2017/03/02(木) - 09:13
東京・お台場をシクロクロッサーが埋め尽くした2日間。2万人が集まった都市型レース、シクロクロス東京でお見かけした、こだわりCXバイクを紹介していきましょう。
西形舞さん(TRCパナマレッズ)のメリダ CYCLO CROSS 6000
シャイニーブルーに輝くメリダのカーボンCXバイク、CYCLO CROSS6000と共にお台場に訪れていた、西形さん。「CL1に昇格したので購入したばかりの新車なんです!」とのことで、確かに言われてみると汚れ一つない、ピカピカの一台。本当に納車したばかりで、まだ一回しか乗っていないんだとか。
このバイクを選んだ理由をお尋ねしてみると「できるだけ軽いバイクが良かったので、カーボンバイクというのは最低条件だったんです。でも、そうすると色がまっ黒だったり、黒赤だったりと、かなりレーシーなカラーリングフレームばっかりで。そんな中で大好きなブルーのバイクがあったので、これだ!と一目惚れでした」とのこと。
納車したばかりといえど、女子のトップカテゴリーで走るとあって、パーツ類はこだわりのものに換装済み。完成車の状態から残されているのは、ホイールとタイヤ、レバーくらいだという。「ギアはかなり軽めのものに交換しています、これまではロードと同じようなギア比だったんですが、踏み切れないことがあったので」とアスリートらしいこだわりを見せていただきました。
落合友樹さん(チームRueda)のエディメルクス eeklo70
名古屋から遠征してきた落合友樹さん(チームRueda)は、強豪ホビーレーサーとしてエディメルクスブランドのアンバサダーを務める方だ。シクロクロス東京は初参戦とのことで、「前から来たかったんですが、砂が苦手なもので(笑)。どこを走っていても歓声が聞こえてくるのがとても嬉しくて力になりますね。」と言う。「意外にシングルトラックも多いと聞いたので今回はサンドタイヤから普通のタイヤにフロントを履き替えてきました。チューブラーと違って、すぐに交換できるのはチューブレスのメリットですね」とセッティングについて語っていただいた。
そんな落合さんの愛車はベルギーのエディメルクスのカーボンCXバイク、eeklo70。「ディスクのバイクで最新モデルはスルーアクスルなんですが、このバイクはクイック仕様の昨年モデルです。とにかく軽くて、反応も良いですし、フォークがかなり寝ているので荒れた路面でも安定しているのが良いですね。このバイクに乗り換えてから、CX人生がかなり楽しくなってきました!」と愛の詰まったコメントをいただきました。
クランクはスギノのCX専用モデルの「CXC」。剛性は高くないものの、反発を使ったペダリングが気持ちいいんだとか。ギア板の形状に秘密があって、チェーンが乗ると泥が出ていくようなクリアランスが設けられているという技あり!な一品。インナーリングは楕円になっているのでトルクもかけやすいのが気に入っているとのこと。
加藤健悟さん(臼杵レーシング) アンカースポーツのクロスバイク(改)
おそらくカテゴリー1の選手中で最もヘビー級(CW編集部・磯部調べ)であろう、アンカーのスチールバイクを駆る加藤健悟選手(臼杵レーシング)。昨年12月に行われた全日本選手権U23では5位に入り、今回のシクロクロス東京もエリートカテゴリーで走った、伸び盛りの若手選手だ。
去年からシクロクロスを本格的に始めたばかりという彼の走りを支える愛車は、ベンドしたスチールフォークや各所の使い込まれ感たっぷりなパーツなど、随分と趣を感じさせる仕上がり。なんと通学用に買ったクロスバイクをドロップハンドル化させ、仲間から譲ってもらったパーツに載せ替えてレース仕様に生まれ変わらせた一台だという。
様々なパーツの工夫はさておき、気になる重量はまさかの10.3kgと、二桁の大台を突破!「自分が生まれるよりも古いらしいZIPPのホイールが重たいので、こいつを交換すれば夢の9kg台は近いですね。今の状態では走っていれば問題無いものの、担ぎが多いコースでは肩が死にますんで」とは本人の談。
変速はフロントシングル、リア11段という構成で、チェーン落ちのリスクを減らすため、そして大きなスプロケットに対応するべくディレイラーを魔改造。バネレートが高く若干キャパシティの広いGS(ロングケージ)のディレイラー本体にSS(ショートケージ)のプレートを組み合わせている。他にも竹之内悠選手の直筆サインやライナーで保護しているワイヤー類など、見どころ(?)も多い。
