2012/01/08(日) - 10:16
472名の参加者が笑顔で駆け抜けた「石垣島アースライド2011」は翌日になってもまだまだ終わらない。翌月曜日はフェリーで島を渡り、オプショナルツアー「西表島アースライド」に参加した。自転車やボート、さらには水牛車にトランジットして島内観光を楽しんだ編集部の実走&旅レポートです。
強風に見舞われたアースライド石垣島が無事幕を閉じた翌11月20日の月曜日に、オプショナルツアー「西表島アースライド」が開催された。走行距離は約40kmで、島内観光を中心としたファンライドツアーだ。
東京から約2100kmの距離にある西表島で開催され、名実共に国内の最も南で開催されるサイクルイベントということになる。事前応募で、60名のツアー定員が早くからいっぱいになってしまい、キャンセル待ちまで出たというから人気の高さがうかがわれる。
フェリーで西表島へ。観光ファンライドツアーの始まりだ!
南国の島の朝は遅い。緯度が低いため、東京に比べて日の出が遅いのだ。前日強風の中を撮影機材を背負いながら125km走りきった私の体は全身筋肉痛で、ホテル出発時間の15分前になってもベッドから抜け出すのが辛く感じる程だ。正直、昨日の取材は草レースに出るより、よっぽどキツかったのだ。今日も背負うことを義務付けられたたっぷりの撮影機材が恨めしくすら思える。
眠たい目をこすりつつ出発の準備をし、ゲストの白戸さんとツアー参加者数人で、船の出る港まで向かう。もう7時近いと云うのに辺りは薄暗く、東京から遠く離れていることを意識させられた。スタートでは重たかった脚も、しばらく走ると軽くなり、快調に港へ到着した。
「今日はのんびりサイクリングですからね」という白戸さん。今朝も真っ暗なうちにしっかりと朝練したそうで、いやはや流石です。ツアーのために特別に用意された船に自転車を乗せ、いよいよ西表島へのショートトリップが始まった!
"西表島アースライド" が行われる西表島は、石垣島から南西へ30kmほどの距離にあって八重山諸島最大の面積を持つ。島の90%が手つかずの自然林で覆われ、イリオモテヤマネコなど独自の生態系を持つことでも知られている。
フェリーで約40分の船旅を終え、大原港へ到着した。前日と違って、今日は雲間からときおり太陽がのぞく天気。空調の効いたフェリーから外へ出ると、暖かな割に湿度は低めで、いかにも南国といった感じを受けた。
さっそく自転車の準備を整えて出発していく参加者の皆さん。最初は沖縄らしい美しい砂浜を持つことで知られている"南風見田(はえみだ)の浜"までの約7kmのショートライドだ。
西表島の島内には、信号がたったの2つ。当然コンビニも無ければ大きな建物も無い。
走行中は見渡す限り、牧草地やサトウキビ畑、そして遠目には原生林の広がる山がずっと広がり、そんなとてものんびりとした雰囲気を横目に楽しみながら車列が走る。
すると2車線の県道は途切れ、ジャングルのような中を走る。走っている細い道はかろうじて舗装されているのがやっとといった、これぞ離島といった趣だ。ついに道が終点となり、スニーカーに履き替えて砂浜を目指す。ジャングルのような林を抜けると、そこには視界いっぱいに広がる"南風見田の浜" が!
訪れた時は厚く雲がかかっていたために青い海とはならなかったが、それでも11月に海遊びができるなんて、このツアーに参加した人の特権である。
カニを捕まえたり記念写真を撮ったりと、ひとしきり海遊びを楽しんだ後は、次の目的地である由布島へのプチ山岳ライドへ向かった。
旅情ある水牛車で由布島へトリップ
石垣島もそうだが、山を中心にできている、ここ西表島の道路も例外なくアップダウンの連続である。南風見田の浜からわずか18kmの道のりだが、前日大変な思いをして走った脚には結構な勾配だ。今日は気温も上がっているので、半袖ジャージでも汗が流れてくる。上りの度に車列はバラけながらも、由布島への玄関口である美原へと到着した。
西表島に隣接する由布島は、歩いて一周しても約20分ほどの、砂が堆積してできた小さな島だ。遠浅の浜でつながっていて、昔ながらの水牛車に乗って行き来することができる。昔は島民も定住して栄えていたが、現在は植物園と水牛の楽園として観光客で賑わっているそうだ。
美原からは自転車から水牛車へとトランジットし、三線の音色を聞きながらガタゴトと遠浅の浜を進む。水牛車の運転手(?)さんによれば、潮が引いていれば自動車でもなんとか渡れるとのことで、白戸さんから「ここでシクロクロスレース開催したら面白そうだね。でも遠すぎて誰も来ないか!」なんて冗談が飛んでくる。
10分ほどで対岸に渡り、ここで皆さんお待ちかねの昼食タイムがやってきた。ラフテーやジーマミー豆腐など、八重山の郷土料理に舌鼓を打った後はのんびり島内の自由散策へ。私は砂浜で何も考えずに、ただぼーっと過ごしていました(仕事は?)。あぁ、なんて贅沢なんだろう!
