2017/01/30(月) - 08:59
シクロクロス世界選手権が翌週に迫り、シーズンも佳境を迎えた1月22日(日)。世のクロッサーたちが昇格と残留を掛けたレースを各地で走っている中、誰がどのように楽しんだっていいCXの運動会「シクロクロス富士川」が山梨県にある道の駅富士川にて開催された。
出場して良し、観戦して良しのシクロクロスの楽しさが詰め込まれた「シクロクロス富士川 YAMANASHI CYCLE FESTIVAL」。釜無川と笛吹川の合流ポイント、山梨県南巨摩郡富士川町「道の駅富士川」を会場とした、シクロクロスという枠にとらわれずオフロードレースを楽しめるアットホームな大会だ。AJOCC登録レースにはない緩い雰囲気を味わいに、シクロワイアード編集部から車を2時間走らせ山梨県へと向かった。
道の駅富士川は、今中大介さんの等身大パネルとツールで乗った実写が展示されていたり、ツール・ド・富士川のメイン会場となったりと、山梨サイクリングの中心地。現在も建設が行われている中部横断道の増穂ICから車で1分という好立地にあり、東京からもアクセスしやすい。
朝8時、車の外気温計が指した温度は-2.0℃。寝不足のため暖房でポカポカに温まった車の中で一度目を閉じて休むことに。決して外に出たくないとかそういうのではない。10分もしないうちに、人がぞくぞくと集まり、駐車場には試走準備を行う参加者たちの声が聞こえてくる。楽しそうな雰囲気に釣られ、車のドアをあけてみる。
外は拍子抜けするほど暖かく、絶好のシクロクロス日和。道の駅富士川にある平坦の芝地をメインとした特設コースは、短い泥区間や土手の駆け上がり、ドロップオフ、キャンバーセクションも用意され、初心者にはオフロードの楽しさと難しさを感じられるように仕立てられている。
この日最初のカテゴリーはシクロクロス富士川を象徴するレースと言っても過言ではないエンジョイクラス。オフロードレースなのにロードバイクでも良いし、街乗り用クロスバイク、小径車、ママチャリだって許されている何でもありの競技だ。コスプレもOK。
鶏がガチ踏みでホールショットを狙っていたり、先頭集団で展開しているキッズは上り坂でウイリーしながら登ってきたりと色々自由だ。レースMCの高杉"Jay"二郎さんは、最後尾でのんびりスタートしたヒーローを辛辣なコメントでイジり笑いを誘うし、朝一からお祭り気分は最高潮に達する。
エンジョイクラス後のファンクラスは少し真剣なライダーが多く、先頭集団は一進一退の激しい攻防が繰り広げられる。一方で、イージーなコースにはオーバースペックなフルサスMTBに乗って参加する方もいて、肩肘をはらなくても良い様子が伝わる。みんな違って、みんな良い。それがシクロクロス富士川の良いところ。
少しピリッとした空気になったと思ったら、キッズレースが始まり場は再び和やかなムードに。選手のコールアップに元気よく返事を返す姿を見ると、親でもないが笑顔にならざるを得ない。スタートは転ばないかな?大丈夫かな?という親御さんの不安をよそに力強くキッズたちが駆け抜けていき、その後ろを親御さんたちが追いかける。
コース脇の親御さんは幼稚園や小学校の運動会のようにビデオカメラをかまえ、我が子の勇姿を撮影。キッズレースは応援とサポートに力が入っているのは、どのイベントも同じようだ。キックバイクに乗ったある子は何度も何度も転んでしまうが、笑顔を絶やすこと無く前に進んでいく。芝生コースだから転んでも痛くないのかもしれないが、子供は大人が想像するよりもずっとずっと強いのだろう。
陽が高くなり櫛形山など南アルプス、富士山の外輪山が姿を現したお昼前。早朝は早起きのサイクリストだけだった会場には、道の駅富士川に訪れた観光客や地元の方がレースの様子を伺いに来てる場面も。自転車乗りだけではなくて、様々な人の目に触れられるというのは、このイベントならではだ。
