2018/07/02(月) - 09:02
奇跡の清流、仁淀川を巡るロングライド、グレイトアース高知仁淀ブルーライド。美しい流れとともに走り抜ける120kmは後半戦へ。水遊びポイントや、絶景展望台も現れ、息もつかせぬ1日となりました。
小腹を満たしたら、新大峠トンネルを抜け一路下り区間へ。本来であれば、この途中を右折して源流である安居渓谷方面へのヒルクライムへ挑むはずだったのだが、冒頭にもお伝えした通りショートカットされたためこのまま下っていく。
しばらく行くと、3つ目のエイドステーションである宮崎キャンプ場に到着。ちょうどお昼手前ということで、腹ごしらえが出来るエイドとなっており、こちらでは具沢山のスタミナ焼きそばや稚鮎・稚あめごの天ぷらに沢渡茶のワッフルなどが用意され、皆さん仲良く舌鼓。
もちろん、これらのグルメもおいしかったのだけれど、個人的に一番感動したのはお茶。この辺り一帯に広がる段々畑で作られる”沢渡茶”の水だし緑茶がとっても深い味わいで、汗で水分を失った身体にはこれ以上ない甘露のよう。何杯もお代わりしてしまってすみません。ちなみにこちらのオンラインストアには、仁淀川流域で育てられる様々なブランドのお茶が並んでいて、一見の価値あり。
焼きそばをぱくついていると、ずらり並べられたサンダルに気が付く。なんと、このエイドでは川遊びもできるのだ!かなり気温も高くなってきたので、これは熱射病対策だ、決して遊んでるわけじゃないんだよ、と自分に言い訳しつついそいそと河原へ降りていく。
ゆるやかな流れの淵は完全なブルーとまではいかないまでも美しく透き通ったブルーグリーン。濡れて困る電子機器を岸において、ざぶざぶ入っていくと、ひんやり冷たい!実はちょっと泳いでもいいな、と思っていたけれど、予想以上の水温と曇り空、そしてこの先が下り基調ということを考えて、泣く泣く諦めました。
さて、ひとしきり水遊びを楽しんだらエイドを出発!ここからは一気に高度を下げていく。基本的に川沿いを下っていくのだけれど、何とも言えない風情のある流れが常に視界に広がっている。ゆったりとした流れの淵に大きな岩がそびえたっているのを見ると、夏休みには子供たちが度胸試しで飛び込んだりしてるんだろうな、なんてイメージがむくむくと広がっていく。
まさに、日本のアイディアルな田舎、といった風情で、こんなところに暮らしているおじいちゃんとおばあちゃんのところに帰省してみたい。きっと、年に一回しか会わない幼馴染とかがいて、毎年再会を心待ちにしているのだ。そして、ほのかな恋心をお互い抱いていたり、なんか結婚の約束とかを意味も分からずにしてしまうんだけれど、都会で一人暮らしを始めたのをきっかけに足が遠のいていく。
ある年、付き合っていた彼女に振られた傷心もありふらりと帰ると、あの頃の幼馴染はとてもきれいになっていて……みたいなありがちなストーリーを脳内で膨らませていると、あっという間に次のエイドに到着してしまう。いや、これホントに考えてたんですよ走りながら……。
第4エイドの宮の前公園では、ボリュームたっぷりのおちカツサンドに加え、大量の芋けんぴが!フライドポテトと勘違いしてるんじゃないか?と疑ってしまう量の芋けんぴをほおばり、ソースが染みたカツサンドを堪能し、次のエイドへ。
ちょっとした裏道を繋いで、佐川町役場へ。エイドに到着して真っ先に視界に飛び込んできたのが、おっきな酒樽。え?まだ自転車乗ってるけど大丈夫なの?実は首相夫人と特別なコネクションがあったりして、この地域は自転車で飲酒運転が認められてる特区だったりするの?なんて、一瞬混乱してしまうけれど、こちらは実はお酒の「仕込み水」。なーんだ、と安心すると同時にちょっと残念な気分も(笑)
ご丁寧にも用意された一合枡へ、ひしゃくで掬ってもらったのを呑むと、なんだかちょっぴり背徳感。あくまで水ですが。ほかにも、土佐のローカルミルク「吉本牛乳」を使ったアイスや山椒もちなどをいただき、こちらはまるでスイーツエイド。割とオーバーカロリー気味な大会であることにこの辺りで気づきだす。
エイドを出発すると、酒蔵が立ち並ぶ昭和な街並みの通りに。道をまたぐように配管が渡されている様などはもうたまらない。なんだかノスタルジックな気分に浸りつつ、先へ進むとこの大会最後の登り区間が登場だ。
土佐市と佐川町を繋ぐ土佐佐川線の登りは2.5km、平均勾配5%という小粒ながらも登り甲斐のある峠。前半に登場した大峠とは違い、こちらは里山の中に張り巡らされた峠で、九十九折れのリズムが取りやすいコース。個人的にはこっちの方が好きですね。