南国を満喫し、ふと気付けばもう集合時間。また水牛車へ乗りこんでガタゴトガタゴト、バイクの待っている西表島へと戻っていくのでした。
"ホンモノ"のジャングルクルーズ 仲間川マングローブ遊覧ツアー
水牛車からバイクに乗り換えて帰り道。帰り道はガツンと上った後はひたすら下るルートなのでとっても気持ちがいい。白戸さんと一緒に、海へ飛び込むような爽快なダウンヒルを楽しみながら、ゴールの大原港へと到着した。
しかしこれで終わらないのがアースライドのスゴい所。今度は小さな遊覧船に乗り換えてマングローブ原生林を川から辿るジャングルクルーズへと向かう。
島の南側を流れる仲間川は延長約13kmで、流域はほぼマングローブが生い茂る原生林となっていて、西表石垣国立公園に指定されている。
約1時間半のクルーズ中、マングローブの群生がひたすら視界に広がっていた。ただ、このところの異常気や環境破壊などでマングローブの群生にも、少なからずダメージが出ている云う。私たちも自転車に乗る者として何か出来ることは無いのだろうか?
石垣島に戻る高速船に揺られながら、西に傾く夕日に目を奪われる。豊かな自然の大切さを改めて感じさせられながら、私の南国リゾートライドは幕を下ろした。
今回私が実走取材をさせていただくに当たり、多大な御協力を賜りましたアースライド実行委員会およびスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。できれば、次回も是非、私を名指しで呼んで下さいね。
text&photo:So.Isobe
edit:Kenji.Degawa
強風に見舞われたアースライド石垣島が無事幕を閉じた翌11月20日の月曜日に、オプショナルツアー「西表島アースライド」が開催された。走行距離は約40kmで、島内観光を中心としたファンライドツアーだ。
東京から約2100kmの距離にある西表島で開催され、名実共に国内の最も南で開催されるサイクルイベントということになる。事前応募で、60名のツアー定員が早くからいっぱいになってしまい、キャンセル待ちまで出たというから人気の高さがうかがわれる。
フェリーで西表島へ。観光ファンライドツアーの始まりだ!
南国の島の朝は遅い。緯度が低いため、東京に比べて日の出が遅いのだ。前日強風の中を撮影機材を背負いながら125km走りきった私の体は全身筋肉痛で、ホテル出発時間の15分前になってもベッドから抜け出すのが辛く感じる程だ。正直、昨日の取材は草レースに出るより、よっぽどキツかったのだ。今日も背負うことを義務付けられたたっぷりの撮影機材が恨めしくすら思える。
眠たい目をこすりつつ出発の準備をし、ゲストの白戸さんとツアー参加者数人で、船の出る港まで向かう。もう7時近いと云うのに辺りは薄暗く、東京から遠く離れていることを意識させられた。スタートでは重たかった脚も、しばらく走ると軽くなり、快調に港へ到着した。
「今日はのんびりサイクリングですからね」という白戸さん。今朝も真っ暗なうちにしっかりと朝練したそうで、いやはや流石です。ツアーのために特別に用意された船に自転車を乗せ、いよいよ西表島へのショートトリップが始まった!
