2018/09/12(水) - 12:01
シーズン到来を前にした9月8日、月末に「INAGI CROSS」の開催を控える東京都稲城市の河川敷でチャンピオンシステム主催のシクロクロススクールが行われた。講師に竹之内悠(東洋フレーム)を迎え、予約殺到となったスクールの模様を紹介しようと思う。
西東京から走り出す、あるいはライドの終着地点として人気のCROSS COFFEEを拠点に様々なイベントを開催しているチャンピオンシステム。9月8日土曜日、CROSS COFFEEから自転車で至近、それも月末に初開催の「INAGI CROSS」を控える多摩川河川敷で開催されたのが「TOYO FRAMEプレゼンツ!竹之内悠選手のシクロクロスクリニック」だ。
竹之内悠選手といえば、全日本選手権を5連覇した経験を持つ誰もが知るトップレーサー。冬場はベルギーに拠点を置いて活動し、ワールドカップ、スーパープレスティージュ、DVVファルゼクリンゲン・トロフェーというシクロクロス3大シリーズなど世界トップレースシーンを良く知る数少ない日本人だ。CXのみならずMTBレースやロードレースにも取り組み、ベルギーのケルメスレースで優勝した実績も。
今回のシクロクロススクールは竹之内選手、そして同じく東洋フレーム所属で昨年のJCXシリーズランキングで4位に入った西山みゆき選手を招き、シーズン開幕前に基礎テクニックの底上げを図ろう、という趣旨で企画されたビギナー向けスクール。イベントの告知と共に予約が殺到し、急遽30人規模に増強しての開催となった。
残暑と湿度厳しかったこの日。日差し照りつける河川敷は正直に言えば、「こんな暑い中で本気のシクロクロスやったら熱中症になっちゃうよ!」くらいの暑さだった。それでもコースにはイベント会場でお馴染みチャンピオンシステムのテントが設けられ、冷たい水が用意されたりと体制は万全。竹之内選手の技を盗もうと燃えるクロッサーのやる気が会場の気温を上げていた…のかも。
講習はかなり実践的。ざっくりとレベル別に3つのグループに分けて、竹之内先生のレクチャーを受けながら、オフロードでのコーナリングやシクロクロスで特徴的な乗り降り、そしてシケイン越えと言った基本テクニックを身に染み込ませていく。目線の置き方やバランスの取り方、そして狭いコーナーでの抜きどころをいかに作るか、などなど、「これは海外レースでも頻繁に使うことですよ!」という上級者にもためになるティップスを混ぜ込んでいくので、単調になりがちなスキル練習なのにちっとも飽きることがない。
驚くのは竹之内先生の理論的な説明だ。普通だったら長嶋監督よろしく「グゥーッといってガッとしてバーン!」みたいな表現になりそうなところを、全て理論立てて、丁寧に、そして分かりやすく説明してくれる。練習中にも一人一人に対して気づいたことを伝えて…と、その真摯さと「プロの頭の中はこうなっているんだなぁ〜」ということに感心させられてしまう。
テクニック詳細はスクールに参加した人だけの特権なのだが、筆者が感心した心づけを一つ紹介しよう。それは「例えば左コーナーを回る場合、左のハンドルを引くのではなく、右のハンドルをプッシュする」ということ。手前に引くことはつまりバイクに後ろ向きの力をかける(=失速)することと同じなので、パンプトラックのプッシュプルのように、コーナー外側のハンドルを押すことで加速に繋げるのだ。文章だけではちっともわからん、という大多数の方は、次回の講習会を心待ちにするのがよろしいでしょう。
2時間近く続いた講習会は、最後にINAGI CROSSのコースを使った実践的練習を行って〆。ビギナーからハイレベルなライダーまで誰もが満足できるスクールは、最後にCROSS COFFEEに移動して、美味しいコーヒーをお供に竹之内先生との交流を楽しんでお開きになったのだった。
CROSS COFFEEではこれからもシクロクロスの講習会や、ビギナーウェルカムの朝練習を積極的に開催していく予定だという。直近では9月17日(祝月)に、INAGI CROSS必勝伝授法と名打ったそのものズバリのイベントも予定されている。エントリーや、その他開催情報はCROSS COFFEEのホームページで告知されるので、随時確認してほしい。
