2012/08/11(土) - 09:45
3Dモーションキャプチャーシステムを使用したフィッティングシステム、RETUL(リトゥール)。レディオシャック・ニッサンやガーミン・シャープを始めとする多くのプロアスリート達が採用するリトゥールの3日間に渡る講習会「RETUL University in Japan」を鎌倉で取材した。
リトゥールフィッティングとは、オリジナルのソフトウェアを使用することでパソコン画面上にてライダーの動きを表示・解析することでその値を数値化し、そのライダーの走る目的や柔軟性を考慮した最適範囲へとポジションを合わせていくというシステムだ。現在UCIプロツアーチーム等にも採用され、バイクフィッティングの最先端をいくものとして脚光を浴びている。
今回行われた「RETUL University in Japan」は、リトゥールのプロフィッターを養成するため、8月1日から3日まで3日間に渡って開催された講習会。全国からプロショップのスタッフを始めとする7名が、海外からも3名が最先端のフィッティングプログラムを学ぼうと集まった。会場は鎌倉市材木座にあるOSJ湘南クラブハウスだ。
講師には、リトゥールを通してガーミンチームのバイクフィットを担当するイヴァン・オゴーマン氏と、オーストラリア認定コーチのニック・フォーマサ氏が来日。2名のプロフェッショナルコーチからのアドバイスを受けることの出来るまたとない機会となった。
レポーターである私が訪れたのは3日間の日程で行われた講習会の最終日。初日にはリトゥールのフィッティング哲学や映像を使用しながら、医学的なかなり深い部分に至るまでを座学で学んだという。
リトゥール最大の特徴は、下半身の動きの調整をメインとする従来のバイクフィットシステムを踏襲しながら、身体全体でのフィッティングを可能としていること。
ローラー台を使うフィッティングの前には身体の柔軟チェックやバランスを細くチェックし、さらに脚質や走る目的を質問していく。
これは一人として同じ身体をもたないライダーの骨格や筋力、柔軟性の特徴を捉えてフィッティングを行なうことで、長期間に渡って故障せず、かつ速いライドを可能とするとのこと。
そしてローラー台や、「ムーブ」と呼ばれる専用のフィッティング機材に乗った被験者は、マーカーハーネスと呼ばれるLED電極をライダーの各所に貼り付けていく。この電極を動きを専用のモーションキャプチャーで読み取り、PC画面上で表示することで、動きを数値としてデータ化する。瞬時にデータが取れるためフィッティングに掛かる時間を大幅に短縮できる。計測に掛かる時間はわずか1分弱ほどだった。
次に同社のジン・ ツールと呼ばれる計測器具を使用することにより、自転車と身体が触れる接点を画面上に表示することができ、現在のライディングポジションと理想値をグラフィック化し、両方をPC画面上で重ね合わせる。改善点が視覚的に理解できるため、受講者からも非常に分かりやすいとの声が多く聞かれた。また、提唱する数値は幅を持たせたものであって、さらに個人差によってその値を越えたフィッティングにも対応する柔軟さを備えていることも特徴だ。
また、現在開発中というFramefinderと呼ばれるシステムの紹介も行われた。リトゥールでは専門の担当者が市場に発表される全てのバイクの各サイズを計測しデータ化しているという。しかもバイクのみならず、各ブランドのステム、ハンドル、シートピラーなどパーツの計測までもを行い、PC上でベストなバイクとパーツの組み合わせを選ぶ事ができるという。
このシステムを使えば上級者はもちろんのこと、販売店にとってはバイク選びの基準を持っていないビギナーにも適切なバイク/パーツのお薦めができるというメリットがある。説明を聞いた受講者からは驚きの声が多く上がっていた。
3日間の講習のうち、2日目はロード・TTポジションのフィッティングについて実践練習を繰り返し行い、多くのフィードバックを得ながら技術を習得し、最終日となる3日目にはポジションの癖があるライダーに対しての、バイクのポジションを変更しない対処技術を学びながらフィッティングを練習していた。コーチのアドバイスを受けながら反復することで理解度を高め、受講した皆さんは貴重な時間を過ごすことができたようだ。全行程終了後には全員に修了証が送られた。
講習会終了後、参加した溝端祐一さん(シルベストトライアスロンクラブ代表&監督)は、「私はBG-FITのテクニシャンとして多くのフィッティング担当してきましたが、リトゥールは単にシューズにシムを加えたりするのみに留まらず、身体全体を見て答えを決めていくというのが興味深かったですね。被験者の感覚を重視するのがリトゥールの特徴で、フィッティングと言うよりかコーチングに近い印象を受けました。実際に身体の動きを数値ではっきりと見えるのが良いですね。感覚だけではわからない部分まで細く表示されるので、誰もが納得できると思います。最先端のシステムを受講でき、非常に良い経験になりました」と語ってくれた。
今回の講習会は、RETUL社と日本のBIKE FIT SYSTEMS社公認フィッティング組織「サンメリット」の主催によるもの。サンメリットの代表を務める伏見真希門(ふしみ・まきと)氏は、昨年韓国にて行われた同様の講座を受講し、日本人で初のRETUL公認プロバイクフィッターとなった人物。「今回講習会を開催し、とても良い手応えを感じることができました。受講した皆さんによって、より多くの方が快適な自転車ライフを送ってくれたら良いですね」と話す。
