2018/06/06(水) - 08:52
4月に行われた桜のAACRに引き続き、5月20日(日)に開催された「緑のアルプスあづみのセンチュリーライド」をレポート。沢山の安曇野グルメを食した前編に引き続き、後編ではいよいよ白馬村に到達。北アルプスのダイナミックな光景を楽しんだ、上質なサイクリング体験をお届けしよう。前編はこちら
大町木崎湖エイドを出ると、木崎湖、中綱湖、青木湖の順に仁科三湖の湖岸を走り抜ける。これら3つの湖は様々な映像作品に登場することで知られており、最近だと木崎湖がアニメなどによく登場するのが有名なところだろう。だがしかし、青木湖も日本映画史に残る有名な作品に登場しているのだ。その作品というのも当時一大ブームを巻き起こした「犬神家の一族」。1976年制作と古い作品であるが、湖面から突き出る足のシーンは知っている人も多いのではないだろうか。そして、まさにそのシーンが撮られたのが青木湖である。
ということで、昔から映画のロケ地に使用されるなど、美しい景観が持ち味の仁科三湖を抜けると、いよいよ白馬の地に入ってくる。長野オリンピックの各種目会場が設置されたことでも知られる白馬村。周りにはその名の通り白馬のように冠雪した北アルプス山脈の霊峰が姿を見せる。そんな日本離れした景観を眺めながらのサイクリング。最高で無いはずがない。
しばらくすれば折り返し地点である白馬エイドに到着である。ここでは豚汁と白馬の名産品である紫米のもち米を使ったおこわが登場。この紫米は「紫舞」と呼ばれる古代米の一種で、紫色の理由はブルーベリーなどにも含まれるアントシアニンが含まれているとのこと。そのため、眼精疲労や老化、高血圧に効果があるのだとか。味は古代米ということもあり、雑穀米のような健康に良さそうなお味だ。この紫米おこわと豚汁の組み合わせがベストマッチ。日本人だからでしょうか。心が落ち着く。
白馬エイドでは折返しポイントということで、メカニックサービスも展開。今回はワコーズがテントを広げており、トラブルが起きたバイクのメカニックをしてくれる。また、コース上ではマヴィックのメカニック班が車で巡回しており、パンクやギアトラブルに対応してくれるため、何かメカトラブルが起こった時でも安心だ。しかしこれらは本当に緊急の時の手段。自転車イベントに参加する際にはバイクのメンテナンスをしっかりしておこう。
ここからは次の大町美麻エイドまで23km弱の道のり。木崎湖まで来た道を戻るような形で南下していく。コースの所々にはAACR参加者のための案内板が設置されており、迷うことがないのも安心なところ。例えば二段階右折のための歩道への誘導や、トンネル前の点灯表示など、安全に気を配る配慮が随所に見えるのだ。そんな標示を見て、自らの走りも引き締めながら稲尾駅まで来ると、左に曲がっていき、緩斜面をヒルクライム。この時点で既に100km越えているため、少し厳しいながらもゆっくり登る。登りきると大町美麻エイドに到着である。
この大町美麻エイドでのグルメは、行者にんにくの醤油漬けが乗った冷奴と、荏胡麻味噌が乗った蕎麦薄焼きという2品。行者にんにくとはにんにくの香りを放つニラのような野菜で、寒冷地や高山に生える植物。ニラとにんにくの良いとこどりのような感じでとにかく美味い。これを醤油漬けにしてお豆腐の上に乗せて頂くのだが、正直お酒が欲しいところ。しかしここはグッと抑えるしかない。そして、そば粉を原料とした生地に甘めの荏胡麻味噌を乗せた蕎麦薄焼きもおやつ感覚でパクリ。初めて食べたはずなのに、懐かしい味わいがするのはなんでだろうか。
AACRも終盤に差し掛かり、ここからはフィニッシュ地点の松本方面へひたすらペダルを回す時間。次の安曇野エイドまでは35.6kmと少し心が折れそうになるが、ここが踏ん張りどころである。といってもひたすら直線が続く高瀬川の河川敷では背中を押されるような追い風が吹くため、快調なペースで飛ばす事が出来る。
そして最後のエイドとなる安曇野エイドに到着。ここでは胡麻あんおはぎと100%りんごジュースを用意されている。おはぎはあんこでもち米をくるんだものではなく、すりごまと砂糖をもち米にまぶしたシンプルなタイプ。疲労が溜まった終盤でも軽く食べられる。そしてりんごジュースでビタミンを補給すればフィニッシュまではあとちょっとだ。
