自転車と鉄道、二つを愛する「テツ店長」ことバイクプラス多摩センターの河井孝介さんの輪行サイクリング紀行。九州へと遠征したレポートの後編をお届けします。(※前編はこちらから



みなさんご無沙汰しております!

未だ治まらないコロナ禍で、なかなか遠出するのも難しい今日この頃、最近はもっぱらアフターコロナの計画を練ることで気を紛らわせているテツ店長です(-_-)

前回からかなり時間が空いてしまい、もう1年以上前の輪行レポートとなりますが、あらためて見なおすと、当時はマスクも無しで自由で良かったなぁなどと、今さらながら平和な時代を懐かしく思えてしまいます。また心おきなく旅ができる日が戻ってくることを心より祈りながら、前回の旅の続きをレポートしてゆきましょう!

今回はシリーズ初の九州上陸になります。フェリーで一夜を過ごしたテツ店長の、滞在時間13時間の九州弾丸輪行紀行をぜひお楽しみください(笑)

船上で日の出を迎える清々しい朝船上で日の出を迎える清々しい朝 photo:Kosuke.Kawai
フェリーの朝は早い!大分港到着予定6:20ということで、はやる気持ちを抑えられず5時過ぎに目が覚めてしまったので、まずは外の空気を吸いに外に出てみましたが…

穏やかな海面から現れたのは、まさに旭日というのにふさわしい太陽の姿で、朝から清々しい気持ちにつつまれます。
晴天に恵まれて、今日もきっと素晴らしい一日となることでしょう(^^♪

あとで戻って来るので、サイクリングに必要ない荷物はターミナルのコインロッカーに預けてゆきますあとで戻って来るので、サイクリングに必要ない荷物はターミナルのコインロッカーに預けてゆきます photo:Kosuke.Kawai
定刻に大分港へ到着した"さんふらわあぱーる"の乗降口から下船すると、まず向かったのはターミナル内にあるコインロッカー!ここで本日のサイクリングに不要な用品は預けて出かけることにします。

実質日帰り往復の弾丸フェリーならではの便利ワザですが、これで身軽になって一日九州サイクリングを満喫することができるでしょう!

夕方まで待っててね~!ということで下船した此処は、自転車初上陸である九州の大地です!夕方まで待っててね~!ということで下船した此処は、自転車初上陸である九州の大地です! photo:Kosuke.Kawai
大分港フェリーターミナルで九州の地に上陸すると、ここから最寄り駅の『西大分駅』までは輪行袋を背負っての徒歩移動となります。

駅までが600mという微妙な距離で、自転車を組み立てて走るよりかは自転車を担いで行った方が得策であろうということで歩きを選択しましたが、今回のお供がロードバイクだったことと、余計な荷物を降ろして来たこともあり、当初思っていたよりラクに駅まで辿り着くことができました(笑)

港から最寄りの港から最寄りの"西大分駅"は、昭和感漂うレトロな駅舎だった photo:Kosuke.Kawai
歩くこと約10分、やって来た日豊本線の『西大分駅』は、まんま国鉄時代の佇まいを持った木造駅舎で、朝から昭和レトロ好きなテツ店長の心を和ませてくれました。

早朝ということで人もまばらなホームで列車を待っていると、まもなくJR九州らしいユニークな顔立ちの通勤電車がやって来ました!電車の顔を見てその地方に来たこと実感するのは、鉄道好きならきっとお分かりいただけるハズ(笑)

JR九州らしい凝ったデザインの通勤電車を見て、はるばる九州までやって来たことを実感するのであったJR九州らしい凝ったデザインの通勤電車を見て、はるばる九州までやって来たことを実感するのであった photo:Kosuke.Kawai大きな一枚ガラスの窓からは、夏らしい景色が一面に広がっていました大きな一枚ガラスの窓からは、夏らしい景色が一面に広がっていました photo:Kosuke.Kawai


特急列車通過待ち中、やって来たのは特急列車通過待ち中、やって来たのは"青いソニック"こと883系電車!これもJR九州らしいかっこいいデザインが光ります!! photo:Kosuke.Kawai
こちらの815系電車もまた"水戸岡鋭治"さんによるデザインで、最近多い無機的な表情の車両とは一線を画す、なんとなく人の顔にも見える遊び心のあるデザインで、さすがJR九州さんはひと味ちがうといった感じです。車内も大きな一枚窓で明るく景色が広く見えるのもいいですね(笑)

