2017/07/05(水) - 09:04
アメリカ・カリフォルニアに本拠を構えるバイクブランド、ソーマからバイクデザイナーのエヴァン・トーマス・ベアード氏が来日。展示会の翌日に東京の空気を楽しんだサイクリングの様子のレポートがソーマを取り扱う東京サンエスから届きました。
美しい青空が広がり、東京のサクラも満開となった2017年4月13日。上野御徒町にある東京サンエスビルの前に、4人のサイクリストが集合した。ソーマのデザイナーであるエヴァン・トーマス・ベアード氏と、通訳も兼ねて自転車海外商社・インタージェットの久保雅義さん。サンエスからはソーマの販売を担当している小田康宏氏と、スタッフの元シクロクロスチャンピオンの辻浦圭一氏だ。
前日に行われた東京サンエスの展示会『サンエスミーティング』のコンセプトをもとに、ソーマのバイクに乗ってサンエスの育った場所・上野界隈の下町を中心とした東京ライドを楽しもうというのだ。日本初来日となるエヴァンの”東京のバイクショップを見たい”というリクエストも踏まえてのルートとなった。
ソーマはサンフランシスコの老舗の自転車卸商メリーセールス社が2001年に始めたバイクブランドだ。日本のケイリンバイクにインスピレーションを受けたシングルスピード” ”から始まり、シンプルなロードレーサーやツーリングバイクなど幅広いラインナップで、地元サンフランシスコのサイクリストたちから熱い支持を受けている。デザイナーのエヴァンにとっても、憧れの日本のバイクカルチャーを肌身で感じることのできる機会とあって、ライドのスタートからすでに上機嫌。
御徒町の東京サンエスを出発して、まずは秋葉原の電気街を通り抜けて神田明神を目指す。秋葉原のド派手なビルや、世界的にも認知度の高いSEGAやニンテンドーの看板に思わずカメラを向けるエヴァン。独特な日本のカルチャーに興味津々だ。
秋葉原から西に坂を登ると、江戸総鎮守の神田明神だ。朱塗りの隋神門にバイクを停め、拝殿にお参りする。神聖な場所とあって感慨深げだ。エヴァンは片隅に置かれていた顔出しパネルに自ら顔を出し、写真を撮れと支持するお茶目な一面も。
神田明神を出て国道17号線を南下し、現代的なビル街となった日本橋の街中を抜けて、”日本橋”の道路元標の地点に。ここから大阪まで国道1号線が続いている、と説明する。「次はここから大阪まで走ってみる?」と聞くと「面白そうだ」とエヴァン。距離にして500km以上だが、彼なら本当にチャレンジしてしまいそうだ。
日本橋から銀座の賑わいを楽しみながら、きれいになった東京駅前の広場に。ここではエヴァンと辻浦氏のバイクテクニック選手権が勃発。スタンディングやウィーリーなどの技で、言葉は通じなくても盛り上がる。
いろいろ東京の観光案内をするけれど、エヴァンは街中を走る自転車の方に興味深々。アメリカには無い”ママチャリ”がリアルで走る姿ですらも、楽しんでいる様子だった。
皇居を出発して六本木、表参道を通り代々木公園へ。東京のクルマの交通量の多さやアップダウンのある地形を気にする様子もなく、エヴァンは軽快に走る。代々木公園では4台のソーマを並べて写真を撮ったりと、しばしの休憩。たとえ言葉はたどたどしくても、自転車をはさめば話は尽きない。
距離はそれほど走っていないけれど、寄り道したり写真を撮ったりしているうちに、お昼時に。4人は井の頭通りにあったうどん屋に飛び込む。実はサンフランシスコでも日本料理が食べられるレストランは多く、エヴァンもスシやてんぷら、お蕎麦などが大好きだそう。昼食にはてんぷらうどんをセレクト。お箸を上手に使い、美味しそうに食べていた。
一同はそのまま井の頭通りを西に向かい、吉祥寺にある自転車店”ベロクラフト”さんへ。エヴァン曰く、アメリカにはツーリング系専門のバイクショップはとても少ないそうで、かなり興奮気味。店内に置かれているバイクキャリアやブレーキ、ハンドメイドのツーリングバイクのフレームを熱心に見学していた。店主の大槻さんと、日本で人気のスポーツバイクやツーリングバイクについて話に花が咲いた。
吉祥寺を出て井の頭通りを戻る形で、幡ヶ谷にあるバイクショップ”ブルーラグ”さんも見学する。アメリカンバイクカルチャーの影響を強く受けつつもオリジナルの感性をプラスしたブルーラグは、アメリカでも有名らしい。多種多様な商品で溢れかえるブルーラグの店内に、時間が経つのも忘れるエヴァンだ。店内に置かれた商品の中には、エヴァンのお友達のブランドのものもあった。「日本でも人気なんて嬉しい」と写真を撮影。同じようにソーマのタイヤも見つけて、満面の笑みだ。ブルーラグではエヴァンと同世代のスタッフも多く、話が弾んでいた。