安曇野エイドを出発するとフィニッシュまでは160kmコースで20kmほど。穂高の国営アルプスあづみの公園でフィニッシュする120km、80kmコースは、最後の安曇野エイドを出て7kmほどだ。ということで安曇野エイドを出て6kmほどで120km、80kmコースの皆様とはおさらば。仲間同士で別々のコースに別れて走る場合は時間差を計算すれば途中を一緒に走ることも可能だということが分かった。
160kmコースは残る10kmほどをフィニッシュ地点の梓水苑目指して走る。途中、一時停止が連続する区間では立哨のお兄さんが立っており、一時停止を促してくれる。参加者の方々もほぼ全ての人がペダルからクリートを外し、足を地面に付いてから一時停止するという安全確認をしていた。10年目という節目を迎えたAACR。地道に提唱してきた「100%の安全」という大会運営方針がしっかりと参加者にも根付いていると感じることが出来た。
そうこうしている内に今朝ぶりの並木通りが姿を現し、大会会場が見えてくる。フィニッシュ地点ではMCの方々やスタッフの方々が参加者のゴールを待っていてくれる。もちろんゴール写真も撮影してもらえるので、皆、思い思いのポーズを取りながらフィニッシュラインへ。160km大変だったけど楽しかった。
フィニッシュした後は完走証を受け取り、ご褒美のおめでタイ焼きをゲット。なんと今回はアイス入りとなっていて、ストロベリー味のアイスが火照った身体を冷やしてくれる。またゼッケン番号でサイクルグッズが当たるプレゼントも行っており、皆ホワイトボードとゼッケン番号をにらめっこしていた。完走の記念にAACRボードの前で記念撮影すれば最高の思い出になるだろう。
2ヶ月連続で開催されたアルプスあづみのセンチュリーライド。安曇野や日本アルプスの素晴らしい絶景はもちろんの事、各エイドで出されるグルメも選り取り見取りで楽しめるのが良い所。また100%の安全を謳い、参加者皆さんのしっかりとした安全確認、サポート体制の充実など、安心してライドを楽しめる工夫も随所に見られる。参加する場合、桜か緑かのどちらか一方の大会にしか参加できないが、どちらでも確実に楽しめるプログラムとなっている。まだ参加したことのないサイクリストの方がいるのなら、是非体験して欲しいロングライドイベントであった。
text:Kosuke.Kamata
photo:Makoto.Ayano Kosuke.Kamata
大町木崎湖エイドを出ると、木崎湖、中綱湖、青木湖の順に仁科三湖の湖岸を走り抜ける。これら3つの湖は様々な映像作品に登場することで知られており、最近だと木崎湖がアニメなどによく登場するのが有名なところだろう。だがしかし、青木湖も日本映画史に残る有名な作品に登場しているのだ。その作品というのも当時一大ブームを巻き起こした「犬神家の一族」。1976年制作と古い作品であるが、湖面から突き出る足のシーンは知っている人も多いのではないだろうか。そして、まさにそのシーンが撮られたのが青木湖である。
ということで、昔から映画のロケ地に使用されるなど、美しい景観が持ち味の仁科三湖を抜けると、いよいよ白馬の地に入ってくる。長野オリンピックの各種目会場が設置されたことでも知られる白馬村。周りにはその名の通り白馬のように冠雪した北アルプス山脈の霊峰が姿を見せる。そんな日本離れした景観を眺めながらのサイクリング。最高で無いはずがない。
しばらくすれば折り返し地点である白馬エイドに到着である。ここでは豚汁と白馬の名産品である紫米のもち米を使ったおこわが登場。この紫米は「紫舞」と呼ばれる古代米の一種で、紫色の理由はブルーベリーなどにも含まれるアントシアニンが含まれているとのこと。そのため、眼精疲労や老化、高血圧に効果があるのだとか。味は古代米ということもあり、雑穀米のような健康に良さそうなお味だ。この紫米おこわと豚汁の組み合わせがベストマッチ。日本人だからでしょうか。心が落ち着く。
白馬エイドでは折返しポイントということで、メカニックサービスも展開。今回はワコーズがテントを広げており、トラブルが起きたバイクのメカニックをしてくれる。また、コース上ではマヴィックのメカニック班が車で巡回しており、パンクやギアトラブルに対応してくれるため、何かメカトラブルが起こった時でも安心だ。しかしこれらは本当に緊急の時の手段。自転車イベントに参加する際にはバイクのメンテナンスをしっかりしておこう。
