2017/01/25(水) - 08:51
冬の寒さを逃れて、一足先にシーズンインできることで人気を集める南国ロングライドイベント、美ら島オキナワセンチュリーラン。1月15日に開催された大会のレポート後編をお届けします。前編はコチラから
第一エイドステーションとなった名護市役所を出発し、市街地を走っていると、名護市消防署のジェットスキーが隣に。海と共に生きている地域なのだな、ということを実感する。そんなことを考えつつも市街地は交通量が多いため、慎重に。しかし、名護バイパスの橋を渡ると一気に景色が変わり、「シーサイドコース」の名にふさわしい海を間近に望む絶景エリアへとワープする。
さえぎる物が何一つない大海原を眺めつつ走ることができる爽快な区間だが、裏を返せば風が直撃する区間でもある。ここは無理に頑張らず、景色を堪能しながら走るが吉。しばらく走れば、本部町のエイドが設置された「田空の駅ハーソー公園」に到着だ。
石灰岩で形成されたカルスト台地を水源とする湧き水のフプガー(大川)を中心に広がる田園地帯の風景を伝えてくれるハーソ―公園。ハーソーとは川(ハー)の畔(ソー)という意味の沖縄言葉だそう。園内には貸農園が広がり、農業をより身近にしてくれる施設だ。
そんなハーソー公園で振舞われたのは、全粒粉を使ったパンを昔から作り続けて40年の「八重岳ベーカリー」のパン、そして甘藷のスティックと黒糖。特にパンは保存料や添加物を一切に使わないオーガニックなもの。沖縄の自然にあふれる力がそのまま体にいきわたるような滋味あふれる美味しさだ。
さて、ハーソー公園を出発するといよいよコースも折り返しに近くなってくる。細やかなアップダウンをこなしながら本部半島をぐるりと周っていく。一昨年までエイドステーションとして設定されていた今帰仁城への登りは今回避けられており、走りやすさもアップしていた。今帰仁城址ではちょうど大会当日が沖縄の桜の開花日でもあり、「桜まつり」が行われているようだった。
陽も高くなっており、時間もすっかりお昼時。おなかが本格的に空きだすタイミングで3つ目のエイドとなる今帰仁村のあいあいファームが登場。廃校となった湧川小学校の跡地を利用し、宿泊やレストラン、農業体験ができるあいあいファームでは、ランチタイムということで沖縄そばとおにぎりのセットが用意されていた。
沖縄そばといえば小麦粉色の麺だが、このエイドでは黒糖のような茶色みがかった独特の麺が特徴的。麺とスープをよそってもらったら、かまぼこと三枚肉を載せ、じゅーしーと味噌のおにぎりと一緒にいただきます。原っぱとなった校庭で食べるもよし、ノスタルジックな雰囲気残す体育館で食べるもよし。ゆっくりとした時間が流れているので、ついつい腰が重くなりがちに。
しかし関門時間も設定されているので、後ろ髪ひかれつつもこのエイドを後に。次に目指すは大会のハイライトともなる古宇利島。まずは本島からワルミ大橋を渡って、屋我地島へ。このワルミ大橋も屋我地島、そしてその背後にひろがるやんばるの自然を一望できる絶景スポット。北風がワルミ海峡を吹き抜けるとジェット気流のようになるようで、橋の上はかなりの強風だったが、立ち停まる価値はある。
ワルミ大橋からも見えるのが、屋我地島と古宇利島をつなぐ古宇利大橋だ。全長1,960mと国内の通行料金が不要な橋としては2番目の長さを誇る橋は、まるで海の上を滑走しているかのよう。360度を青い海に囲まれながら自転車を走らせるなんてシチュエーションはなかなか味わえない、特別な体験だ。
橋を渡り切った古宇利島ふれあい広場では、疲れた身体を引き締めてくれる琉球もろみ酢や、紅芋サーターアンダギーがお出迎え。ここまでくれば、あとは一路ゴールへと南下していくのみ。ここからは悩まされていた北風も追い風となり、快速ライドが楽しめる。
