9月下旬、東京都千代田区の科学技術館にてインターマックス2017展示会が開催された。今季より本格展開を開始するアメリカのホイールブランド「ジップ」や、スラムのロードコンポーネントなど注目のプロダクトが集結した展示会の模様を紹介しよう。



海外ブランドに加え、インターマックス厳選の国内ブランドもブースを構えた海外ブランドに加え、インターマックス厳選の国内ブランドもブースを構えた インターマックスが取り扱う数々のブランドから新製品が集結したインターマックスが取り扱う数々のブランドから新製品が集結した


インターマックスが新たな国内代理店となったジップインターマックスが新たな国内代理店となったジップ
クォータ、プロロゴ、メット、カステリを始めとしたイタリアンブランドに加え、近年はアルゴン18やステージズパワー、スラム、ジップなどの北米系ブランドまで、世界各国の有力ブランド取り扱うインターマックス。提携するブランド数は40以上にも昇る。

9月下旬に開催された展示会で、最も大きな注目を集めたのが、7月よりインターマックスが代理店を務めるアメリカのカーボンホイールブランド「ZIPP(ジップ)」だ。アメリカ本国よりPRのためにスコット・ホワイトマン氏が来場し、ショップやメディアの関係者にPRを行った。

受注発注とはなるが、デカールのカラーオプションも用意される受注発注とはなるが、デカールのカラーオプションも用意される クリンチャー専用設計の「NSW」リムは、ブレーキ面に制動力を高める溝が設けられているクリンチャー専用設計の「NSW」リムは、ブレーキ面に制動力を高める溝が設けられている

綺麗な仕上げのビードフック綺麗な仕上げのビードフック NSWはハブの設計も他モデルとは異なるNSWはハブの設計も他モデルとは異なる


ルマン24時間耐久レースやF1のモナコGPと並び、世界3大自動車レースとされるインディ500。その舞台であるインディアナポリスモータースピードウェイからほど近い場所にジップの本拠地はある。1988年の創業時からエアロダイナミクスと軽量性を追求したカーボンホイールを創り続け、トップアスリートと共に数多くのビッグレースで勝利してきた。

ロードレースでは、2008年にカルロス・サストレ(スペイン)と共にブランド初のツール・ド・フランス優勝を達成。2010年のパリ~ルーベでファビアン・カンチェラーラ(スイス)の圧勝をサポートし、史上初めて北の地獄を制したカーボンホイールになり、「カーボンホイールはデリケートなもの」という常識を打ち破る。また、トライアスロン界でのシェアも高く、アイアンマン・コナのバイクカウントでは何度もホイール部門の首位を獲得している。

キャニオンスラムカラーのディスクホイール「SUB9」と、本国スタッフのスコット・ホワイトマン氏キャニオンスラムカラーのディスクホイール「SUB9」と、本国スタッフのスコット・ホワイトマン氏
現在は多くのブランドからカーボンホイールがリリースされているが、その中でもジップが持ち味としているのは剛性や強度だという。「入社する前からジップの大ファンだったんだ」と語るホワイトマン氏は、アマチュアのトラックレーサーとして活躍する健脚の持ち主。「ジップが持つ最大の強みは剛性ですね。弊社が他に先じて取り入れたワイドリムの効果が大きく、ナローリムの軽さと比較しても、高効率な走りを実現しています」。

また強度については、「トラックバイクの場合はチューブラーが必須ですが、ロードバイクではクリンチャーを使用しています。なによりタイヤ交換が容易なのがメリットなのですが、充分に軽く、ハイパワーなライダーからも強度で信頼を得ています」とホワイトマン氏。ロードの様にレース中のニュートラルサポートが無いトライアスロンではクリンチャーホイールのシェアも高い。それだけに、ジップはクリンチャーホイールをバリエーション豊富に揃えており、中には「NSW」という専用設計モデルも。

ジップは、、ハンドルを始めとしたコックピット系パーツもバリエーション豊富に国内展開されるジップは、、ハンドルを始めとしたコックピット系パーツもバリエーション豊富に国内展開される メカニカルシフトのスラムコンポーネントも、もちろん取り揃えられるメカニカルシフトのスラムコンポーネントも、もちろん取り揃えられる

好調なセールスを記録中のスラム RED eTap好調なセールスを記録中のスラム RED eTap チームスカイが使用するステージズパワーのパワーメーターチームスカイが使用するステージズパワーのパワーメーター


