2017/07/22(土) - 09:08
7月16日から17日にかけて、福島県の南会津にて開催されたロングライドイベント「走ってみっぺ南会津!」。アットホームな雰囲気で、ゆったりまったりとして時間を過ごせるイベントに、今年もシクロワイアード編集部がお邪魔しました。
夏場はMTBパーク、冬はスキー場となるたかつえスキー場
地元の木材を使ったスタンドも
多くの人が集まった走ってみっぺ南会津の前夜祭
栃木県と福島県の県境にほど近い、南会津。周辺には尾瀬や那須、日光といった国内屈指の観光地が並び、リゾート地としても高いポテンシャルを持つエリアである。そんな南会津の高原地帯を舞台に開催されるロングライドイベントが「走ってみっぺ!南会津」である。
会場となるのは、スノーリゾートとして多くのスキーヤーやスノーボーダーが集まる会津高原たかつえスキー場。東京からであれば東北道で西那須塩原ICを降りて、一山越えて1時間ほど。夏場はMTBのコースとして営業しており、ダブルクラウンのサスペンションを装備したダウンヒルバイクがずらりと並んでいる様子はなかなか壮観だ。
前夜祭受付に並ぶ人たち
この日の目玉である花泉の樽
地元グルメに舌鼓を打つ
今年で6年目を迎えることとなったこの大会は、毎年着実に人気を高めていっている。大会の定員こそ昨年と同様だが、ここ数年は満員御礼であり、定員に達するまでのスピードは年々速くなっているのだとか。そして、その中でも最も早くチケットが売り切れてしまうのが、前夜祭に参加できる宿泊付きのプランだというのだから、驚きだ。
その人気の秘密は、もちろん大会会場に至便な宿泊施設が用意されているということももちろんながら、前夜祭の魅力が大きい。ハイシーズンはスキー客でごった返すであろう広々としたスキーセンタースペーシアのレストラン「オーロラ」はこの日、サイクリストによって埋め尽くされた。
ずらりと並べられた250席は、全てが埋め尽くされており、まさにお祭りといった様子。全参加者が800名弱であるので、およそ3分の1の方が参加している計算になる。その人気の秘訣は何なのか、不思議に思われる読者の方も多いだろう。その疑問に対して、私が考える答えは3つある。
毎年恒例の鏡開き
まずは地酒の花泉でかんぱーい!
会津ラーメンやソースカツ、鹿肉の煮込みなど地元のグルメがたくさん
花泉のおかわりには常に列ができていた
オリジナルの御猪口も用意されていた
仲間とわいわい楽しく過ごしましょう
1つは、おいしい地元グルメに地酒を含めた飲み放題。机の上に並べられるのは、これでもか!と言わんばかりのバリエーションを誇る南会津の名産品たち。大会当日のエイドでも振舞われるブランド野菜の南郷トマトや、会津地鶏のチーズタッカルビ、馬肉の煮込みや岩魚の黒酢あんかけ、きのこや山菜を使った炒め物やお味噌汁など、地元での食材をふんだんに使った料理達、そして、会津B級グルメとしてソースカツやカレー焼きそばといったご当地料理の数々が振舞われるのだ。
そこに拍車をかけるのが、暑い夏の夜に嬉しい飲み放題。ビールやチューハイといった定番ドリンクはもちろんだけれど、目玉となるのは幻の銘酒としてコアな日本酒ファンを魅了してきた「花泉」。豪雪地帯である南会津の雪解け水が原生林によって育まれた名水「高清水」を仕込みに使った花泉は、とても深い味わいとすっきりした飲み口が特徴の逸品。そんな銘酒が飲み放題というのだから、呑兵衛にはたまらない。
花泉が当たる抽選会も
目玉商品のアストリアホテル宿泊券をゲット!
舘岩大太鼓は迫力の演奏
子供もダイナミックにビートを刻んだ
正直、これだけでもリピートするには十分な理由なのだけれど、美味しいお酒に地元グルメだけならば他の大会の前夜祭も負けていない、という人もいるかもしれない。でも、この前夜祭の魅力はそれだけじゃない。残る2つの内1つは、豪華なプレゼントが用意された大抽選会や、地元舘岩の大太鼓演奏といった、様々なプログラムが用意されていること。抽選会には、花泉や会津アストリアホテルの宿泊券といった賞品が用意され、当選番号が読み上げられる度に会場は大盛り上がり。舘岩の大太鼓の演奏も大迫力で、思わず聞き入ってしまう。
最後の、そして最も大きな理由は、大会を支えるスタッフたちが醸し出すアットホームな雰囲気だろう。大会をサポートする宇都宮ブリッツェンの廣瀬GMや、MCの棚橋麻衣さん、ゲストの絹代さんの掛け合いが、とても居心地の良い空気を生み出しているのだ。
一言で言えば「ゆるーい」空気。それは、自他共に認めるところで、廣瀬GM曰く「世界一ゆるーい自転車イベント」なのだとか。どれくらい緩いのかといえば、大会6年目にして、100kmコースが実は107kmだったという衝撃の事実が、前夜祭の冒頭で明かされるほど(笑)
畑中選手らを含めた4人のトークショー
家族でトークショーの場に立った畑中家
石川ロードで勝利した雨澤選手
なんと雨澤選手のお母さんも駆け付けた
そんな空気も相まって、ゲストライダーとして招聘される宇都宮ブリッツェンや那須ブラーゼンの選手たちも、心なしかいつもよりにこやかな印象。チームのファンにとっても、憧れの選手たちと交流できる貴重な機会ということもあり、積極的に話しかける方も多かったよう。
また、スペシャルゲストとして全日本王者である畑中選手も登場。事前には何も告知されておらず、サプライズな出演に会場がどよめくが、「こんばんは!王者です!」というゆるーい挨拶で、ちょっと緊張した雰囲気はどこへやら。奥さんである絹代さん、そして娘さんとともに、ステージでほんわかとしたトークを繰り広げてくれた。
そんな楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。宴もたけなわとなり、閉会の挨拶がされれば、各々の宿泊場所へ。送迎バスも用意されているので、酔っぱらっても大丈夫だし、ハンドルキーパーを用意しておく必要もないのは嬉しい配慮。明日のライドへと期待を膨らませながら、寝床へと向かっていった。
text&photo:Naoki.YASUOKA



