2017/05/20(土) - 11:29
自転車と鉄道、二つを愛する「テツ店長」ことバイクプラス多摩センターの河井孝介さんの輪行サイクリング紀行。岡山の風情ある景色とローカル線のマリアージュをお伝えするレポートの後編をお届けします。(前編はこちらのリンクより)
みなさんこんにちは!輪行旅をライフワークとするテツ店長です。今回は"青春18きっぷで行く岡山輪行紀行"の2日目になります。今回もまた鉄分多めのサイクリングなりますが、どうか呆れずお付き合いのほどよろしくお願いします(笑)
さて、昨晩は静かな宿でゆっくりと過ごし、早めの就寝で睡眠も十分と万全の態勢で朝を迎えたのでした。本日最初の目的地。それがこちらの"食堂かめっち"なのでございます(笑)今回、朝食はここで食べようとあらかじめ決めておりまして、そのお店の開店時間に合わせて宿を出発してやって来たのでした。
昨日立ち寄った"亀甲駅"からほど近い中央運動公園の中にあるこのお店、たまごかけごはんがダントツの人気を誇る繁盛店らしく、行列のできることも多いそうです。ということで、満を持して朝の9時前から並んで注文したのは、"黄福定食"という名のたまごかけごはんにお味噌汁のついた定食を注文。
なぜ、ここでたまごかけごはんなのかと言うと、ここ美作出身の偉人として尊敬される"岸田吟香"という方が、日本で初めて生卵をごはんにかける食べ方をひろめたからだという由縁なのだそうです。もともとこの地域では養鶏も盛んで、この食堂で出しているたまごも、近くの養鶏場から毎日運ばれてくるもの。さらにお米もこの地域の棚田で収穫された「棚田米」と、シンプルながら食材にもこだわっているようで、期待が高まります。
新鮮なたまごはもちろん美味しく、調子に乗ってこれまた"黄福巻き"という、縁起の良さそうな名前の出汁巻きたまごも一緒に頼み、朝から玉子メニューを満喫したのでした(笑)たまごかけごはんのおかげで、朝から幸福な気分にもなったので、ここからは津山線に沿って津山の街までひとっ走りすることとしましょう。
線路沿いの国道53号[岡山街道]を走っていると、ちょっと古びた橙色のディーゼルカーが走り抜けて行きました。これはテツ店長の大好きな国鉄型気動車・キハ40系ではないですか!関東地方ではもう引退して見ることができなくなってしまいましたが、ローカル線にはやっぱりこのタラコ色が似合うと思うんですねぇ…
津山市街に入り、間もなくして到着したのは"津山まなびの鉄道館"。施設は経済産業省の「近代化産業遺産」にも登録された、"旧津山扇形機関車庫"を再利用した鉄道博物館といったところで、ここには非電化(電車以外)の車両ばかり13両の車両が展示されています。
貴重な国鉄時代の車両達がひとつ屋根の下に顔を揃えた姿は圧巻でもあり、子供の頃にお世話になった車両もあって、眺めているだけで懐かしいやらワクワクしてしまうやらで、これはどうにもテンションが上がってしまいます(笑)。津山駅に隣接しているということで、敷地の外に目を向けると昭和な雰囲気の駅と車両が目に入ってきて、オジさんにはこれまたたまりません!