午後のプログラムが始まる前に試走時間という名のブレイクタイムが挟まれるのも嬉しい。出店していたブースの郷土料理「みみ」を頂いても良いし、フォーカスやミズタニ自転車、ジェイミスのブースで新製品をチェックや試乗してみても良いだろう。道の駅でお土産を購入するのもありだ。
しばし休憩するとAJOCCのカテゴリー1で走る選手たちがシノギを削るファストクラスがはじまる。キャンバーセクションもスイスイスイっとこなしてしまう圧倒的なテクニックやダッシュの速さを見て、ギャラリーは盛り上がる。
地元プロショップYOU CANの店長であり、この大会のディレクターでもある高野淳さんと、カテ1ライダーの香西真介さんによるデットヒートが繰り広げられ会場の熱気は最高潮に。スプリント勝負となるかと思った最終盤、香西さんがスリップ、高野さんは避けきれず足を止めてしまう。すぐさまレースに復帰した香西さんがそのまま先頭でフィニッシュ。息を呑む展開にギャラリーは満足できたはずだ。
そして、シクロクロス富士川を締める最終レースは1時間のチームエンデューロだ。ゆるーいエンジョイからはじまり、気を少し引き締めるファンレース、和やかなキッズレース、見ていてハラハラ・ドキドキするファストクラスと、メリハリのあるレースプログラムは、ゆるーく締められる。
真剣に走るチームもいれば、コスプレチーム、ファットバイクチームなどもいて、思い思いにシクロクロスを楽しむチームエンデューロ。仲間とともに1時間を走りきったライダーの顔はどれも清々しそう。笑いの絶えない楽しい大会もお開きとなった。
初めてのダートという参加者も少なくないシクロクロス富士川。AJOCC登録レースのように少し難しいコースはハードルが高いと感じるビギナーや、普段は舗装路メインだけどダートにも興味がある方にうってつけの大会だ。東京や静岡から駆けつけやすい道の駅富士川は、名産品も多く、売店でお土産を考えるのもワクワクできるため、レースついでに訪れてみても良いだろう。かくいう筆者も馬刺し定食を頂き、ゆずの葛餅を買って東京への帰路についた。
text&photo.Gakuto.Fujiwara
出場して良し、観戦して良しのシクロクロスの楽しさが詰め込まれた「シクロクロス富士川 YAMANASHI CYCLE FESTIVAL」。釜無川と笛吹川の合流ポイント、山梨県南巨摩郡富士川町「道の駅富士川」を会場とした、シクロクロスという枠にとらわれずオフロードレースを楽しめるアットホームな大会だ。AJOCC登録レースにはない緩い雰囲気を味わいに、シクロワイアード編集部から車を2時間走らせ山梨県へと向かった。
道の駅富士川は、今中大介さんの等身大パネルとツールで乗った実写が展示されていたり、ツール・ド・富士川のメイン会場となったりと、山梨サイクリングの中心地。現在も建設が行われている中部横断道の増穂ICから車で1分という好立地にあり、東京からもアクセスしやすい。
朝8時、車の外気温計が指した温度は-2.0℃。寝不足のため暖房でポカポカに温まった車の中で一度目を閉じて休むことに。決して外に出たくないとかそういうのではない。10分もしないうちに、人がぞくぞくと集まり、駐車場には試走準備を行う参加者たちの声が聞こえてくる。楽しそうな雰囲気に釣られ、車のドアをあけてみる。
外は拍子抜けするほど暖かく、絶好のシクロクロス日和。道の駅富士川にある平坦の芝地をメインとした特設コースは、短い泥区間や土手の駆け上がり、ドロップオフ、キャンバーセクションも用意され、初心者にはオフロードの楽しさと難しさを感じられるように仕立てられている。
この日最初のカテゴリーはシクロクロス富士川を象徴するレースと言っても過言ではないエンジョイクラス。オフロードレースなのにロードバイクでも良いし、街乗り用クロスバイク、小径車、ママチャリだって許されている何でもありの競技だ。コスプレもOK。