途中の行き違いでやって来た、青い特急電車883系もまた水戸岡デザインのカッコイイ車両で、こうして電車を眺めているだけで、はるばる九州までやって来たことを実感して、テツ店長のテンションはだんだんと上がってゆくのでした。

約1時間半電車に揺られてやって来た約1時間半電車に揺られてやって来た"中津駅"はからサイクリングがはじまります! photo:Kosuke.Kawai
そんな乗り鉄タイムを満喫すること90分、テツ店長を乗せた普通列車はサイクリングのスタート地点『中津駅』に到着。さっそく電車を降りて高架ホームの近代的な駅から一歩外に出ると、そこには意外と(失礼!)都会的な街並みが広がっていました。

改札口を出て、はやる気持ちを抑えながら自転車を組み立てたら、いよいよ初めての九州サイクリングスタートです!果たしてこの先どんな景色を楽しませてくれるのか?短い時間ですが楽しんでゆきましょう!!

これから走る予定の『メイプル耶馬サイクリングロード』は、旧大分交通耶馬溪線の廃線跡を利用した自転車道で、1975年に同線が廃線となったのち、1982年(昭和57年)に自転車道として再整備された、中津駅~守実温泉駅間36kmの鉄道跡を利用した本格的なサイクリングコースです。

こちらの路線は地元では『耶鉄(やてつ)』と呼ばれ親しまれていたそうです。もともと景勝地である"青の洞門"や、羅漢寺、守実温泉といった観光地が控えており、そこへの誘客も見込んで昭和10年に観光路線として開業し、一時は人気を博したものの、戦後の過疎化とマイカー普及による利用者減少で廃線に至ったという、これまで何度も聞いきた話と変わりませんが、今やサイクリングロードとして名声?を博しているだけ幸せな路線なのかもしれません。

駅前からサイクリングロードの案内標識が出ているので、安心してスタートを切ることができます駅前からサイクリングロードの案内標識が出ているので、安心してスタートを切ることができます photo:Kosuke.Kawai
ということで、駅前からサイクリングロードの案内標識も出ていて、サイクリストに親切な街ではあったのでしたが、ここは事前のリサーチで市街地を出るところまでは区画整理によりもはや遺構らしきものは残っていないとの情報を得ていたので、その部分はショートカットして行こくことにしました。

もと耶馬溪線で活躍していた車両を保存して、宿泊施設として活用している『民宿汽車ぽっぽ』さん。次は泊まりたいデス…もと耶馬溪線で活躍していた車両を保存して、宿泊施設として活用している『民宿汽車ぽっぽ』さん。次は泊まりたいデス… photo:Kosuke.Kawai
しかしこれが大当たりで、意気揚々と駅前通りから国道212号を南に向かって走り始めると、まもなく沿道に古びたに鉄道車両が置かれているのを発見!
あわてて立ち止まって観察してみると、この白と緑の二色に塗り分けられた車両こそは、かつて『大分交通耶馬溪線』の車両ではないか!!とテツ店長のテンションは一気にMAXに!!!

パッと見で敷地内に5両はありそうでしたが、45年前の廃線時から保存しているとしたらこれはスゴいことです!パッと見で敷地内に5両はありそうでしたが、45年前の廃線時から保存しているとしたらこれはスゴいことです! photo:Kosuke.Kawai
これは連載22回で登場した、和歌山県御坊の街で見た気動車の"キハ603"とまったく同じ塗装なのでこれは間違いない!ということであとで調べてみたところやっぱりそうで、ここは民宿兼レストランの『汽車ポッポ』という施設で、どうやら耶馬溪線が廃止となったあと、不要となった車両を引き取って、その一部を宿泊施設として活用しているとのこと。

そんなことならここに宿泊するスケジュールにしておけばよかった!などとちょっと後悔するも、そもそも今回は日帰り弾丸ツアーだし、悔やんでも仕方がないので、ここにはまたあらためて来ることにしよう、と気持ちを切り替えて先にすすんでゆくことにしました(笑)

