2018/04/06(金) - 10:40
自転車乗りならではの目線を活かしたモノづくりに定評のある東京サンエス。東京の末広町にて開催された展示会には、アイディア満載の製品がズラリと並べられた。それでは、ユニークな展示会の様子をレポートしましょう。
2年目となった東京サンエスミーティング
コアな自転車乗りが毎年楽しみにしているものの一つが、東京サンエスのカタログだろう。分厚いカタログにこれでもかとばかりにパーツが並んでいるのだけれど、その一つ一つの向こうにそれを必要としているサイクリストの顔が浮かぶような、そんな製品ばかり。
東京サンエスのカタログを読み進めていくのは、宝の地図を眺めているようなもの。自分でも気づかなかった、「これがあったら確かに便利かも」というグッズと出会えれば、自転車ライフがきっともっと充実したものになるはずだから。
このタイミングで発表された新製品たち
さまざまなメーカーと協力して製品を開発している
カラフルな展開のサドルやハンドルたち
多くのバリエーションが用意されるカーボンフォーク 自転車の乗り味に大きな影響を与える部分だからこそのラインアップ
そして、カタログが宝の地図だとすれば、展示会は宝の山かも。そして、宝島になったのは、東京都千代田区末広町にある、中学校の旧校舎を利用した文化施設3331ARTS CHIYODA。春の陽気に包まれた会場は大きな桜が咲いており、元中学校ということもあいまってなんだか入学式のような雰囲気だ。ちょっとテンションを上げつつ館内に入ると、東京サンエスが取り扱うオリジナルブランドの製品が、3列の机にぎっしり敷き詰められている。
既にサイクルモードなどで発表されている新製品に加えて、この展示会が初めてお披露目となるモデルもちらほらと目につく。なかでもユニークで、東京サンエスらしさが光るのがお守りのような形をした袋の中に、ノリ付きパッチとサンドペーパーが入った「パンクあんしん袋」。サドルバッグやツール缶に忍ばせるもよし、サドルレールやハンドルからぶら下げるもよし、予想外のトラブルでチューブが足りなくなってしまったときに、きっと持っていてよかったと思うはずの一品だ。
パンクあんしん袋は東京サンエスらしさが詰まった一作
「交通安全のお守りをサドルの下に付けている方がいらっしゃいますよね。そこからヒントをもらって、こんなパッチキットがあれば良いな、と思ったんです」と語るのは、東京サンエスの代表となった坂井さん。「あんしん袋という名前は『御守り』と名付けてしまうと、開けづらいかなと。あと、やっぱり可愛いと思うので、初めてロングライドイベントに参加する友達などにプレゼントしてあげるのも良いかもしれませんね」とも。
自らもアクティブに自転車を楽しむ坂井さんは、東京サンエスの看板商品の一つでもあるトート型輪行袋「キャリー」シリーズを手掛けた方でもある。「『ツール・ド・北海道』や『3day race 熊野』の発起人でもある土屋朋子さんが持ってこられたアイディアを形にしたのがこのキャリーです。トートバッグの様に女性も運びやすいデザインで、今では多くの発展・派生モデルが生まれました」と坂井さん。
元廃校ということで、製品プレゼンもちょっと授業みたいな雰囲気に
東京サンエスの新代表となった坂井さん
内側にホイールポケットが付いているのが特徴のオーキャリー
ユーザーからの要望に応える形で、より軽くボトルケージに収納可能な「キャリーライト」、サドル下に装着できる「キャリーキャリー」、さらには男性からの要望もあり、より大きなフレームに対応した「オーキャリー」など、キャリーのラインアップは広がっている。トートバッグの様に扱いやすい「キャリー」の本質を変えずにユーザーからの要望を取り入れた新しいモデルの開発はこれからも続いていきそうだ。
オリジナルプロダクトが並べられた部屋の先にあるブースでは、カリフォルニアのバイクブランド・ソーマのフレームがズラリ。ロードバイクやMTBだけでなく、街乗りからキャンプツーリングまで対応するようなオールロードや女性にもぴったりなミキストバイクなど様々なジャンルのスチールバイクを取り揃えている。
サンフランシスコから来日した老舗バイクショップのAmerican Cycleryのオーナーであるブラッドレー・ウォール氏
ミキストフレームのSTARLINGについて説明する
ソーマで人気のオールロードバイク、ウルヴァリン
アメリカのショップ事情について語るウォール氏
そして、今回はサンフランシスコから老舗バイクショップのAmerican Cycleryのオーナーであるブラッドレー・ウォール氏が来日。ソーマ製品の企画を担当する氏からは、新製品の概要に加えてサンフランシスコでのショップ事情がプレゼンされ、集まった日本のショップスタッフさんたちも熱心に聞き入っている様子だった。
そして、他にも魅力的かつ個性的な新製品が目白押し。ワンバイエスのフレームであるJFFのアルミシクロクロスモデルや、ショートクランクの代名詞ともなったディズナのラ・クランクの135mmモデル、Qファクターをできうる限りつめるための設計を施された「48ペダル」シリーズに新たに加わったフラットペダルや、トライアスロンの規定内で最大の空力効果を得るためのロングリーチハンドル「エストライバー」などなど、ここでは書ききれないほど。