国内では、TT用ディスクや、ディスクブレーキ対応モデルなど。主要ラインアップのほとんどが展開される。そして、いずれのモデルも価格が引き下げられており、例えばプロ使用率No.1の303 Firecrest Tubularは税別で253,800円(前後ペア、税別)と、競合モデルと同水準に。また、ハンドルを始めとしたコックピット系パーツも、バリエーション豊富に国内展開される。

ジップを傘下に収めるスラムは、無線変速コンポーネント「RED eTap」が好調なセールスを記録。先日のユーロバイクでアワードを受賞した油圧ディスクブレーキバージョンや、WiFLi(ロングゲージ)リアディレーラーも追ってリリースされるという。

エンデュランスロードのKIRALにもカモフラージュカラーが登場エンデュランスロードのKIRALにもカモフラージュカラーが登場 エントリーグレードのKOBALTには新色が追加されたエントリーグレードのKOBALTには新色が追加された


インターマックスの木下雅之さんと、一押しプロダクトのクォータ K-ALL ROAD DISC LFSインターマックスの木下雅之さんと、一押しプロダクトのクォータ K-ALL ROAD DISC LFS
インターマックスが長年に渡って国内代理店を務めるクォータからは、エンデュランスロードの新機種「K-ALL ROAD DISC LFS」が登場した。ディスクブレーキや大きなタイヤクリアランスを備え、オンロードのみならず、グラベルにも対応。カモフラージュのグラフィックも特徴である。

来シーズンからは、ファビオ・アル(イタリア)らを擁するアスタナへの機材供給が決定しているアルゴン18。ユーロバイクで発表されたオールラウンドモデル「GALLIUM PRO」のディスクブレーキ仕様は展示が無かったものの、プロが使用するエアロロード「NITROGEN PRO」や、TTバイク「E-118 NEXT」など、国内取扱の全車種が並べられた。

アルゴン18が誇るプロユースモデル「NITROGEN PRO」と「GALIUM PRO」アルゴン18が誇るプロユースモデル「NITROGEN PRO」と「GALIUM PRO」 ボーラ・アルゴン18が使用するTTバイク「E-118 NEXT」ボーラ・アルゴン18が使用するTTバイク「E-118 NEXT」


デダチャイストラーダの新型カーボンロードVERTIGNEデダチャイストラーダの新型カーボンロードVERTIGNE
シンプルながらもレーシーなグラフィックをまとうシンプルながらもレーシーなグラフィックをまとう 鮫肌のような触り心地が特徴的なスクアーロバーテープ鮫肌のような触り心地が特徴的なスクアーロバーテープ


デダチャイストラーダからは、ミドルグレードの新型カーボンロード「VERTIGNE」が登場。シンプルで直線的なフレームワークが特徴だが、素材には東レ製カーボンを採用する。見た目にはコンペティティブな印象を受けるが、ロングライド等に向くという。

ディメンションデータをサポートするイタリアのヘルメットブランドMET(メット)からは、新たなエントリーグレードモデル「STARALE」が登場。昨年デビューしたプロユースモデルのRIVALEとMANTAから流れを汲み、シェルをセミエアロ形状としたことが特徴だ。加えて、軽量性にも優れている。恐らく5年前なら倍以上の値段でもおかしくないほどに、仕上がりも良好だ。

RIVALEとMANTAには新色が追加され、昨年よりプライスダウンとなったRIVALEとMANTAには新色が追加され、昨年よりプライスダウンとなった METの新型エントリーグレードヘルメット「STARALE」METの新型エントリーグレードヘルメット「STARALE」

プロロゴはCPCモデルをリニューアルプロロゴはCPCモデルをリニューアル F1のステアリングにも用いられるラバーを座面に配したCPCモデルF1のステアリングにも用いられるラバーを座面に配したCPCモデル

デザインを一新し、よりシンプルで洗練されたルコックスポルティフのウェアデザインを一新し、よりシンプルで洗練されたルコックスポルティフのウェア 国内プロを支えるホルメンコールのケミカルたち国内プロを支えるホルメンコールのケミカルたち


展示は間に合わなかったものの、パワーメーターのステージズパワーからは、ブランドオリジナルのディスプレーユニット「DASH」が国内でも展開されることがアナウンスされた。イタリアに拠点を構えるサドルブランドのプロロゴは、座面にすべり止め素材を配置した「CPC」シリーズをリニューアル。ショック吸収性とショーツ~サドル間の通気性を向上させた。

この他にも、ルコックスポルティフやホルメンコール、ジクタスなどのインターマックス提携ブランドも展示されており、会場は常時ショップ関係者で賑わいを見せてた。今回紹介したものを始め、インターマックス取り扱いの注目製品はレビューコーナーで随時詳しく紹介予定だ。お楽しみに。

text&photo:Yuya.Yamamoto

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