2011/07/09(土) - 12:49
今年もこの季節がやってきた「カクタスカップ in 峰の原」。一時は震災の影響で開催自体が危ぶまれる中、関係者たちの強い意思で開催された2日間。長野県峰の原高原には、いつにも増して楽しげな笑顔があふれていた。
6月18日(土)〜19日(日)の2日間、コラテックを扱うグローブライド株式会社が大会をバックアップする、恒例のカクタスカップが開催された。すでに15回目を迎えるという歴史あるMTBイベントだが、今年は震災を考慮してイベント自体を行なうべきかどうか、関係者の中で多くの検討が重ねられたという。
その結果「自分たちに出来ることは、自転車業界、レジャー業界を盛り上げ活性化させ、毎年この大会を楽しみにしている多くの愛好家の期待に応えること」という結論に達し、開催を決定した。
そんな関係者の思いが通じたのか、告知の期間が僅かだったにも関わらず、会場には家族連れや仲間同志でアットホームな高原のイベントを楽しもうと参加者が詰めかけた。
ビギナーでも楽しめるロングツーリング
初日に行なわれたロングツーリングは、高原の爽やかさを満喫するコース設定。メイン会場の峰の原高原スキー場をスタートしいくつかのアップダウンを攻略して、見晴らしのよい「愛妻の丘」を目指す、全て舗装路の約31kmのコース。
こうして書くと、まるで山岳の険しいルートに聞こえるが心配は無用。確かにアップダウンはあるけれど、ゆっくりとしたペースを保ち、途中に何度も休憩を挟みながら進んでいく。しかもマイクロバスが最後列に伴走しているので、仮に途中でギブアップしても大丈夫。目的地に着いたら絶景の見晴らしを見ながらお弁当を食べる、という予定だったのだが、今回はあいにくの天気となってしまい絶景は来年にお預け。
参加した全員は、無事に目的地にたどり着いた。
ロードコースとMTBコースに別れる、ヒルクライム
このイベントの特徴ともなっているのが、ロードとMTBクラスの2種目が開催されるヒルクライムレース。距離15.1km、標高差1,000mを一気に駆け上がる本格的なヒルクライムだ。ユニークなのはMTBクラスだけ、後半でダートロードに突入するところ。だからMTBクラスの参加者は、舗装路を重視するのか、オフロードを重視するのか、タイヤにも悩ましい選択を迫られることになる。
このヒルクライムには、コラテックのサポートを受けるMTBライダー斉藤亮選手が参加。参加者のみなさんと一緒になって、大会を楽しみ盛り上げていた。
ちなみに斉藤選手は、このカクタスカップの翌日に行なわれたJ2木島平大会に出場。その大会で気迫の走りを見せ、見事に優勝を飾った。そんなトップ選手と一緒に走れることも、カクタスカップの魅力といえる。
キッズレースは悪天候も吹っ飛ばす熱い戦い!
初日のゲレンデコースで行なわれたのは、キッズダウンヒルとキッズクロカン、それに親子で力を合わせて走る、親子レース。どれもキッズたちの熱い戦いが繰り広げられた。
会場は午後から霧と雨という山ならではの天候に見舞われながらも、子供たちは元気いっぱい全力投球!雨や寒さを吹き飛ばす勢いで、走り抜けていた。
もちろん、そんな子供たちを見守るパパやママの応援も全力投球。各クラス熱い戦いが繰り広げられた。
白熱した親子レースで初日を締めくくる
そして親子のチームワークが発揮されたのが、親子レース。
まずは子供たちがスタートしてコースを周回。そのあとはお父さんやお母さんにバトンタッチして、レースを走るという親子リレー方式でレースが進行。いたって単純なルールながら、これが異様に盛り上がった。
スタートを任された子供たちは真剣そのもの。それにも増して真剣なのは、スタートラインで到着を待つパパやママ。子供たちの頑張りに応えようと、とにかくみんなが必死に走る!終始白熱したレース展開となった。
会場は昼頃から降り出した雨で、あいにくの天候となった大会初日だが、早くも熱い走りで白熱したカクタスカップ。例年よりちょっとばかり少なめの参加人数でイベント数も少なくなったけど、アットホームな楽しさと、参加者の笑顔にかけては例年にひけをとらない楽しい大会初日となった。
新ロングコースを設定した5時間エンデューロ
いつもコース設定に工夫を凝らす、カクタスカップ。毎年コースディレクターを務める、チームコラテックの御子柴頼信さんのプロデュースのもと、地元ペンションのお父さんたちも総出でコースが作られる。
今年の目玉は、立体交差も設置された1周4.7kmの新しいロングクロカンコース。2日目はこのコースを利用した、5時間エンデューロが行なわれる。
ちなみに昨年は、ちょっと登りが長かったという個人的な感想をもっていたが、今年はそれも見事に解消。
