2013/03/07(木) - 23:51
ガーミンでは、おもに以下の3つの方法でコースを作成できる。
- ガーミンコネクトのマップにラインを引いて作る。(『ガーミンコネクトをはじめよう その2』を参照)
- 走行データから作る。
- 外部から入手する。
前回は、基本編としてこの中の1を紹介した。3回目の今回は、応用編として2と3、そしてコースデータとバーチャルパートナー機能の関わりについてを紹介しよう。
2.走行データから作る
走行データ(アクティビティー)、つまり過去に自分が走ったコースをコースデータにする方法だ。それでは、順を追って説明しよう。まず「ダッシュボード」や「分析」のタブでコースデータに変えたいアクティビティーの詳細を表示させる。それから詳細ページのメニューアイコンの中から、「コースとして保存」(下記画像の丸印)を選ぼう。

コース編集画面には、選択したアクティビティーで走ったルートが、そのまま地図上に表示される。これをこのままコースデータにできるというわけだ。好きな名前を付けて保存しよう。

3.外部から入手する

いろいろなウェブサービスを利用して、コース情報が公開されているのを見たことはないだろうか。ここでは、だれかが公開しているガーミンコネクトのデータを入手すると想定して紹介しよう。
右の画像は筆者のブログを例にしている。ブログ等に表示されているガーミンデータの枠の右下(画像の丸印部分)に、「view detail」あるいは「詳細」といった文字があるのでクリックするとガーミンコネクト上の詳細画面にページが移る。
その後、走行データから作る時と同様、好きな名前を付けて保存をクリックする。
作成・入手したコースをデバイスに送信して、実際に使用するまで
コースデータをデバイスへ送信
ここまでの説明で作成したコースデータは、『デバイスへの送信』(下図・丸印部分)をクリックすることで、自分が使っているEdge800Jなどのガーミンデバイスへ簡単に送信することができる。
コースデータをEdge800Jで使用する
ガーミンデバイスに送信したコースデータは、Edge800Jでは以下のように使用する。ファイル形式でコースデータを入手した場合
ガーミンデバイスは、GPXやTCXといった形式のファイルに対応している。この場合、以下のように取り込める。以上の手順を踏めば、Edge800Jがコースデータを認識してくれる。
イベントでの便利な使い方
コース作成機能でバーチャルパートナーを便利に使う

コースを作成する際、平均速度や所要時間を含めてデータにすることができることは、前回ふれたとおりだ(下図参照)。この平均速度が架空の競争相手であるバーチャルパートナーの速度として反映される。
ガーミンコネクトで事前にイベントのコースを作成し、イベントで必要なペース、あるいは所要時間をデータに入力しておくと、バーチャルパートナーがその通りにペースを作ってくれる。

高低図でコースを先読みする


これにより、ロードレースで重要な、登りに入る前の位置取りなどにも備えられる。ヒルクライムならゴール前のスパートの距離を測れるだろう。
ただし、走行中に先々の高低図を把握するためには、走行データをもとにコースデータを作成しないといけない。つまり、誰かがコースを試走しておく必要がある。
しかし、後述するように、もし何度か走ったことがあるレースやイベントで、前回とコースが同じであれば、その時のリアルな走行データを使うのがより良い方法だ。
リアルな競争相手をバーチャルパートナーで作成する方法

一定ペースで長距離を走るイベントでは機能として申し分ないが、仮想のトレーニングパートナーとするとき理想的とは言えない。たとえば、コースデータを作る際、バーチャルパートナーの平均時速を25kmで設定したとしよう。下りなら、ユーザーは楽々とそれ以上の速度で走れるだろうし、上りだと時速25kmは速すぎてペースメーカーにならない。
つまり、バーチャルパートナーと実際に競り合うようにはならず、下りでユーザーが突き放すか、逆に上りであっという間において行かれる、というような状況にしかならない。長距離イベントでは走っていればいずれ辻褄が合うのだが、競り合いによってより良い練習をしたい場合には、最良のトレーニングパートナーとは言えないのだ。
だが、実際の走行データから作ったコースデータを利用した場合は違う。
実際にそのコースを走った走行データ(アクティビティー)を利用しているので、坂の斜度がきつければ速度が鈍るし、下りや平地、斜度の変化などに合わせて、実際に走行した人の速度変化が再現されるから、一人で追い込む練習をしたいとき、まさに仮想のトレーニングパートナーになってくれるだろう。
(このように、一定速度で走らないデータを扱う場合があるので、コースデータを利用しているときバーチャルパートナーの強さは平均速度ではなくパーセンテージで調整するようになっている)
バーチャルパートナーの変化
白紙の状態から作ったコースデータを デバイスに送信 | ひたすら同じスピードをキープ ↓ 下りが遅く、上りが速すぎるため、競り合いになりにくい |
実際の走行データから作ったコースデータを デバイスに送信 | 過去に誰かが走ったとおりに速度が上下する ↓ 抜きつ抜かれつの競り合いで追い込める (よい練習ができる) |

峠などのタイムトライアルで特に有効
バーチャルパートナーの機能をうまく使うなら、車が少なく、ノンストップで走れる環境、主に峠のタイムトライアルなどに利用すると良いだろう。峠のタイムトライアルを行ったデータを公開しておけば、同じ日に走れなくても知人同士で競い合うこともできる。
一例として、筆者のブログに峠のタイムトライアルの走行データをアップしてみた。このデータをダウンロードして筆者と競うことができる。(と言っても地方のデータで、しかもタイムが遅くて恐縮なのだが、今後どこかを登るたびにアップしてみたい)
筆者自身、つまりアップロードした本人も、自分のデータを競争相手にタイムの更新を目指せるというわけだ。
今回は、コース作成機能の応用編として、バーチャルパートナーを絡めた利用法を紹介した。次回はトレーニングからフィットネスで大いに使えるワークアウト機能について紹介しよう。
文:山根理史 編集:シクロワイアード 提供:いいよねっと