2021/11/16(火) - 17:48
ここ数年でどんどん市民権を得つつあるE-BIKE。その中でもある意味でもっともE-BIKEらしい楽しみ方を満喫できるのが、下りこそが楽しいとされるMTBと登りを苦にしないE-BIKEのメリットを掛け合わせたE-MTB。今回、スペシャライズドが企画した小田原の町を舞台にE-MTBの魅力を堪能できるライドのレポートをお届けしよう。
戦国の梟雄、北条氏縁の地である小田原。関東きっての観光地である箱根の入り口でもあり、都内からもアクセス良好。相模湾と箱根、丹沢の山々に囲まれた自然豊かなロケーションと、積み重ねられた歴史の息吹が同居するユニークな土地だ。そんな小田原の町を満喫する手段としてE-MTBにフォーカスしたライドツアーがスペシャライズドジャパンによって開催された。
集合場所となったのは、小田原駅から徒歩すぐの温泉施設「万葉の湯」。こちらのロッカーに荷物を預けたら地下へと来てください、というスタッフに従ってエレベーターへ。地下駐車場の一角に、ずらりと並べられていたのはスペシャライズドの誇るE-MTB、Levo SL。
超軽量なSL1.1パワーユニットによって、カーボンモデルであればペダルバイクのダウンヒルモデルと遜色ないほどの重量でありながら、パワフルなアシストの恩恵を受けられるLevo SLシリーズ。わかりやすくいうならば、MTBの醍醐味である「自転車を操る楽しさ」をスポイルすることなく、登りも苦にならないという、MTBライダーにとって理想的な性能で大ヒット中のE-MTBだ。
航続距離も長く、外付けの拡張バッテリーである「レンジエクステンダー」を併用することで、最大5時間のライドが可能。1日山を走り回っても安心できるバッテリー容量が用意されている。ちなみに、現在カーボンモデルの購入者を対象としたレンジエクステンダーのプレゼントキャンペーンを実施中だ。(※詳細はこちらから)
そんなLevo SLに乗って、早速小田原の町へと飛び出した。とはいえ、結構早めの集合だったこともあり、みなさん小腹がすいてるでしょうということで、軽く腹ごしらえに。普段のライドであればコンビニおにぎりなんかで誤魔化しているところであるが、今回連れて行ってもらったのは小田原名物のかまぼこ屋が立ち並ぶ「かまぼこ通り」。
小田原かまぼこというと鈴廣などが有名どころだけれども、今回御邪魔したのは小田原かまぼこ発祥の店という鱗吉(うろこき)さん。天明元年(1781年)創業という老舗で名物の「じねんじょ棒」を頂いた。
神奈川・大山産の自然薯を4割、白身魚を6割の配分で練り込んだすり身を揚げたあつあつの一本で、外はカリっと中はふわっふわ。この食感だけでもほぼ優勝まったなしなのに、ぴりっとした胡椒の風味が魚のうま味を引きたてる。このじねんじょ棒はテイクアウト限定ということで、まさにご当地グルメと呼ぶにふさわしい一品。サイクリスト目線でも、しっかりたんぱく質を取れるすり身揚げは栄養バランス的にも魅力的。
さて、小腹を満たしたら移動開始。ある意味当然ではあるが、かまぼこ通りは漁港も近く、ほぼ海抜ゼロ地点からスタート。小田原競輪場の横を通りすぎ、どんどん標高を上げていく。そう、今日のメインディッシュとなるのは小田原のMTBフィールド、フォレストバイクだ。海の幸を頂いた後に、山遊びであるトレイルライドへ向かうというのは海と山がすぐそばにある小田原らしい行程。
走行距離にすると約5kmほど。とはいえその間に200mほどの標高を稼ぐ登りはかなりキツイ。ところどころには10%を超える区間も登場し、特に最後の登りはかなりのレベルの激坂である。だが、Levo SLにかかれば息が上がることもなく、会話しながら楽しくクリア。しかも、登り切る眼下に相模湾を望む絶景のご褒美まで。
このフォレストバイクはオーストラリアでプロのトレイルビルダーとして活躍してきた浦島 悠太さんによる国内初のソロ作品のフロートレイルである「浦島トレイル」が有名なMTB専用コース。ちなみにフロートレイル、という言葉が耳慣れない方も多いと思うので説明しておこう。
トレイル、と聞いて一般的に想像するのは登山道やハイキングコースではないだろうか?階段があったり、木の根が沢山露出していたり、岩場があったりとガタガタ路面で、普通の方は自転車で走ろうと思わないような。
一方、フロートレイルはその名の通り滑らかで段差は少ない路面で、MTBの楽しさである縦横の3D感のある動きを安全に、どんなレベルの人でも楽しめるように作り込まれたコース。MTB先進国である欧米でもフロートレイルが主流で、入口として非常に大きな役割を果たしているという。