そのまま国道212号(日田往還)を走って行くと、まもなく右手に山国川が近づいてきて、国道は川に沿ってすすんでゆきますが、これら向かう耶馬溪線も同じ川沿いを走っていたので、ここらで線路跡と出会うはずだと、周囲を観察しながら走っていくと…

それらしきものが前方に見えてきました!左右の築堤と道路をまたぐ小さな橋梁、これこそが廃線跡に間違いない!!ということでここからが廃線サイクリングのはじまりです。

自転車専用道に入ると早々に現れたのは自転車専用道に入ると早々に現れたのは"野路駅"のホーム跡。待合室だった建物は物置小屋として未だ現役?だった photo:Kosuke.Kawai
いよいよ夢にまで見た『メイプル耶馬サイクリングロード』を走り出すと、さっそくすぐにそれらしいモノが目に入ってきたので観察してみます。
周囲の風景とかなり同化してしまってはいますが、これは駅ホームとみて間違いないでしょう!どうやら"野路駅"という名だったようで、いまや物置小屋にしか見えない建物が駅舎だったようです。

1971年に耶馬溪線が一部廃止となったあとは、この駅が終点だったとのことで、当時の写真を見てみるとたしかにこの小屋が駅舎だったようです。姿を変えているとはいえ、廃線になって45年も経った駅舎が残っていると思うと、けっこう貴重な建造物に見えてしまから不思議なものです。

絵にかいたような田園風景のなかをサイクリングロードはつづくのでした絵にかいたような田園風景のなかをサイクリングロードはつづくのでした photo:Kosuke.Kawai
山国川に沿って走っていた耶馬溪線にはけっこうトンネルも多くて、鉄道ムード満載で飽きることがありません(笑)山国川に沿って走っていた耶馬溪線にはけっこうトンネルも多くて、鉄道ムード満載で飽きることがありません(笑) photo:Kosuke.Kawai

いきなり登場の遺構にすっかり夢中になってしまいましたが、まだ廃線サイクリングは始まったばかり、これから何が登場するのか楽しみは尽きません(笑)

いつものことながら、廃線敷を利用したサイクリングロードは勾配もゆるく、カーブもゆったりとしていて走りやすく、気持よく走ってゆくとまもなく耶馬溪の絶景スポットが近づいてきました。

オランダ橋ことオランダ橋こと"耶馬溪橋"は、1923年に竣工した日本唯一の8連石造アーチ橋で、全長116mは石造アーチ橋としては日本最長だそう photo:Kosuke.Kawai
まず寄り道したのが『耶馬溪橋』。1928年竣工の別名オランダ橋とも呼ばれるこの8連石造アーチ橋は、現存する日本唯一にして最長の石造橋だそうです。アーチ橋の美しさもありますが、それ以上にたび重なる大水にも耐えてこの地に立ち続けている歴史の重みを感じてしまうテツ店長なのでした。

景勝地景勝地"耶馬溪"いちばんの見どころ"青の洞門"は、江戸時代に禅海和尚が30年かけて掘り抜いた手掘りのトンネル photo:Kosuke.Kawai
次にそこから目と鼻の先にあるのが、耶馬溪の代名詞ともいえる『青の洞門』です。川岸にそびえ立つ岩盤をくりぬいて作られた隧道は、近くで見るとそれはすごい迫力です!今でこそ自動車も通行できるまで広げられているトンネルですが、もとをたどると江戸時代に"禅海和尚"という僧侶が30年の歳月をかけて穴を穿ったものだそうで、現在の車道トンネルのとなりにはオリジナルの手掘りトンネルがあり、徒歩で通り抜けることもできるので、ぜひ立ち寄ってみてください。

かつて駅のあった場所には、このような標識が立っていて廃線サイクリングを盛り上げてくれますかつて駅のあった場所には、このような標識が立っていて廃線サイクリングを盛り上げてくれます photo:Kosuke.Kawai
青の洞門を抜けて振り返ると、まるで水墨画のような自然の風景が目に入り、わざわざ来てよかったとあらためて実感するのでしたが、サイクリングもまだまだ先が長いので、ここは捲いてゆくことにしましょう(笑)