元CX全日本王者の辻浦氏が現在の製品開発に深く携わっている
東京サンエスのオリジナル製品を一手に手掛ける上司氏
これからはE-bike用のアクセサリーも展開していく予定とのことだ
JFFシリーズはカラーオーダー可能 豊富なカラーサンプルが揃う
スマートなルックスのMTB用ステム
角度をつけて座刳られたトップキャップ
でも、どのパーツにも共通するのが、どこかにこれらを必要としている人を容易に想像できること。そして、その必要に気づかせてくれる明確なコンセプトを備えていること。「人と物 物と人との豊かな調和を目指し続ける」という東京サンエスの基本理念は、それぞれのパーツに息づいている。人の必要が物を作り、作られた物が人の必要を呼び起こす、そんな豊かな相互作用を東京サンエスのプロダクトはしっかりと見せてくれる。きっとそこに私たちはたまらなく引き寄せられるのだろう。
text&photo:Naoki.YASUOKA
![2年目となった東京サンエスミーティング](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7726.jpg)
コアな自転車乗りが毎年楽しみにしているものの一つが、東京サンエスのカタログだろう。分厚いカタログにこれでもかとばかりにパーツが並んでいるのだけれど、その一つ一つの向こうにそれを必要としているサイクリストの顔が浮かぶような、そんな製品ばかり。
東京サンエスのカタログを読み進めていくのは、宝の地図を眺めているようなもの。自分でも気づかなかった、「これがあったら確かに便利かも」というグッズと出会えれば、自転車ライフがきっともっと充実したものになるはずだから。
![このタイミングで発表された新製品たち](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7527.jpg)
![さまざまなメーカーと協力して製品を開発している](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7529.jpg)
![カラフルな展開のサドルやハンドルたち](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7538.jpg)
![多くのバリエーションが用意されるカーボンフォーク 自転車の乗り味に大きな影響を与える部分だからこそのラインアップ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7542.jpg)
そして、カタログが宝の地図だとすれば、展示会は宝の山かも。そして、宝島になったのは、東京都千代田区末広町にある、中学校の旧校舎を利用した文化施設3331ARTS CHIYODA。春の陽気に包まれた会場は大きな桜が咲いており、元中学校ということもあいまってなんだか入学式のような雰囲気だ。ちょっとテンションを上げつつ館内に入ると、東京サンエスが取り扱うオリジナルブランドの製品が、3列の机にぎっしり敷き詰められている。
既にサイクルモードなどで発表されている新製品に加えて、この展示会が初めてお披露目となるモデルもちらほらと目につく。なかでもユニークで、東京サンエスらしさが光るのがお守りのような形をした袋の中に、ノリ付きパッチとサンドペーパーが入った「パンクあんしん袋」。サドルバッグやツール缶に忍ばせるもよし、サドルレールやハンドルからぶら下げるもよし、予想外のトラブルでチューブが足りなくなってしまったときに、きっと持っていてよかったと思うはずの一品だ。
![パンクあんしん袋は東京サンエスらしさが詰まった一作](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7535.jpg)
「交通安全のお守りをサドルの下に付けている方がいらっしゃいますよね。そこからヒントをもらって、こんなパッチキットがあれば良いな、と思ったんです」と語るのは、東京サンエスの代表となった坂井さん。「あんしん袋という名前は『御守り』と名付けてしまうと、開けづらいかなと。あと、やっぱり可愛いと思うので、初めてロングライドイベントに参加する友達などにプレゼントしてあげるのも良いかもしれませんね」とも。
自らもアクティブに自転車を楽しむ坂井さんは、東京サンエスの看板商品の一つでもあるトート型輪行袋「キャリー」シリーズを手掛けた方でもある。「『ツール・ド・北海道』や『3day race 熊野』の発起人でもある土屋朋子さんが持ってこられたアイディアを形にしたのがこのキャリーです。トートバッグの様に女性も運びやすいデザインで、今では多くの発展・派生モデルが生まれました」と坂井さん。
![元廃校ということで、製品プレゼンもちょっと授業みたいな雰囲気に](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7588.jpg)