"西表島アースライド" が行われる西表島は、石垣島から南西へ30kmほどの距離にあって八重山諸島最大の面積を持つ。島の90%が手つかずの自然林で覆われ、イリオモテヤマネコなど独自の生態系を持つことでも知られている。
フェリーで約40分の船旅を終え、大原港へ到着した。前日と違って、今日は雲間からときおり太陽がのぞく天気。空調の効いたフェリーから外へ出ると、暖かな割に湿度は低めで、いかにも南国といった感じを受けた。
さっそく自転車の準備を整えて出発していく参加者の皆さん。最初は沖縄らしい美しい砂浜を持つことで知られている"南風見田(はえみだ)の浜"までの約7kmのショートライドだ。
西表島の島内には、信号がたったの2つ。当然コンビニも無ければ大きな建物も無い。
走行中は見渡す限り、牧草地やサトウキビ畑、そして遠目には原生林の広がる山がずっと広がり、そんなとてものんびりとした雰囲気を横目に楽しみながら車列が走る。
すると2車線の県道は途切れ、ジャングルのような中を走る。走っている細い道はかろうじて舗装されているのがやっとといった、これぞ離島といった趣だ。ついに道が終点となり、スニーカーに履き替えて砂浜を目指す。ジャングルのような林を抜けると、そこには視界いっぱいに広がる"南風見田の浜" が!
訪れた時は厚く雲がかかっていたために青い海とはならなかったが、それでも11月に海遊びができるなんて、このツアーに参加した人の特権である。
カニを捕まえたり記念写真を撮ったりと、ひとしきり海遊びを楽しんだ後は、次の目的地である由布島へのプチ山岳ライドへ向かった。
旅情ある水牛車で由布島へトリップ
石垣島もそうだが、山を中心にできている、ここ西表島の道路も例外なくアップダウンの連続である。南風見田の浜からわずか18kmの道のりだが、前日大変な思いをして走った脚には結構な勾配だ。今日は気温も上がっているので、半袖ジャージでも汗が流れてくる。上りの度に車列はバラけながらも、由布島への玄関口である美原へと到着した。
西表島に隣接する由布島は、歩いて一周しても約20分ほどの、砂が堆積してできた小さな島だ。遠浅の浜でつながっていて、昔ながらの水牛車に乗って行き来することができる。昔は島民も定住して栄えていたが、現在は植物園と水牛の楽園として観光客で賑わっているそうだ。
美原からは自転車から水牛車へとトランジットし、三線の音色を聞きながらガタゴトと遠浅の浜を進む。水牛車の運転手(?)さんによれば、潮が引いていれば自動車でもなんとか渡れるとのことで、白戸さんから「ここでシクロクロスレース開催したら面白そうだね。でも遠すぎて誰も来ないか!」なんて冗談が飛んでくる。
10分ほどで対岸に渡り、ここで皆さんお待ちかねの昼食タイムがやってきた。ラフテーやジーマミー豆腐など、八重山の郷土料理に舌鼓を打った後はのんびり島内の自由散策へ。私は砂浜で何も考えずに、ただぼーっと過ごしていました(仕事は?)。あぁ、なんて贅沢なんだろう!
南国を満喫し、ふと気付けばもう集合時間。また水牛車へ乗りこんでガタゴトガタゴト、バイクの待っている西表島へと戻っていくのでした。
"ホンモノ"のジャングルクルーズ 仲間川マングローブ遊覧ツアー
水牛車からバイクに乗り換えて帰り道。帰り道はガツンと上った後はひたすら下るルートなのでとっても気持ちがいい。白戸さんと一緒に、海へ飛び込むような爽快なダウンヒルを楽しみながら、ゴールの大原港へと到着した。
しかしこれで終わらないのがアースライドのスゴい所。今度は小さな遊覧船に乗り換えてマングローブ原生林を川から辿るジャングルクルーズへと向かう。
島の南側を流れる仲間川は延長約13kmで、流域はほぼマングローブが生い茂る原生林となっていて、西表石垣国立公園に指定されている。
約1時間半のクルーズ中、マングローブの群生がひたすら視界に広がっていた。ただ、このところの異常気や環境破壊などでマングローブの群生にも、少なからずダメージが出ている云う。私たちも自転車に乗る者として何か出来ることは無いのだろうか?
石垣島に戻る高速船に揺られながら、西に傾く夕日に目を奪われる。豊かな自然の大切さを改めて感じさせられながら、私の南国リゾートライドは幕を下ろした。
今回私が実走取材をさせていただくに当たり、多大な御協力を賜りましたアースライド実行委員会およびスタッフの皆様に心より御礼申し上げます。できれば、次回も是非、私を名指しで呼んで下さいね。
text&photo:So.Isobe
edit:Kenji.Degawa
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