時、アタックに反応する時といった場合に走りの軽さが活きるため、緩急のあるレースでは戦力になってくれるでしょう。
絶対的な性能で言えばS-WORKSなど高級カーボンバイクに譲りますが、機材的なデメリットはそこまで大きくありません。特にJBCFのエリートカテゴリーのような短距離レースだと、その差はゼロに近づきます。振動吸収性はカーボンモデルと比較すればやや落ちますが、レース機材としてみれば十分ですし、タイヤやホイールの工夫次第で補えるものです。
そして走りにクセが無い点もレースにおいては重要です。特に疲れが溜まってきた場合、ふらついたりするだけでストレスに感じてしまう。その意味で落ち着いていてコントローラブルなALLEZは評価できますね。今までALLEZでレースを走ってきた中では、群馬CSCがかなりピッタリでした。ヘッド剛性が高いことで下り区間も攻めの姿勢で抜けられますし、登りも短いので武器になりました。
そして私の場合、汎用規格が多く使われていることもポイントでした。一般的なキャリパーブレーキ、27.2mmのシートポスト、互換性の高いOSBB。ポジションが出しやすいですし、自分流にカスタマイズすることだって容易です。
ALLEZはS-WORKSグレードが登場したほど完成度の高いアルミレーシングバイク。だからその魅力を引き出してあげるには、レーシーな走り方が一番です。値段も買い求めやすい設定ですし、軽量カーボンバイクの扱いに不安を感じる方や、通勤からレースまでガシガシと使い倒したい方、学生レーサーにはベストなチョイスなのでは、と思います。
峠、アップダウン、平坦と苦手とする場所がなく、ルートを選ばずどこにでも連れて行けるバイクだと感じています。アルミバイクと言うと振動吸収性が弱いというイメージがありますが、ALLEZに関してその心配をする必要はありません。もちろんROUBAIXと比較すれば分が悪いですが、アルミとしてはなかなかのものです。
ヘッド剛性が高いことで、ダンシングのキレやブレーキング、ダウンヒル時の安定感に秀でることが特徴で、その部分を中心に全てのバランス力が高い。走る、曲がる、止まる。すべての動作に不安定感が無いため、まだバイクに慣れない初心者はもちろん、上を目指したいホビーレーサーにはぴったりだと感じますね。
同価格帯にもカーボン製バイクはたくさんあります。でも程価格帯カーボンバイクの性能は、以前に比べれば飛躍的に伸びたものの、ビギナーであってもレース志向の方ならば、完成度の高いアルミバイクの方がずっと期待に応えてくれると思っています。ALLEZは高級カーボンモデルに迫る重量ですし、工夫次第ではハイエンドバイクと同じ重量をずっと安価に実現できる。そういう意味でカスタムベースとしても最適だと思うんです。基本性能の高さは、レースはもちろんロングライドや日々のライドをより楽しくしてくれると思いますね。
3モデルが用意されるALLEZですが、やはりおすすめしたいのはスマートウェルド製法が用いられているELITEかSL COMP。とても価値あるモデルですし、パーツのアップグレードを行えば長期にわたって良き相棒となってくれるはずです。フレームの素性が良く、ニュートラルですから、例えばホイールを交換するだけでガラっと性格が変わるし、どんな性格のホイールにもマッチしてくれるはずです。
もちろん完成車のパーツ構成が甘いわけでは全くありませんし、レーシングな走りを望まないのであれば、そのままでも価値は高いと思いますよ。
手前味噌ですが、とてもALLEZはよくできたバイクだな、と実際に乗って思いますね。カーボンのS-WORKSシリーズとは異なりますが、どこにも不得意箇所が無く走る場所や走り方を問いません。基本性能が良いので、パーツの良さを引き出してくれるバイクとも取ることができるでしょう。
私のバイクは2014年モデルのS−WORKS、デュラエース完成車ですね。これ一台で様々なイベントや場所に行きます。SRAM REDに換装したのは私の好みですが、特徴的なのはロヴァールのCLX64ホイールでしょうか。ハイトが高いのに軽量で、クリンチャーなので扱いやすい。性能的にもALLEZの持ち味である加速性能をより引き出してくれるので、相性はかなり良いと思いますね。よほど長い山を登る以外は全てこの組み合わせですね。ALLEZはとても楽しいバイクです。