さらに目の前には車両基地も広がっていて、現役の気動車たちがしばしの休養を取っていたり、エンジンを唸らせながら出発の準備をしていたりと、見ていて飽きることがないのでした。そうは言っても本日のメインテーマである駅巡りも次に待っているので、ここは断腸の思いで(大袈裟ですが…)立ち去って先に進むことにしましょう。
ここ津山の街の中心を流れる吉井川ですが、この川を下って行くと昨日訪れた片上鉄道の終点柵原までつながっています。かつては水運がとても栄えていて、高瀬舟の元祖もここ吉井川から生まれたらしいですが、それも鉄道が敷かれると共に衰退してしまったのだそう……。そんな鉄道も今度は道路整備が進むと自動車に追われて衰退するのですから、歴史とは因果なものがあります(泣)
そしてここ津山の街は津山城を抱える城下町でもあるので、自転車で走っていると入り組んだ街路や、古い町並みが一部で保存されていたり、のんびりポタリングで散策してみても面白いかと思います。ちょっと早いですが、せっかく津山の街まで来たのですから、ここはご当地B級グルメの"ホルモンうどん"を頂いていかないわけにはいきません♪♪そこで入ったのがこちらの"橋野食堂"。
店に入って注文をすると、客席から良く見える場所にある鉄板でさっそく調理が始まります。手際良くホルモンと野菜が炒められて、店内に食欲をそそる香りがただよってきたと思ったらもう出来上がり!飾り気のない見た目で、お味も素朴と言って良いですが、やっぱりホルモンだけあって食べごたえは十分で、心地良くお腹いっぱいになれました(笑)
朝から食べてばかりな旅ですが、まあそれは置いておいて、そろそろローカル線中のローカル線である因美線の駅めぐりがはじめましょう。今回はあらかじめ下調べしておいた、因美線の古い木造駅舎を4駅めぐる計画です。まずやってきたのは津山駅から2駅目に位置する"高野駅"。ここから駅めぐりをスタートします。
ここもたしかに古い造りの木造駅舎ではありましたが、窓口は板で打ち付けられて、何かうらぶれた寂しい雰囲気を漂わせていました(泣)誰もいないホームに出てみると、こちらも元は広い駅構内だったものの、線路は大半は剥がされてが無くなり、行き違いで使用されていたであろう向かい側のホームは、線路を渡る通路も剥がされて、これまた寂しく佇んでいたのでした。
何かどんよりとした気分で次の駅に向かいましたが、2駅目の"美作滝尾駅"に着くと、こちらは何とも風情のある佇まい!さっきまでのどんよりとした気分はすっかり吹っ飛んでしまう、素晴らしい駅が待っていました♪これがもう奇跡と言って良いくらい美しい木造駅舎で、昭和中期からまったく変わっていないと思わせる、タイムスリップしたような光景が広がっていました!
もはや映画のセットにしか見えないような駅内外の景色ですが、じつはこれには訳があって、かつてこの駅が"男はつらいよ"の舞台として使われたことがあり、それもあって今まで綺麗に保存されて来たようなのです。鉄道好きの山田洋二監督の思いが、この古い木造駅舎を今に生き永らえさせているような気がして、これまた感慨深いものがありますね。
さらに駅構内を観察すると、そこにはかつて使われていた貨物線ホームと建屋が残っているではないですか!いまでも地方の駅に行くと貨物線ホームの痕跡はよく見かけますが、建屋まで残っているのはなかなかありません。今は自転車置き場として使われているボロ屋(失礼!)ですが、これは歴史テツ的には相当貴重なものかと思います。
その昔、この貨物用側線に貨車が入ってきて、地域の産物を山ほど積み込んでSLに牽かれて出て行った光景が目に浮かぶようです。思うに今の宅配便の営業所的な役割も、鉄道の駅が担っていた時代があったということなのでしょうね。
そして3駅目にやってきた"知和駅"も、山の中で静かに佇む雰囲気の良い駅でした。創建当時から変わっていないであろう駅舎の中に入ると、これまた一瞬で昭和にタイムスリップできます(笑)陽当たりの良い窓近くで木製のベンチに腰かけていると、なんとも心地の良い時間が流れてゆきました。
列車もなかなか来ない無人駅ということで、駅構内をウロウロしてみましたが、これまで見てきたどの駅もおおむね同じ間取りで、これが当時の国鉄の標準的な仕様なのかもしれませんね。駅舎からホームまでも微妙に離れていて、広々とした空間が駅にゆとりをもたらしています。昔はいろんなことが今より大らかだったのかも知れません……。
そして4駅目の"美作河井駅"に到着。ここが今回のサイクリングの終着駅です!この駅をに興味があったのは自分と同姓の駅名ということで、以前からいつか訪れようと思っていたからなのですね(笑)ここも築80年以上の木造駅舎ですが、扉や窓枠などはアルミサッシ化されてちょっと近代的な?香りがします。
それはともかく、この駅には駅舎のほかにも気になるものがあるので、まずは自転車を畳んでから駅散策に出かることにして、誰もいない待合所でひとり黙々と輪行準備を行うのでした。帰宅準備をすっかり整えて、いよいよ駅構内の散策に出動です!お迎えの列車の到着まで1時間あまりあるので、思う存分駅を楽しんでしまうこととします。
この駅にはかつて使用されていた転車台が残っているのですが、テツの性として転車台やスイッチバックというワードにはすこぶる弱いため、訳もなく吸い寄せられてしまう習性があるんですね(泣)。駅舎はこじんまりとしていますが、駅構内は広い敷地を持っていて、貨物用側線も何本かあったようです。その昔は林業も盛んで、切り出した丸太をここから積み出していたんでしょうか?今は本線から切り離されてしまった側線のポイントなどを見ていると、当時のにぎわいが目に浮かぶようですね。