text&photo:So.Isobe
西東京から走り出す、あるいはライドの終着地点として人気のCROSS COFFEEを拠点に様々なイベントを開催しているチャンピオンシステム。9月8日土曜日、CROSS COFFEEから自転車で至近、それも月末に初開催の「INAGI CROSS」を控える多摩川河川敷で開催されたのが「TOYO FRAMEプレゼンツ!竹之内悠選手のシクロクロスクリニック」だ。
竹之内悠選手といえば、全日本選手権を5連覇した経験を持つ誰もが知るトップレーサー。冬場はベルギーに拠点を置いて活動し、ワールドカップ、スーパープレスティージュ、DVVファルゼクリンゲン・トロフェーというシクロクロス3大シリーズなど世界トップレースシーンを良く知る数少ない日本人だ。CXのみならずMTBレースやロードレースにも取り組み、ベルギーのケルメスレースで優勝した実績も。
今回のシクロクロススクールは竹之内選手、そして同じく東洋フレーム所属で昨年のJCXシリーズランキングで4位に入った西山みゆき選手を招き、シーズン開幕前に基礎テクニックの底上げを図ろう、という趣旨で企画されたビギナー向けスクール。イベントの告知と共に予約が殺到し、急遽30人規模に増強しての開催となった。
残暑と湿度厳しかったこの日。日差し照りつける河川敷は正直に言えば、「こんな暑い中で本気のシクロクロスやったら熱中症になっちゃうよ!」くらいの暑さだった。それでもコースにはイベント会場でお馴染みチャンピオンシステムのテントが設けられ、冷たい水が用意されたりと体制は万全。竹之内選手の技を盗もうと燃えるクロッサーのやる気が会場の気温を上げていた…のかも。
講習はかなり実践的。ざっくりとレベル別に3つのグループに分けて、竹之内先生のレクチャーを受けながら、オフロードでのコーナリングやシクロクロスで特徴的な乗り降り、そしてシケイン越えと言った基本テクニックを身に染み込ませていく。目線の置き方やバランスの取り方、そして狭いコーナーでの抜きどころをいかに作るか、などなど、「これは海外レースでも頻繁に使うことですよ!」という上級者にもためになるティップスを混ぜ込んでいくので、単調になりがちなスキル練習なのにちっとも飽きることがない。
驚くのは竹之内先生の理論的な説明だ。普通だったら長嶋監督よろしく「グゥーッといってガッとしてバーン!」みたいな表現になりそうなところを、全て理論立てて、丁寧に、そして分かりやすく説明してくれる。練習中にも一人一人に対して気づいたことを伝えて…と、その真摯さと「プロの頭の中はこうなっているんだなぁ〜」ということに感心させられてしまう。
テクニック詳細はスクールに参加した人だけの特権なのだが、筆者が感心した心づけを一つ紹介しよう。それは「例えば左コーナーを回る場合、左のハンドルを引くのではなく、右のハンドルをプッシュする」ということ。手前に引くことはつまりバイクに後ろ向きの力をかける(=失速)することと同じなので、パンプトラックのプッシュプルのように、コーナー外側のハンドルを押すことで加速に繋げるのだ。文章だけではちっともわからん、という大多数の方は、次回の講習会を心待ちにするのがよろしいでしょう。
2時間近く続いた講習会は、最後にINAGI CROSSのコースを使った実践的練習を行って〆。ビギナーからハイレベルなライダーまで誰もが満足できるスクールは、最後にCROSS COFFEEに移動して、美味しいコーヒーをお供に竹之内先生との交流を楽しんでお開きになったのだった。
CROSS COFFEEではこれからもシクロクロスの講習会や、ビギナーウェルカムの朝練習を積極的に開催していく予定だという。直近では9月17日(祝月)に、INAGI CROSS必勝伝授法と名打ったそのものズバリのイベントも予定されている。エントリーや、その他開催情報はCROSS COFFEEのホームページで告知されるので、随時確認してほしい。
text&photo:So.Isobe
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