そんな本場仕込みのトレイルディガー(トレイルを作る人)である浦島さんによる初中級者向けのフロートレイルを手軽に楽しめるのがこのフォレストバイク。富士見パノラマや白馬岩岳のようにリフトがあるようなスキーゲレンデに設置された大規模コースではないけれど、自走でピークまで行き、下ってくるというマウンテンバイキングの王道をだれでも楽しめる、そして通年営業している点や都心からのアクセスも良好という点で、多くのマウンテンバイカーから人気を集めているスポットだ。
フォレストバイクで遊ぶには、誰でもA-1講習という初回講習を受ける必要がある。基本的な乗り方に加え、コースの案内を含む講習会だ。ちなみに経験者向けの講習として、バニーホップやジャンプといったスキルアップ講習会も実施しており、レベルアップしたいライダーにもうってつけ。
今回のライドではMTBが初めてという人もちらほら。でも、そんなことを感じさせないのは笑顔が沢山だから。浦島トレイルをひとしきり満喫したら、昨年オープンしたニンジャトレイルへも足を延ばそう。下りが長い分、登り返しも長いけどLevoなら全然苦にならない。E-MTBなら体力を温存したまま何度も反復できるので練習にもピッタリで、上達速度も速いはず。
ひとしきり遊んだら再び小田原の町へ戻り、万葉の湯の目の前にある「サカナキュイジーヌ RYO」にてランチタイム。地場の魚を活かした刺身と天ぷら御膳に舌鼓。これであとは万葉の湯でひと汗流せば、お昼すぎには帰ってこれる完璧な半日ライドプランだなー、なんて思っていると、「ライド後にはスイーツとコーヒーが欲しいですよね!」というご提案が。
そんな魅力的な提案に乗らない人がいようか、というわけで再び万葉の湯から再スタート。そもそも自分は半日ライドだといって、別に午後から用事があるような充実した毎日を送っているようなキャラではない。自転車に乗るなら一日遊んだほうが楽しいに決まっているではないか。
良いカフェがあるんですよ、という先導のもとスタートしたアフタヌーンカフェライドは、小田原漁港をチラ見しつつ、気づけば結構な登り坂に。下に目を落とすと、路面は〇〇〇〇〇〇な模様に覆われている(※伏字じゃないです、滑り止めの円形の凹みのことです)。
途中には箱根ヒルクライムにも使われるターンパイクを下に眺めるこのコースは、小田原攻めの際に豊臣秀吉が築城した石垣山城へ向けて登る道。1.8kmで194mを登り、平均斜度10.6%というまごうことなき激坂である。
「おすすめのカフェがあるんですよー」と笑顔で言われてこのコースがお出しされたら、ゆるポタ詐欺なんてレベルではなく、普通は「話が違うのでは!!??」とブチギレ、いやなんとなれば酸素不足でそんな怒りも湧いてこないレベルの完全なだまし討ちである。だが、私たちが今乗っているのはLevo SL。至って心(拍)穏かに「どんなカフェなんですかねー、楽しみですねー」なんて長閑な世間話をしていられるのである。
コース途中には小田原攻めに参集した武将たちを紹介する看板が立てられており、標高が上がるにつれて誰もが知るビッグネームになっていく。つまり、秀吉の紹介板が見えたらほぼゴール。右手に一夜城の今なお残る石垣が、左手に目的地である「一夜城ヨロイヅカファーム」がある。
平日だというのに駐車場は8割程度埋まっており、人気スポットだと一目でわかる一夜城ヨロイヅカファームは、日本屈指のパティシエである鎧塚俊彦が手掛けるカフェレストラン。地産地消を掲げ、2000坪の農園で様々なフルーツや野菜を栽培しているのだという。
ケーキやシュークリーム、コーヒーに紅茶、各々気になる一品を頂きつつ、絶景眺むるテラス席で一服。甘味を満喫したら、再び小田原の町へとダウンヒル。小田原城もしっかりばっちり見えており、北条氏の動向も手に取るようにわかるのだろうな、と納得。こんな位置に総石垣の堅牢な山城が出来てしまっては、降伏待ったなしである。石垣城へ登って攻め入るのは大変だろうが、下って小田原城へ攻勢をかけるのはさぞ楽だろう、と体感できるのはサイクルツーリズムの醍醐味。
そして、あっという間に万葉の湯へと到着。一日遊んだ汗を流してさっぱり出来るのも最高だ。今回はレンタルバイクだったので、気兼ねなく一杯やれるのも左党にとっては嬉しいはず。車で周ると小回りも効かないし、渋滞だってストレスだ。
それならロマンスカーで小田原に来て、E-MTBであちこち周る、というほうが体も動かせて一石二鳥。現在、フォレストバイクでLevo SLのレンタルサービスを行っているけれど、駅前から利用できれば今回のような楽しみ方も広がりそう。ぜひ、今後の展開に期待したいところだ。