程よく登って程よく下る新コースは、ゲレンデを上から大きく見下ろすパノラマビューこそ無くなったものの、その分ゲレンデを飛び出し駐車場の脇を抜け、隣りの遊歩道も上手く利用したコースが設定された。
林間とゲレンデを巧みに組み合わされたコースは、参加者にも攻略しがいのあるコースとなかなかの評判。
スピードが出過ぎないちょうどいい斜度なので、ビギナーでもマイペースで走りきれるところが、絶妙なコース設定。こんなところにも、楽しませることが大好きな御子柴さんや、地元の方たちの温かさが見え隠れするカクタスカップ。この辺がリピーターの多い秘密かもしれない。
コースの途中に設置された謎の箱。恒例のお楽しみ抽選会
エンデューロを走っていると、ピットエリアでもないのに、コースの途中で選手が立ち止まる場所が一カ所ある。選手たちは次々と、そこに置かれた箱の中身を探り出し、また走り去って行く。じつはこれ、カクタスカップ恒例の抽選箱。
ここで手にした抽選券を大会本部へ持って行くと、用意されたいろんな景品がもらえるお楽しみ企画。走っているときも、走り終わってからも楽しめる企画がカクタスカップらしいところ。
女将さんの手作り料理に舌鼓
カクタスカップは地元の峰の原町をあげて、毎年大会を盛り上げている。会場設営からコースの整備、もちろん当日の運営まで、ペンションのオーナーはじめ、地元の素晴らしい団結力で成り立っているのだ。
会場では、そんなペンションの女将さんたちによる手作り料理が毎年販売される。
今年は手作りケーキやおにぎりに、自家製チャーシューのサンドイッチ、そしてインド料理店も出店して終日美味しそうな香りが会場を包んでいた。
それに嬉しいのは、毎回大量に振る舞われる豚汁はなんと無料!しかもお代わりも自由とあって、今年も疲れたカラダにほっと温かいサービスが嬉しく思わず一杯。
ビギナーも、ベテランライダーも、どちらも楽しめるカクタスカップ。
もしMTBに興味を持ちながら、ちょっと躊躇しているというサイクリストがいれば、ぜひ一度参加してみることをお薦めしたい。こんなアットホームなイベントなら、MTBの楽しさにきっと目覚めることだろう。
なお同行取材したイベントなどは、追ってご紹介します。
text:Takashi Kayaba
photo:GLOBERIDE, Takashi Kayaba
6月18日(土)〜19日(日)の2日間、コラテックを扱うグローブライド株式会社が大会をバックアップする、恒例のカクタスカップが開催された。すでに15回目を迎えるという歴史あるMTBイベントだが、今年は震災を考慮してイベント自体を行なうべきかどうか、関係者の中で多くの検討が重ねられたという。
その結果「自分たちに出来ることは、自転車業界、レジャー業界を盛り上げ活性化させ、毎年この大会を楽しみにしている多くの愛好家の期待に応えること」という結論に達し、開催を決定した。
そんな関係者の思いが通じたのか、告知の期間が僅かだったにも関わらず、会場には家族連れや仲間同志でアットホームな高原のイベントを楽しもうと参加者が詰めかけた。
ビギナーでも楽しめるロングツーリング
初日に行なわれたロングツーリングは、高原の爽やかさを満喫するコース設定。メイン会場の峰の原高原スキー場をスタートしいくつかのアップダウンを攻略して、見晴らしのよい「愛妻の丘」を目指す、全て舗装路の約31kmのコース。
こうして書くと、まるで山岳の険しいルートに聞こえるが心配は無用。確かにアップダウンはあるけれど、ゆっくりとしたペースを保ち、途中に何度も休憩を挟みながら進んでいく。しかもマイクロバスが最後列に伴走しているので、仮に途中でギブアップしても大丈夫。目的地に着いたら絶景の見晴らしを見ながらお弁当を食べる、という予定だったのだが、今回はあいにくの天気となってしまい絶景は来年にお預け。
参加した全員は、無事に目的地にたどり着いた。
ロードコースとMTBコースに別れる、ヒルクライム
このイベントの特徴ともなっているのが、ロードとMTBクラスの2種目が開催されるヒルクライムレース。距離15.1km、標高差1,000mを一気に駆け上がる本格的なヒルクライムだ。ユニークなのはMTBクラスだけ、後半でダートロードに突入するところ。だからMTBクラスの参加者は、舗装路を重視するのか、オフロードを重視するのか、タイヤにも悩ましい選択を迫られることになる。
このヒルクライムには、コラテックのサポートを受けるMTBライダー斉藤亮選手が参加。参加者のみなさんと一緒になって、大会を楽しみ盛り上げていた。
ちなみに斉藤選手は、このカクタスカップの翌日に行なわれたJ2木島平大会に出場。その大会で気迫の走りを見せ、見事に優勝を飾った。そんなトップ選手と一緒に走れることも、カクタスカップの魅力といえる。
キッズレースは悪天候も吹っ飛ばす熱い戦い!