古宇利大橋を戻っていくが、追い風効果はてきめんでパワーとスピードの比率がこれまでとは明らかに違う高レートに。屋我地島の湿地帯を駆け抜け、奥武島を経由して沖縄本島へと戻っていく。そこからは、ツール・ド・おきなわの最終局面とも共通するコースを走りながら、最後のエイドステーションとなるJAファーマーズマーケットやんばるへ駆け込む。
タンカンとくがに、二つの柑橘類の酸味が体にしみわたり、最後の区間に向けて気を引き締めてくれる。このエイドには、なんとチームUKYOの選手たちが合宿中に立ち寄っているという嬉しいサプライズもありつつ、ラスト25kmに向けて気合を入れなおす。
朝に通った国道58号線を南下し、目指すはゴール。一日走りどおしで脚も残り少ないけれど、追い風が背中を押してくれる。ところどころ路面も悪いため、最後だからといって気を抜かずに走りたいところ。細かなアップダウンをこなせば、ゴールとなる恩納村コミュニティセンターはすぐそこだ。
フィニッシュ地点ではゴールに駆け込んでくる参加者たちをひとりひとりMCが実況して出迎えてくれる。一人で走り切った人もいれば、友達や夫婦でゴールを迎える人、そして10人以上で一斉にフィニッシュするチームも。ゴールの様子はそれぞれだが、100kmを走り切った感動はきっと皆同じくらい大きいはずだ。
フィニッシュ後にはアフターパーティーが開催され、ステージ前に置かれた飲食エリアで沖縄名物をいただく人たちも。最後は、これまた豪華景品(なんと注目は10万円分のANA航空券!)がゲットできる大じゃんけん大会が催され、大盛り上がりのうちに、今年の美ら島オキナワセンチュリーランは幕を下ろした。
しかしレポートはまだまだ続きます。次回は新入り編集部員のムラタが走った160kmセンチュリーコースの模様をお伝えします。お楽しみに。
text&photo:Naoki.YASUOKA
第一エイドステーションとなった名護市役所を出発し、市街地を走っていると、名護市消防署のジェットスキーが隣に。海と共に生きている地域なのだな、ということを実感する。そんなことを考えつつも市街地は交通量が多いため、慎重に。しかし、名護バイパスの橋を渡ると一気に景色が変わり、「シーサイドコース」の名にふさわしい海を間近に望む絶景エリアへとワープする。
さえぎる物が何一つない大海原を眺めつつ走ることができる爽快な区間だが、裏を返せば風が直撃する区間でもある。ここは無理に頑張らず、景色を堪能しながら走るが吉。しばらく走れば、本部町のエイドが設置された「田空の駅ハーソー公園」に到着だ。
石灰岩で形成されたカルスト台地を水源とする湧き水のフプガー(大川)を中心に広がる田園地帯の風景を伝えてくれるハーソ―公園。ハーソーとは川(ハー)の畔(ソー)という意味の沖縄言葉だそう。園内には貸農園が広がり、農業をより身近にしてくれる施設だ。
そんなハーソー公園で振舞われたのは、全粒粉を使ったパンを昔から作り続けて40年の「八重岳ベーカリー」のパン、そして甘藷のスティックと黒糖。特にパンは保存料や添加物を一切に使わないオーガニックなもの。沖縄の自然にあふれる力がそのまま体にいきわたるような滋味あふれる美味しさだ。
さて、ハーソー公園を出発するといよいよコースも折り返しに近くなってくる。細やかなアップダウンをこなしながら本部半島をぐるりと周っていく。一昨年までエイドステーションとして設定されていた今帰仁城への登りは今回避けられており、走りやすさもアップしていた。今帰仁城址ではちょうど大会当日が沖縄の桜の開花日でもあり、「桜まつり」が行われているようだった。