text&photo:Naoki.Yasuoka
戦国の梟雄、北条氏縁の地である小田原。関東きっての観光地である箱根の入り口でもあり、都内からもアクセス良好。相模湾と箱根、丹沢の山々に囲まれた自然豊かなロケーションと、積み重ねられた歴史の息吹が同居するユニークな土地だ。そんな小田原の町を満喫する手段としてE-MTBにフォーカスしたライドツアーがスペシャライズドジャパンによって開催された。
集合場所となったのは、小田原駅から徒歩すぐの温泉施設「万葉の湯」。こちらのロッカーに荷物を預けたら地下へと来てください、というスタッフに従ってエレベーターへ。地下駐車場の一角に、ずらりと並べられていたのはスペシャライズドの誇るE-MTB、Levo SL。
超軽量なSL1.1パワーユニットによって、カーボンモデルであればペダルバイクのダウンヒルモデルと遜色ないほどの重量でありながら、パワフルなアシストの恩恵を受けられるLevo SLシリーズ。わかりやすくいうならば、MTBの醍醐味である「自転車を操る楽しさ」をスポイルすることなく、登りも苦にならないという、MTBライダーにとって理想的な性能で大ヒット中のE-MTBだ。
航続距離も長く、外付けの拡張バッテリーである「レンジエクステンダー」を併用することで、最大5時間のライドが可能。1日山を走り回っても安心できるバッテリー容量が用意されている。ちなみに、現在カーボンモデルの購入者を対象としたレンジエクステンダーのプレゼントキャンペーンを実施中だ。(※詳細はこちらから)
そんなLevo SLに乗って、早速小田原の町へと飛び出した。とはいえ、結構早めの集合だったこともあり、みなさん小腹がすいてるでしょうということで、軽く腹ごしらえに。普段のライドであればコンビニおにぎりなんかで誤魔化しているところであるが、今回連れて行ってもらったのは小田原名物のかまぼこ屋が立ち並ぶ「かまぼこ通り」。
小田原かまぼこというと鈴廣などが有名どころだけれども、今回御邪魔したのは小田原かまぼこ発祥の店という鱗吉(うろこき)さん。天明元年(1781年)創業という老舗で名物の「じねんじょ棒」を頂いた。
神奈川・大山産の自然薯を4割、白身魚を6割の配分で練り込んだすり身を揚げたあつあつの一本で、外はカリっと中はふわっふわ。この食感だけでもほぼ優勝まったなしなのに、ぴりっとした胡椒の風味が魚のうま味を引きたてる。このじねんじょ棒はテイクアウト限定ということで、まさにご当地グルメと呼ぶにふさわしい一品。サイクリスト目線でも、しっかりたんぱく質を取れるすり身揚げは栄養バランス的にも魅力的。
さて、小腹を満たしたら移動開始。ある意味当然ではあるが、かまぼこ通りは漁港も近く、ほぼ海抜ゼロ地点からスタート。小田原競輪場の横を通りすぎ、どんどん標高を上げていく。そう、今日のメインディッシュとなるのは小田原のMTBフィールド、フォレストバイクだ。海の幸を頂いた後に、山遊びであるトレイルライドへ向かうというのは海と山がすぐそばにある小田原らしい行程。
走行距離にすると約5kmほど。とはいえその間に200mほどの標高を稼ぐ登りはかなりキツイ。ところどころには10%を超える区間も登場し、特に最後の登りはかなりのレベルの激坂である。だが、Levo SLにかかれば息が上がることもなく、会話しながら楽しくクリア。しかも、登り切る眼下に相模湾を望む絶景のご褒美まで。
このフォレストバイクはオーストラリアでプロのトレイルビルダーとして活躍してきた浦島 悠太さんによる国内初のソロ作品のフロートレイルである「浦島トレイル」が有名なMTB専用コース。ちなみにフロートレイル、という言葉が耳慣れない方も多いと思うので説明しておこう。
トレイル、と聞いて一般的に想像するのは登山道やハイキングコースではないだろうか?階段があったり、木の根が沢山露出していたり、岩場があったりとガタガタ路面で、普通の方は自転車で走ろうと思わないような。
一方、フロートレイルはその名の通り滑らかで段差は少ない路面で、MTBの楽しさである縦横の3D感のある動きを安全に、どんなレベルの人でも楽しめるように作り込まれたコース。MTB先進国である欧米でもフロートレイルが主流で、入口として非常に大きな役割を果たしているという。
そんな本場仕込みのトレイルディガー(トレイルを作る人)である浦島さんによる初中級者向けのフロートレイルを手軽に楽しめるのがこのフォレストバイク。富士見パノラマや白馬岩岳のようにリフトがあるようなスキーゲレンデに設置された大規模コースではないけれど、自走でピークまで行き、下ってくるというマウンテンバイキングの王道をだれでも楽しめる、そして通年営業している点や都心からのアクセスも良好という点で、多くのマウンテンバイカーから人気を集めているスポットだ。