「本当は買い換える予定だったんですが、金欠になってしまいもう暫くはこのまま乗りそうな気がします(笑)」と言う加藤選手の目標は、来年の全日本選手権U23で表彰台に上がること。もしこのバイクと共に表彰台に上がれば、それはそれで新たな歴史が刻まれるような気もする。
佐藤拳人さん(Team Blue Lug) geekhouse Mudville、SSベルトドライブ仕様
今回のシクロクロス東京には参加していなかったものの、どうしても愛車がカッコ良く取材をお願いした佐藤拳人(Team Blue Lug)さん。レッド×イエローのカラーリングが目立つピカピカのバイクは、アメリカのハンドメイドブランド「GEEKHOUSE BIKES」のMudvillだ。
佐藤さんにとって2台目のgeekhouseとなるこのバイクは、駆動系にゲイツのベルトドライブシステムを投入し、シングルスピード仕様にしていることが最たる特徴だ。「もともと最初のシクロクロスバイクはシングルスピード仕様にしていたのですが、やっぱりSS専用で作り上げられた一台が欲しくなって、えいやでオーダーしてしまいました(笑)」と言う。「パラゴンのスライダーエンドを使いたかったのですが、ベルトドライブにできると分かったので、面白そうだからやってしまえ!と」
気になるギア比は、取材時の仕様でフロントが46T、リア22Tで2.09。平坦レースでは十分に使えて調子が良いのだそう。さらにトレイル遊び用として1.9にギア比を設定するコグも所有し、さらに40Cまでのワイドタイヤを装着できるようオーダー。そしてベルトが外れないため、チェーンと比べて荒れた場所を走るのにも適しているんだとか。
鮮やかなペイントのモチーフは、2台目のgeekhouse=弐号機から。しかしSNS上でのアメリカ人の反応は「マクドナルド!」が多いそう。パーツ面でもシンプルなハンドル周りのTRPブレーキやヴェロシティのチューブラーリムと組み合わせたクリスキングのハブ、ヘッドセットなど、どこにも隙の無い仕上がりに思わず見とれてしまいがち。
「そもそもまだシクロクロスを始めていない時期にブルーラグのメンバーと野辺山シクロクロスに出て、そこでシクロクロスの面白さに衝撃を受けまして。その翌日ブルーラグに吊るしのフレームが入荷して即決だったのですが、このブランドと出会えて良かった。いろいろと向こうでゴタゴタしてオーダーから2年半待ちでしたが、今はとても満足です。もともと遊びとして自転車を始めているので、その範囲をどんどんと広く、濃くして楽しんでいければいいですね」
高倉剛さん(12So)スティーブンス SUPER PRESTIGE DISC
はるばる高知から飛行機を使ってシクロクロス東京に参加した高倉剛さん(12So)のバイクは、グリーンの迷彩カラーが強く印象的なスティーブンスのSUPER PRESTIGE DISC。2年前の元世界王者であるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク、コレンドン)も愛用しているフラッグシップカーボンバイクだ。
国内販売の無い希少なスティーブンスだが、昨年にAbove bike Storeのオーナーである須崎さんがメーカーから数台を輸入した内の一台で、元々憧れがあったブランドだけに情報を聞いた時に即購入を決めたんだとか。「欲しさのあまり本国に直接問い合わせもしましたが、日本には販売できないから展開があるアジアの他の国で買ってくれ!と言われ、さすがに難易度が高く諦めていたところに須崎さんの話があったので飛びついたんです」と高倉さん。
気になる乗り味については、「すごく反応が良くて、ダウンチューブの形から担ぎやすくて良くできたバイクですよ」とコメント。コンポーネントは長年使い慣れているというカンパニョーロのブレーキ/シフターとシマノのディレイラーを組み合わせたシマニョーロで、ブレーキはTRPだ。
サドルとバーテープは、ダウンチューブのロゴと合わせてホワイトに統一しているが、これはファンデルポールのバイクからインスパイアを受けたもの。本当は粘って勝つスタイルの世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)がアイドルだそうだが、「マテューが調子良く走っている時の速さにはシビれますよね」と彼のファンでもあるそう。