迫力の断崖絶壁に貫通する隧道が見えますが、それ以前は岩壁に沿った細道を鎖を頼りに通る、非常に危険な場所だったのだそう迫力の断崖絶壁に貫通する隧道が見えますが、それ以前は岩壁に沿った細道を鎖を頼りに通る、非常に危険な場所だったのだそう photo:Kosuke.Kawai
駅名標の裏側はこのような解説板となっており、ここ耶馬溪線の歴史を学びながらサイクリングができます駅名標の裏側はこのような解説板となっており、ここ耶馬溪線の歴史を学びながらサイクリングができます photo:Kosuke.Kawai山あいの田園地帯を貫く廃線跡サイクリングロードですが、その景色は今も昔も変わっていなさそうです山あいの田園地帯を貫く廃線跡サイクリングロードですが、その景色は今も昔も変わっていなさそうです photo:Kosuke.Kawai


山国川の川岸に沿って続くサイクリングロードを走っていると、かつて駅があった場所には案内の駅名標が立っているのでついつい立ち止まってしまいます。駅名標の裏側にはしっかりとした解説もあり、これはこれでうれしい心づかいですが、おかげでなかなか前に進めないのがタマに傷で、これではいくら時間があっても足りませんね(汗)

炎天下のサイクリングでは、ときどき現われる旧駅舎はまさにオアシスのような存在でした(*^^*)炎天下のサイクリングでは、ときどき現われる旧駅舎はまさにオアシスのような存在でした(*^^*) photo:Kosuke.Kawai
時間がたつのは早く、午後に入るころには気温も軽く30℃を超えてだんだんと走るのもキツい状況に……。

どこか日陰で休みたいなぁ、などと思いながら走っていると、駅舎を模した建物が出現!トイレも設置された休憩スポットのようで、風通しの良い待合室?には現役当時の写真も飾られて、ひととき英気を養わせてもらいました。

ゆるやかなカーブを描く「山国川第二橋梁」は、2012年の台風で橋脚の一部が流失したものの、2014年に再建されましたゆるやかなカーブを描く「山国川第二橋梁」は、2012年の台風で橋脚の一部が流失したものの、2014年に再建されました photo:Kosuke.Kawai
だんだんと山が近づいてきて周囲の景色も上流の様相を見せ始めてきたころに、ここメイプル耶馬サイクリングロード屈指の絶景ポイント『第二山国川橋梁』が登場!
左岸から右岸へゆるくカーブしながら川を渡る橋梁は耶馬溪線当時のままで、石積みの橋脚も歴史を感じさせてくれる貴重な鉄道遺構です。

ここは橋の上を走っているだけだとイマイチ景色の美しさが伝わらないので、ぜひ橋を渡ってからあらためて橋を眺めてみて下さい!ここに小さなディーゼルカーが走っていた昔の景色を想像しながら眺めてみると、きっと違って見えると思いますよ(笑)

こちらの沈下橋(潜水橋)は、増水すると水面下に沈む構造のため、欄干も無く走る時はちょっと緊張します(汗)こちらの沈下橋(潜水橋)は、増水すると水面下に沈む構造のため、欄干も無く走る時はちょっと緊張します(汗) photo:Kosuke.Kawai
そんな第二山国川橋梁ですが、じつは2012年の豪雨により橋脚が流されてしまい存続が危ぶまれましたが、地元の尽力もあり2014年には再建されて、今も往時と変わらぬ美しい景色を見せてくれているのです。

地方のローカル鉄道が、大雨で橋が流されてそのまま廃線というケースもしばしば起こる中で、こうして廃線跡の橋が復旧されるというのはきわめて稀なケースで、奇跡的といっても良い事例かもしれません。本当にありがたい話です(涙)

終点から二つ手前の「白地駅」跡では、ホーム上に人家が建っていてちょっとうらやましかった(笑)終点から二つ手前の「白地駅」跡では、ホーム上に人家が建っていてちょっとうらやましかった(笑) photo:Kosuke.Kawai
その先も一部工事による迂回などもありましたが、基本的に自転車専用道をずーっと走って行けるので暑いのを除けばサイクリングは快適そのもの!しかしその幕切れはあっけなくやって来たのでした……

突然車道に出たと思ったら、その先にある大きな公共施設にある一枚の看板で、ここが終着駅だと知ってちょっと拍子抜け!!