最後に上野を通り越し、浅草にあるバイクショップ”オオマエジムショ”さんに立ち寄らせてもらう。店主の大前さんは現役の自転車雑誌の編集・カメラマンでありつつも、ツーリング車専門店を開いたという異色の存在だ。その広い見識には定評がある。
店内にはオリジナル車や古いアレックス・サンジェのツーリング車が置かれていて、エヴァンは細部まで写真を撮り始める。まだ27歳という若さのエヴァンだが、ルネ・エルスやサンジェなどのクラッシックなツーリング車が大好きなのだそう。日本のツーリング車のムック本をプレゼントされて、食い入るように見ていた。
最後に浅草の浅草寺を見学して、隅田川に出て新しい東京のシンボルとなったスカイツリーを望む。隅田川沿いの公園の桜並木の下を走りながら、両国の国技館脇で記念撮影。相撲のことはエヴァンも知っていて、「おお、スモウレスラーがここに」と感慨深げ。
浅草橋の下町情緒を楽しみながら、ゴールの御徒町の東京サンエスまでのんびりとサイクリング。今回のコンセプトである”サンエス ミーツ サンフランシスコ”をエヴァンもサンエススタッフも実感できた1日となった。
「東京でのFogCutterライドはサンフランシスコでのライディングと多くの点で似ていますが、左側通行という違いがあり最初は戸惑いましたが、サンエスのみんなと安全にライドを楽しめました」と、ライドを満喫した様子のエヴァン。「秋葉原は、初めて知った街でしたが、古典的なセガゲームのファンで有った為、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』や『ナイツ・イン・ドリームス』のような世界観や看板を目にしたときはワクワクしました。
また印象に残ったのは、最後に通った屋形船が停泊されている柳橋が、大好きな『攻殻機動隊-Goast in the shell-』 の映画のワンシーンを思い起こさせ、感動しました。後日にMKS(三ヶ島製作所)の工場見学では私のコレクションにない古いペダルの展示が見れ、日本の高度な精度や調整でペダルを組み付けられている現場を見れたことは非常に勉強になりました」と日本の印象を語ってくれた。
今回4人が乗ったSOMA BIKEは、左からSAN MARCOS(サンマルコス)/Wolverine(ウルヴァリン)/Fogcutter(フォグカッター)テストバイク/DoubleCross(ダブルクロス)バイタリティーのある車種を多くラインアンップするソーマはみなさんのバイクスタイルを演出してくれる。
text&photo:Kani.YUKA
美しい青空が広がり、東京のサクラも満開となった2017年4月13日。上野御徒町にある東京サンエスビルの前に、4人のサイクリストが集合した。ソーマのデザイナーであるエヴァン・トーマス・ベアード氏と、通訳も兼ねて自転車海外商社・インタージェットの久保雅義さん。サンエスからはソーマの販売を担当している小田康宏氏と、スタッフの元シクロクロスチャンピオンの辻浦圭一氏だ。
前日に行われた東京サンエスの展示会『サンエスミーティング』のコンセプトをもとに、ソーマのバイクに乗ってサンエスの育った場所・上野界隈の下町を中心とした東京ライドを楽しもうというのだ。日本初来日となるエヴァンの”東京のバイクショップを見たい”というリクエストも踏まえてのルートとなった。
ソーマはサンフランシスコの老舗の自転車卸商メリーセールス社が2001年に始めたバイクブランドだ。日本のケイリンバイクにインスピレーションを受けたシングルスピード” ”から始まり、シンプルなロードレーサーやツーリングバイクなど幅広いラインナップで、地元サンフランシスコのサイクリストたちから熱い支持を受けている。デザイナーのエヴァンにとっても、憧れの日本のバイクカルチャーを肌身で感じることのできる機会とあって、ライドのスタートからすでに上機嫌。
御徒町の東京サンエスを出発して、まずは秋葉原の電気街を通り抜けて神田明神を目指す。秋葉原のド派手なビルや、世界的にも認知度の高いSEGAやニンテンドーの看板に思わずカメラを向けるエヴァン。独特な日本のカルチャーに興味津々だ。
秋葉原から西に坂を登ると、江戸総鎮守の神田明神だ。朱塗りの隋神門にバイクを停め、拝殿にお参りする。神聖な場所とあって感慨深げだ。エヴァンは片隅に置かれていた顔出しパネルに自ら顔を出し、写真を撮れと支持するお茶目な一面も。
神田明神を出て国道17号線を南下し、現代的なビル街となった日本橋の街中を抜けて、”日本橋”の道路元標の地点に。ここから大阪まで国道1号線が続いている、と説明する。「次はここから大阪まで走ってみる?」と聞くと「面白そうだ」とエヴァン。距離にして500km以上だが、彼なら本当にチャレンジしてしまいそうだ。