納車して半年だというバイクは、愛着を感じさせるかのようにピカピカ。「できれば勝ちたいですが、最近トレーニングしていないので厳しいですね。普段はレースの他にトレイルも走るので、インナーギアを小さくしたりと工夫しています。まだ4レース目なので、丁寧に長く乗っていきたいバイクです」。
兼岡邦旭さん(チームFOCUS-WTB)のフォーカスMARES
C4で3位入賞した兼岡さんの愛車はジャーマンブランド、フォーカスのMARES CX。「スタートダッシュで失敗して前走者に引っかかっちゃって。そこの遅れを取り返そうとシングルトラックで頑張りました」という兼岡さんのこだわりは、タイヤセッティングに詰まっていた。
「もともと、前後ともにドライ向けのCROSSBOSSを履いていたのですが、大会の少し前に雨が降ったので、フロントタイヤをグリップに優れたWTBのCROSSWOLFに交換しました。おかげで、シングルトラックが攻められましたね」とのこと。
スラムの油圧ディスクをアセンブルしたバイクは、「剛性感もスルーアクスルのおかげで高くて、ハンドリングも素直でとても走りやすいです」とのこと。また、あまり見かけないのがサドルでWTBのハイテールというMTB用ショートノーズサドルを使用していた。
今井良一さん(チームCuore)のグエルチョッティ Libra Cross
グエルチョッティのCXバイク、Libra Crossを駆る今井さん。シクロクロス歴は4年ほどで、今回はマスターズへ出走されていました。イタリアの老舗ブランドバイクに、イタリアンパーツを組み合わせるという、王道ながらも最近あまり見かけないまとまりのあるコーディネートが印象的。
「自転車はずっと趣味として楽しんできていて、小さいころからカンパニョーロにとても憧れていたんですよ。もちろん使い心地も良いですので、気に入っています」と今井さん。「ホイールは、ロードで履いてたんだけどね、ちょっと硬すぎて(笑)結局シクロクロスで活躍してるんですよ」とのこと。
タイヤはチャレンジで、ハンドルやステム、シートポストはデダチャイでまとめられ、細かいところまでイタリアンブランドに対するこだわりが見て取れる中で、唯一チェーンリングのみが日本のスギノに交換されている。
text&photo:Naoki.Yasuoka,So.Isobe
西形舞さん(TRCパナマレッズ)のメリダ CYCLO CROSS 6000
シャイニーブルーに輝くメリダのカーボンCXバイク、CYCLO CROSS6000と共にお台場に訪れていた、西形さん。「CL1に昇格したので購入したばかりの新車なんです!」とのことで、確かに言われてみると汚れ一つない、ピカピカの一台。本当に納車したばかりで、まだ一回しか乗っていないんだとか。
このバイクを選んだ理由をお尋ねしてみると「できるだけ軽いバイクが良かったので、カーボンバイクというのは最低条件だったんです。でも、そうすると色がまっ黒だったり、黒赤だったりと、かなりレーシーなカラーリングフレームばっかりで。そんな中で大好きなブルーのバイクがあったので、これだ!と一目惚れでした」とのこと。
納車したばかりといえど、女子のトップカテゴリーで走るとあって、パーツ類はこだわりのものに換装済み。完成車の状態から残されているのは、ホイールとタイヤ、レバーくらいだという。「ギアはかなり軽めのものに交換しています、これまではロードと同じようなギア比だったんですが、踏み切れないことがあったので」とアスリートらしいこだわりを見せていただきました。
落合友樹さん(チームRueda)のエディメルクス eeklo70
名古屋から遠征してきた落合友樹さん(チームRueda)は、強豪ホビーレーサーとしてエディメルクスブランドのアンバサダーを務める方だ。シクロクロス東京は初参戦とのことで、「前から来たかったんですが、砂が苦手なもので(笑)。どこを走っていても歓声が聞こえてくるのがとても嬉しくて力になりますね。」と言う。「意外にシングルトラックも多いと聞いたので今回はサンドタイヤから普通のタイヤにフロントを履き替えてきました。チューブラーと違って、すぐに交換できるのはチューブレスのメリットですね」とセッティングについて語っていただいた。
そんな落合さんの愛車はベルギーのエディメルクスのカーボンCXバイク、eeklo70。「ディスクのバイクで最新モデルはスルーアクスルなんですが、このバイクはクイック仕様の昨年モデルです。とにかく軽くて、反応も良いですし、フォークがかなり寝ているので荒れた路面でも安定しているのが良いですね。このバイクに乗り換えてから、CX人生がかなり楽しくなってきました!」と愛の詰まったコメントをいただきました。