次回は3日間講師を務めた、ガーミンチームのフィッティングを担当するイヴァン・オゴーマン氏のインタビューをお届けする。
text&photo:So.Isobe
リトゥールフィッティングとは、オリジナルのソフトウェアを使用することでパソコン画面上にてライダーの動きを表示・解析することでその値を数値化し、そのライダーの走る目的や柔軟性を考慮した最適範囲へとポジションを合わせていくというシステムだ。現在UCIプロツアーチーム等にも採用され、バイクフィッティングの最先端をいくものとして脚光を浴びている。
今回行われた「RETUL University in Japan」は、リトゥールのプロフィッターを養成するため、8月1日から3日まで3日間に渡って開催された講習会。全国からプロショップのスタッフを始めとする7名が、海外からも3名が最先端のフィッティングプログラムを学ぼうと集まった。会場は鎌倉市材木座にあるOSJ湘南クラブハウスだ。
講師には、リトゥールを通してガーミンチームのバイクフィットを担当するイヴァン・オゴーマン氏と、オーストラリア認定コーチのニック・フォーマサ氏が来日。2名のプロフェッショナルコーチからのアドバイスを受けることの出来るまたとない機会となった。
レポーターである私が訪れたのは3日間の日程で行われた講習会の最終日。初日にはリトゥールのフィッティング哲学や映像を使用しながら、医学的なかなり深い部分に至るまでを座学で学んだという。
リトゥール最大の特徴は、下半身の動きの調整をメインとする従来のバイクフィットシステムを踏襲しながら、身体全体でのフィッティングを可能としていること。
ローラー台を使うフィッティングの前には身体の柔軟チェックやバランスを細くチェックし、さらに脚質や走る目的を質問していく。
これは一人として同じ身体をもたないライダーの骨格や筋力、柔軟性の特徴を捉えてフィッティングを行なうことで、長期間に渡って故障せず、かつ速いライドを可能とするとのこと。
そしてローラー台や、「ムーブ」と呼ばれる専用のフィッティング機材に乗った被験者は、マーカーハーネスと呼ばれるLED電極をライダーの各所に貼り付けていく。この電極を動きを専用のモーションキャプチャーで読み取り、PC画面上で表示することで、動きを数値としてデータ化する。瞬時にデータが取れるためフィッティングに掛かる時間を大幅に短縮できる。計測に掛かる時間はわずか1分弱ほどだった。
次に同社のジン・ ツールと呼ばれる計測器具を使用することにより、自転車と身体が触れる接点を画面上に表示することができ、現在のライディングポジションと理想値をグラフィック化し、両方をPC画面上で重ね合わせる。改善点が視覚的に理解できるため、受講者からも非常に分かりやすいとの声が多く聞かれた。また、提唱する数値は幅を持たせたものであって、さらに個人差によってその値を越えたフィッティングにも対応する柔軟さを備えていることも特徴だ。
また、現在開発中というFramefinderと呼ばれるシステムの紹介も行われた。リトゥールでは専門の担当者が市場に発表される全てのバイクの各サイズを計測しデータ化しているという。しかもバイクのみならず、各ブランドのステム、ハンドル、シートピラーなどパーツの計測までもを行い、PC上でベストなバイクとパーツの組み合わせを選ぶ事ができるという。
このシステムを使えば上級者はもちろんのこと、販売店にとってはバイク選びの基準を持っていないビギナーにも適切なバイク/パーツのお薦めができるというメリットがある。説明を聞いた受講者からは驚きの声が多く上がっていた。
3日間の講習のうち、2日目はロード・TTポジションのフィッティングについて実践練習を繰り返し行い、多くのフィードバックを得ながら技術を習得し、最終日となる3日目にはポジションの癖があるライダーに対しての、バイクのポジションを変更しない対処技術を学びながらフィッティングを練習していた。コーチのアドバイスを受けながら反復することで理解度を高め、受講した皆さんは貴重な時間を過ごすことができたようだ。全行程終了後には全員に修了証が送られた。
講習会終了後、参加した溝端祐一さん(シルベストトライアスロンクラブ代表&監督)は、「私はBG-FITのテクニシャンとして多くのフィッティング担当してきましたが、リトゥールは単にシューズにシムを加えたりするのみに留まらず、身体全体を見て答えを決めていくというのが興味深かったですね。被験者の感覚を重視するのがリトゥールの特徴で、フィッティングと言うよりかコーチングに近い印象を受けました。実際に身体の動きを数値ではっきりと見えるのが良いですね。感覚だけではわからない部分まで細く表示されるので、誰もが納得できると思います。最先端のシステムを受講でき、非常に良い経験になりました」と語ってくれた。
今回の講習会は、RETUL社と日本のBIKE FIT SYSTEMS社公認フィッティング組織「サンメリット」の主催によるもの。サンメリットの代表を務める伏見真希門(ふしみ・まきと)氏は、昨年韓国にて行われた同様の講座を受講し、日本人で初のRETUL公認プロバイクフィッターとなった人物。「今回講習会を開催し、とても良い手応えを感じることができました。受講した皆さんによって、より多くの方が快適な自転車ライフを送ってくれたら良いですね」と話す。
次回は3日間講師を務めた、ガーミンチームのフィッティングを担当するイヴァン・オゴーマン氏のインタビューをお届けする。
text&photo:So.Isobe
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