サイクリングロード終点の「守実温泉駅」はそれらしいものが何もなく、こんな看板だけなのはちょっと寂しい…サイクリングロード終点の「守実温泉駅」はそれらしいものが何もなく、こんな看板だけなのはちょっと寂しい… photo:Kosuke.Kawai
本当に何も無くて正直ちょっとガッカリしましたが、せっかくだったら保存車両の一両か二両くらいあったら、サイクリングに来た人の満足度も高まるのに…なんて思ったのはワタシだけでしょうか?

そんなちょっとさびしい終点の『守実温泉駅』跡ではありましたが、とりあえずこれにてメイプル耶馬サイクリングロードは無事完走ということで、めでたしめでたし(笑)

さて、この先ふたたび大分港めざして戻らないといけないのだから、日帰りツアーはやっぱりせわしないわぁ……。

日田市に向かう国道212号線に立ちふさがる「大石峠」でしたが、35℃を超える気温と相まって相当体力を削られました(汗)日田市に向かう国道212号線に立ちふさがる「大石峠」でしたが、35℃を超える気温と相まって相当体力を削られました(汗) photo:Kosuke.Kawai
ここからはUターンして中津まで戻る手もありましたが、同じコースをなぞるのもちょっと面白みに欠けるのと、せっかく九州まできたのだから名物列車の一本でも乗っておきたい!というよく分からない使命感から、ここからひと山越えた先にある『日田』の街をめざすことにします。

気温の上昇もピークを迎えるなか、国道212号線を走り出すと、ダラダラと続く勾配に加え、山中で風もなく熱がこもるせいか、呼吸するだけで体温が上がってゆきそうなもはや危険なレベル!九州ってこんなに暑いんだと思い知らされつつ、なんとか"大石峠"を越えて山を下りると日田市街に入りました。

とりあえず早くこの灼熱地獄を終わらせたいところでしたが、ここまでは暑さのせいで食欲も失せて、水分しか口にすることなくやって来てしまいました。本当は中津のから揚げとか食べたかったんですけど…

日田駅近くで食事のできそうな場所を探して、暑さでヨレヨレになりながらやって来たうどん屋さん日田駅近くで食事のできそうな場所を探して、暑さでヨレヨレになりながらやって来たうどん屋さん photo:Kosuke.Kawaiとにかく暑くてたまらなかったので、とりあえず涼しげな冷やしメニューを注文(笑)とにかく暑くてたまらなかったので、とりあえず涼しげな冷やしメニューを注文(笑) photo:Kosuke.Kawai
なのでここは輪行の前に軽くなにか食べておこうということで、駅からほど近い場所にある地元のうどん屋さんに立ち寄ることにしました。

この期に及んで温かいうどんも考えられず、ここは迷わず夏季限定の冷たい"おろしうどん"をチョイス!麺は手打ちでコシがありつつも、のどごしも良く大根おろしと共に気持ち良く胃の中に吸い込まれて行ったのでした(笑)

やってきた久大本線のやってきた久大本線の"日田駅"は、地元産の日田杉を使用した小洒落たデザインで、こちらも水戸岡鋭治氏が担当したものだそう photo:Kosuke.Kawai
人心地ついたあとにやってきたのは久大本線の『日田駅』。木をふんだんに使ったおしゃれなデザインでこれはもしや?!と思いましたが、やはりこの駅も水戸岡鋭二さんのデザインで、1972年に建築された古い駅舎を活かしつつ、地元産の"日田杉"を組み合わせてリニューアルしたものだそう。

そして駅の軒下に入ると天井から霧状の水が噴霧されていて涼しいこと…ここ日田市は日本でも有数の暑い街だそうで、昨年(2020年)も猛暑日が日本一多かったそうで、なるほど暑かったワケだとあとになって納得するのでした。

ということで、これにて猛暑下のサイクリングは終了。ドライミストの降り注ぐ下でのんびりと自転車を袋詰めして、待合室で待っていると列車到着の案内があり、ホームへ移動すると、まもなく緑色をしたゴージャスな列車がやって来ました!