そんなこんなで駅散策をしていると、あっと言う間に時間が過ぎてしまいます。そろそろお迎えの列車が来る時間が近づいてきたので、ホームまで移動することにしましょう。するとまもなくJR西日本のローカル線の顔とも言えるキハ120系が単行運転で静かに入線してきました。寂しい線区で黙々と働くその姿に、最近哀愁を感じてしまうテツ店長ですが、愛すべき車両でもありますね。
この先の智頭駅で、智頭急行線に乗り換えて帰路を急ぎます。まあ急ぐと言っても普通列車の旅なので、遅延しないことを祈るくらいしか出来ることはないのですが……。そんな移動の時間は車内でのんびりと車窓を眺めていることが多いのですが、これがまたけっこう楽しいものがあるのですね!突然、全面ピンクの駅が出てきたり、田んぼの上に列車が現れたりと、ローカル線の旅はいろんな景色を見せてくれるのです(笑)
姫路駅から新快速に乗り込み、何とかこの日は定刻に大垣駅まで辿りつくことができました。ここから東京行き臨時快速"ムーンライトながら"に乗ってしまえば、もう翌朝には自宅に戻ることができます。もちろんそのまま出勤することも……。
まあ普通の方にはおすすめしませんが、貧乏性のテツ店長としては、少ない持ち時間でいかにたくさん遊んだかで自己満足度が変わってくるので、どうも好んで弾丸ツアーを計画してしまう悲しい性を持っているようですね(泣)ということで、3泊3日?の弾丸ツアーはこれにて終了♪自転車に乗っている時間より、確実に電車に乗っている時間の方が長い輪行サイクリングですが、最後までお付き合いいただきありがとうございました(笑)
廃線や廃車になるものもあれば、新しくデビューする車両や列車もあり、今年も話題に事欠かない鉄道業界ですが、そんな動きに乗せられながら、これからも自転車担いで全国津々浦々色んなところに出没したいですね(笑)
旅する人 河井孝介プロフィール
バイクプラス多摩センターの店長を務める48歳。前職で足かけ10年にわたる勤務を鉄道の無い(モノレール除く)縄県で過ごした反動からか、帰京後は輪行サイクリングの虜となり、現在は鉄道と自転車を組み合わせ、鉄道廃線跡や未成線など鉄道の歴史を辿るサイクリングをライフワークとする。鉄道趣味のジャンルは「乗り鉄」。旧国鉄型車両を心から愛し、ひそかにJR全線乗車にチャレンジ中。非常勤の防衛省職員である予備三等陸曹の身分も合わせ持っている。
みなさんこんにちは!輪行旅をライフワークとするテツ店長です。今回は"青春18きっぷで行く岡山輪行紀行"の2日目になります。今回もまた鉄分多めのサイクリングなりますが、どうか呆れずお付き合いのほどよろしくお願いします(笑)
さて、昨晩は静かな宿でゆっくりと過ごし、早めの就寝で睡眠も十分と万全の態勢で朝を迎えたのでした。本日最初の目的地。それがこちらの"食堂かめっち"なのでございます(笑)今回、朝食はここで食べようとあらかじめ決めておりまして、そのお店の開店時間に合わせて宿を出発してやって来たのでした。
昨日立ち寄った"亀甲駅"からほど近い中央運動公園の中にあるこのお店、たまごかけごはんがダントツの人気を誇る繁盛店らしく、行列のできることも多いそうです。ということで、満を持して朝の9時前から並んで注文したのは、"黄福定食"という名のたまごかけごはんにお味噌汁のついた定食を注文。
なぜ、ここでたまごかけごはんなのかと言うと、ここ美作出身の偉人として尊敬される"岸田吟香"という方が、日本で初めて生卵をごはんにかける食べ方をひろめたからだという由縁なのだそうです。もともとこの地域では養鶏も盛んで、この食堂で出しているたまごも、近くの養鶏場から毎日運ばれてくるもの。さらにお米もこの地域の棚田で収穫された「棚田米」と、シンプルながら食材にもこだわっているようで、期待が高まります。
新鮮なたまごはもちろん美味しく、調子に乗ってこれまた"黄福巻き"という、縁起の良さそうな名前の出汁巻きたまごも一緒に頼み、朝から玉子メニューを満喫したのでした(笑)たまごかけごはんのおかげで、朝から幸福な気分にもなったので、ここからは津山線に沿って津山の街までひとっ走りすることとしましょう。
線路沿いの国道53号[岡山街道]を走っていると、ちょっと古びた橙色のディーゼルカーが走り抜けて行きました。これはテツ店長の大好きな国鉄型気動車・キハ40系ではないですか!関東地方ではもう引退して見ることができなくなってしまいましたが、ローカル線にはやっぱりこのタラコ色が似合うと思うんですねぇ…
津山市街に入り、間もなくして到着したのは"津山まなびの鉄道館"。施設は経済産業省の「近代化産業遺産」にも登録された、"旧津山扇形機関車庫"を再利用した鉄道博物館といったところで、ここには非電化(電車以外)の車両ばかり13両の車両が展示されています。
貴重な国鉄時代の車両達がひとつ屋根の下に顔を揃えた姿は圧巻でもあり、子供の頃にお世話になった車両もあって、眺めているだけで懐かしいやらワクワクしてしまうやらで、これはどうにもテンションが上がってしまいます(笑)。津山駅に隣接しているということで、敷地の外に目を向けると昭和な雰囲気の駅と車両が目に入ってきて、オジさんにはこれまたたまりません!