ここからは次の大町美麻エイドまで23km弱の道のり。木崎湖まで来た道を戻るような形で南下していく。コースの所々にはAACR参加者のための案内板が設置されており、迷うことがないのも安心なところ。例えば二段階右折のための歩道への誘導や、トンネル前の点灯表示など、安全に気を配る配慮が随所に見えるのだ。そんな標示を見て、自らの走りも引き締めながら稲尾駅まで来ると、左に曲がっていき、緩斜面をヒルクライム。この時点で既に100km越えているため、少し厳しいながらもゆっくり登る。登りきると大町美麻エイドに到着である。
この大町美麻エイドでのグルメは、行者にんにくの醤油漬けが乗った冷奴と、荏胡麻味噌が乗った蕎麦薄焼きという2品。行者にんにくとはにんにくの香りを放つニラのような野菜で、寒冷地や高山に生える植物。ニラとにんにくの良いとこどりのような感じでとにかく美味い。これを醤油漬けにしてお豆腐の上に乗せて頂くのだが、正直お酒が欲しいところ。しかしここはグッと抑えるしかない。そして、そば粉を原料とした生地に甘めの荏胡麻味噌を乗せた蕎麦薄焼きもおやつ感覚でパクリ。初めて食べたはずなのに、懐かしい味わいがするのはなんでだろうか。
AACRも終盤に差し掛かり、ここからはフィニッシュ地点の松本方面へひたすらペダルを回す時間。次の安曇野エイドまでは35.6kmと少し心が折れそうになるが、ここが踏ん張りどころである。といってもひたすら直線が続く高瀬川の河川敷では背中を押されるような追い風が吹くため、快調なペースで飛ばす事が出来る。
そして最後のエイドとなる安曇野エイドに到着。ここでは胡麻あんおはぎと100%りんごジュースを用意されている。おはぎはあんこでもち米をくるんだものではなく、すりごまと砂糖をもち米にまぶしたシンプルなタイプ。疲労が溜まった終盤でも軽く食べられる。そしてりんごジュースでビタミンを補給すればフィニッシュまではあとちょっとだ。
安曇野エイドを出発するとフィニッシュまでは160kmコースで20kmほど。穂高の国営アルプスあづみの公園でフィニッシュする120km、80kmコースは、最後の安曇野エイドを出て7kmほどだ。ということで安曇野エイドを出て6kmほどで120km、80kmコースの皆様とはおさらば。仲間同士で別々のコースに別れて走る場合は時間差を計算すれば途中を一緒に走ることも可能だということが分かった。
160kmコースは残る10kmほどをフィニッシュ地点の梓水苑目指して走る。途中、一時停止が連続する区間では立哨のお兄さんが立っており、一時停止を促してくれる。参加者の方々もほぼ全ての人がペダルからクリートを外し、足を地面に付いてから一時停止するという安全確認をしていた。10年目という節目を迎えたAACR。地道に提唱してきた「100%の安全」という大会運営方針がしっかりと参加者にも根付いていると感じることが出来た。
そうこうしている内に今朝ぶりの並木通りが姿を現し、大会会場が見えてくる。フィニッシュ地点ではMCの方々やスタッフの方々が参加者のゴールを待っていてくれる。もちろんゴール写真も撮影してもらえるので、皆、思い思いのポーズを取りながらフィニッシュラインへ。160km大変だったけど楽しかった。
フィニッシュした後は完走証を受け取り、ご褒美のおめでタイ焼きをゲット。なんと今回はアイス入りとなっていて、ストロベリー味のアイスが火照った身体を冷やしてくれる。またゼッケン番号でサイクルグッズが当たるプレゼントも行っており、皆ホワイトボードとゼッケン番号をにらめっこしていた。完走の記念にAACRボードの前で記念撮影すれば最高の思い出になるだろう。
2ヶ月連続で開催されたアルプスあづみのセンチュリーライド。安曇野や日本アルプスの素晴らしい絶景はもちろんの事、各エイドで出されるグルメも選り取り見取りで楽しめるのが良い所。また100%の安全を謳い、参加者皆さんのしっかりとした安全確認、サポート体制の充実など、安心してライドを楽しめる工夫も随所に見られる。参加する場合、桜か緑かのどちらか一方の大会にしか参加できないが、どちらでも確実に楽しめるプログラムとなっている。まだ参加したことのないサイクリストの方がいるのなら、是非体験して欲しいロングライドイベントであった。
text:Kosuke.Kamata
photo:Makoto.Ayano Kosuke.Kamata
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