さらに言えば、この峠は登りよりも下りが長くテクニカル。ブラインドコーナーも多いので、ゆっくりめに。土佐市街を少し走ると第6エイドのグランディールへ到着だ。こちらもスイーツ系の振る舞いがいっぱい。仁淀ブルーメロンに小夏(みかんの品種ですね)と小夏ジュース、そして高知のアイスの代名詞である「アイスクリン」が振舞われる。
ここから先はロングコースとスーパーロングコースは別のルートを走ることになる。ロングコースはこのまま仁淀川をフィニッシュ地点へと遡上していくのだけれど、スーパーロングコースは一度河口まで下っていくのだ。もちろん私はスーパーロングコースなので、海が見えるまでペダルを回す。
一気に河口まで出ると、これまで並走していた流れからは想像もつかないような太い流れとなっていた仁淀川。広がる砂浜に打ち寄せる波はどうやらとても乗りやすいようで、多くのサーファーが波間を揺蕩っている、日本でも有数のサーフィンスポットなのだという。
河口を渡る仁淀川河口大橋の西詰にある観光交流施設「南風」(まぜ)に設けられた最終エイドでは、「かつおとチーズ」をプレゼント。この場で食べてもいいけれど、真空パウチされているのでお土産にしても大丈夫。
ここまで来たらあとはフィニッシュへと帰るだけ。10kmほどを仁淀川沿いに走り抜ける。わずかに登り基調ではあるけれど、ほとんど平坦。仲間がいれば、ローテを回しながら走っていけばあっという間にフィニッシュだ。
スタートした時と変わらない鯉のぼりと、元気いっぱいの平野さんのMCに迎えられ、124kmのライドはフィニッシュ。ともに走りぬいた仲間たちと健闘をたたえながらゲートをくぐる皆さんはとても満足気な表情で、大成功の初回大会となったよう。
日本一の清流である仁淀川を、源流から河口まで辿ったグレイトアース高知仁淀ブルーライド。目まぐるしく変わる水色、流れ、水音。美しい川が見せる表情の変化を、その流域が生み出すグルメとともに楽しむことができるこのライドは、仁淀川の魅力を余すところなく楽しめるスペシャルな1日だった。こんな形で奇跡の清流を堪能できるのは、サイクリストの特権のはずだ。
text&photo:Naoki.YASUOKA
小腹を満たしたら、新大峠トンネルを抜け一路下り区間へ。本来であれば、この途中を右折して源流である安居渓谷方面へのヒルクライムへ挑むはずだったのだが、冒頭にもお伝えした通りショートカットされたためこのまま下っていく。
しばらく行くと、3つ目のエイドステーションである宮崎キャンプ場に到着。ちょうどお昼手前ということで、腹ごしらえが出来るエイドとなっており、こちらでは具沢山のスタミナ焼きそばや稚鮎・稚あめごの天ぷらに沢渡茶のワッフルなどが用意され、皆さん仲良く舌鼓。
もちろん、これらのグルメもおいしかったのだけれど、個人的に一番感動したのはお茶。この辺り一帯に広がる段々畑で作られる”沢渡茶”の水だし緑茶がとっても深い味わいで、汗で水分を失った身体にはこれ以上ない甘露のよう。何杯もお代わりしてしまってすみません。ちなみにこちらのオンラインストアには、仁淀川流域で育てられる様々なブランドのお茶が並んでいて、一見の価値あり。
焼きそばをぱくついていると、ずらり並べられたサンダルに気が付く。なんと、このエイドでは川遊びもできるのだ!かなり気温も高くなってきたので、これは熱射病対策だ、決して遊んでるわけじゃないんだよ、と自分に言い訳しつついそいそと河原へ降りていく。
ゆるやかな流れの淵は完全なブルーとまではいかないまでも美しく透き通ったブルーグリーン。濡れて困る電子機器を岸において、ざぶざぶ入っていくと、ひんやり冷たい!実はちょっと泳いでもいいな、と思っていたけれど、予想以上の水温と曇り空、そしてこの先が下り基調ということを考えて、泣く泣く諦めました。
さて、ひとしきり水遊びを楽しんだらエイドを出発!ここからは一気に高度を下げていく。基本的に川沿いを下っていくのだけれど、何とも言えない風情のある流れが常に視界に広がっている。ゆったりとした流れの淵に大きな岩がそびえたっているのを見ると、夏休みには子供たちが度胸試しで飛び込んだりしてるんだろうな、なんてイメージがむくむくと広がっていく。