フォレストバイクで遊ぶには、誰でもA-1講習という初回講習を受ける必要がある。基本的な乗り方に加え、コースの案内を含む講習会だ。ちなみに経験者向けの講習として、バニーホップやジャンプといったスキルアップ講習会も実施しており、レベルアップしたいライダーにもうってつけ。
今回のライドではMTBが初めてという人もちらほら。でも、そんなことを感じさせないのは笑顔が沢山だから。浦島トレイルをひとしきり満喫したら、昨年オープンしたニンジャトレイルへも足を延ばそう。下りが長い分、登り返しも長いけどLevoなら全然苦にならない。E-MTBなら体力を温存したまま何度も反復できるので練習にもピッタリで、上達速度も速いはず。
ひとしきり遊んだら再び小田原の町へ戻り、万葉の湯の目の前にある「サカナキュイジーヌ RYO」にてランチタイム。地場の魚を活かした刺身と天ぷら御膳に舌鼓。これであとは万葉の湯でひと汗流せば、お昼すぎには帰ってこれる完璧な半日ライドプランだなー、なんて思っていると、「ライド後にはスイーツとコーヒーが欲しいですよね!」というご提案が。
そんな魅力的な提案に乗らない人がいようか、というわけで再び万葉の湯から再スタート。そもそも自分は半日ライドだといって、別に午後から用事があるような充実した毎日を送っているようなキャラではない。自転車に乗るなら一日遊んだほうが楽しいに決まっているではないか。
良いカフェがあるんですよ、という先導のもとスタートしたアフタヌーンカフェライドは、小田原漁港をチラ見しつつ、気づけば結構な登り坂に。下に目を落とすと、路面は〇〇〇〇〇〇な模様に覆われている(※伏字じゃないです、滑り止めの円形の凹みのことです)。
途中には箱根ヒルクライムにも使われるターンパイクを下に眺めるこのコースは、小田原攻めの際に豊臣秀吉が築城した石垣山城へ向けて登る道。1.8kmで194mを登り、平均斜度10.6%というまごうことなき激坂である。
「おすすめのカフェがあるんですよー」と笑顔で言われてこのコースがお出しされたら、ゆるポタ詐欺なんてレベルではなく、普通は「話が違うのでは!!??」とブチギレ、いやなんとなれば酸素不足でそんな怒りも湧いてこないレベルの完全なだまし討ちである。だが、私たちが今乗っているのはLevo SL。至って心(拍)穏かに「どんなカフェなんですかねー、楽しみですねー」なんて長閑な世間話をしていられるのである。
コース途中には小田原攻めに参集した武将たちを紹介する看板が立てられており、標高が上がるにつれて誰もが知るビッグネームになっていく。つまり、秀吉の紹介板が見えたらほぼゴール。右手に一夜城の今なお残る石垣が、左手に目的地である「一夜城ヨロイヅカファーム」がある。
平日だというのに駐車場は8割程度埋まっており、人気スポットだと一目でわかる一夜城ヨロイヅカファームは、日本屈指のパティシエである鎧塚俊彦が手掛けるカフェレストラン。地産地消を掲げ、2000坪の農園で様々なフルーツや野菜を栽培しているのだという。
ケーキやシュークリーム、コーヒーに紅茶、各々気になる一品を頂きつつ、絶景眺むるテラス席で一服。甘味を満喫したら、再び小田原の町へとダウンヒル。小田原城もしっかりばっちり見えており、北条氏の動向も手に取るようにわかるのだろうな、と納得。こんな位置に総石垣の堅牢な山城が出来てしまっては、降伏待ったなしである。石垣城へ登って攻め入るのは大変だろうが、下って小田原城へ攻勢をかけるのはさぞ楽だろう、と体感できるのはサイクルツーリズムの醍醐味。
そして、あっという間に万葉の湯へと到着。一日遊んだ汗を流してさっぱり出来るのも最高だ。今回はレンタルバイクだったので、気兼ねなく一杯やれるのも左党にとっては嬉しいはず。車で周ると小回りも効かないし、渋滞だってストレスだ。
それならロマンスカーで小田原に来て、E-MTBであちこち周る、というほうが体も動かせて一石二鳥。現在、フォレストバイクでLevo SLのレンタルサービスを行っているけれど、駅前から利用できれば今回のような楽しみ方も広がりそう。ぜひ、今後の展開に期待したいところだ。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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