栃木県と福島県の県境にほど近い、南会津。周辺には尾瀬や那須、日光といった国内屈指の観光地が並び、リゾート地としても高いポテンシャルを持つエリアである。そんな南会津の高原地帯を舞台に開催されるロングライドイベントが「走ってみっぺ!南会津」である。
会場となるのは、スノーリゾートとして多くのスキーヤーやスノーボーダーが集まる会津高原たかつえスキー場。東京からであれば東北道で西那須塩原ICを降りて、一山越えて1時間ほど。夏場はMTBのコースとして営業しており、ダブルクラウンのサスペンションを装備したダウンヒルバイクがずらりと並んでいる様子はなかなか壮観だ。



今年で6年目を迎えることとなったこの大会は、毎年着実に人気を高めていっている。大会の定員こそ昨年と同様だが、ここ数年は満員御礼であり、定員に達するまでのスピードは年々速くなっているのだとか。そして、その中でも最も早くチケットが売り切れてしまうのが、前夜祭に参加できる宿泊付きのプランだというのだから、驚きだ。
その人気の秘密は、もちろん大会会場に至便な宿泊施設が用意されているということももちろんながら、前夜祭の魅力が大きい。ハイシーズンはスキー客でごった返すであろう広々としたスキーセンタースペーシアのレストラン「オーロラ」はこの日、サイクリストによって埋め尽くされた。
ずらりと並べられた250席は、全てが埋め尽くされており、まさにお祭りといった様子。全参加者が800名弱であるので、およそ3分の1の方が参加している計算になる。その人気の秘訣は何なのか、不思議に思われる読者の方も多いだろう。その疑問に対して、私が考える答えは3つある。






1つは、おいしい地元グルメに地酒を含めた飲み放題。机の上に並べられるのは、これでもか!と言わんばかりのバリエーションを誇る南会津の名産品たち。大会当日のエイドでも振舞われるブランド野菜の南郷トマトや、会津地鶏のチーズタッカルビ、馬肉の煮込みや岩魚の黒酢あんかけ、きのこや山菜を使った炒め物やお味噌汁など、地元での食材をふんだんに使った料理達、そして、会津B級グルメとしてソースカツやカレー焼きそばといったご当地料理の数々が振舞われるのだ。
そこに拍車をかけるのが、暑い夏の夜に嬉しい飲み放題。ビールやチューハイといった定番ドリンクはもちろんだけれど、目玉となるのは幻の銘酒としてコアな日本酒ファンを魅了してきた「花泉」。豪雪地帯である南会津の雪解け水が原生林によって育まれた名水「高清水」を仕込みに使った花泉は、とても深い味わいとすっきりした飲み口が特徴の逸品。そんな銘酒が飲み放題というのだから、呑兵衛にはたまらない。




正直、これだけでもリピートするには十分な理由なのだけれど、美味しいお酒に地元グルメだけならば他の大会の前夜祭も負けていない、という人もいるかもしれない。でも、この前夜祭の魅力はそれだけじゃない。残る2つの内1つは、豪華なプレゼントが用意された大抽選会や、地元舘岩の大太鼓演奏といった、様々なプログラムが用意されていること。抽選会には、花泉や会津アストリアホテルの宿泊券といった賞品が用意され、当選番号が読み上げられる度に会場は大盛り上がり。舘岩の大太鼓の演奏も大迫力で、思わず聞き入ってしまう。
最後の、そして最も大きな理由は、大会を支えるスタッフたちが醸し出すアットホームな雰囲気だろう。大会をサポートする宇都宮ブリッツェンの廣瀬GMや、MCの棚橋麻衣さん、ゲストの絹代さんの掛け合いが、とても居心地の良い空気を生み出しているのだ。
一言で言えば「ゆるーい」空気。それは、自他共に認めるところで、廣瀬GM曰く「世界一ゆるーい自転車イベント」なのだとか。どれくらい緩いのかといえば、大会6年目にして、100kmコースが実は107kmだったという衝撃の事実が、前夜祭の冒頭で明かされるほど(笑)




そんな空気も相まって、ゲストライダーとして招聘される宇都宮ブリッツェンや那須ブラーゼンの選手たちも、心なしかいつもよりにこやかな印象。チームのファンにとっても、憧れの選手たちと交流できる貴重な機会ということもあり、積極的に話しかける方も多かったよう。
また、スペシャルゲストとして全日本王者である畑中選手も登場。事前には何も告知されておらず、サプライズな出演に会場がどよめくが、「こんばんは!王者です!」というゆるーい挨拶で、ちょっと緊張した雰囲気はどこへやら。奥さんである絹代さん、そして娘さんとともに、ステージでほんわかとしたトークを繰り広げてくれた。
そんな楽しい時間はあっという間に過ぎるもの。宴もたけなわとなり、閉会の挨拶がされれば、各々の宿泊場所へ。送迎バスも用意されているので、酔っぱらっても大丈夫だし、ハンドルキーパーを用意しておく必要もないのは嬉しい配慮。明日のライドへと期待を膨らませながら、寝床へと向かっていった。
text&photo:Naoki.YASUOKA
Amazon.co.jp