陽も高くなっており、時間もすっかりお昼時。おなかが本格的に空きだすタイミングで3つ目のエイドとなる今帰仁村のあいあいファームが登場。廃校となった湧川小学校の跡地を利用し、宿泊やレストラン、農業体験ができるあいあいファームでは、ランチタイムということで沖縄そばとおにぎりのセットが用意されていた。
沖縄そばといえば小麦粉色の麺だが、このエイドでは黒糖のような茶色みがかった独特の麺が特徴的。麺とスープをよそってもらったら、かまぼこと三枚肉を載せ、じゅーしーと味噌のおにぎりと一緒にいただきます。原っぱとなった校庭で食べるもよし、ノスタルジックな雰囲気残す体育館で食べるもよし。ゆっくりとした時間が流れているので、ついつい腰が重くなりがちに。
しかし関門時間も設定されているので、後ろ髪ひかれつつもこのエイドを後に。次に目指すは大会のハイライトともなる古宇利島。まずは本島からワルミ大橋を渡って、屋我地島へ。このワルミ大橋も屋我地島、そしてその背後にひろがるやんばるの自然を一望できる絶景スポット。北風がワルミ海峡を吹き抜けるとジェット気流のようになるようで、橋の上はかなりの強風だったが、立ち停まる価値はある。
ワルミ大橋からも見えるのが、屋我地島と古宇利島をつなぐ古宇利大橋だ。全長1,960mと国内の通行料金が不要な橋としては2番目の長さを誇る橋は、まるで海の上を滑走しているかのよう。360度を青い海に囲まれながら自転車を走らせるなんてシチュエーションはなかなか味わえない、特別な体験だ。
橋を渡り切った古宇利島ふれあい広場では、疲れた身体を引き締めてくれる琉球もろみ酢や、紅芋サーターアンダギーがお出迎え。ここまでくれば、あとは一路ゴールへと南下していくのみ。ここからは悩まされていた北風も追い風となり、快速ライドが楽しめる。
古宇利大橋を戻っていくが、追い風効果はてきめんでパワーとスピードの比率がこれまでとは明らかに違う高レートに。屋我地島の湿地帯を駆け抜け、奥武島を経由して沖縄本島へと戻っていく。そこからは、ツール・ド・おきなわの最終局面とも共通するコースを走りながら、最後のエイドステーションとなるJAファーマーズマーケットやんばるへ駆け込む。
タンカンとくがに、二つの柑橘類の酸味が体にしみわたり、最後の区間に向けて気を引き締めてくれる。このエイドには、なんとチームUKYOの選手たちが合宿中に立ち寄っているという嬉しいサプライズもありつつ、ラスト25kmに向けて気合を入れなおす。
朝に通った国道58号線を南下し、目指すはゴール。一日走りどおしで脚も残り少ないけれど、追い風が背中を押してくれる。ところどころ路面も悪いため、最後だからといって気を抜かずに走りたいところ。細かなアップダウンをこなせば、ゴールとなる恩納村コミュニティセンターはすぐそこだ。
フィニッシュ地点ではゴールに駆け込んでくる参加者たちをひとりひとりMCが実況して出迎えてくれる。一人で走り切った人もいれば、友達や夫婦でゴールを迎える人、そして10人以上で一斉にフィニッシュするチームも。ゴールの様子はそれぞれだが、100kmを走り切った感動はきっと皆同じくらい大きいはずだ。
フィニッシュ後にはアフターパーティーが開催され、ステージ前に置かれた飲食エリアで沖縄名物をいただく人たちも。最後は、これまた豪華景品(なんと注目は10万円分のANA航空券!)がゲットできる大じゃんけん大会が催され、大盛り上がりのうちに、今年の美ら島オキナワセンチュリーランは幕を下ろした。
しかしレポートはまだまだ続きます。次回は新入り編集部員のムラタが走った160kmセンチュリーコースの模様をお伝えします。お楽しみに。
text&photo:Naoki.YASUOKA
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