2017/03/23(木) - 09:17
3月1日、京都に拠点を置く老舗代理店、岩井商会の展示会が東京・浅草橋にて開催された。ピストバイクを中心にイタリアの古豪であるチネリの国内展開を開始した同社の展示会をレポート。
世の中には色々な展示会がある。いや、別に兵器の展示会もあれば梱包材の展示会だってあるというような、展示するモノの種類の話ではなく、見せ方の話だ。殺風景な会議室にこれでもか!と製品をずらりと並べた量で攻めるタイプの展示会もあれば、ブランドを絞ってその世界観をレイアウトで表現するような展示会もある。
どちらがよい、といった類の話でもないのだが、展示するブランドごとに最適な見せ方があるというのもまた事実だろう。そして、今回のチネリ展示会は規模こそ小さいものの、チネリというイタリアンブランドの持つ魅力がギュッと詰まったイベントとなっていた。
チネリのロゴが大書されたパーテーションをくぐった正面ではカラフルなバーテープたちがお出迎え。くるくるときれいにまかれていたり、ワイングラスに入っていたりと、単純に置かれているのではなくて、どこか遊びを感じるレイアウトに工夫されている。
そして、その左右にはMASHモデルのピストバイクが吊り下げられる。左手にはクラシックなスタイルのMASH WORKが、右手にはモダンなエアロデザインを取り入れたMASH PALLAXが。好対照な2つのバイクがチネリというブランドの持つ懐の深さを表しているようだ。
懐の深さ、という意味において言えばMASH WORKはとてもユニークなモデルである。ピストバイクと言えば、トラック競技にルーツを持つとあってキャリパー台座がないモデルも多いが、このバイクはなんとキャリパーブレーキとカンチブレーキに対応する台座が用意されているのだ。(キャリパー台座はフォークのみ)そして、タイヤクリアランスも非常に大きいのだ。
つまり、普段はキャリパーブレーキ仕様でピストバイクとして街乗りに使ったバイクのブレーキを交換し、タイヤを履き替えることでシングルスピードシクロクロスバイクとして使うこともできるということだ。もちろん、フリーコグ&Vブレーキ仕様&太目のタイヤで段差なども気にしないシティクルーザーに仕上げたり、乗り手の想像力次第で様々な可能性を秘めたバイクである。
そしてその奥には、Mystic、Tipo Pista、Gazzettaという3つの完成車が並べられる。ショートなライザーバーで、ブラック&レッドでまとめられたアーバンな雰囲気のMystic、ドロップハンドル仕様でもっともトラックバイク然としたTipo Pista、MTBに通ずるような長いバーハンドルを装備しつつも、細身のクラシックなチューブのギャップが魅力的なGazzetta。10万円前後という同じ価格帯ながらも、個性的な3台が用意される充実のラインアップだ。
振り返ったところには、ハンドルやステム、シートポストといったパーツ類も。アルミ製でトラディショナルなデザインのシャロ―ハンドルから、ネオモルフェやRAMといった複雑でアバンギャルドな形状のカーボンモデルまで、チネリというブランドの懐の深さを象徴しているようなラインアップが特徴的だ。
その隣にはずらりとキャップがならべられる。色とりどりのサイクリングキャップが4列の棚すべてを埋め尽くすようにディスプレイされる様子は、華やかそのもの。見ているだけで小一時間は過ぎてしまいそうなカラフルなサイクルキャップたちサイクリングをもっと楽しく演出してくれるはずだ。
イタリアの老舗であり、歴史という重みをもつ一方で、ユニークなデザインセンスによってストリートカルチャーでも大きな支持を受ける、不思議で唯一無二のブランドであるチネリの世界をぎゅっと詰め込んだ岩井商会展示会。今後の展開にも期待が高まる、そんな空間が広がっていた。
text&photo:Naoki.Yasuoka
世の中には色々な展示会がある。いや、別に兵器の展示会もあれば梱包材の展示会だってあるというような、展示するモノの種類の話ではなく、見せ方の話だ。殺風景な会議室にこれでもか!と製品をずらりと並べた量で攻めるタイプの展示会もあれば、ブランドを絞ってその世界観をレイアウトで表現するような展示会もある。
どちらがよい、といった類の話でもないのだが、展示するブランドごとに最適な見せ方があるというのもまた事実だろう。そして、今回のチネリ展示会は規模こそ小さいものの、チネリというイタリアンブランドの持つ魅力がギュッと詰まったイベントとなっていた。
チネリのロゴが大書されたパーテーションをくぐった正面ではカラフルなバーテープたちがお出迎え。くるくるときれいにまかれていたり、ワイングラスに入っていたりと、単純に置かれているのではなくて、どこか遊びを感じるレイアウトに工夫されている。
そして、その左右にはMASHモデルのピストバイクが吊り下げられる。左手にはクラシックなスタイルのMASH WORKが、右手にはモダンなエアロデザインを取り入れたMASH PALLAXが。好対照な2つのバイクがチネリというブランドの持つ懐の深さを表しているようだ。
懐の深さ、という意味において言えばMASH WORKはとてもユニークなモデルである。ピストバイクと言えば、トラック競技にルーツを持つとあってキャリパー台座がないモデルも多いが、このバイクはなんとキャリパーブレーキとカンチブレーキに対応する台座が用意されているのだ。(キャリパー台座はフォークのみ)そして、タイヤクリアランスも非常に大きいのだ。
つまり、普段はキャリパーブレーキ仕様でピストバイクとして街乗りに使ったバイクのブレーキを交換し、タイヤを履き替えることでシングルスピードシクロクロスバイクとして使うこともできるということだ。もちろん、フリーコグ&Vブレーキ仕様&太目のタイヤで段差なども気にしないシティクルーザーに仕上げたり、乗り手の想像力次第で様々な可能性を秘めたバイクである。
そしてその奥には、Mystic、Tipo Pista、Gazzettaという3つの完成車が並べられる。ショートなライザーバーで、ブラック&レッドでまとめられたアーバンな雰囲気のMystic、ドロップハンドル仕様でもっともトラックバイク然としたTipo Pista、MTBに通ずるような長いバーハンドルを装備しつつも、細身のクラシックなチューブのギャップが魅力的なGazzetta。10万円前後という同じ価格帯ながらも、個性的な3台が用意される充実のラインアップだ。
振り返ったところには、ハンドルやステム、シートポストといったパーツ類も。アルミ製でトラディショナルなデザインのシャロ―ハンドルから、ネオモルフェやRAMといった複雑でアバンギャルドな形状のカーボンモデルまで、チネリというブランドの懐の深さを象徴しているようなラインアップが特徴的だ。
その隣にはずらりとキャップがならべられる。色とりどりのサイクリングキャップが4列の棚すべてを埋め尽くすようにディスプレイされる様子は、華やかそのもの。見ているだけで小一時間は過ぎてしまいそうなカラフルなサイクルキャップたちサイクリングをもっと楽しく演出してくれるはずだ。
イタリアの老舗であり、歴史という重みをもつ一方で、ユニークなデザインセンスによってストリートカルチャーでも大きな支持を受ける、不思議で唯一無二のブランドであるチネリの世界をぎゅっと詰め込んだ岩井商会展示会。今後の展開にも期待が高まる、そんな空間が広がっていた。
text&photo:Naoki.Yasuoka
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