![東京サンエスの新代表となった坂井さん](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7563.jpg)
![内側にホイールポケットが付いているのが特徴のオーキャリー](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7584.jpg)
ユーザーからの要望に応える形で、より軽くボトルケージに収納可能な「キャリーライト」、サドル下に装着できる「キャリーキャリー」、さらには男性からの要望もあり、より大きなフレームに対応した「オーキャリー」など、キャリーのラインアップは広がっている。トートバッグの様に扱いやすい「キャリー」の本質を変えずにユーザーからの要望を取り入れた新しいモデルの開発はこれからも続いていきそうだ。
オリジナルプロダクトが並べられた部屋の先にあるブースでは、カリフォルニアのバイクブランド・ソーマのフレームがズラリ。ロードバイクやMTBだけでなく、街乗りからキャンプツーリングまで対応するようなオールロードや女性にもぴったりなミキストバイクなど様々なジャンルのスチールバイクを取り揃えている。
![サンフランシスコから来日した老舗バイクショップのAmerican Cycleryのオーナーであるブラッドレー・ウォール氏](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7467.jpg)
![ミキストフレームのSTARLINGについて説明する](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7478.jpg)
![ソーマで人気のオールロードバイク、ウルヴァリン](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7494.jpg)
![アメリカのショップ事情について語るウォール氏](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7498.jpg)
そして、今回はサンフランシスコから老舗バイクショップのAmerican Cycleryのオーナーであるブラッドレー・ウォール氏が来日。ソーマ製品の企画を担当する氏からは、新製品の概要に加えてサンフランシスコでのショップ事情がプレゼンされ、集まった日本のショップスタッフさんたちも熱心に聞き入っている様子だった。
そして、他にも魅力的かつ個性的な新製品が目白押し。ワンバイエスのフレームであるJFFのアルミシクロクロスモデルや、ショートクランクの代名詞ともなったディズナのラ・クランクの135mmモデル、Qファクターをできうる限りつめるための設計を施された「48ペダル」シリーズに新たに加わったフラットペダルや、トライアスロンの規定内で最大の空力効果を得るためのロングリーチハンドル「エストライバー」などなど、ここでは書ききれないほど。
![元CX全日本王者の辻浦氏が現在の製品開発に深く携わっている](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7628.jpg)
![東京サンエスのオリジナル製品を一手に手掛ける上司氏](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7674.jpg)
![これからはE-bike用のアクセサリーも展開していく予定とのことだ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7684.jpg)
![JFFシリーズはカラーオーダー可能 豊富なカラーサンプルが揃う](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7724.jpg)
![スマートなルックスのMTB用ステム](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7701.jpg)
![角度をつけて座刳られたトップキャップ](http://axwkc.cyclowired.jp/sites/default/files/images/2018/04/06/mkb7703.jpg)
でも、どのパーツにも共通するのが、どこかにこれらを必要としている人を容易に想像できること。そして、その必要に気づかせてくれる明確なコンセプトを備えていること。「人と物 物と人との豊かな調和を目指し続ける」という東京サンエスの基本理念は、それぞれのパーツに息づいている。人の必要が物を作り、作られた物が人の必要を呼び起こす、そんな豊かな相互作用を東京サンエスのプロダクトはしっかりと見せてくれる。きっとそこに私たちはたまらなく引き寄せられるのだろう。
text&photo:Naoki.YASUOKA
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