私自身、最初に新型ALLEZの話を聞いた際は”耐久性は大丈夫だろうか?”と思いました。体重があるので剛性と強度が大切になってくるのですが、社内研修をしているうちに安全はもちろん、高剛性でさらに軽量と全ての要素を高い次元でまとめたバイクなんだな、と知り購入に至りました。パワーを掛けたダンシングを多く使うのですが、ヘッド周辺が特に高剛性ですので、全くヨレを感じません。
S-WORKS VENGEと使い分けているのですが、ALLEZはダンシングの振りの軽さや気持ちよさが際立つため山岳ライドに連れ出すことが多いですね。私のALLEZはホイールやサドルを交換しているので、56サイズながら7.1kgとカーボンのS-WORKSと同等レベルの軽さに仕上がっています。ホビーライダーであれば全く不満が出ない仕上がりだと思いますね。
ALLEZの最新モデルを試そう!全国を巡る試乗プログラムがスタート
スペシャライズド・ジャパンでは、ALLEZの性能を実際に体感できる試乗プログラムを全国の販売店で実施する。試乗車はシマノ105を装備した高級モデル「ALLEZ DSW SL Comp」。革新的な構造でアルミロードバイクの最先端をひた走るALLEZを自分の脚で試すチャンスだ。スケジュールはALLEZ 試乗車プログラム紹介ページ内のカレンダーから確認のこと。試乗可能な時間や使用状況などの詳細は、各店舗へ問い合わせてほしい。
若生正剛(なるしまフレンド)
「研ぎ澄まされたアルミらしい加速力。国内ハイカテゴリーのレースにも対応できる」
このALLEZに乗って半年ほど、もういくつかレースにも出ています。アルミ独特のシャキシャキとした軽快感が非常に高いレベルまで引き出されていると感じます。踏み味も軽く、スプリント的にもがくと微妙にしなるため、この部分がアルミのダイレクト感を更に質の高いのにしているのではないでしょうか。
カーボン全盛期ですが、例えばJPTのようなハイカテゴリーでもALLEZは十分に戦えるバイクだと思っています。例えばアタックする時、アタックに反応する時といった場合に走りの軽さが活きるため、緩急のあるレースでは戦力になってくれるでしょう。
絶対的な性能で言えばS-WORKSなど高級カーボンバイクに譲りますが、機材的なデメリットはそこまで大きくありません。特にJBCFのエリートカテゴリーのような短距離レースだと、その差はゼロに近づきます。振動吸収性はカーボンモデルと比較すればやや落ちますが、レース機材としてみれば十分ですし、タイヤやホイールの工夫次第で補えるものです。
そして走りにクセが無い点もレースにおいては重要です。特に疲れが溜まってきた場合、ふらついたりするだけでストレスに感じてしまう。その意味で落ち着いていてコントローラブルなALLEZは評価できますね。今までALLEZでレースを走ってきた中では、群馬CSCがかなりピッタリでした。ヘッド剛性が高いことで下り区間も攻めの姿勢で抜けられますし、登りも短いので武器になりました。
そして私の場合、汎用規格が多く使われていることもポイントでした。一般的なキャリパーブレーキ、27.2mmのシートポスト、互換性の高いOSBB。ポジションが出しやすいですし、自分流にカスタマイズすることだって容易です。
ALLEZはS-WORKSグレードが登場したほど完成度の高いアルミレーシングバイク。だからその魅力を引き出してあげるには、レーシーな走り方が一番です。値段も買い求めやすい設定ですし、軽量カーボンバイクの扱いに不安を感じる方や、通勤からレースまでガシガシと使い倒したい方、学生レーサーにはベストなチョイスなのでは、と思います。
山本太自(BicycleShop FROG)
「全ての動作に不安が無く、初心者からホビーレーサーまで全員におすすめ」
峠、アップダウン、平坦と苦手とする場所がなく、ルートを選ばずどこにでも連れて行けるバイクだと感じています。アルミバイクと言うと振動吸収性が弱いというイメージがありますが、ALLEZに関してその心配をする必要はありません。もちろんROUBAIXと比較すれば分が悪いですが、アルミとしてはなかなかのものです。
ヘッド剛性が高いことで、ダンシングのキレやブレーキング、ダウンヒル時の安定感に秀でることが特徴で、その部分を中心に全てのバランス力が高い。走る、曲がる、止まる。すべての動作に不安定感が無いため、まだバイクに慣れない初心者はもちろん、上を目指したいホビーレーサーにはぴったりだと感じますね。