クランクはスギノのCX専用モデルの「CXC」。剛性は高くないものの、反発を使ったペダリングが気持ちいいんだとか。ギア板の形状に秘密があって、チェーンが乗ると泥が出ていくようなクリアランスが設けられているという技あり!な一品。インナーリングは楕円になっているのでトルクもかけやすいのが気に入っているとのこと。
加藤健悟さん(臼杵レーシング) アンカースポーツのクロスバイク(改)
おそらくカテゴリー1の選手中で最もヘビー級(CW編集部・磯部調べ)であろう、アンカーのスチールバイクを駆る加藤健悟選手(臼杵レーシング)。昨年12月に行われた全日本選手権U23では5位に入り、今回のシクロクロス東京もエリートカテゴリーで走った、伸び盛りの若手選手だ。
去年からシクロクロスを本格的に始めたばかりという彼の走りを支える愛車は、ベンドしたスチールフォークや各所の使い込まれ感たっぷりなパーツなど、随分と趣を感じさせる仕上がり。なんと通学用に買ったクロスバイクをドロップハンドル化させ、仲間から譲ってもらったパーツに載せ替えてレース仕様に生まれ変わらせた一台だという。
様々なパーツの工夫はさておき、気になる重量はまさかの10.3kgと、二桁の大台を突破!「自分が生まれるよりも古いらしいZIPPのホイールが重たいので、こいつを交換すれば夢の9kg台は近いですね。今の状態では走っていれば問題無いものの、担ぎが多いコースでは肩が死にますんで」とは本人の談。
変速はフロントシングル、リア11段という構成で、チェーン落ちのリスクを減らすため、そして大きなスプロケットに対応するべくディレイラーを魔改造。バネレートが高く若干キャパシティの広いGS(ロングケージ)のディレイラー本体にSS(ショートケージ)のプレートを組み合わせている。他にも竹之内悠選手の直筆サインやライナーで保護しているワイヤー類など、見どころ(?)も多い。
「本当は買い換える予定だったんですが、金欠になってしまいもう暫くはこのまま乗りそうな気がします(笑)」と言う加藤選手の目標は、来年の全日本選手権U23で表彰台に上がること。もしこのバイクと共に表彰台に上がれば、それはそれで新たな歴史が刻まれるような気もする。
佐藤拳人さん(Team Blue Lug) geekhouse Mudville、SSベルトドライブ仕様
今回のシクロクロス東京には参加していなかったものの、どうしても愛車がカッコ良く取材をお願いした佐藤拳人(Team Blue Lug)さん。レッド×イエローのカラーリングが目立つピカピカのバイクは、アメリカのハンドメイドブランド「GEEKHOUSE BIKES」のMudvillだ。
佐藤さんにとって2台目のgeekhouseとなるこのバイクは、駆動系にゲイツのベルトドライブシステムを投入し、シングルスピード仕様にしていることが最たる特徴だ。「もともと最初のシクロクロスバイクはシングルスピード仕様にしていたのですが、やっぱりSS専用で作り上げられた一台が欲しくなって、えいやでオーダーしてしまいました(笑)」と言う。「パラゴンのスライダーエンドを使いたかったのですが、ベルトドライブにできると分かったので、面白そうだからやってしまえ!と」
気になるギア比は、取材時の仕様でフロントが46T、リア22Tで2.09。平坦レースでは十分に使えて調子が良いのだそう。さらにトレイル遊び用として1.9にギア比を設定するコグも所有し、さらに40Cまでのワイドタイヤを装着できるようオーダー。そしてベルトが外れないため、チェーンと比べて荒れた場所を走るのにも適しているんだとか。
鮮やかなペイントのモチーフは、2台目のgeekhouse=弐号機から。しかしSNS上でのアメリカ人の反応は「マクドナルド!」が多いそう。パーツ面でもシンプルなハンドル周りのTRPブレーキやヴェロシティのチューブラーリムと組み合わせたクリスキングのハブ、ヘッドセットなど、どこにも隙の無い仕上がりに思わず見とれてしまいがち。
「そもそもまだシクロクロスを始めていない時期にブルーラグのメンバーと野辺山シクロクロスに出て、そこでシクロクロスの面白さに衝撃を受けまして。その翌日ブルーラグに吊るしのフレームが入荷して即決だったのですが、このブランドと出会えて良かった。いろいろと向こうでゴタゴタしてオーダーから2年半待ちでしたが、今はとても満足です。もともと遊びとして自転車を始めているので、その範囲をどんどんと広く、濃くして楽しんでいければいいですね」