日本橋から銀座の賑わいを楽しみながら、きれいになった東京駅前の広場に。ここではエヴァンと辻浦氏のバイクテクニック選手権が勃発。スタンディングやウィーリーなどの技で、言葉は通じなくても盛り上がる。
いろいろ東京の観光案内をするけれど、エヴァンは街中を走る自転車の方に興味深々。アメリカには無い”ママチャリ”がリアルで走る姿ですらも、楽しんでいる様子だった。
皇居を出発して六本木、表参道を通り代々木公園へ。東京のクルマの交通量の多さやアップダウンのある地形を気にする様子もなく、エヴァンは軽快に走る。代々木公園では4台のソーマを並べて写真を撮ったりと、しばしの休憩。たとえ言葉はたどたどしくても、自転車をはさめば話は尽きない。
距離はそれほど走っていないけれど、寄り道したり写真を撮ったりしているうちに、お昼時に。4人は井の頭通りにあったうどん屋に飛び込む。実はサンフランシスコでも日本料理が食べられるレストランは多く、エヴァンもスシやてんぷら、お蕎麦などが大好きだそう。昼食にはてんぷらうどんをセレクト。お箸を上手に使い、美味しそうに食べていた。
一同はそのまま井の頭通りを西に向かい、吉祥寺にある自転車店”ベロクラフト”さんへ。エヴァン曰く、アメリカにはツーリング系専門のバイクショップはとても少ないそうで、かなり興奮気味。店内に置かれているバイクキャリアやブレーキ、ハンドメイドのツーリングバイクのフレームを熱心に見学していた。店主の大槻さんと、日本で人気のスポーツバイクやツーリングバイクについて話に花が咲いた。
吉祥寺を出て井の頭通りを戻る形で、幡ヶ谷にあるバイクショップ”ブルーラグ”さんも見学する。アメリカンバイクカルチャーの影響を強く受けつつもオリジナルの感性をプラスしたブルーラグは、アメリカでも有名らしい。多種多様な商品で溢れかえるブルーラグの店内に、時間が経つのも忘れるエヴァンだ。店内に置かれた商品の中には、エヴァンのお友達のブランドのものもあった。「日本でも人気なんて嬉しい」と写真を撮影。同じようにソーマのタイヤも見つけて、満面の笑みだ。ブルーラグではエヴァンと同世代のスタッフも多く、話が弾んでいた。
最後に上野を通り越し、浅草にあるバイクショップ”オオマエジムショ”さんに立ち寄らせてもらう。店主の大前さんは現役の自転車雑誌の編集・カメラマンでありつつも、ツーリング車専門店を開いたという異色の存在だ。その広い見識には定評がある。
店内にはオリジナル車や古いアレックス・サンジェのツーリング車が置かれていて、エヴァンは細部まで写真を撮り始める。まだ27歳という若さのエヴァンだが、ルネ・エルスやサンジェなどのクラッシックなツーリング車が大好きなのだそう。日本のツーリング車のムック本をプレゼントされて、食い入るように見ていた。
最後に浅草の浅草寺を見学して、隅田川に出て新しい東京のシンボルとなったスカイツリーを望む。隅田川沿いの公園の桜並木の下を走りながら、両国の国技館脇で記念撮影。相撲のことはエヴァンも知っていて、「おお、スモウレスラーがここに」と感慨深げ。
浅草橋の下町情緒を楽しみながら、ゴールの御徒町の東京サンエスまでのんびりとサイクリング。今回のコンセプトである”サンエス ミーツ サンフランシスコ”をエヴァンもサンエススタッフも実感できた1日となった。
「東京でのFogCutterライドはサンフランシスコでのライディングと多くの点で似ていますが、左側通行という違いがあり最初は戸惑いましたが、サンエスのみんなと安全にライドを楽しめました」と、ライドを満喫した様子のエヴァン。「秋葉原は、初めて知った街でしたが、古典的なセガゲームのファンで有った為、『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』や『ナイツ・イン・ドリームス』のような世界観や看板を目にしたときはワクワクしました。
また印象に残ったのは、最後に通った屋形船が停泊されている柳橋が、大好きな『攻殻機動隊-Goast in the shell-』 の映画のワンシーンを思い起こさせ、感動しました。後日にMKS(三ヶ島製作所)の工場見学では私のコレクションにない古いペダルの展示が見れ、日本の高度な精度や調整でペダルを組み付けられている現場を見れたことは非常に勉強になりました」と日本の印象を語ってくれた。
今回4人が乗ったSOMA BIKEは、左からSAN MARCOS(サンマルコス)/Wolverine(ウルヴァリン)/Fogcutter(フォグカッター)テストバイク/DoubleCross(ダブルクロス)バイタリティーのある車種を多くラインアンップするソーマはみなさんのバイクスタイルを演出してくれる。
text&photo:Kani.YUKA
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