鶏がガチ踏みでホールショットを狙っていたり、先頭集団で展開しているキッズは上り坂でウイリーしながら登ってきたりと色々自由だ。レースMCの高杉"Jay"二郎さんは、最後尾でのんびりスタートしたヒーローを辛辣なコメントでイジり笑いを誘うし、朝一からお祭り気分は最高潮に達する。
エンジョイクラス後のファンクラスは少し真剣なライダーが多く、先頭集団は一進一退の激しい攻防が繰り広げられる。一方で、イージーなコースにはオーバースペックなフルサスMTBに乗って参加する方もいて、肩肘をはらなくても良い様子が伝わる。みんな違って、みんな良い。それがシクロクロス富士川の良いところ。
少しピリッとした空気になったと思ったら、キッズレースが始まり場は再び和やかなムードに。選手のコールアップに元気よく返事を返す姿を見ると、親でもないが笑顔にならざるを得ない。スタートは転ばないかな?大丈夫かな?という親御さんの不安をよそに力強くキッズたちが駆け抜けていき、その後ろを親御さんたちが追いかける。
コース脇の親御さんは幼稚園や小学校の運動会のようにビデオカメラをかまえ、我が子の勇姿を撮影。キッズレースは応援とサポートに力が入っているのは、どのイベントも同じようだ。キックバイクに乗ったある子は何度も何度も転んでしまうが、笑顔を絶やすこと無く前に進んでいく。芝生コースだから転んでも痛くないのかもしれないが、子供は大人が想像するよりもずっとずっと強いのだろう。
陽が高くなり櫛形山など南アルプス、富士山の外輪山が姿を現したお昼前。早朝は早起きのサイクリストだけだった会場には、道の駅富士川に訪れた観光客や地元の方がレースの様子を伺いに来てる場面も。自転車乗りだけではなくて、様々な人の目に触れられるというのは、このイベントならではだ。
午後のプログラムが始まる前に試走時間という名のブレイクタイムが挟まれるのも嬉しい。出店していたブースの郷土料理「みみ」を頂いても良いし、フォーカスやミズタニ自転車、ジェイミスのブースで新製品をチェックや試乗してみても良いだろう。道の駅でお土産を購入するのもありだ。
しばし休憩するとAJOCCのカテゴリー1で走る選手たちがシノギを削るファストクラスがはじまる。キャンバーセクションもスイスイスイっとこなしてしまう圧倒的なテクニックやダッシュの速さを見て、ギャラリーは盛り上がる。
地元プロショップYOU CANの店長であり、この大会のディレクターでもある高野淳さんと、カテ1ライダーの香西真介さんによるデットヒートが繰り広げられ会場の熱気は最高潮に。スプリント勝負となるかと思った最終盤、香西さんがスリップ、高野さんは避けきれず足を止めてしまう。すぐさまレースに復帰した香西さんがそのまま先頭でフィニッシュ。息を呑む展開にギャラリーは満足できたはずだ。
そして、シクロクロス富士川を締める最終レースは1時間のチームエンデューロだ。ゆるーいエンジョイからはじまり、気を少し引き締めるファンレース、和やかなキッズレース、見ていてハラハラ・ドキドキするファストクラスと、メリハリのあるレースプログラムは、ゆるーく締められる。
真剣に走るチームもいれば、コスプレチーム、ファットバイクチームなどもいて、思い思いにシクロクロスを楽しむチームエンデューロ。仲間とともに1時間を走りきったライダーの顔はどれも清々しそう。笑いの絶えない楽しい大会もお開きとなった。
初めてのダートという参加者も少なくないシクロクロス富士川。AJOCC登録レースのように少し難しいコースはハードルが高いと感じるビギナーや、普段は舗装路メインだけどダートにも興味がある方にうってつけの大会だ。東京や静岡から駆けつけやすい道の駅富士川は、名産品も多く、売店でお土産を考えるのもワクワクできるため、レースついでに訪れてみても良いだろう。かくいう筆者も馬刺し定食を頂き、ゆずの葛餅を買って東京への帰路についた。
text&photo.Gakuto.Fujiwara
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