2021/07/22(木) - 09:09
立ちふさがる激坂。過酷な下り。難攻不落の飯山城。照り付ける陽射し。ランチ会場に響き渡る無情なアナウンス。既にオーバーしている出発目安時間。なにもかも予想不可能なMADURO。果たしてフルコースを走り切れるのか。編集部員ヤスオカの明日はどっちだ。(※前編はこちらから)
仲間と一緒にランチタイム!
シナノユキマスのから揚げをメインとしたランチ弁当
「午後ループを完走したい人は11時までにスタートしてくださーい」そういわれてバックポケットから取り出したスマホには、11:25と映し出されている。しかし周りを見ると結構皆さんゆっくり食べられているし、なんならどんどん会場に人が戻ってきている。いや、まだチャンスはあるんじゃないか?と一縷の望みを託し、ランチも程々に再出発。
とはいえ既に午前ループで満身創痍。ここでこんなこともあろうかと用意した秘密兵器を車から引っ張り出し、午後のループへと臨むのだった。え、もったいぶるなって?はい、ご想像通り、E-MTBでございます。出発前に我らがメタボ会長に土下座し、トレックのRailをどうにか借りてきたのである。
後半ループ、一旦上った後はフラットなダートを行く
今回後半最高の相棒となったRail5
残り35㎞、全て登りということは無いので、常に最大アシストでも電池切れの心配はゼロ。高トルクのボッシュユニットの恩恵を最大限に受けながら序盤のゲレンデ激坂区間をクリア。押し歩く皆さんを抜かしながら、心の中で(し、仕事なんで……)と言い訳をしてしまうが、実はこのMADURO、車両規定にE-BIKE禁止とは書かれていないので実は合法なのである。悔しかったらE-BIKEを買ってください!(※ダイレクトマーケティング)来年禁止になっても責任は持てませんが……。
ちなみにRailは前後160mmトラベルかつE-MTBのどっしりとした重心の低さもあり、水の流れた跡が掘れているようなダート林道の下りでも全く怖くない。グラベルバイクに対してのビハインドは平坦しかないので、アップダウンの激しい斑尾グラベルにはベストマッチと言えよう(笑)
午後ループの関門、ショートカットコースへ案内されてしまう
途中にある倒木を担いでクリアしていく
しかし、そんなE-MTBをもってしても、関門制限時間には間に合わず。あえなくショートカットコースへと誘導されることに。本来であれば野尻湖まで下り、もう一度登ってくるコースなのだが、ショートカットコースは中腹をそのまま走っていく。
ちなみに関門スタッフによると、フルコースへ進めたのはなんと9名のみなんだとか。そりゃ取材をしながらでは無理である。むしろ大多数の参加者にとってはショートカットコースこそがMADURO体験であり、イベントレポートという意味では関門に引っ掛かっている方が実態に即したものとなるはずだ。言い訳って言わないでください……。
途中には野尻湖を見下ろす区間
タングラム斑尾の前を登っていく
倒木を越えた先に現れた、眼下に野尻湖を一望する絶景スポットでは、「あそこまで下らなくて良かった……」とショートカットコースに回された参加者同士で盛り上がる(笑)。
ダート林道を下り切ると、タングラム斑尾のあたりで舗装路に合流し、しばしのオンロードヒルクライム。このまま舗装路で斑尾高原へと向かうのかと思いきや、万坂峠(考えてみれば恐ろしい名前である)の頂上でスタッフさんがトレイルの入り口へと手招きしている。
万坂峠の頂上からSS2へと登っていく
デスクライムを押し歩いていく
デスクライムをタングラム斑尾をバックに押し歩いていく
「この先がSS2ですよ!頑張って!」と笑顔で応援してくれるスタッフさんの示す先には、壁のような坂道が。どうやらこれが、初回GRINDUROで多くの人をサドルの上から撃墜した「DEATH CRIMB」、その完全体らしい。心底、E-MTBを持ってきて良かった、と思ったが、いざ登り始めると攣りかけの脚ではE-MTBですら結構キツイ。しかし降りてしまえばむしろただただ重いのがE-BIKEである。どうにかSS2のスタート地点まで登ると、そこにはスタート前に息を整えるために止まった皆さんが。
スタート地点の先に目をやると、その先でも押し歩いている人の姿が。エンデューロイベントなどでSSと言えば、下り区間と相場が決まっているものだから、スタート地点からは下るだけ、と思っていた人も多かったよう。それは心も折れるというものである。
SS2を勢いよくスタート
SSをスタートして早速担ぐ方も
フィニッシュゲートをくぐる参加者
とはいえ、走り出さないとゴール出来ないのも事実。なんとか一人、また一人とスタートし、最後の壁へと挑戦していく。皆さんの雄姿を撮影した後、私もスタート。E-MTBの本領を発揮させ、歩く人に「なんかすみません」と謝りつつ登り切ると、その先は気持ちいい下り区間に。最終区間は斑尾グラベルバイクパークとして整備されているフローなコースを楽しみ、この日3度目のメイン会場へ駆け込んだ。
フィニッシュ後には、スパイスカレーをメインにしたディナープレートがふるまわれ、クラフトビールの販売も。ハンドルキーパーにはノンアルコールビールも用意されており、今日一日の奮闘を仲間の皆さんと称えあうひと時となった。
走り切った仲間と健闘を称えあう
総合成績表彰式
フルコースを完走した9名のサイクリスト
会場にケータリングサービスを展開していたグッドマウンテンカフェ
マックオフのバイクウォッシュを使って洗車できるブース
75kmお疲れ様でした!カンパーイ!