さらに目の前には車両基地も広がっていて、現役の気動車たちがしばしの休養を取っていたり、エンジンを唸らせながら出発の準備をしていたりと、見ていて飽きることがないのでした。そうは言っても本日のメインテーマである駅巡りも次に待っているので、ここは断腸の思いで(大袈裟ですが…)立ち去って先に進むことにしましょう。
ここ津山の街の中心を流れる吉井川ですが、この川を下って行くと昨日訪れた片上鉄道の終点柵原までつながっています。かつては水運がとても栄えていて、高瀬舟の元祖もここ吉井川から生まれたらしいですが、それも鉄道が敷かれると共に衰退してしまったのだそう……。そんな鉄道も今度は道路整備が進むと自動車に追われて衰退するのですから、歴史とは因果なものがあります(泣)
そしてここ津山の街は津山城を抱える城下町でもあるので、自転車で走っていると入り組んだ街路や、古い町並みが一部で保存されていたり、のんびりポタリングで散策してみても面白いかと思います。ちょっと早いですが、せっかく津山の街まで来たのですから、ここはご当地B級グルメの"ホルモンうどん"を頂いていかないわけにはいきません♪♪そこで入ったのがこちらの"橋野食堂"。
店に入って注文をすると、客席から良く見える場所にある鉄板でさっそく調理が始まります。手際良くホルモンと野菜が炒められて、店内に食欲をそそる香りがただよってきたと思ったらもう出来上がり!飾り気のない見た目で、お味も素朴と言って良いですが、やっぱりホルモンだけあって食べごたえは十分で、心地良くお腹いっぱいになれました(笑)
朝から食べてばかりな旅ですが、まあそれは置いておいて、そろそろローカル線中のローカル線である因美線の駅めぐりがはじめましょう。今回はあらかじめ下調べしておいた、因美線の古い木造駅舎を4駅めぐる計画です。まずやってきたのは津山駅から2駅目に位置する"高野駅"。ここから駅めぐりをスタートします。
ここもたしかに古い造りの木造駅舎ではありましたが、窓口は板で打ち付けられて、何かうらぶれた寂しい雰囲気を漂わせていました(泣)誰もいないホームに出てみると、こちらも元は広い駅構内だったものの、線路は大半は剥がされてが無くなり、行き違いで使用されていたであろう向かい側のホームは、線路を渡る通路も剥がされて、これまた寂しく佇んでいたのでした。
何かどんよりとした気分で次の駅に向かいましたが、2駅目の"美作滝尾駅"に着くと、こちらは何とも風情のある佇まい!さっきまでのどんよりとした気分はすっかり吹っ飛んでしまう、素晴らしい駅が待っていました♪これがもう奇跡と言って良いくらい美しい木造駅舎で、昭和中期からまったく変わっていないと思わせる、タイムスリップしたような光景が広がっていました!