高倉剛さん(12So)スティーブンス SUPER PRESTIGE DISC
はるばる高知から飛行機を使ってシクロクロス東京に参加した高倉剛さん(12So)のバイクは、グリーンの迷彩カラーが強く印象的なスティーブンスのSUPER PRESTIGE DISC。2年前の元世界王者であるマテュー・ファンデルポール(オランダ、ベオバンク、コレンドン)も愛用しているフラッグシップカーボンバイクだ。
国内販売の無い希少なスティーブンスだが、昨年にAbove bike Storeのオーナーである須崎さんがメーカーから数台を輸入した内の一台で、元々憧れがあったブランドだけに情報を聞いた時に即購入を決めたんだとか。「欲しさのあまり本国に直接問い合わせもしましたが、日本には販売できないから展開があるアジアの他の国で買ってくれ!と言われ、さすがに難易度が高く諦めていたところに須崎さんの話があったので飛びついたんです」と高倉さん。
気になる乗り味については、「すごく反応が良くて、ダウンチューブの形から担ぎやすくて良くできたバイクですよ」とコメント。コンポーネントは長年使い慣れているというカンパニョーロのブレーキ/シフターとシマノのディレイラーを組み合わせたシマニョーロで、ブレーキはTRPだ。
サドルとバーテープは、ダウンチューブのロゴと合わせてホワイトに統一しているが、これはファンデルポールのバイクからインスパイアを受けたもの。本当は粘って勝つスタイルの世界王者ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴェランダスヴィレムス・クレラン)がアイドルだそうだが、「マテューが調子良く走っている時の速さにはシビれますよね」と彼のファンでもあるそう。
納車して半年だというバイクは、愛着を感じさせるかのようにピカピカ。「できれば勝ちたいですが、最近トレーニングしていないので厳しいですね。普段はレースの他にトレイルも走るので、インナーギアを小さくしたりと工夫しています。まだ4レース目なので、丁寧に長く乗っていきたいバイクです」。
兼岡邦旭さん(チームFOCUS-WTB)のフォーカスMARES
C4で3位入賞した兼岡さんの愛車はジャーマンブランド、フォーカスのMARES CX。「スタートダッシュで失敗して前走者に引っかかっちゃって。そこの遅れを取り返そうとシングルトラックで頑張りました」という兼岡さんのこだわりは、タイヤセッティングに詰まっていた。
「もともと、前後ともにドライ向けのCROSSBOSSを履いていたのですが、大会の少し前に雨が降ったので、フロントタイヤをグリップに優れたWTBのCROSSWOLFに交換しました。おかげで、シングルトラックが攻められましたね」とのこと。
スラムの油圧ディスクをアセンブルしたバイクは、「剛性感もスルーアクスルのおかげで高くて、ハンドリングも素直でとても走りやすいです」とのこと。また、あまり見かけないのがサドルでWTBのハイテールというMTB用ショートノーズサドルを使用していた。
今井良一さん(チームCuore)のグエルチョッティ Libra Cross
グエルチョッティのCXバイク、Libra Crossを駆る今井さん。シクロクロス歴は4年ほどで、今回はマスターズへ出走されていました。イタリアの老舗ブランドバイクに、イタリアンパーツを組み合わせるという、王道ながらも最近あまり見かけないまとまりのあるコーディネートが印象的。
「自転車はずっと趣味として楽しんできていて、小さいころからカンパニョーロにとても憧れていたんですよ。もちろん使い心地も良いですので、気に入っています」と今井さん。「ホイールは、ロードで履いてたんだけどね、ちょっと硬すぎて(笑)結局シクロクロスで活躍してるんですよ」とのこと。
タイヤはチャレンジで、ハンドルやステム、シートポストはデダチャイでまとめられ、細かいところまでイタリアンブランドに対するこだわりが見て取れる中で、唯一チェーンリングのみが日本のスギノに交換されている。
text&photo:Naoki.Yasuoka,So.Isobe
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