初日のゲレンデコースで行なわれたのは、キッズダウンヒルとキッズクロカン、それに親子で力を合わせて走る、親子レース。どれもキッズたちの熱い戦いが繰り広げられた。
会場は午後から霧と雨という山ならではの天候に見舞われながらも、子供たちは元気いっぱい全力投球!雨や寒さを吹き飛ばす勢いで、走り抜けていた。
もちろん、そんな子供たちを見守るパパやママの応援も全力投球。各クラス熱い戦いが繰り広げられた。
白熱した親子レースで初日を締めくくる
そして親子のチームワークが発揮されたのが、親子レース。
まずは子供たちがスタートしてコースを周回。そのあとはお父さんやお母さんにバトンタッチして、レースを走るという親子リレー方式でレースが進行。いたって単純なルールながら、これが異様に盛り上がった。
スタートを任された子供たちは真剣そのもの。それにも増して真剣なのは、スタートラインで到着を待つパパやママ。子供たちの頑張りに応えようと、とにかくみんなが必死に走る!終始白熱したレース展開となった。
会場は昼頃から降り出した雨で、あいにくの天候となった大会初日だが、早くも熱い走りで白熱したカクタスカップ。例年よりちょっとばかり少なめの参加人数でイベント数も少なくなったけど、アットホームな楽しさと、参加者の笑顔にかけては例年にひけをとらない楽しい大会初日となった。
新ロングコースを設定した5時間エンデューロ
いつもコース設定に工夫を凝らす、カクタスカップ。毎年コースディレクターを務める、チームコラテックの御子柴頼信さんのプロデュースのもと、地元ペンションのお父さんたちも総出でコースが作られる。
今年の目玉は、立体交差も設置された1周4.7kmの新しいロングクロカンコース。2日目はこのコースを利用した、5時間エンデューロが行なわれる。
ちなみに昨年は、ちょっと登りが長かったという個人的な感想をもっていたが、今年はそれも見事に解消。
程よく登って程よく下る新コースは、ゲレンデを上から大きく見下ろすパノラマビューこそ無くなったものの、その分ゲレンデを飛び出し駐車場の脇を抜け、隣りの遊歩道も上手く利用したコースが設定された。
林間とゲレンデを巧みに組み合わされたコースは、参加者にも攻略しがいのあるコースとなかなかの評判。
スピードが出過ぎないちょうどいい斜度なので、ビギナーでもマイペースで走りきれるところが、絶妙なコース設定。こんなところにも、楽しませることが大好きな御子柴さんや、地元の方たちの温かさが見え隠れするカクタスカップ。この辺がリピーターの多い秘密かもしれない。
コースの途中に設置された謎の箱。恒例のお楽しみ抽選会
エンデューロを走っていると、ピットエリアでもないのに、コースの途中で選手が立ち止まる場所が一カ所ある。選手たちは次々と、そこに置かれた箱の中身を探り出し、また走り去って行く。じつはこれ、カクタスカップ恒例の抽選箱。
ここで手にした抽選券を大会本部へ持って行くと、用意されたいろんな景品がもらえるお楽しみ企画。走っているときも、走り終わってからも楽しめる企画がカクタスカップらしいところ。
女将さんの手作り料理に舌鼓
カクタスカップは地元の峰の原町をあげて、毎年大会を盛り上げている。会場設営からコースの整備、もちろん当日の運営まで、ペンションのオーナーはじめ、地元の素晴らしい団結力で成り立っているのだ。
会場では、そんなペンションの女将さんたちによる手作り料理が毎年販売される。
今年は手作りケーキやおにぎりに、自家製チャーシューのサンドイッチ、そしてインド料理店も出店して終日美味しそうな香りが会場を包んでいた。
それに嬉しいのは、毎回大量に振る舞われる豚汁はなんと無料!しかもお代わりも自由とあって、今年も疲れたカラダにほっと温かいサービスが嬉しく思わず一杯。
ビギナーも、ベテランライダーも、どちらも楽しめるカクタスカップ。
もしMTBに興味を持ちながら、ちょっと躊躇しているというサイクリストがいれば、ぜひ一度参加してみることをお薦めしたい。こんなアットホームなイベントなら、MTBの楽しさにきっと目覚めることだろう。
なお同行取材したイベントなどは、追ってご紹介します。
text:Takashi Kayaba
photo:GLOBERIDE, Takashi Kayaba
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