特急ゆふいんの森で使用されるキハ72系気動車は、全車ハイデッカーの斬新なデザインで人気の観光列車特急ゆふいんの森で使用されるキハ72系気動車は、全車ハイデッカーの斬新なデザインで人気の観光列車 photo:Kosuke.Kawaiハイデッカーらしい上から見下ろす前方展望は、景色と運転席が同時によく見えてテツ的には楽しい演出だったハイデッカーらしい上から見下ろす前方展望は、景色と運転席が同時によく見えてテツ的には楽しい演出だった photo:Kosuke.Kawai
この列車こそがJR九州自慢のD&S[デザイン&ストーリー]トレイン『ゆふいんの森』号!博多と由布院を結ぶ特急で、登場から四半世紀たつも、未だに乗ってみたい観光列車ランキング上位に必ず顔を出す人気の観光列車なのです。

ドアが開いて乗車すると、車内はオールハイデッカーのため階段があり、一段高い場所にデッキがありました。果たして自転車はどこに置いたら…と戸惑っていると、アテンダントさんが声をかけてくれて、車掌さんと共に場所を確保してくれたので助かりました。観光列車に力を入れているJR九州のホスピタリティさすがです!

玖珠盆地ではユニークな形の山が目を楽しませてくれました!車窓から見えるのは切り株伝説のある「刈株山」玖珠盆地ではユニークな形の山が目を楽しませてくれました!車窓から見えるのは切り株伝説のある「刈株山」 photo:Kosuke.Kawai九州で唯一現存する扇形車庫の「旧豊後森機関庫」も車窓から眺めることができました!これは行ってみたい…九州で唯一現存する扇形車庫の「旧豊後森機関庫」も車窓から眺めることができました!これは行ってみたい… photo:Kosuke.Kawai
日田駅から由布院駅まで1時間足らず、空調の効いた涼しい車内からは車窓を眺めていると、由布岳や豊後森機関区などが次々と現れて目を楽しませてくれます!やっぱりクソ暑い真夏は列車の旅が良いなぁ…なんて思ってしまうくらいキビしい夏の九州でしたが、それはそれで良い思い出になりました(笑)

朝出てきた_">朝出てきた"西大分駅"に戻ってくると、九州地区でしか見られない国鉄型電気機関車のED76型がお休みしていてちょっと萌える(>_
ミッションを終え、無事に神戸行きのミッションを終え、無事に神戸行きの"さんふらわあぱーるまでに戻って来れてひと安心(^-^) photo:Kosuke.Kawai
由布院からは普通列車に乗り換えて、フェリーターミナル最寄り駅『西大分駅』を目指します!由布院から大分駅で乗り換えて西大分着が18:07。とりあえず定刻に戻ってくることができました。

ここから自転車を担いで歩くこと約10分、大分港フェリーターミナルに戻ってくると、早朝に下船した"さんふらわあぱーる"が待っています。
ここまでくればもうひと安心、あとは乗船して明朝まで快適な船の旅を満喫することにしましょう!!

あっという間の九州滞在を終えて、ここからはしばしオフモードで……あっという間の九州滞在を終えて、ここからはしばしオフモードで…… photo:Kosuke.Kawai
夕方の19:15に出航すると神戸までは11時間少々と時間はたっぷりあります。一日あくせくと動いてきたスイッチはここでいったんオフにして、あとはゆったりとした船の時間を過ごすことにしましょう。



河井 孝介河井 孝介 旅する人 河井孝介プロフィール

バイクプラス多摩センターの店長を務める50歳。前職で足かけ10年にわたる勤務を鉄道の無い(モノレール除く)沖縄県で過ごした反動からか、帰京後は輪行サイクリングの虜となり、現在は鉄道と自転車を組み合わせ、鉄道廃線跡や未成線など鉄道の歴史を辿るサイクリングをライフワークとする。鉄道趣味のジャンルは「乗り鉄」。旧国鉄型車両を心から愛し、ひそかにJR全線乗車にチャレンジ中。非常勤の防衛省職員である予備三等陸曹の身分も合わせ持っている。


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