ディナータイムにはライブも行われました。
飯山エリアの木材を使った入賞景品
スパイスカレーを中心にしたディナープレート
幻となった第1回GRINDUROジャパンのフルコースを使用し、斑尾に広がるトレイル環境の奥深さを体験できたMADURO。「グラベルイベント」と銘打たれているものの、個人的な感想で言えば王滝や松野四万十といったXCマラソンイベント並み、あるいはそれ以上のコース難易度で、個人の技量やスタイル次第でグラベルバイクからフルサスXCバイクまで楽しめる懐の深いイベントだ。もちろんレギュレーション次第だが、E-MTBであれば体力に自信のない人であっても、最高にファンな体験が出来るだろう。
「斑尾をグラベルの聖地に」というスローガンは決してカタチだけのものではない。グラベルバイクパークの他にも、斑尾には魅力的なコースが張り巡らされている。今秋開催予定のGRINDUROが今か今かと待ち遠しい。
斑尾の材木を利用した優勝メダル(?)
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「午後ループを完走したい人は11時までにスタートしてくださーい」そういわれてバックポケットから取り出したスマホには、11:25と映し出されている。しかし周りを見ると結構皆さんゆっくり食べられているし、なんならどんどん会場に人が戻ってきている。いや、まだチャンスはあるんじゃないか?と一縷の望みを託し、ランチも程々に再出発。
とはいえ既に午前ループで満身創痍。ここでこんなこともあろうかと用意した秘密兵器を車から引っ張り出し、午後のループへと臨むのだった。え、もったいぶるなって?はい、ご想像通り、E-MTBでございます。出発前に我らがメタボ会長に土下座し、トレックのRailをどうにか借りてきたのである。
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残り35㎞、全て登りということは無いので、常に最大アシストでも電池切れの心配はゼロ。高トルクのボッシュユニットの恩恵を最大限に受けながら序盤のゲレンデ激坂区間をクリア。押し歩く皆さんを抜かしながら、心の中で(し、仕事なんで……)と言い訳をしてしまうが、実はこのMADURO、車両規定にE-BIKE禁止とは書かれていないので実は合法なのである。悔しかったらE-BIKEを買ってください!(※ダイレクトマーケティング)来年禁止になっても責任は持てませんが……。
ちなみにRailは前後160mmトラベルかつE-MTBのどっしりとした重心の低さもあり、水の流れた跡が掘れているようなダート林道の下りでも全く怖くない。グラベルバイクに対してのビハインドは平坦しかないので、アップダウンの激しい斑尾グラベルにはベストマッチと言えよう(笑)
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しかし、そんなE-MTBをもってしても、関門制限時間には間に合わず。あえなくショートカットコースへと誘導されることに。本来であれば野尻湖まで下り、もう一度登ってくるコースなのだが、ショートカットコースは中腹をそのまま走っていく。
ちなみに関門スタッフによると、フルコースへ進めたのはなんと9名のみなんだとか。そりゃ取材をしながらでは無理である。むしろ大多数の参加者にとってはショートカットコースこそがMADURO体験であり、イベントレポートという意味では関門に引っ掛かっている方が実態に即したものとなるはずだ。言い訳って言わないでください……。
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ダート林道を下り切ると、タングラム斑尾のあたりで舗装路に合流し、しばしのオンロードヒルクライム。このまま舗装路で斑尾高原へと向かうのかと思いきや、万坂峠(考えてみれば恐ろしい名前である)の頂上でスタッフさんがトレイルの入り口へと手招きしている。
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スタート地点の先に目をやると、その先でも押し歩いている人の姿が。エンデューロイベントなどでSSと言えば、下り区間と相場が決まっているものだから、スタート地点からは下るだけ、と思っていた人も多かったよう。それは心も折れるというものである。
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フィニッシュ後には、スパイスカレーをメインにしたディナープレートがふるまわれ、クラフトビールの販売も。ハンドルキーパーにはノンアルコールビールも用意されており、今日一日の奮闘を仲間の皆さんと称えあうひと時となった。
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幻となった第1回GRINDUROジャパンのフルコースを使用し、斑尾に広がるトレイル環境の奥深さを体験できたMADURO。「グラベルイベント」と銘打たれているものの、個人的な感想で言えば王滝や松野四万十といったXCマラソンイベント並み、あるいはそれ以上のコース難易度で、個人の技量やスタイル次第でグラベルバイクからフルサスXCバイクまで楽しめる懐の深いイベントだ。もちろんレギュレーション次第だが、E-MTBであれば体力に自信のない人であっても、最高にファンな体験が出来るだろう。
「斑尾をグラベルの聖地に」というスローガンは決してカタチだけのものではない。グラベルバイクパークの他にも、斑尾には魅力的なコースが張り巡らされている。今秋開催予定のGRINDUROが今か今かと待ち遠しい。
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