同価格帯にもカーボン製バイクはたくさんあります。でも程価格帯カーボンバイクの性能は、以前に比べれば飛躍的に伸びたものの、ビギナーであってもレース志向の方ならば、完成度の高いアルミバイクの方がずっと期待に応えてくれると思っています。ALLEZは高級カーボンモデルに迫る重量ですし、工夫次第ではハイエンドバイクと同じ重量をずっと安価に実現できる。そういう意味でカスタムベースとしても最適だと思うんです。基本性能の高さは、レースはもちろんロングライドや日々のライドをより楽しくしてくれると思いますね。
3モデルが用意されるALLEZですが、やはりおすすめしたいのはスマートウェルド製法が用いられているELITEかSL COMP。とても価値あるモデルですし、パーツのアップグレードを行えば長期にわたって良き相棒となってくれるはずです。フレームの素性が良く、ニュートラルですから、例えばホイールを交換するだけでガラっと性格が変わるし、どんな性格のホイールにもマッチしてくれるはずです。
もちろん完成車のパーツ構成が甘いわけでは全くありませんし、レーシングな走りを望まないのであれば、そのままでも価値は高いと思いますよ。
渡辺孝二(スペシャライズド・ジャパン ボディージオメトリーフィット日本総責任者)
「基本性能が良好で、パーツの持ち味を引き出してくれる」
手前味噌ですが、とてもALLEZはよくできたバイクだな、と実際に乗って思いますね。カーボンのS-WORKSシリーズとは異なりますが、どこにも不得意箇所が無く走る場所や走り方を問いません。基本性能が良いので、パーツの良さを引き出してくれるバイクとも取ることができるでしょう。
私のバイクは2014年モデルのS−WORKS、デュラエース完成車ですね。これ一台で様々なイベントや場所に行きます。SRAM REDに換装したのは私の好みですが、特徴的なのはロヴァールのCLX64ホイールでしょうか。ハイトが高いのに軽量で、クリンチャーなので扱いやすい。性能的にもALLEZの持ち味である加速性能をより引き出してくれるので、相性はかなり良いと思いますね。よほど長い山を登る以外は全てこの組み合わせですね。ALLEZはとても楽しいバイクです。
プロフィール
スペシャライズド・ジャパンでボディージオメトリーフィットの日本総責任者を務める。実際にフィッターとしても現場に立ち、その経験と実績は数知れず。SBCU(Specialized Bicycle Components University)の日本総責任者として小売店研修にも深く携わっている。愛車はS-WORKS ALLEZ。熱田峰人(スペシャライズド・ジャパン マーケティング部)
「56サイズで7.1kg。ヒルクライムでS-WORKSにも引けを取らない」
私自身、最初に新型ALLEZの話を聞いた際は”耐久性は大丈夫だろうか?”と思いました。体重があるので剛性と強度が大切になってくるのですが、社内研修をしているうちに安全はもちろん、高剛性でさらに軽量と全ての要素を高い次元でまとめたバイクなんだな、と知り購入に至りました。パワーを掛けたダンシングを多く使うのですが、ヘッド周辺が特に高剛性ですので、全くヨレを感じません。
S-WORKS VENGEと使い分けているのですが、ALLEZはダンシングの振りの軽さや気持ちよさが際立つため山岳ライドに連れ出すことが多いですね。私のALLEZはホイールやサドルを交換しているので、56サイズながら7.1kgとカーボンのS-WORKSと同等レベルの軽さに仕上がっています。ホビーライダーであれば全く不満が出ない仕上がりだと思いますね。
プロフィール
スペシャライズド・ジャパンでマーケティングを担当する。2014年まではスペシャライズドの直営ショップ「スペシャライズド東京」の店長を務めていた。愛車は2013年モデルALLEZのフルチューンマシン。ALLEZの最新モデルを試そう!全国を巡る試乗プログラムがスタート
スペシャライズド・ジャパンでは、ALLEZの性能を実際に体感できる試乗プログラムを全国の販売店で実施する。試乗車はシマノ105を装備した高級モデル「ALLEZ DSW SL Comp」。革新的な構造でアルミロードバイクの最先端をひた走るALLEZを自分の脚で試すチャンスだ。スケジュールはALLEZ 試乗車プログラム紹介ページ内のカレンダーから確認のこと。試乗可能な時間や使用状況などの詳細は、各店舗へ問い合わせてほしい。
提供:スペシャライズド・ジャパン、製作:シクロワイアード編集部