もはや映画のセットにしか見えないような駅内外の景色ですが、じつはこれには訳があって、かつてこの駅が"男はつらいよ"の舞台として使われたことがあり、それもあって今まで綺麗に保存されて来たようなのです。鉄道好きの山田洋二監督の思いが、この古い木造駅舎を今に生き永らえさせているような気がして、これまた感慨深いものがありますね。
さらに駅構内を観察すると、そこにはかつて使われていた貨物線ホームと建屋が残っているではないですか!いまでも地方の駅に行くと貨物線ホームの痕跡はよく見かけますが、建屋まで残っているのはなかなかありません。今は自転車置き場として使われているボロ屋(失礼!)ですが、これは歴史テツ的には相当貴重なものかと思います。
その昔、この貨物用側線に貨車が入ってきて、地域の産物を山ほど積み込んでSLに牽かれて出て行った光景が目に浮かぶようです。思うに今の宅配便の営業所的な役割も、鉄道の駅が担っていた時代があったということなのでしょうね。
そして3駅目にやってきた"知和駅"も、山の中で静かに佇む雰囲気の良い駅でした。創建当時から変わっていないであろう駅舎の中に入ると、これまた一瞬で昭和にタイムスリップできます(笑)陽当たりの良い窓近くで木製のベンチに腰かけていると、なんとも心地の良い時間が流れてゆきました。
列車もなかなか来ない無人駅ということで、駅構内をウロウロしてみましたが、これまで見てきたどの駅もおおむね同じ間取りで、これが当時の国鉄の標準的な仕様なのかもしれませんね。駅舎からホームまでも微妙に離れていて、広々とした空間が駅にゆとりをもたらしています。昔はいろんなことが今より大らかだったのかも知れません……。
そして4駅目の"美作河井駅"に到着。ここが今回のサイクリングの終着駅です!この駅をに興味があったのは自分と同姓の駅名ということで、以前からいつか訪れようと思っていたからなのですね(笑)ここも築80年以上の木造駅舎ですが、扉や窓枠などはアルミサッシ化されてちょっと近代的な?香りがします。
それはともかく、この駅には駅舎のほかにも気になるものがあるので、まずは自転車を畳んでから駅散策に出かることにして、誰もいない待合所でひとり黙々と輪行準備を行うのでした。帰宅準備をすっかり整えて、いよいよ駅構内の散策に出動です!お迎えの列車の到着まで1時間あまりあるので、思う存分駅を楽しんでしまうこととします。
この駅にはかつて使用されていた転車台が残っているのですが、テツの性として転車台やスイッチバックというワードにはすこぶる弱いため、訳もなく吸い寄せられてしまう習性があるんですね(泣)。駅舎はこじんまりとしていますが、駅構内は広い敷地を持っていて、貨物用側線も何本かあったようです。その昔は林業も盛んで、切り出した丸太をここから積み出していたんでしょうか?今は本線から切り離されてしまった側線のポイントなどを見ていると、当時のにぎわいが目に浮かぶようですね。
そんなこんなで駅散策をしていると、あっと言う間に時間が過ぎてしまいます。そろそろお迎えの列車が来る時間が近づいてきたので、ホームまで移動することにしましょう。するとまもなくJR西日本のローカル線の顔とも言えるキハ120系が単行運転で静かに入線してきました。寂しい線区で黙々と働くその姿に、最近哀愁を感じてしまうテツ店長ですが、愛すべき車両でもありますね。
この先の智頭駅で、智頭急行線に乗り換えて帰路を急ぎます。まあ急ぐと言っても普通列車の旅なので、遅延しないことを祈るくらいしか出来ることはないのですが……。そんな移動の時間は車内でのんびりと車窓を眺めていることが多いのですが、これがまたけっこう楽しいものがあるのですね!突然、全面ピンクの駅が出てきたり、田んぼの上に列車が現れたりと、ローカル線の旅はいろんな景色を見せてくれるのです(笑)
姫路駅から新快速に乗り込み、何とかこの日は定刻に大垣駅まで辿りつくことができました。ここから東京行き臨時快速"ムーンライトながら"に乗ってしまえば、もう翌朝には自宅に戻ることができます。もちろんそのまま出勤することも……。
まあ普通の方にはおすすめしませんが、貧乏性のテツ店長としては、少ない持ち時間でいかにたくさん遊んだかで自己満足度が変わってくるので、どうも好んで弾丸ツアーを計画してしまう悲しい性を持っているようですね(泣)ということで、3泊3日?の弾丸ツアーはこれにて終了♪自転車に乗っている時間より、確実に電車に乗っている時間の方が長い輪行サイクリングですが、最後までお付き合いいただきありがとうございました(笑)
廃線や廃車になるものもあれば、新しくデビューする車両や列車もあり、今年も話題に事欠かない鉄道業界ですが、そんな動きに乗せられながら、これからも自転車担いで全国津々浦々色んなところに出没したいですね(笑)
旅する人 河井孝介プロフィール
バイクプラス多摩センターの店長を務める48歳。前職で足かけ10年にわたる勤務を鉄道の無い(モノレール除く)縄県で過ごした反動からか、帰京後は輪行サイクリングの虜となり、現在は鉄道と自転車を組み合わせ、鉄道廃線跡や未成線など鉄道の歴史を辿るサイクリングをライフワークとする。鉄道趣味のジャンルは「乗り鉄」。旧国鉄型車両を心から愛し、ひそかにJR全線乗車にチャレンジ中。非常勤の防衛省職員である予備三等陸曹の身分も合わせ持っている。
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