まさに、日本のアイディアルな田舎、といった風情で、こんなところに暮らしているおじいちゃんとおばあちゃんのところに帰省してみたい。きっと、年に一回しか会わない幼馴染とかがいて、毎年再会を心待ちにしているのだ。そして、ほのかな恋心をお互い抱いていたり、なんか結婚の約束とかを意味も分からずにしてしまうんだけれど、都会で一人暮らしを始めたのをきっかけに足が遠のいていく。
ある年、付き合っていた彼女に振られた傷心もありふらりと帰ると、あの頃の幼馴染はとてもきれいになっていて……みたいなありがちなストーリーを脳内で膨らませていると、あっという間に次のエイドに到着してしまう。いや、これホントに考えてたんですよ走りながら……。
第4エイドの宮の前公園では、ボリュームたっぷりのおちカツサンドに加え、大量の芋けんぴが!フライドポテトと勘違いしてるんじゃないか?と疑ってしまう量の芋けんぴをほおばり、ソースが染みたカツサンドを堪能し、次のエイドへ。
ちょっとした裏道を繋いで、佐川町役場へ。エイドに到着して真っ先に視界に飛び込んできたのが、おっきな酒樽。え?まだ自転車乗ってるけど大丈夫なの?実は首相夫人と特別なコネクションがあったりして、この地域は自転車で飲酒運転が認められてる特区だったりするの?なんて、一瞬混乱してしまうけれど、こちらは実はお酒の「仕込み水」。なーんだ、と安心すると同時にちょっと残念な気分も(笑)
ご丁寧にも用意された一合枡へ、ひしゃくで掬ってもらったのを呑むと、なんだかちょっぴり背徳感。あくまで水ですが。ほかにも、土佐のローカルミルク「吉本牛乳」を使ったアイスや山椒もちなどをいただき、こちらはまるでスイーツエイド。割とオーバーカロリー気味な大会であることにこの辺りで気づきだす。
エイドを出発すると、酒蔵が立ち並ぶ昭和な街並みの通りに。道をまたぐように配管が渡されている様などはもうたまらない。なんだかノスタルジックな気分に浸りつつ、先へ進むとこの大会最後の登り区間が登場だ。
土佐市と佐川町を繋ぐ土佐佐川線の登りは2.5km、平均勾配5%という小粒ながらも登り甲斐のある峠。前半に登場した大峠とは違い、こちらは里山の中に張り巡らされた峠で、九十九折れのリズムが取りやすいコース。個人的にはこっちの方が好きですね。
さらに言えば、この峠は登りよりも下りが長くテクニカル。ブラインドコーナーも多いので、ゆっくりめに。土佐市街を少し走ると第6エイドのグランディールへ到着だ。こちらもスイーツ系の振る舞いがいっぱい。仁淀ブルーメロンに小夏(みかんの品種ですね)と小夏ジュース、そして高知のアイスの代名詞である「アイスクリン」が振舞われる。
ここから先はロングコースとスーパーロングコースは別のルートを走ることになる。ロングコースはこのまま仁淀川をフィニッシュ地点へと遡上していくのだけれど、スーパーロングコースは一度河口まで下っていくのだ。もちろん私はスーパーロングコースなので、海が見えるまでペダルを回す。
一気に河口まで出ると、これまで並走していた流れからは想像もつかないような太い流れとなっていた仁淀川。広がる砂浜に打ち寄せる波はどうやらとても乗りやすいようで、多くのサーファーが波間を揺蕩っている、日本でも有数のサーフィンスポットなのだという。
河口を渡る仁淀川河口大橋の西詰にある観光交流施設「南風」(まぜ)に設けられた最終エイドでは、「かつおとチーズ」をプレゼント。この場で食べてもいいけれど、真空パウチされているのでお土産にしても大丈夫。
ここまで来たらあとはフィニッシュへと帰るだけ。10kmほどを仁淀川沿いに走り抜ける。わずかに登り基調ではあるけれど、ほとんど平坦。仲間がいれば、ローテを回しながら走っていけばあっという間にフィニッシュだ。
スタートした時と変わらない鯉のぼりと、元気いっぱいの平野さんのMCに迎えられ、124kmのライドはフィニッシュ。ともに走りぬいた仲間たちと健闘をたたえながらゲートをくぐる皆さんはとても満足気な表情で、大成功の初回大会となったよう。
日本一の清流である仁淀川を、源流から河口まで辿ったグレイトアース高知仁淀ブルーライド。目まぐるしく変わる水色、流れ、水音。美しい川が見せる表情の変化を、その流域が生み出すグルメとともに楽しむことができるこのライドは、仁淀川の魅力を余すところなく楽しめるスペシャルな1日だった。こんな形で奇跡の清流を堪能できるのは、サイクリストの特権のはずだ。
text&photo:Naoki.YASUOKA
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